2024年 大学院理工学研究科 シラバス - 物理学専攻
設置情報
科目名 | プラズマ物理学特論Ⅱ | ||
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設置学科 | 物理学専攻 | 学年 | 1年 |
担当者 | 高橋 努 | 履修期 | 後期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 水曜6 金曜2 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | M36B M52B |
クラス |
概要
学修到達目標 | プラズマはそれ自身が作りだす電磁場と相互作用している荷電粒子の集合で,状況によって多様な特徴的様相(集団的な振る舞い)を示す。プラズマ物理学問題を実験的に理解するための基本的な理論、実験的な技術、コンピュータ(数値解析の技法)について解説する。講義内容に関する演習問題を解くことによて理解を深め、理論的な考え方,実験的な技術,数値解析の技法を身につけ,大学院特別研究で実践できる力を身につける。 |
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授業形態及び 授業方法 |
授業形態 対面授業を行う。 各回、講義内容に関するノートを配布して、講義の聴きながら講義内容の成果物を作成しながら理解を深める。 毎回講義内容の復習のための演習問題を課し、理解を深める。 |
準備学習(予習・ 復習等)の内容・ 受講のための 予備知識 |
学部で履修する物理学の基礎(力学,電磁気学,量子力学,統計物理学,物理数学)の基礎を理解していること,プラズマ物理学,核融合科学を履修(聴講)していることが望ましい。 大学院進学予定者が科目等履修生として受講する場合は、プラズマ物理学あるいは核融合科学を履修していること。 |
授業計画
第1回 | ガイダンス,Introduction: (プラズマとは何か、プラズマのモデル) キーワード(プラズマを記述する考え方,荷電粒子の速度,エネルギー,温度の概念,プラズマ振動,電気的準中性,デバイの距離,プラズマの集団現象)とプラズマモデル(プラズマの表し方)とプラズマの階層 問題演習1 | 事前学習(キーワードについて調べる。120分) 事後学習(問題の解答作りながら、講義内容を理解する。120分) | 事前学習120分 事後学習120分 |
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第2回 | Plasma のモデル(単一荷電粒子モデル,運動論的モデル,流体モデル,1流体モデル(MHD モデル),2流体モデル) キーワード(磁場中の荷電粒子の運動(古典的),サイクロトロン振動数,ラーマー半径,一様磁場中のドリフト(電場によるドリフト,外力によるドリフト, 非一様磁場中のドリフト(grad B ドリフト、曲率(遠心力)ドリフト)) 問題演習2 | 事前学習(配布するテキストをもとに、キーワードについて調べる。) 事後学習(指定する問題の解答作りながら、配布テキストの内容を理解する。) | 事前学習120分 事後学習120分 |
第3回 | 高電圧発生回路 キーワード(高電圧発生法(コッククロフト・ウオルトン回路,マルクス発生装置)エネルギーの蓄積方法,コンデンサ蓄積、インダクター蓄積、回転エネルギー、オープニングスイッチ,クローズドスイッチ、パルスパワー,高圧トランス,ネオントランス,充電器、ステップアップトランス)` | 事前学習(配布するテキストをもとに、キーワードについて調べる。) 事後学習(指定する問題の解答作りながら、配布テキストの内容を理解する。) | 事前学習120分 事後学習120分 |
第4回 | 放電回路の基礎1 (LCR放電回路の基礎,パルスパワー技術の基礎) キーワード(LCR放電回路(減衰振動放電,臨界制動放電,過制動放電、クローバー回路),,パルス形成線,Ion Diode, Electron Diode,空間制限電流,電磁波の発生) | 事前学習(配布するテキストをもとに、キーワードについて調べる。) 事後学習(指定する問題の解答作りながら、配布テキストの内容を理解する。) | 事前学習120分 事後学習120分 |
第5回 | 放電回路の基礎2 (ギャップスイッチ、半導体スイッチ) キーワード(自爆スイッチ,トリガートロン,電界歪スイッチ,サイラトロン,イグナイトトン,半導体スイッチ(IGBTなど)パッシェンの法則) | 事前学習(配布するテキストをもとに、キーワードについて調べる。) 事後学習(指定する問題の解答作りながら、配布テキストの内容を理解する。) | 事前学習120分 事後学習120分 |
第6回 | 大電流・高電圧の計測方法 キーワード(抵抗分圧器、容量分圧器,ロゴスキーコイル,分流器,メータリレー) | 事前学習(配布するテキストをもとに、キーワードについて調べる。) 事後学習(指定する問題の解答作りながら、配布テキストの内容を理解する。) | 事前学習120分 事後学習120分 |
第7回 | 衝撃波の物理と実験 キーワード(衝撃波、ランキンユーゴニオの関係,フェルミ加速,実験室での衝撃波発生,衝突衝撃波,無衝突衝撃波,衝撃波の可視化、シュリーレン法,) | 事前学習(配布するテキストをもとに、キーワードについて調べる。) 事後学習(指定する問題の解答作りながら、配布テキストの内容を理解する。) | 事前学習120分 事後学習120分 |
第8回 | 実験室宇宙物理学(高エネルギープラズマ物理学) キーワード(さまざまな実験室宇宙物理学,レーザーを用いた実験室宇宙物理,パルスパワーを用いた実験宇宙物理学,プラズマ衝突を用いた宇宙物理学 | 事前学習(配布するテキストをもとに、第1回から第7回の内容について補充問題をもとに復習する。) 事後学習(解説をもとに、試験問題の内容を理解する。) | 事前学習120分 事後学習120分 |
第9回 | プラズマ計測の基礎 キーワード(プラズマ計測の分類,プラズマパラメータとその計測法) | 事前学習(配布するテキストをもとに、キーワードについて調べる。) 事後学習(指定する問題の解答作りながら、配布テキストの内容を理解する。) | 事前学習120分 事後学習120分 |
第10回 | 磁場計測 キーワード(磁気プローブ,ホールプローブ,ファーラーデープローブ、電流計測への応用,プラズマの不安定性の計測,反磁性量の計測,磁束関数・磁束密度の計算方法, コーシー条件面法) | 事前学習(配布するテキストをもとに、キーワードについて調べる。) 事後学習(指定する問題の解答作りながら、配布テキストの内容を理解する。) | 事前学習120分 事後学習120分 |
第11回 | 静電プローブ計測 キーワード(ラングミューアプローブ,ダブルプローブ,トリプルプローブ,マッハプローブ) | 事前学習(配布するテキストをもとに、キーワードについて調べる。) 事後学習(指定する問題の解答作りながら、配布テキストの内容を理解する。) | 事前学習120分 事後学習120分 |
第12回 | 屈折率を利用した計測 キーワード(分散関係式,磁化プラズマ中のプラズマの誘電率,アリスダイアグラム,密度計測,ファラデー回転) | 事前学習(配布するテキストをもとに、キーワードについて調べる。) 事後学習(指定する問題の解答作りながら、配布テキストの内容を理解する。) | 事前学習120分 事後学習120分 |
第13回 | 散乱現象を利用した計測 キーワード(電磁波の散乱現象,インコヒーレント散乱,コヒーレント散乱. トムソン散乱,レーリー散乱) | 事前学習(配布するテキストをもとに、キーワードについて調べる。) 事後学習(指定する問題の解答作りながら、配布テキストの内容を理解する。) | 事前学習120分 事後学習120分 |
第14回 | 光学計測の基礎 キーワード(衝突放射モデル,LTEモデル,コロナモデル,制動放射,放射再結合,線スペクトル,分光法,線スペクトルの幅,ドップラー拡がり. シュタルク拡がり, 装置幅,自然幅 | 事前学習(配布するテキストをもとに、キーワードについて調べる。) 事後学習(指定する問題の解答作りながら、配布テキストの内容を理解する。) | 事前学習120分 事後学習120分 |
第15回 | プラズマ粒子の計測 キーワード(中性粒子,イオン計測,中性子計測,質量分析器,トムソンパラボラ) | 事前学習(配布するテキストをもとに、第9回から第14回の内容について補充問題をもとに復習する。) 事後学習(解説をもとに、試験問題の内容を理解する。) | 事前学習120分 事後学習120分 |
その他
教科書 |
特に指定しません。
参考書については、各回講義で配布するノートで紹介する。
シラバスの参考資料では、プラズマ物理学の基本的な教科書を示す。
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参考資料コメント 及び 資料(技術論文等) |
Francis F. Chen 『Introduction to Plasma Physics and Controlled Fusion』 Springer 2016年 第3rd版
石原修 『プラズマ物理科学』 電気書院 2014年 第初版版
Kenro Miyamoto, Plasma Physics for Controlled Fusion, Springer Series on Atomic, Optical, and Plasma Physics 92, Springer, 2016, Second Edition edition
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成績評価の方法 及び基準 |
授業内で課するレポートを全て提出しものに対して各回10点満点で評価し、総合的に評価する。 |
質問への対応 | 授業中随時受け付ける。 |
研究室又は 連絡先 |
研究室 駿河台校舎 7号館721A室 船橋校舎 プラズマ理工学研究施設(旧物理実験A棟) 連絡先 takahashi.tsutomu@nihon-u.ac.jp |
オフィスアワー |
水曜 駿河台 12:30 ~ 13:10
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学生への メッセージ |
講義に出席し、授業中に配布するノートの作成、演習問題を解くことによってプラズマの物理の考え方を学びましょう。 |