2024年 大学院理工学研究科 シラバス - 量子理工学専攻
設置情報
科目名 | 量子力学Ⅰ | ||
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設置学科 | 量子理工学専攻 | 学年 | 1年 |
担当者 | 桑本 剛 | 履修期 | 前期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 月曜6 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | O16A |
クラス |
概要
学修到達目標 | 量子力学の基本事項を理解し,量子論の誕生,不確定性原理,光の粒子性,物質の波動性,確率解釈,重ね合わせの原理等々,量子力学の原理的・根源的部分を説明することができる. |
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授業形態及び 授業方法 |
「対面授業」 板書を中心とした講義形式で行う. |
準備学習(予習・ 復習等)の内容・ 受講のための 予備知識 |
力学,解析力学,電磁気学の復習をしておくこと.授業終了時に次回の授業内容について解説するので,教科書の該当箇所を通読しておくこと. |
授業計画
第1回 | 講義内容の解説:講義内容の概略を説明し,学習目標の確認,および成績評価方法の詳細を把握する.量子力学を特徴づける主要な概念のおおまかなイメージを得る. | 事前学習:授業内容を予習する。 事後学習:授業内容を復習する。 | 事前学習:2時間 事後学習:2時間 |
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第2回 | 量子力学の誕生(1):量子力学が誕生する直前の19世紀後半における物理学の状況および問題点を学習する.古典物理学では説明できない黒体放射における問題を具体的にとりあげ,「量子」の概念が発見された経緯を理解する. | 事前学習:授業内容を予習する。 事後学習:授業内容を復習する。 | 事前学習:2時間 事後学習:2時間 |
第3回 | 量子力学の誕生(2):アインシュタインの光電効果に対する解釈を通して,アインシュタインード・ブロイの関係式を理解する.また,ラザフォードの実験を通して,原子の構造がどのように理解されてきたかを把握する. | 事前学習:授業内容を予習する。 事後学習:授業内容を復習する。 | 事前学習:2時間 事後学習:2時間 |
第4回 | 量子力学の誕生(3):原子内の軌道電子がエネルギー的に安定であるためには量子論が必要であることを学習する.また,非常に重要な概念である「物質波」がどのように導入されたのかを理解する. | 事前学習:授業内容を予習する。 事後学習:授業内容を復習する。 | 事前学習:2時間 事後学習:2時間 |
第5回 | シュレディンガー方程式:量子力学の基本方程式であるシュレーディンガー方程式がどのように発見されたのか,またこの方程式の物理学的意味,どのような性質があるのかを理解する. | 事前学習:授業内容を予習する。 事後学習:授業内容を復習する。 | 事前学習:2時間 事後学習:2時間 |
第6回 | 不確定性原理および物理量と演算子:一般的な不確定性関係を理解する.また,物理量と演算子の対応関係を理解する. | 事前学習:授業内容を予習する。 事後学習:授業内容を復習する。 | 事前学習:2時間 事後学習:2時間 |
第7回 | 波動関数の確率解釈:微視的世界では確率的にしか物質や光の位置・運動量などの物理量を知る事ができないという量子力学に特徴的な事情を理解する. | 事前学習:授業内容を予習する。 事後学習:授業内容を復習する。 | 事前学習:2時間 事後学習:2時間 |
第8回 | エネルギー固有値方程式:量子力学の諸問題を解くときに必要となる固有値方程式について学習する.箱の中の粒子や原子のエネルギー構造を具体例として取り上げ演習問題を解きながら理解を深める. | 事前学習:授業内容を予習する。 事後学習:授業内容を復習する。 | 事前学習:2時間 事後学習:2時間 |
第9回 | 観測量とその期待値:量子力学における観測量と期待値の関係性に関して学習する.また,量子力学の数理構造について理解する. | 事前学習:授業内容を予習する。 事後学習:授業内容を復習する。 | 事前学習:2時間 事後学習:2時間 |
第10回 | 不確定性関係:位置と運動量,時間とエネルギー,などの間の不確定性関係について学習する.また,これが生じる原理を理解する. | 事前学習:授業内容を予習する。 事後学習:授業内容を復習する。 | 事前学習:2時間 事後学習:2時間 |
第11回 | 1次元の量子系:一次元のポテンシャル問題を解く場合に重要となる諸条件について学習する. | 事前学習:授業内容を予習する。 事後学習:授業内容を復習する。 | 事前学習:2時間 事後学習:2時間 |
第12回 | 階段型ポテンシャル:一次元のポテンシャル問題として,具体的に階段型ポテンシャルに関し学習する.量子反射等,量子力学に特徴的な現象を理解する. | 事前学習:授業内容を予習する。 事後学習:授業内容を復習する。 | 事前学習:2時間 事後学習:2時間 |
第13回 | 透過率・反射率:一次元のポテンシャル問題として,有限の(エネルギー的)高さをもつ壁型ポテンシャルに関し透過率や反射率を具体的に計算し,量子力学に特徴的な現象を理解する. | 事前学習:授業内容を予習する。 事後学習:授業内容を復習する。 | 事前学習:2時間 事後学習:2時間 |
第14回 | トンネル効果(1)壁型ポテンシャルにおける量子(粒子)のトンネル効果について学習する. | 事前学習:授業内容を予習する。 事後学習:授業内容を復習する。 | 事前学習:2時間 事後学習:2時間 |
第15回 | トンネル効果(2)様々な物理現象にトンネル効果が関与していることを学習する.トンネル効果が自然界で非常に重要な効果であることを理解する. | 事前学習:授業内容を予習する。 事後学習:授業内容を復習する。 | 事前学習:2時間 事後学習:2時間 |
その他
教科書 |
小川哲生 『量子力学講義』 サイエンス社
基礎から応用まで要所をおさえ分かりやすく解説された良書.
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参考資料コメント 及び 資料(技術論文等) |
上田正仁 『現代量子物理学[基礎と応用]』 培風館
A. Messiah, Quantum Mechanics, Dover
L. I. Schiff, Quantum Mechanics, McGraw-HIll, 3rd edition
小出昭一郎 『量子力学I・II』 基礎物理学選書 裳華房
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成績評価の方法 及び基準 |
授業中の質疑応答(50%)およびレポート課題(50%)によって行う. |
質問への対応 | 授業中,授業前後,メール等で受け付ける. |
研究室又は 連絡先 |
原子光学研究室(桑本)船橋6号館621D室 E-mail: kuwamoto.takeshi@nihon-u.ac.jp URL:http://www.quant-ph.cst.nihon-u.ac.jp/~kuwamoto/ |
オフィスアワー |
火曜 船橋 12:00 ~ 13:00 船橋6号館621D室
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学生への メッセージ |
研究には必要ないが量子力学に興味を持ち勉強してみたいという学生も歓迎します! |