2024年 大学院理工学研究科 シラバス - 電子工学専攻
設置情報
科目名 | 制御工学特論 | ||
---|---|---|---|
設置学科 | 電子工学専攻 | 学年 | 1年 |
担当者 | 作田 幸憲 | 履修期 | 前期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 月曜3 |
校舎 | 船橋 | 時間割CD | J13B |
クラス |
概要
学修到達目標 | 現在利用されている制御システムは,機械系・電気系・水位系等々の分野で利用されており,線形制御を始め,非線形制御,ファジィ制御など多岐に亘る手法が用いられている。電子工学・情報通信工学の分野において重要な制御システムとしてPLL(位相同期回路)がある。その挙動を理解する上で,学部で勉強した線形制御理論の外,非線形制御に係る知識も必要となる。また,その応用分野の進展に伴ってPLLの構成法についても種々の方式が考案されるに至っている。本講義では,制御システムの一例としてPLLを取上げ,その基礎から応用などについて先駆者達の知恵やアイデア・工夫等を勉強し,制御工学に関する知識を深めるだけでなく,更には柔軟な発想力を養うことを目的とする。 |
---|---|
授業形態及び 授業方法 |
基本的に対面授業で実施する。 講義,輪講及び発表会形式を組み合わせて行う。 理解を深めるため、課題や演習を行う。 |
準備学習(予習・ 復習等)の内容・ 受講のための 予備知識 |
制御理論乃至は制御工学に係る講義を修得していることが望ましい。 |
授業計画
第1回 | ガイダンス,PLL(位相同期回路)とは: この講義で取り上げたPLL(位相同期回路)について概説すると共に,勉強する事柄についてスケジュールを含め説明する。 | 【事前学習】学部で勉強した制御系科目の要点を復習しておくこと。 【事後学習】今回の内容について要点を整理し,理解を深める。 | 【事前学習】[2時間] 【事後学習】[2時間] |
---|---|---|---|
第2回 | PLLの基礎: 基本構成とその動作について概要を示す。また,PLLの挙動を表す基本方程式を導き,1次ループPLLを用いた場合の挙動について勉強する。また,併せてこの場合の諸特性についても勉強する。 | 【事前学習】講義資料を事前に配布するので,資料中にある専門用語などについて調べておくこと。 【事後学習】資料教材の内容を見返しながら,授業中に議論した事柄について理解を深める。 | 【事前学習】[2時間] 【事後学習】[2時間] |
第3回 | 2次ループPLLの挙動: 非線形微分方程式で記述される2次系について勉強する。非線形微分方程式を解くことは非常に難しく,一般的な解析法はないが,近似的な解法が知られている。ここでは,等傾斜線法,位相平面法,Lienardの方法などについて勉強する。 | 【事前学習】講義資料を事前に配布するので,資料を熟読し,解析法の要点などについて調べておくこと。 【事後学習】資料教材の内容を見返しながら,授業中に議論した事柄について理解を深める。 | 【事前学習】[2時間] 【事後学習】[2時間] |
第4回 | 各種ループフィルタとPLLの安定性: 2ループフィルタの構成として,ラグ・フィルタ,ラグ・リード・フィルタなどを用いた場合の応答特性について勉強する。 | 【事前学習】講義資料を事前に配布するので,資料を熟読し,システム応答の要点などについて調べておくこと。 【事後学習】資料教材の内容を見返しながら,授業中に議論した事柄について理解を深める。 | 【事前学習】[2時間] 【事後学習】[2時間] |
第5回 | PLLの過渡応答特性: 位相および周波数のステップ応答について勉強すると共に,同期保持範囲,周波数引込み範囲についてもその要点を勉強する。 | 【事前学習】講義資料を事前に配布するので,資料中にある専門用語などについて調べておくこと。 【事後学習・レポート】資料教材の内容を見返しながら,授業中に議論した事柄について理解を深める。また,課題を提示するのでレポートとして提出すること。 | 【事前学習】[2時間] 【事後学習・レポート】[2時間] |
第6回 | PLLの構成素子: 計測等に利用される全アナログ素子によって構成されるものと,ディジタル系で多用されるディジタル素子を利用したものがある。それぞれの構成に対する素子と特徴について勉強する。 | 【事前学習】講義資料を事前に配布するので,資料中にある専門用語などについて調べておくこと。 【事後学習】資料教材の内容を見返しながら,授業中に議論した事柄について理解を深める。 | 【事前学習】[2時間] 【事後学習】[2時間] |
第7回 | ディジタルPLL: その構成として,ディジタル論理回路形DPLLとディジタル信号処理形DPLLがある。それぞれの構成とその特徴について勉強する。 | 【事前学習】講義資料を事前に配布するので,資料中にある専門用語などについて調べておくこと。 【事後学習】資料教材の内容を見返しながら,授業中に議論した事柄について理解を深める。 | 【事前学習】[2時間] 【事後学習】[2時間] |
第8回 | 応用例1: 位相雑音計測への利用 その1 | 【事前学習】講義資料を事前に配布するので,資料を熟読し,今回の要点となるフーリエ変換について勉強しておくこと。 【事後学習】資料教材の内容を見返しながら,授業中に議論した事柄について理解を深める。 | 【事前学習】[2時間] 【事後学習】[2時間] |
第9回 | 応用例2: 位相雑音計測への利用 その2 | 【事前学習】講義資料を事前に配布するので,資料を熟読し,今回の要点となる自己相関数とパワースペクトル密度関数との関係などについて勉強しておくこと。 【事後学習】資料教材の内容を見返しながら,授業中に議論した事柄について理解を深める。 | 【事前学習】[2時間] 【事後学習】[2時間] |
第10回 | 応用例3: 位相雑音計測への利用 その3 | 【事前学習】講義資料を事前に配布するので,資料を熟読し,今回の要点となるシステムの周波数応答などについて勉強しておくこと。 【事後学習・レポート】資料教材の内容を見返しながら,授業中に議論した事柄について理解を深める。また,課題を提示するのでレポートとして提出すること。 | 【事前学習】[2時間] 【事後学習・レポート】[2時間] |
第11回 | 応用例4: 低位相雑音化技術への応用 その1 | 【事前学習】講義資料を事前に配布するので,資料中にある専門用語の他,雑音の性質などについて調べておくこと。 【事後学習】資料教材の内容を見返しながら,授業中に議論した事柄について理解を深める。 | 【事前学習】[2時間] 【事後学習】[2時間] |
第12回 | 応用例5: 低位相雑音化技術への応用 その2 | 【事前学習】講義資料を事前に配布するので,資料中にある専門用語などについて調べておくこと。 【事後学習】資料教材の内容を見返しながら,授業中に議論した事柄について理解を深める。 | 【事前学習】[2時間] 【事後学習】[2時間] |
第13回 | 応用例6: 周波数シンセサイザによる任意周波数発生原理と共に,高速応答方式について勉強する。 | 【事前学習】講義資料を事前に配布するので,資料中にある専門用語の他,ディジタル信号処理の手法などについて調べておくこと。 【事後学習】資料教材の内容を見返しながら,授業中に議論した事柄について理解を深める。 | 【事前学習】[2時間] 【事後学習】[2時間] |
第14回 | 応用例7: その他の応用例として,スペクトル拡散通信システムの概要と共に,CDMA技術への応用について勉強する。 | 【事前学習】講義資料を事前に配布するので,資料中にある専門用語の他,各種通信方式の特徴などについて調べておくこと。 【事後学習】資料教材の内容を見返しながら,授業中に議論した事柄について理解を深める。 | 【事前学習】[2時間] 【事後学習】[2時間] |
第15回 | 前回の応用例のつづき(DLL)と共に,講義の総括とレポート課題について説明する。 | 【事前学習】講義資料を事前に配布するので,資料中にある専門用語などについて調べておくこと。 【最終レポート作成】提示したレポート課題について,報告書を作成し,指定された期日までに提出すること。 | 【事前学習】[2時間] 【最終レポート作成】[2時間] |
その他
教科書 |
必要に応じて,プリント・資料を配布する。
|
---|---|
参考資料コメント 及び 資料(技術論文等) |
|
成績評価の方法 及び基準 |
レポート,平常点等による。 |
質問への対応 | 基本的に,いつでも対応します。 |
研究室又は 連絡先 |
作田:講師室 sakuta.yukinori@nihon-u.ac.jp |
オフィスアワー | |
学生への メッセージ |