2024年 大学院理工学研究科 シラバス - 土木工学専攻
設置情報
科目名 | 土木地質学特論 | ||
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設置学科 | 土木工学専攻 | 学年 | 1年 |
担当者 | 釜井 俊孝 | 履修期 | 後期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 金曜2 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | A52B |
クラス | |||
その他 | 実務経験のある教員による授業科目 |
概要
学修到達目標 | 地表の現象を支配する様々なプロセスを講義とフィールドワークによって理解し、各種の土木建設問題を解決するための実際的な能力を養う。さらに、各地の地盤特性を概観し、地盤の破壊と変形の問題に及ぼす地盤のローカル性の影響を理解するとともに、それらを越えて存在する破壊問題の普遍性を理解することをねらいとする。 |
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授業形態及び 授業方法 |
この授業は、「対面授業」で実施し、「講義(座学)」と「野外巡検(フィールドワーク)」によって構成される。講義では、各テーマについて概説すると同時に、野外巡検の事前説明を行う。野外巡検は、地質調査会社及び地質調査所での経験を基に、南関東の地質を代表するルートを選定し、そこに拡がる土木地質学的課題を議論する。原則として土日のどちらかに終日(朝集合、夕方解散)で実施し、受講者は次の授業までにレポート(実施報告書)を提出する。交通費等は自己負担とし、さらに、万一の事故に備えて、各自の責任で学生傷害保険等に加入し、事故にあった時の保障体制を担保しておくこと。 |
準備学習(予習・ 復習等)の内容・ 受講のための 予備知識 |
この授業は、講義室で学んだ内容(座学)を、野外に赴いて観察し、その実態を各自が理解することに意義がある。したがって、土木工学科設置科目のうち、地理学(基礎地形・地質学)、地盤力学等を受講していることが望ましい。 |
授業計画
第1回 | 授業の進め方 土木地質学の意義・理念 土木地質学史 | 【事前学習】テキスト『埋もれた都の防災学』とテキスト『宅地の防災学』の「はじめに」と「おわりに」を読んで、理解できない箇所を質問にまとめておく 【事後学習】指示された参考文献を読んで理解する | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
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第2回 | 埋もれた都の防災学 前編 古代ローマ、巨大古墳、湖底遺跡 | 【事前学習】『埋もれた都の防災学』の第1章から第3章を読んで、理解できない箇所を質問にまとめておく 【事後学習】指示された参考文献を読んで理解する | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
第3回 | 埋もれた都の防災学 後編 山崩れと人生、天井川、埋もれた都の近現代 | 【事前学習】『埋もれた都の防災学』の第4章から第7章を読んで、理解できない箇所を質問にまとめておく 【事後学習】指示された参考文献を読んで理解する | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
第4回 | 宅地の防災学 都市と斜面災害の関係史、深刻化する宅地の斜面災害、新たな公害 | 【事前学習】『宅地の防災学』の第1章から第5章を読んで、理解できない箇所を質問にまとめておく 【事後学習】指示された参考文献を読んで理解する | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
第5回 | 未災学の冒険 盛土崩壊のメカニズム、地下水の実態、宅地防災組合、災害リスク税 | 【事前学習】『宅地の防災学』の第6章から第9章を読んで、理解できない箇所を質問にまとめておく 【事後学習】指示された参考文献を読んで理解する | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
第6回 | 台地の土木地質学 東京の地形と地質を題材に、地形と地質の見方を概観する 人工地形改変と災害リスクの関係を概観する | 【事前学習】第1回~第5回の講義において、次回の台地巡検に関連する情報を整理し、理解できない箇所を質問にまとめておく 【事後学習】巡検案内書の完成に協力する | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
第7回 | 等々力渓谷巡検その1 等々力渓谷に露出する、東京の地下地質、地下水を観察する | 【事前学習】事前配布された巡検案内書の該当部分を読んで、関連情報を収集する。理解できない箇所を質問にまとめておく 【事後学習】フィールドノートや写真等を整理し、巡検の記録を作成する | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
第8回 | 等々力渓谷巡検その2 台地の人工地形改変とその現状を観察し、災害リスクについて考察する | 【事前学習】事前配布された巡検案内書の該当部分を読んで、関連情報を収集する。理解できない箇所を質問にまとめておく 【事後学習】フィールドノートや写真等を整理し、巡検の記録を作成する | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
第9回 | 低地の土木地質学 液状化、地盤沈下、津浪等の低地特有の問題と地形地質の関連を概観する | 【事前学習】第1回~第5回の講義において、次回の低地巡検に関連する情報を整理し、理解できない箇所を質問にまとめておく 【事後学習】巡検案内書の完成に協力する | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
第10回 | 東京低地巡検その1 液状化、地盤沈下と地形地質との関連を理解し、将来の災害リスクについて考察する | 【事前学習】事前配布された巡検案内書の該当部分を読んで、関連情報を収集する。理解できない箇所を質問にまとめておく 【事後学習】フィールドノートや写真等を整理し、巡検の記録を作成する | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
第11回 | 東京低地巡検その2 歴史津浪災害の痕跡を踏査し、当時の復興過程を理解する。現代の都市計画がもたらした災害リスクについて考察する | 【事前学習】事前配布された巡検案内書の該当部分を読んで、関連情報を収集する。理解できない箇所を質問にまとめておく 【事後学習】フィールドノートや写真等を整理し、巡検の記録を作成する | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
第12回 | 付加体の土木地質学 典型的な付加体である南関東を題材に、付加体特有の災害リスクを概観する | 【事前学習】第1回~第5回の講義において、次回の付加体巡検に関連する情報を整理し、理解できない箇所を質問にまとめておく 【事後学習】巡検案内書の完成に協力する | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
第13回 | 三浦半島巡検その1 付加体の地質、海底地殻の断片と地すべり | 【事前学習】事前配布された巡検案内書の該当部分を読んで、関連情報を収集する。理解できない箇所を質問にまとめておく 【事後学習】フィールドノートや写真等を整理し、巡検の記録を作成する | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
第14回 | 三浦半島巡検その2 付加体のテクトニクス 活断層と宅地開発 | 【事前学習】事前配布された巡検案内書の該当部分を読んで、関連情報を収集する。理解できない箇所を質問にまとめておく 【事後学習】フィールドノートや写真等を整理し、巡検の記録を作成する | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
第15回 | レポートの講評 まとめ | 【事前学習】『宅地の防災学』の終章を読んで、理解できない箇所を質問にまとめておく 【事後学習】講評結果を理解し、咀嚼する | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
その他
教科書 |
釜井俊孝 『埋もれた都の防災学』 学術選書 京都大学学術出版会 2016年 第初版版
釜井俊孝 『宅地の防災学』 学術選書 京都大学学術出版会 2020年 第初版版
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参考資料コメント 及び 資料(技術論文等) |
釜井俊孝 『宅地崩壊』 NHK出版新書 NHK出版 2019年 第初版版
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成績評価の方法 及び基準 |
授業でのディスカッションへの対応・姿勢、及びレポートの内容を評価する |
質問への対応 | 授業教室もしくはE-mailで対応する. |
研究室又は 連絡先 |
E-mail: kappa256@gmail.com |
オフィスアワー |
木曜 駿河台 12:20 ~ 13:00 窓口専任教員(重村)タワースコラ11階S1109室
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学生への メッセージ |