2024年 大学院理工学研究科 シラバス - 土木工学専攻
設置情報
科目名 |
構造メンテナンス工学
構造メンテナンス工学
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設置学科 | 土木工学専攻 | 学年 | 1年 |
担当者 | 小西 拓洋 | 履修期 | 前期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 木曜5 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | A45A |
クラス | |||
その他 | 実務経験のある教員による授業科目 |
概要
学修到達目標 | 橋梁を対象として,構造物の破壊から守る設計,製作,維持管理技術を学ぶ. 橋梁の事故事例から破壊の原因となった設計、製作施工上の問題点を知り、その破壊を防止するための設計技術、製作施工技術を学ぶ. そのような破壊を防止するための構造物の維持管理技術を学ぶ。 鋼、コンクリート部材の破壊に関わる構造力学を重点的に学習する。 |
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授業形態及び 授業方法 |
①「対面授業」でパワーポイントを使用して講義を行う。 ② 破壊事例の調査報告会、設計演習を授業時間内に行う. ③ 各自が考え答えを見つけるケーススタディ討議を2回程度実施する。 ④ 事例調査、学習内容に関する課題をホームワークとして与える。 |
準備学習(予習・ 復習等)の内容・ 受講のための 予備知識 |
講義テキストを配布する.授業の内容を予習しておくことが必要. |
授業計画
第1回 | 材料の力学的性質:鋼材に設計荷重が作用しても通常は破壊しない。どのような条件で鋼材は通常の荷重下で破壊するのか。強くて弱い鋼材の力学的性質を理解する. | 事前学修:配布資料を読んで質問事項をまとめること 事後学修:授業内容をまとめること | 事前学修:2時間 事後学修:2時間 |
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第2回 | 鋼部材の破壊:鋼部材の破壊はどのような場合に起きるのか、その破壊形態(脆性破壊と延性破壊の違い,疲労破壊)について学ぶ. | 事前学修:配布資料を読んで質問事項をまとめること 事後学修:授業内容をまとめること | 事前学修:2時間 事後学修:2時間 |
第3回 | 鋼橋の破壊:これまでに起きた鋼橋の事故原因を調べ、なぜ橋が壊れるかを学ぶ。 | 事前学修:配布資料を読んで質問事項をまとめること 事後学修:授業内容をまとめること | 事前学修:2時間 事後学修:2時間 |
第4回 | 引張り部材の破壊:引張り部材の耐力評価法について学ぶ.なぜ正しく設計された部材が破壊するのか、その理由、対策を考える。(部材内部の応力分布は設計と差異が生じる。その理由、対策を考える) | 事前学修:配布資料を読んで質問事項をまとめること 事後学修:授業内容をまとめること | 事前学修:2時間 事後学修:2時間 |
第5回 | 引張部材の破壊制御:ケーブルなど主要引張り部材の破壊とその制御:引張部材の破壊がどのような場合に発生するか,特に環境誘因破壊に対する制御(防食)について説明する. | 事前学修:配布資料を読んで質問事項をまとめること 事後学修:授業内容をまとめること | 事前学修:2時間 事後学修:2時間 |
第6回 | 圧縮部材の破壊:圧縮部材の主たる破壊現象である座屈について基本理論を学ぶ。 | 事前学修:配布資料を読んで質問事項をまとめること 事後学修:授業内容をまとめること | 事前学修:2時間 事後学修:2時間 |
第7回 | 圧縮部材の破壊制御:座屈による破壊は大事故となる場合が多い、事例をもとに原因を調べ、防止対策を学ぶ。 | 事前学修:配布資料を読んで質問事項をまとめること 事後学修:授業内容をまとめること | 事前学修:2時間 事後学修:2時間 |
第8回 | 継手の破壊:構造物の破壊は接合部において多発する.溶接継手とボルト継手の設計法,両者の長所,短所を学ぶ.疲労により溶接継手の終局強度が決定される理由を説明する.希望に応じ設計計算プログラミング演習(VBA)を行う。 | 事前学修:配布資料を読んで質問事項をまとめること 事後学修:授業内容をまとめること | 事前学修:2時間 事後学修:2時間 |
第9回 | 橋梁の破壊事例研究:鋼構造物の疲労損傷事例を紹介し,疲労亀裂の検査法,原因の調査手段,評価法を学ぶ.現行の疲労設計法と維持管理法を解説する. | 事前学修:配布資料を読んで質問事項をまとめること 事後学修:授業内容をまとめること | 事前学修:2時間 事後学修:2時間 |
第10回 | 疲労破壊:疲労は劣化破壊であり,静的な力学的破壊とは破壊形態が大きく異なる.そのメカニズムと破壊基準、防止方法について学ぶ. | 事前学修:配布資料を読んで質問事項をまとめること 事後学修:授業内容をまとめること | 事前学修:2時間 事後学修:2時間 |
第11回 | 構造物の寿命予測と疲労設計:疲労などの劣化現象について、劣化曲線による寿命予測の手法を使い、橋梁の寿命予測、疲労設計を行う。希望に応じ設計計算プログラミング演習(VBA)を行う。 | 事前学修:配布資料を読んで質問事項をまとめること 事後学修:授業内容をまとめること | 事前学修:2時間 事後学修:2時間 |
第12回 | 脆性破壊:脆性破壊により構造物に重大な事故が発生する.その理由、発生のメカニズム、防止法について学ぶ. | 事前学修:配布資料を読んで質問事項をまとめること 事後学修:授業内容をまとめること | 事前学修:2時間 事後学修:2時間 |
第13回 | 維持管理手法:橋を対象とした維持管理手法点検モニタリングによる損傷検知、破壊予知について最新の技術を学ぶ | 事前学修:配布資料を読んで質問事項をまとめること 事後学修:授業内容をまとめること | 事前学修:2時間 事後学修:2時間 |
第14回 | 橋の破壊の歴史:破壊と改良の繰り返しの中で発達してきた歴史について学ぶ。 | 事前学修:配布資料を読んで質問事項をまとめること 事後学修:授業内容をまとめること | 事前学修:2時間 事後学修:2時間 |
第15回 | 全体解説:破壊に関して学んだスキルを確認し,不足している部分については補講を行う. | 事前学修:配布資料を読んで質問事項をまとめること 事後学修:授業内容をまとめること | 事前学修:2時間 事後学修:2時間 |
その他
教科書 |
三木千壽 『鋼構造』 共立出版 2000年
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参考資料コメント 及び 資料(技術論文等) |
講義テキストを講義前に配布する
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成績評価の方法 及び基準 |
HWに対するレポートの内容(10点満点×5回),授業内容に関わる積極的な発言、質問(30点程度)で評価する.事例プレゼン(10点×2回程度)、欠席、遅刻は減点する。 |
質問への対応 | 授業内での質問について対応する.授業後の質問,レポートに示された疑義については,次の授業で対応する. |
研究室又は 連絡先 |
t_konishi@issinc.co.jp |
オフィスアワー | |
学生への メッセージ |
構造物の破壊がなぜ起こったのか、どう防ぐかという実社会で通用する知識技術を身につけてもらいます.未知な部分も多い領域ですが疑問があればいつでも質問してください. |