2024年 大学院理工学研究科 シラバス - 機械工学専攻
設置情報
科目名 | 振動工学特論Ⅰ | ||
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設置学科 | 機械工学専攻 | 学年 | 1年 |
担当者 | 渡辺 亨 | 履修期 | 前期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 水曜4 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | F34A |
クラス |
概要
学修到達目標 | 振動学の概要の理解(振動現象の基礎、1自由度自由振動、1自由度強制振動と周波数応答、多自由度連成振動、分布定数系の振動、モデル化、非線形振動)とパッシブ振動制御の原理の理解(除振、免振、制振、パッシブ動吸振器).この科目を修得することで,様々な振動現象の特徴とその原理について知ることができる. |
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授業形態及び 授業方法 |
本科目は「対面授業」とします.教室で対面授業を実施しますので特に理由が無ければそれを受講して下さい.毎回小レポートを課しますので,CST-VOICEで期日までに提出して下さい(レポートの解説は次回の冒頭に行います). |
準備学習(予習・ 復習等)の内容・ 受講のための 予備知識 |
学部課程の工業力学(または機械力学)を理解している事が望ましい。また学部課程で振動工学(または機械力学Ⅲ)を履修していることが望ましい. |
授業計画
第1回 | 動力学の基礎 自由度、線形性、保存則、モデル化など,動力学に関する基礎概念の復習 | 【事前学習】学部課程「工業力学」について復習しておく(120分) 【事後学習】講義の内容を整理し理解しておく(120分) | 事前:2 事後:2 |
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第2回 | 1自由度系の自由振動 振動現象の基礎となる概念の復習(慣性力・復原力・減衰力,固有振動数・減衰比) | 【事前学習】学部課程「振動工学」の「1自由度自由振動」について復習しておく(120分) 【事後学習】講義の内容を整理し理解しておく(120分) | 事前:2 事後:2 |
第3回 | 1自由度系の強制振動 強制振動における座標の取り方(絶対変位・相対変位) 「周波数応答」の概念の復習と,座標の取り方が与える特性 | 【事前学習】学部課程「振動工学」の「1自由度強制振動」について復習しておく(120分) 【事後学習】講義の内容を整理し理解しておく(120分) | 事前:2 事後:2 |
第4回 | 多自由度系の振動その1(連成振動とモード) 行列運動方程式を導入し,固有値=固有振動数と固有ベクトル=モードを理解する | 【事前学習】学部「振動工学」の「多自由度系のモデル化」について復習しておく(120分) 【事後学習】講義の内容を整理し理解しておく(120分) | 事前:2 事後:2 |
第5回 | 多自由度系の振動その1(モード空間とモード変換) 「モード空間」の概念を導入し,モード行列を用いたモード変換の概念を理解する. | 【事前学習】学部「振動工学」の「モード変換」について復習しておく(120分) 【事後学習】講義の内容を整理し理解しておく(120分) | 事前:2 事後:2 |
第6回 | 多自由度系の振動その3(モード等価パラメータ) 「モード等価パラメータ」の概念を導入し,モード空間における質量(等価 質量)・剛性(モード等価剛性)の意味を理解する. | 【事前学習】テキスト67~69ページを読み内容について理解しておく(120分) 【事後学習】講義の内容を整理し理解しておく(120分) | 事前:2 事後:2 |
第7回 | 分布定数系の振動その1(弦の振動) 弦の運動方程式(偏微分方程式)の導出と,変数分離法による求解,波動伝播速度 | 【事前学習】学部「振動工学」の「弦の振動」について復習しておく(120分) 【事後学習】講義の内容を整理し理解しておく(120分) | 事前:2 事後:2 |
第8回 | 分布定数系の振動その2(はりの振動その1) 材料力学に基づくはりの運動方程式(偏微分方程式)の導出 | 【事前学習】学部「材料力学」の「はりの曲げ」について復習しておく(120分) 【事後学習】講義の内容を整理し理解しておく(120分) | 事前:2 事後:2 |
第9回 | 分布定数系の振動その3(はりの振動その2) はりの境界条件(自由,固定,単純支持,ローラ) 変数分離法によるはりの振動の求解,はりの波動伝播速度の周波数依存性 | 【事前学習】学部「振動工学」の「はりの振動」について復習しておく(120分) 【事後学習】講義の内容を整理し理解しておく(120分) | 事前:2 事後:2 |
第10回 | 回転機械の振動の基礎 基礎的概念・事象の解説(軸の不釣合いと危険速度,自動調芯性,ふれまわりなど) | 【事前学習】学部「振動工学」の「回転機械の振動」について復習しておく(120分) 【事後学習】講義の内容を整理し理解しておく(120分) | 事前:2 事後:2 |
第11回 | 非線形振動の基礎 基礎的概念・事象の解説(硬性ばね・軟性ばねの振動特性,パラメータ励振など) | 【事前学習】学部「振動工学」の「非線形振動」について復習しておく(120分) 【事後学習】講義の内容を整理し理解しておく(120分) | 事前:2 事後:2 |
第12回 | 不規則振動の基礎 基礎的概念・事象の解説(確率過程,自己相関・相互相関,パワースペクトルなど) | 【事前学習】学部「振動工学」の「不規則振動」について復習しておく(120分) 【事後学習】講義の内容を整理し理解しておく(120分) | 事前:2 事後:2 |
第13回 | パッシブ振動制御 各種制振原理の紹介、除振、免振、制振,動吸振器・事例紹介 | 【事前学習】本講義の第2回~第6回の学習内容について復習しておく(120分) 【事後学習】講義の内容を整理し理解しておく(120分) | 事前:2 事後:2 |
第14回 | 振動工学と技術者倫理について,平常試験とその実施に関する解説 | 【事前学習】講義の全学習内容について復習しておく(120分) 【事後学習】講義で学んだ内容を元に技術者倫理について考察する(60分) | 事前:2 事後:1 |
第15回 | 平常試験問題の解説,最終レポートに関する説明 | 【事前学習】平常試験問題について再検討しておく(60分) 【事後学習】最終レポートをまとめる(240分) | 事前:1 事後:4 |
その他
教科書 |
背戸一登 『構造物の振動制御』 コロナ社 2006年 第1版
「構造物の振動制御」に関する書籍であるが,振動学の基礎から事例まで幅広く含んだ良書であり,振動制御の学習には最適である。
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参考資料コメント 及び 資料(技術論文等) |
背戸一登・丸山晃一 『振動工学-解析から設計まで-』 森北出版 2002年 第1版
振動学の教科書。特に多自由度系のモデリングのところが詳しい。
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成績評価の方法 及び基準 |
第2回~第13回のレポートの提出(24%),第14回の平常試験のできばえ(26%)および第15回の「最終レポート」のできばえ(50%)で総合的に評価する。 |
質問への対応 | 随時質問を受けます。対面講義の時はその場で,それ以外の時はメールでお願いします. |
研究室又は 連絡先 |
タワー・スコラ17階S1706室,E-mail:watanabe.toru27@nihon-u.ac.jp |
オフィスアワー |
水曜 駿河台 11:40 ~ 13:10 タワー・スコラ17階S1706室
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学生への メッセージ |
内容的には学部課程で学ぶ振動工学と共通しておりますが,講義内容の程度が少し高くなっています.振動学をきちんと理解したい方はぜひ履修して下さい. |