2024年 大学院理工学研究科 シラバス - 航空宇宙工学専攻
設置情報
科目名 | 航空宇宙材料強度学 | ||
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設置学科 | 航空宇宙工学専攻 | 学年 | 1年 |
担当者 | 出井 裕 | 履修期 | 前期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 水曜5 |
校舎 | 船橋 | 時間割CD | H35A |
クラス |
概要
学修到達目標 | 連続繊維強化複合材は軽量・高強度を有するため,近年,航空機や自動車の構造材料として炭素繊維強化複合材(CFRP)が積極的に使われている.そこで,この講義では「複合材の力学」を取り扱い,複合材の力学的解析法全般を学ぶ.前半は弾性力学の基礎理論を学び,単層の連続繊維強化複合材の解析法を身に着ける.後半は複合材の多層の積層板の解析法を解説する.複合材の力学的解析法を学ぶことで,各種複合材の解析が出来ることを目指す. |
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授業形態及び 授業方法 |
基本的には板書による対面授業を中心に行う.場合によっては動画を聴講するオンデマンド授業を併用することもある. |
準備学習(予習・ 復習等)の内容・ 受講のための 予備知識 |
航空宇宙材料I,Ⅱ,材料力学I,Ⅱ,Ⅲなど習得していること. |
授業計画
第1回 | 航空機や自動車分野での複合材の適用例を紹介し,複合材の概略を解説する.複合材が構造材料に適した材料であることを論じる. | 【事前学習】次週の学習項目を伝え,事前に学習内容を把握する 【事後学習】講義内容を復習し,演習課題を行い理解を深めること | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
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第2回 | プラスチック基複合材で使用する強化繊維別の複合材の力学的特性について解説する.次に金属基およびセラミックス基の各種複合材の力学的特性を示し,これらのの適用例を紹介する | 【事前学習】次週の学習項目を伝え,事前に学習内容を把握する 【事後学習】講義内容を復習し,演習課題を行い理解を深めること | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
第3回 | まず弾性力学の基本事項を解説する.次に「応力」と「ひずみ」を関係づける「剛性マトリックス」と「コンプライアンスマトリックス」の求め方を説明する. | 【事前学習】次週の学習項目を伝え,事前に学習内容を把握する 【事後学習】講義内容を復習し,演習課題を行い理解を深めること | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
第4回 | 前回解説した「剛性マトリックス」と「コンプライアンスマトリックス」の成分をヤング率E,横弾性係数G,ポアソン比νで表す方法を説明する.また,一方向材の「剛性マトリックス」と「コンプライアンスマトリックス」について説明する. | 【事前学習】次週の学習項目を伝え,事前に学習内容を把握する 【事後学習】講義内容を復習し,演習課題を行い理解を深めること | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
第5回 | 複合材では繊維方向を変えて積層するため,「剛性マトリックス」と「コンプライアンスマトリックス」成分には繊維方向の角度θが含まれる.この講義では角度θを用いない「不変形式」を解説する.また複合材の弾性破損を判定する諸説を説明する. | 【事前学習】次週の学習項目を伝え,事前に学習内容を把握する 【事後学習】講義内容を復習し,演習課題を行い理解を深めること | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
第6回 | 第1回から第5回の講義の復習を行う. | 【事前学習】次週の学習項目を伝え,事前に学習内容を把握する 【事後学習】講義内容を復習し,演習課題を行い理解を深めること | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
第7回 | 一方向強化複合材のミクロ解析について説明する.このミクロ解析は繊維とその周りのマトリックスでの力学的ミクロ解析により,複合材の繊維方向のヤング率E1,繊維と直交する方向のヤング率E2,横弾性係数G12,ポアソン比ν12の求め方について解説する. | 【事前学習】次週の学習項目を伝え,事前に学習内容を把握する 【事後学習】講義内容を復習し,演習課題を行い理解を深めること | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
第8回 | 第7回で説明した「力学的ミクロ解析」では,E2, G12, ν12が理論値と実験値があまり一致しない.そこで,Halphin-Tsaiの理論と複合円柱集合体モデル(CCAモデル)を説明し,これらの理論値と実験値はほぼ一致することを示す. | 【事前学習】次週の学習項目を伝え,事前に学習内容を把握する 【事後学習】講義内容を復習し,演習課題を行い理解を深めること | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
第9回 | まず複合材の座屈現象について解説する.次に温度及び水分量変化に伴って生じる複合材の応力及びひずみについて解説する. | 【事前学習】次週の学習項目を伝え,事前に学習内容を把握する 【事後学習】講義内容を復習し,演習課題を行い理解を深めること) | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
第10回 | 第7回から第9回の講義の復習を行う | 【事前学習】次週の学習項目を伝え,事前に学習内容を把握する 【事後学習】講義内容を復習し,演習課題を行い理解を深めること | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
第11回 | 繊維方向の異なる一方向材を積層した複合材のマクロ解析を説明する.ここでは,「荷重・曲げモーメント」と「ひずみ・曲率」を関係づける「伸張剛性」,「カップリング剛性」および「曲げ剛性」の各マトリックスの求め方を解説する. | 【事前学習】次週の学習項目を伝え,事前に学習内容を把握する 【事後学習】講義内容を復習し,演習課題を行い理解を深めること | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
第12回 | 特定の積層(対称,クロスプライ,斜交,逆対称,釣合型など)をした複合材に関「伸張剛性」,「カップリング剛性」および「曲げ剛性」の各マトリックスの求め方を解説する. | 【事前学習】次週の学習項目を伝え,事前に学習内容を把握する 【事後学習】講義内容を復習し,演習課題を行い理解を深めること | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
第13回 | 短繊維強化複合材の解析について解説する.代表的な解析法であるChon-Sunのモデル,Coxのモデル,Nielsen and ChenのもでるTsai-Pagano のモデルなどについて論じる. | 【事前学習】次週の学習項目を伝え,事前に学習内容を把握する 【事後学習】講義内容を復習し,演習課題を行い理解を深めること | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
第14回 | 複合材の破壊力学および各種試験方法について解説する. | 【事前学習】次週の学習項目を伝え,事前に学習内容を把握する 【事後学習】講義内容を復習し,演習課題を行い理解を深めること | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
第15回 | 第11回から第14回の講義の復習を行う. | 【事前学習】次週の学習項目を伝え,事前に学習内容を把握する 【事後学習】講義内容を復習し,演習課題を行い理解を深めること) | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
その他
教科書 | |
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参考資料コメント 及び 資料(技術論文等) |
三村 宏,町田 進 『基礎材料強度学』 倍風館
邊 吾一,石川隆司 『先進複合材料工学』 倍風館 2005年 第1版
授業中に講義資料を配布します.
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成績評価の方法 及び基準 |
3回課する課題による評価 |
質問への対応 | 質問がある場合は,メールで連絡して下さい. |
研究室又は 連絡先 |
316室 izui.hiroshi@nihon-u.ac.jp |
オフィスアワー |
火曜 船橋 12:00 ~ 13:00
水曜 船橋 12:00 ~ 13:00
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学生への メッセージ |
講義内容を理解して課題に取り組んで下さい. |