2024年 理工学部 シラバス - 教養教育・外国語・保健体育・共通基礎
設置情報
科目名 |
科学技術と人間
科学と疑似科学の境界設定問題
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設置学科 | 一般教育 | 学年 | 2年 |
担当者 | 工藤 怜之 | 履修期 | 後期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 水曜2 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | U32P |
クラス | 2年⽣は機械・電気・数学・まちのみ。3年⽣以上は全学科。 | ||
履修系統図 | 履修系統図の確認 |
概要
学修到達目標 | 科学と疑似科学(ニセ科学)は何が違うのかという問いの検討を通じて、科学哲学の入門的講義を行います。現代社会では科学が大きな権威を持ち、「科学的/非科学的」という言葉が使われるときには、実践上の重要な帰結を伴う価値評価が込められています。しかし、何かを「科学的/非科学的」と呼ぶ根拠は一体どんなもので、これらの言葉はどんな意味を持つと理解すればよいのでしょうか。このような問いに哲学の見地から取り組むことで、以下の目標の達成を目指します。 (1)身の回りの科学に関する言説および科学っぽいものに関する言説に対して、批判的態度で考えられるようになること。 (2)哲学的なものの見方や議論の方法を知ること。 (3)これらのために、言葉を注意深く丁寧に使う姿勢を身に着けること。 |
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授業形態及び 授業方法 |
対面授業を行います。授業のハンドアウトおよび参考資料(文献の抜粋)を配布するので、受講者には事前学習としてそれらに目を通しておくことが求められます。また、毎回の授業後に、リアクションペーパーを提出してもらいます(紙ではなく、Google Formsなどで電子的に回収します)。グループワークを行う予定はありません。 |
履修条件 | 予備知識なしで履修できるように授業を行うつもりですが、「科学技術史」を履修していると理解の助けになるでしょう。 |
ディプロマ・ポリシー(DP)及びカリキュラム・ポリシー(CP)との関連 | 本授業科目はDP1・2・3及びCP1・2・3に該当しています。 |
授業計画
第1回 | ガイダンス:科学哲学とはどんな学問分野か、科学と疑似科学の線引き問題とは何か | 【事前学習】シラバスを読んで理解しておく 【事後学習】授業の内容を復習し、リアクションペーパーを提出する | 【事前学習】1時間 【事後学習】2時間 |
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第2回 | 帰納法1:帰納とは何か、帰納の信頼性に対する懐疑 | 【事前学習】予習資料を読む 【事後学習】授業の内容を復習し、リアクションペーパーを提出する | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
第3回 | 帰納法2:法則と偶然の区別、理論の過少決定 | 【事前学習】予習資料を読む 【事後学習】授業の内容を復習し、リアクションペーパーを提出する | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
第4回 | 仮説演繹法1:仮説演繹法とは何か | 【事前学習】予習資料を読む 【事後学習】授業の内容を復習し、リアクションペーパーを提出する | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
第5回 | 仮説演繹法2:仮説演繹法に対する疑問点 | 【事前学習】予習資料を読む 【事後学習】授業の内容を復習し、リアクションペーパーを提出する | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
第6回 | 反証主義1:反証主義とは何か | 【事前学習】予習資料を読む 【事後学習】授業の内容を復習し、リアクションペーパーを提出する | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
第7回 | 反証主義2:反証主義に対する批判 | 【事前学習】予習資料を読む 【事後学習】授業の内容を復習し、リアクションペーパーを提出する | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
第8回 | パラダイム論1:パラダイムとは何か | 【事前学習】予習資料を読む 【事後学習】授業の内容を復習し、リアクションペーパーを提出する | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
第9回 | パラダイム論2:パラダイム論と線引き問題 | 【事前学習】予習資料を読む 【事後学習】授業の内容を復習し、リアクションペーパーを提出する | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
第10回 | 論文を読んでみる1:科学と疑似科学の線引きは歴史に相対的か | 【事前学習】予習資料を読む 【事後学習】授業の内容を復習し、リアクションペーパーを提出する | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
第11回 | 論文を読んでみる2:科学と疑似科学の線引きは社会とどう関係するのか | 【事前学習】予習資料を読む 【事後学習】授業の内容を復習し、リアクションペーパーを提出する | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
第12回 | 事例1:血液型性格判断 | 【事前学習】予習資料を読む 【事後学習】授業の内容を復習し、リアクションペーパーを提出する | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
第13回 | 事例2:占星術 | 【事前学習】予習資料を読む 【事後学習】授業の内容を復習し、リアクションペーパーを提出する | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
第14回 | 事例3:創造科学 | 【事前学習】予習資料を読む 【事後学習】授業の内容を復習し、リアクションペーパーを提出する | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
第15回 | 授業全体のまとめ(予備) | 【事後学習】授業全体の内容を復習し、リアクションペーパーを提出するとともに、試験の準備をする | 【事後学習】5時間 |
その他
教科書 |
授業内容のハンドアウトおよび参考資料を配布します。
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参考書 |
伊勢田哲治 『疑似科学と科学の哲学[9784815804532]』 名古屋大学出版会 2003年
戸田山和久 『科学哲学の冒険』 日本放送出版協会[9784140910224] 2005年
その他の参考書は授業時に適宜紹介します。
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成績評価の方法 及び基準 |
各回のリアクションペーパー(40%)および定期試験(60%)で評価します。科学哲学の基本的な概念を理解し、それを具体例に適用できるかどうかを評価の基準とします。概念を理解していることを示すためには、自分なりに言葉を尽くして、他人に伝わるように説明を行うことが求められるため、基本的には論述式の問題で成績を評価する予定です。 |
質問への対応 | 授業後に対応します。また、各回のリアクションペーパーに自由に質問を書くこともでき、それに対しては、原則として翌回の授業で回答します。 |
研究室又は 連絡先 |
kudo.satoshi24@nihon-u.ac.jp |
オフィスアワー | |
学生への メッセージ |
哲学の議論は、ただ聞く・読むのではなく、自分の問題として考えることではじめてよくわかる面があるので、「なぜこんな問題を考える必要があるのか」という自分なりの問題意識を持って講義を受けられると望ましいです。理屈っぽく考えるのが好きな人(そのせいで多数派とのコミュニケーションに苦労する人)、まわりの人が気に留めていないように見えることが腑に落ちずにもやもやする人、自分の考えを言語化することの難しさを知っている人などには、わりと合っているかもしれません(保証はできませんが)。積極的な質問は歓迎します。 |