教）教育相談 (Y15B)

日本大学理工学部

2024年理工学部シラバス - 教養教育・外国語・保健体育・共通基礎

設置情報

科目名	教）教育相談
設置学科	一般教育	学年	2年
担当者	伊藤　令枝	履修期	前期
単位	2	曜日時限	月曜5
校舎	駿河台	時間割CD	Y15B
クラス

概要

学修到達目標	学校における教育カウンセリング（教育相談）の基本を理解し、児童生徒に対して、そして、教育に対して真摯に向き合う態度を身につける。また、カウンセリング・マインドを理解し、共感的理解や受容的態度などの基本的技能を習得する。青少年を取り巻く様々な問題を把握するだけでなく、スクールカウンセラーや、青少年問題を扱う専門機関との連携の必要性を理解する。
授業形態及び授業方法	対面授業で実施される。教育相談活動、各種心理療法やカウンセリング・マインドに関する理論、不登校やいじめなどの諸問題については、板書とスライド掲示を併用した講義とする。共感的理解、受容的態度、積極的傾聴などの技能の習得にあたっては、ビデオ教材を活用するとともに、グループでのワークショップを実施する。毎回、授業内容に応じた資料を配布する。
履修条件	「発達と学習」を受講済みであることが望ましい。
ディプロマ・ポリシー（DP）及びカリキュラム・ポリシー（CP）との関連

授業計画

第1回	教育相談へのアプローチ－教育相談活動の意義と内容、教育相談活動の歴史と展開、履修するうえでの心構え、学習の進め方	【事前学習】教科書の第1章を熟読する。【事後学習】自分自身の将来像をイメージしながら、教師としての資質を向上させようとする心構えを整える。	【事前学習】1時間【事後学習】2時間
第2回	教育相談活動と児童生徒理解－心理検査、質問紙調査、観察法、面接・面談による児童生徒理解、教師と児童生徒との相互作用	【事前学習】エリクソンの発達理論について再学習し、教科書の第2～3章を熟読する。【事後学習】中高生の教師に対する態度について、自己の経験から具体的にふりかえる。	【事前学習】2時間【事後学習】2時間
第3回	教育相談活動と連携－校務分掌と校内連携、チーム支援、スクールカウンセラー制度、外部専門機関との連携、教師の役割と専門性	【事前学習】教科書の第11～13章を熟読する。【事後学習】出身校や実習先、学生相談室等のスクールカウンセラーに話を聞き、カウンセリングやスクールカウンセラー制度について具体的に理解する。	【事前学習】2時間【事後学習】3時間
第4回	不登校－不登校とその実態、不登校の背景とメカニズム、不登校対応のための視点	【事前学習】教科書の第10章を熟読する。【事後学習】地方自治体の教育委員会が所管する教育相談所（室）について調べる。	【事前学習】2時間【事後学習】2時間
第5回	いじめ－いじめの定義と特徴、ネットいじめ、いじめの発生する背景、いじめに対する基本的認識、早期対応の重要性	【事前学習】教科書の第9章を熟読するとともに、旧文部省・文部科学省によるいじめの定義を調べる。【事後学習】ネットいじめの特徴を調べ、よりよい対応や対策を考える。	【事前学習】1時間【事後学習】3時間
第6回	非行と暴力－非行とその実態、現代の非行の特徴、薬物乱用とその危険性、学校での暴力行為、非行対応と外部連携	【事前学習】教科書の第15章を熟読する。【事後学習】非行少年に対する指導案を考える。	【事前学習】1時間【事後学習】3時間
第7回	児童虐待－児童虐待とその実態、児童虐待による身体的・精神的影響、早期発見の意義と学校の役割	【事前学習】教科書の第14章を熟読する。【事後学習】児童虐待が疑われる事態に遭遇した時に、教師として行える支援を考える。	【事前学習】1時間【事後学習】3時間
第8回	自殺と自傷行為－日本における自殺の特徴、追いつめられる青年の心理、自傷行為の実態とメカニズム、対応の原則	【事前学習】教科書の第6章を熟読する。【事後学習】参考書「中高生のためのメンタル系サバイバルガイド」を熟読する。	【事前学習】1時間【事後学習】3時間
第9回	発達障害（1）－発達障害の定義、学習障害(SLD)の理解、注意欠陥多動性障害（ADHD）の理解、学校での指導と支援	【事前学習】教科書の第4章を熟読する。【事後学習】学習障害をもつ子どもに対する学習支援の方法を考える。	【事前学習】1時間【事後学習】3時間
第10回	発達障害（2）－自閉性スペクトラム障害（ASD）の理解、「心の理論」とASD、学校での指導と支援	【事前学習】教科書の第5章を熟読する。【事後学習】コミュニケーションに著しい困難を抱える子どもに対する支援の方法を考える。	【事前学習】2時間【事後学習】2時間
第11回	カウンセリング・マインド（1）－クライエント中心療法の概要、カウンセラーに求められる基本的姿勢、カウンセリング・マインドとその活用	【事前学習】教科書の第7～8章を熟読する。【事後学習】日常生活のさまざまな場面で、他者の良さに気づく訓練を意識的に行う。	【事前学習】1時間【事後学習】3時間
第12回	カウンセリング・マインド（2）－精神分析療法の概要、他者を「聴く」こと・理解することとその実践、他者を思いやることとその実践	【事前学習】親に対して、そして友人に対して、自分がとっている態度を客観的に顧みる。【事後学習】誰に対しても誠実に接することを意識しながら行動し、その過程を記録する。	【事前学習】2時間【事後学習】2時間
第13回	カウンセリング・マインド（3）－行動療法の概要、他者の気持ちを聴くために必要なこととその実践、共感的理解と受容的態度	【事前学習】他者の話を聞く時の自分の態度について、客観的に顧みる。【事後学習】日常生活の中で、共感的理解と受容的態度をもって他者に接する訓練を行う。	【事前学習】2時間【事後学習】2時間
第14回	カウンセリング・マインド（4）－認知行動療法の概要、他者の気持ちと自分の気持ちの違いに気づくこととその実践、自己の状態への着目	【事前学習】他者の話を聴く時に、他者の感情や思いをキャッチすることを心がける。【事後学習】自分自身の思いや感情を他者に伝えるにはどうしたらよいか考え、日常生活の中で実践する。	【事前学習】2時間【事後学習】2時間
第15回	平常試験及びその解説	【事前学習】半期間の授業を通して学習した内容を整理する。【事後学習】学生同士で教育相談にかかわるロールプレイングを行う。	【事前学習】2時間【事後学習】2時間

その他

教科書	藤田主一・齋藤雅英・宇部弘子・市川優一郎（編）『こころの発達によりそう教育相談』［978-4-571-24067-6］福村出版 2018年
参考書	松本俊彦（編）『中高生のためのメンタル系サバイバルガイド』こころの科学増刊［978-4-535-90428-6］日本評論社 2012年松本俊彦・岩室紳也・古川潤哉（編）『中高生からのライフ＆セックスサバイバルガイド』こころの科学増刊［978-4-535-90440-8］日本評論社 2016年仙崎武・野々村新・渡辺三枝子・菊池武剋（編）『改訂　生徒指導・教育相談・進路指導』［978-4-86089-036-0］田研出版 2012年内藤佳津雄・北村世都・鏡直子（編）『発達と学習』 Next教科書シリーズ［978-4-335-00244-1］弘文堂 2020年第2版藤田主一・齋藤雅英・宇部弘子（編）『新　発達と教育の心理学』［978-4-571-22051-7］福村出版 2013年和田万紀（編）『教育心理学』 Next教科書シリーズ［978-4-335-00212-0］弘文堂 2014年その他、授業中に適宜紹介する。
成績評価の方法及び基準	平常試験（約40%）、実習への取り組みとそれに伴う課題（約40%）、レポート（約20%）による総合評価とする。各課題や平常試験等の詳細については、授業内で連絡と解説を行う（ただし、提出物は返却しない）。
質問への対応	授業前後に受け付ける。
研究室又は連絡先	授業前後に駿河台校舎1号館講師室に在室している。メールや電話等による問い合わせは、原則的に不可とする。
オフィスアワー
学生へのメッセージ	講義に関連する事項を各自で調べて理解を深めるとともに、児童生徒の実態の把握に努めてほしい。ただし、情報収集を行う時には、その信頼性に留意するとともに、単一情報にかたよらないように心がけてほしい。与えられた課題や実習をただ闇雲にこなすのではなく、学校教育に関心を持って、有意味的に学習に取り組むことを期待している。そして、自分自身に真摯に向き合い、周囲の人々に謙虚さと思いやりをもって接してほしい。また、ワークショップへの積極的な参加を期待する。この体験的学習を通して、カウンセリング・マインドの習得をめざすだけでなく、自分自身のこころの状態と行動をふりかえり、よりよい対人関係を構築する契機としてほしい。実習を行う際は、参加者同士の誠実性と相互協力の姿勢が必須である。そして、ワークショップ実施中に他者から得た個人情報を、外部に漏らしたり、授業以外の目的のために使用したりしてはならない。授業に支障をきたすおそれがあるため、授業内容の録音録画等を禁止する。身体的・精神的健康に十分留意してほしい。（本シラバスの最終更新日2024/03/11）

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