2024年 大学院理工学研究科 シラバス - 精密機械工学専攻
設置情報
科目名 | 安全設計工学特論 | ||
---|---|---|---|
設置学科 | 精密機械工学専攻 | 学年 | 1年 |
担当者 | 青木 義男 | 履修期 | 後期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 木曜5 |
校舎 | 船橋 | 時間割CD | G15B |
クラス |
概要
学修到達目標 | 機械システムを主とした身の回りの製品を設計する際に重要となる、「安全性・信頼性向上」のための基本的な考え方や関連する技術について説明できる。また機械システムの運用フェーズまでを考慮した安全設計の基礎を身につけることができる。 |
---|---|
授業形態及び 授業方法 |
対面形式とし,事情により出席が困難な受講生のみ、後日,授業内容をオンデマンド配信も行う。 事前に作成した授業用参考資料を用い、昇降機、建築工作物、自動車、家電製品、建設機械などの安全設計事例とその改良点などについて講義を行う。また、リスクアセスメントの基本を身に付けるために事例調査資料に基づいた議論の機会を設ける。 |
準備学習(予習・ 復習等)の内容・ 受講のための 予備知識 |
機構学、機械力学、計測工学や信号処理の基礎を習得していること。 |
授業計画
第1回 | 安全設計の基礎Ⅰ -構造信頼性を支える三本柱- | 【事前学習】信頼性工学における三つの原則について学んでおくこと。 【事後学習】配布した参考資料を見直して信頼性工学における三つの原則を十分に理解しておくこと。 | 4 |
---|---|---|---|
第2回 | 安全設計の基礎Ⅱ -信頼性工学の基礎- | 【事前学習】信頼性工学における信頼度計算に関する基本的な考え方を学んでおくこと。 【事後学習】信頼性工学における信頼度計算手法やバスタブ曲線について理解しておくこと。 | 4 |
第3回 | 安全設計の基礎Ⅲ -信頼性向上のための設計時の方策- | 【事前学習】信頼性向上の方策について参考資料から学んでおくこと。 【事後学習】信頼性向上の方策を具体的な事例を通して理解し、設計の際に活用できるようにしておくこと。 | 4 |
第4回 | 安全設計の基礎Ⅳ -保守保全による信頼性向上- | 【事前学習】保守保全によって担保すべきシステム信頼性の考え方を学んでおくこと。 【事後学習】保守保全による信頼性向上の方策、特に間欠的な保守とIoTを活用した常時モニタリングによる保守の相違などについて理解を深めておくこと。 | 4 |
第5回 | 安全設計の基礎Ⅴ -運行管理と利用者教育における安全性向上- | 【事前学習】機械装置の運行管理(運転管理)と操作者・利用者の取り扱いに関する教育の考え方を学んでおくこと。 【事後学習】通常の運行管理は専門の技術者や運行管理者が行うが、無人モビリティなどの運行管理の考え方、利用者の自己責任のあり方などについて理解を深めておくこと。 | 4 |
第6回 | 機械システムの安全設計Ⅰ -昇降機の安全設計例- | 【事前学習】様々な利用者自身が運行操作を行う昇降機の仕組みや運行時に介在するリスクについて学んでおくこと。 【事後学習】昇降機の機構・動作原理や制御システムについて理解し、重要保安部品について説明できるようにしておくこと。 | 4 |
第7回 | 機械システムの安全設計Ⅱ -遊戯機械の安全設計例- | 【事前学習】動きが複雑で激しい遊戯機械の仕組みや運行時に介在するリスクについて学んでおくこと。 【事後学習】遊戯機械の機構・身体拘束装置や制御システムについて理解し、重要保安部品について説明できるようにしておくこと。 | 4 |
第8回 | 機械システムの安全設計Ⅲ -疲労寿命と異常磨耗、環境負荷の影響- | 【事前学習】構造材料の疲労寿命や摺動部材の異常磨耗、環境負荷による材料腐食のメカニズムを学んでおくこと。 【事後学習】繰り返し負荷と疲労寿命の関係、異常磨耗や応力腐食と強度低下の関係などについて理解を深めておくこと。 | 4 |
第9回 | 機械システムの安全設計Ⅳ -安全解析手法、FEMAなど- | 【事前学習】安全解析の考え方と様々なアプローチによる安全解析手法について学んでおくこと。 【事後学習】FAT、FMEAなどの安全解析手法の手順や解析事例について理解を深めておくこと。 | 4 |
第10回 | 予見保全と構造健全性監視Ⅰ -構造健全性監視・診断のためのセンサデバイス- | 【事前学習】IoTの発展に伴って構築されるようになってきた構造健全性監視についてどのような適用事例があるか学んでおくこと。 【事後学習】構造健全性監視・診断に利用されるセンサデバイスとその動作原理や用途事例について理解を深めておくこと。 | 4 |
第11回 | 構造健全性監視Ⅱ -システム同定、センサ最適配置- | 【事前学習】機械システムの物理モデルを検証するシステム同定と適切なセンサ配置についての用途事例を調べておくこと。 【事後学習】システム同定の精度向上には適切なセンサ選択とその最適配置が重要になることを理解しておくこと。 | 4 |
第12回 | 構造健全性監視Ⅲ -信号処理と認知判断技術- | 【事前学習】構造健全性モニタリングではセンサ信号処理と認知判断技術が重要となる。信号処理や認知判断技術の手法について調べておくこと。 【事後学習】実構造健全性監視におけるセンサ信号はノイズの影響が大きく適切な信号処理が必要である。代表的な信号処理技術と認知判断技術について理解を深めておくこと。 | 4 |
第13回 | 機械システムのリスクアセスメント事例と考え方 | 【事前学習】機械システムのリスクアセスメントの事例(コピー機、家電製品)について学んでおくこと。 【事後学習】機械システムのリスクアセスメントの原則についてISO12100などに記載されている性能規定を確認して理解を深めておくこと。 | 4 |
第14回 | 機械システムのリスクアセスメントの方法と手順例 | 【事前学習】機械システムのリスクアセスメントの方法と手順についての基本的事項を学んでおくこと。 【事後学習】機械システムのリスクアセスメントのフローと許容可能なリスクの範囲について理解を深めておくこと。 | 4 |
第15回 | ISOリスクアセスメントと機械システム安全解析手法の事例 | 【事前学習】機械システムのリスクアセスメントについて2,3の製品の事例を調べておくこと。 【事後学習】機械システムのリスクアセスメントの原則に基づいて安全解析を行い、許容可能なリスクの範囲になるよう製品改善していく手順について理解を深めておくこと。 | 4 |
その他
教科書 | |
---|---|
参考資料コメント 及び 資料(技術論文等) |
向殿政男 『入門テキスト 安全学』 東洋経済新報社 2016年 第1版
山本鎮男 『ヘルスモニタリング』 機械・プラント・建築・土木構造・医療の健全性監視 共立出版 2000年
独自に作成した安全設計のための技術資料を用いてハイブリット型授業を行う。
|
成績評価の方法 及び基準 |
授業内で行うの課題レポート(40%)とリスクアセスメント課題レポート(60%)から、総合的に評価する |
質問への対応 | オフィスアワーまたは電子メールでの連絡に対して対応する |
研究室又は 連絡先 |
船橋校舎7号館2階726室 TEL: 047-469-5238, FAX: 047-467-9504 E-mail: aoki.yoshio@nihon-u.ac.jp |
オフィスアワー |
月曜 船橋 15:00 ~ 16:30
|
学生への メッセージ |
製造業や設計業務で必須となる安全と信頼性を確保するための基本的な考え方やリスクアセスメントの原則を身につけて欲しい |