2024年 大学院理工学研究科 シラバス - 電子工学専攻
設置情報
科目名 | 電子物理計測・分析 | ||
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設置学科 | 電子工学専攻 | 学年 | 1年 |
担当者 | 斉藤・喜々津 | 履修期 | 後期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 木曜5 |
校舎 | 船橋 | 時間割CD | J45A |
クラス | |||
その他 | 実務経験のある教員による授業科目 |
概要
学修到達目標 | 電子工学に関わる物理的な計測と分析に関連する以下の項目を中心に講義、ディスカッションを行い、光学実験や電子デバイス評価等で必要となる計測・分析の原理から応用までを学ぶ。 |
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授業形態及び 授業方法 |
「対面授業」 講師の企業でのデバイス開発に際して経験した種々の分析手法について講義形式で授業を行う。学生の現在の研究内容に即した質問を受け、その回答として授業を行う場合もある。パワーポイントと板書を併用し講義を行う(喜々津)。講師の企業での光学デバイス開発に即して体得した光学応用理論、および、最近進展が著しい量子光学に関して、各回電子ファイル配付する資料とプロジェクターで映す動画、および板書を使い講義を行う(齋藤)。 |
準備学習(予習・ 復習等)の内容・ 受講のための 予備知識 |
物理、光学、固体物理、電子物性についての知識があること。 |
授業計画
第1回 | (古典光学) 光の表式:進行平面波、球面波、偏光因子、等 | 事前:Google Classroomで事前配布された資料を読む。 事後:資料に記載された記述を、資料を見ないで自分のノートに「再現」出来る様にする。 | 事前:120分 事後:120分 |
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第2回 | (古典光学) フラウンホーファー近似積分(1) 電子の密度関数𝜌(𝒓)による散乱 | 事前:Google Classroomで事前配布された資料を読む。 事後:資料に記載された記述を、資料を見ないで自分のノートに「再現」出来る様にする。 | 事前:120分 事後:120分 |
第3回 | (古典光学) フラウンホーファー近似積分(2) フーリエ変換であることを理解する | 事前:Google Classroomで事前配布された資料を読む。 事後:資料に記載された記述を、資料を見ないで自分のノートに「再現」出来る様にする。 | 事前:120分 事後:120分 |
第4回 | (量子論) 量子論の五つの公理 演習:「固有値は実数」「固有ベクトルは互いに直交」を証明しよう | 事前:Google Classroomで事前配布された資料を読む。 事後:資料に記載された記述を、資料を見ないで自分のノートに「再現」出来る様にする。 | 事前:120分 事後:120分 |
第5回 | (量子論) 測定期待値 ⟨𝜓│A│𝜓⟩ ポイントは、演算子を(規格化)固有ベクトルによってスペクトル分解すること。 | 事前:Google Classroomで事前配布された資料を読む。 事後:資料に記載された記述を、資料を見ないで自分のノートに「再現」出来る様にする。 | 事前:120分 事後:120分 |
第6回 | (量子論)重ね合わせ状態の量子干渉項 測定期待値が、各状態の測定期待値の単純平均にならない不思議1? | 事前:Google Classroomで事前配布された資料を読む。 事後:資料に記載された記述を、資料を見ないで自分のノートに「再現」出来る様にする。 | 事前:120分 事後:120分 |
第7回 | (量子論) 重ね合わせ状態の非局所相関 物理量AとBが同時に独立に測定できるのに、相関がゼロにならない不思議!? | 事前:Google Classroomで事前配布された資料を読む。 事後:資料に記載された記述を、資料を見ないで自分のノートに「再現」出来る様にする。 | 事前:120分 事後:120分 |
第8回 | (量子光学) 論文『ベル型非局所相関 cos(𝛼−𝛽) の可視化』を読んでみよう 「人類の世界観を変えてしまうほどの、恐ろしいまでに大きな影響」のサワリ | 事前:Google Classroomで事前配布された資料を読む。 事後:資料に記載された記述を、資料を見ないで自分のノートに「再現」出来る様にする。 | 事前:120分 事後:120分 |
第9回 | 講義の流れの説明。ナノメートルサイズの話と表面の概念の把握。また表面を分析することの意味を理解する。次いで、微細加工の理解も深める | 事前:これまで習ってきた電子デバイスについて思い起こしておけばよい。すっかり忘れてしまったのであれば、ざっと教科書を見返して雰囲気を思い出しておければよい 事後:今回学んだことは今後の授業展開の基となるので、見返しておく。質問事項があればメモしておいて次回の授業時に問い合わせるようにする | 事前:120分 事後:120分 |
第10回 | 真空について概略をつかみ、真空をつくること、真空を測ること、について理解する。 真空は表面分析の基礎となる事柄なので、しっかりと理解してもらう | 事前:前回授業の内容をおさらいしておく。現在進めている研究活動に使っている、あるいは実験室に置いてある真空装置や成膜装置を観察しておく。これら装置に関して疑問に思うことがあれば、質問事項といてまとめておく 事後:今回学んだことは今後の授業展開の基となるので、見返しておく。質問事項があればメモしておいて次回の授業時に問い合わせるようにする | 事前:120分 事後:120分 |
第11回 | 成膜装置とin-situ測定(RHEED/LEED/SMOKE)の原理と実際の講義 | 事前:前回授業の内容をおさらいしておく。 事後:今回学んだことは今後の授業展開の基となるので、見返しておく。質問事項があればメモしておいて次回の授業時に問い合わせるようにする | 事前:120分 事後:120分 |
第12回 | 表面分光測定(AES、XPS、SIMS)の原理と実際の講義 基本的な原理を理解する。 | 事前:前回授業の内容をおさらいしておく。 事後:今回学んだことは今後の授業展開の基となるので、見返しておく。質問事項があればメモしておいて次回の授業時に問い合わせるようにする | 事前:120分 事後:120分 |
第13回 | 表面分光測定(AES、XPS、SIMS)の原理と実際(続) 類似している各測定手法について、得失、得手不得手、使い分けなどを実例を交えて紹介する。 | 事前:前回授業の内容をおさらいしておく。 事後:今回学んだことは今後の授業展開の基となるので、見返しておく。質問事項があればメモしておいて次回の授業時に問い合わせるようにする | 事前:120分 事後:120分 |
第14回 | SPM(Scanning Probe Microscope)ファミリーの原理と実際 一般的に使われる分析手法であるが、得手不得手、わかるところとわからないところがある。 これらの事柄を実例を交えて紹介する | 事前:前回授業の内容をおさらいしておく。おそらくSPMは使っていると思うので、実験室にある装置をざっと眺めておく。疑問に思うことがあれば質問事項としてまとめておく 事後:今回学んだことは今後の授業展開の基となるので、見返しておく。質問事項があればメモしておいて次回の授業時に問い合わせるようにする | 事前:120分 事後:120分 |
第15回 | 表面分析応用例の紹介。表面測定で陥りやすい問題、その他最新の評価法の紹介 各自の研究内容に即した評価・分析に対応した質疑応答。 演習・討議 | 事前:これまでの授業の内容をおさらいしておく。習ってきた一連の事柄を大きな流れとしてつかむとよい。同様のおさらいは授業の冒頭でも行う。 事後:授業で習ったことを時々思い返しながら実験・研究を進めていってもらいたい。なお、この授業に関係なく、質問事項や各人の実験方法などについて質問したいことがあればいつでも連絡してください。対応します | 事前:120分 事後:120分 |
その他
教科書 |
清水 明 『新版 量子論の基礎』 新物理学ライブラリ サイエンス社 2004年
枝松圭一 『単一光子と量子もつれ光子 量子光学と量子光技術の基礎』 基礎法則から読み解く物理学最前線19 共立出版 2018年
Eric P. Goodwin, James C. Wyent, Field Guide to Interferometric Optical Testing, SPIE Press, 2006
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参考資料コメント 及び 資料(技術論文等) |
John C. Vickerman, Surface Analysis -The Principal Techniques-Ed., John Wiley & Sons
F.Jenkins & H.White, Fundamentals of Optics, International Student Edition
大西、堀池、吉原 編 『固体表面分析I』 講談社サイエンティフィク ISBN 4-06-153364-9
大西、堀池、吉原 編 『固体表面分析II』 講談社サイエンティフィク ISBN 4-06-153366-5
志ある者は洋書にもチャレンジしてほしい。
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成績評価の方法 及び基準 |
演習や討議を通して到達度を評価する。やむを得ない理由による欠席も考慮する。自分が進めている研究内容に即した活発な質問と討議を期待する。 |
質問への対応 | 質問事項はぜひ授業中に行ってもらいたい。授業中のアクティビティの高さがworld wideな研究者、プロの研究者の資質を磨きます。その場で答えられないときは必ず後日回答します。中川先生、塚本先生へ言づけてもらってもよい。(喜々津) 質問は講義中に随時受け付けます。(齋藤) |
研究室又は 連絡先 |
船橋校舎421号室(塚本研) |
オフィスアワー | |
学生への メッセージ |
暗記や数式の導出などはありません。種々の分析法について、どういう原理で何が得意で何が欠点か、何に注意すべきか、を経験に即して講義します。講義の際に自分の研究に照らしあわせ考えて、質問・ディスカッションをお願いします。(喜々津) 「光(電磁波)とは何か」を数式によって理解することを行った後、最近進展が著しい量子光学について紹介します。(齋藤) |