2024年 大学院理工学研究科 シラバス - 量子理工学専攻
設置情報
科目名 | プラズマ科学 | ||
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設置学科 | 量子理工学専攻 | 学年 | 1年 |
担当者 | 渡部 政行 | 履修期 | 後期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 水曜2 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | O32C |
クラス |
概要
学修到達目標 | この講義を受講することによって,荷電粒子の集合体であるプラズマに関する基礎知識を習得することができ,またそのプラズマの様々な応用に関して知ることができる.講義の後半では,核融合炉実現に必要な高温・高密度プラズマの条件なども学習する.また,プラズマの電磁流体力学的な振る舞いと供に,運動論的な振る舞いに関しても理解することができる.最終的に,様々な分野に応用されているプラズマ科学に関する概念を理解することができる. |
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授業形態及び 授業方法 |
授業方法:「対面授業」 板書を中心に対面で講義を行う予定である. |
準備学習(予習・ 復習等)の内容・ 受講のための 予備知識 |
予備知識がなくても理解できるように講義するが,基礎的な電磁気学,解析力学,流体力学などの予習はしておくこと.特に,電磁気学の基礎的な内容は必ず予習しておくこと. |
授業計画
第1回 | 原子力エネルギー工学: 前期講義「原子力エネルギー工学」で学んだ講義内容を簡単に復習する. | 予習:原子力エネルギー工学に関して予習しておくこと. 復習:核分裂・核融合等に関して復習すること. | 事前学習:2時間 事後学習:2時間 |
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第2回 | プラズマとは: プラズマとはどういう状態であるかを把握する. 温度の概念を復習する. デバイ遮蔽などのプラズマの特性を理解する. | 予習:プラズマとはどのようなものかを確認しておくこと. 復習:温度と熱の違いに関して復習すること. | 事前学習:2時間 事後学習:2時間 |
第3回 | 放電とは: 放電とはどういう現象であるかを理解する. 放電は起こる条件や放電を維持する機構を理解する.またパッシェンの法則等を理解する. | 予習:放電現象に関して確認しておくこと. 復習:グロー放電やアーク放電に関してその違いについて復習すること. | 事前学習:2時間 事後学習:2時間 |
第4回 | 炉心プラズマ: プラズマの輻射と熱平衡、炉心プラズマの成立条件、プラント効率などを理解する. | 予習:熱力学全般を確認しておくこと. 復習:プラズマの輻射と熱平衡の概念に関して復習すること. | 事前学習:2時間 事後学習:2時間 |
第5回 | クーロン衝突: 多粒子における物理に重要な弾性衝突とクーロン衝突を学習する. クーロン衝突の基礎に加え,遁走電子に関して理解する. | 予習:衝突に関する概念関して確認しておくこと. 復習:弾性衝突,クーロン衝突などの考え方について復習すること. | 事前学習:2時間 事後学習:2時間 |
第6回 | 気体運動論1: 気体運動論とは,マクセルボルツマン分布に関して学習する. | 予習:気体運動論に関してその概要を調べておくこと. 復習:分布関数の基礎知識をもとにプラズマの振る舞いを復習すること. | 事前学習:2時間 事後学習:2時間 |
第7回 | 気体運動論2: 解析力学の概念を復習する. ハミルトン方程式を用いてプラズマの運動論的振る舞いを理解する. | 予習:解析力学に関して復習しておくこと. 復習:静電場・電磁場におけるハミルトニアンを数学的に復習すること. | 事前学習:2時間 事後学習:2時間 |
第8回 | 電磁気学の復習: 基礎的な電磁気学の法則を復習する. Maxwell方程式を理解する. | 予習:電磁気学に関して復習しておくこと. 復習:Maxwell方程式の4つの式の使い方を復習すること. | 事前学習:2時間 事後学習:2時間 |
第9回 | 電磁気学の応用: 電磁場の境界条件を確認する. 電磁場の応力を理解する. | 予習:Maxwellの微分形,積分形に関して確認しておくこと. 復習:電磁応力に関して復習すること. | 事前学習:2時間 事後学習:2時間 |
第10回 | 気体運動論: ボルツマン方程式、ブラゾフ方程式等に関して学習する. | 予習:温度の概念および気体運動論を復習しておくこと. 復習:高温プラズマにおける気体運動論を復習すること. | 事前学習:2時間 事後学習:2時間 |
第11回 | 流体モデル: 電磁流体としてのプラズマの振る舞いを理解する. 荷電粒子の連続の式および運動方程式を導く. | 予習:クーロン力,ローレンツ力,重力等に関して予習しておくこと. 復習:連続の式,電磁流体力学の基礎に関して復習すること. | 事前学習:2時間 事後学習:2時間 |
第12回 | 電磁流体モデル: 電磁流体モデルにおける基礎的な方程式である 2流体および1流体の電磁流体方程式を学習する. | 予習:電磁流体とは何か?予習しておくこと 復習:電磁流体運動方程式に関して復習すること. | 事前学習:2時間 事後学習:2時間 |
第13回 | 電磁流体力学: 電磁流体的運動方程式の簡単化を行う. 一般化されたオームの法則を導出する. 電磁流体的な概念を基に磁場の拡散方程式、磁気レイノルズ数に関して学習する. | 予習:電気工学,特にオームの法則に関して予習しておくこと. 復習:MHD項を含むオームの式に関して復習すること. | 事前学習:2時間 事後学習:2時間 |
第14回 | 炉心プラズマ: プラズマの輻射と熱平衡、炉心プラズマの成立条件、プラント効率などを理解する. 核融合炉を実現するための概念である核融合3重積について理解する. | 予習:熱力学全般を確認しておくこと 復習:プラズマの輻射と熱平衡の概念に関して復習すること. | 事前学習:2時間 事後学習:2時間 |
第15回 | プラズマの平衡と安定性: プラズマの巨視的平衡と安定性を理解し、圧力と磁気圧のバランスを考える. 電磁気の基礎的な方程式を用いプラズマの平衡と安定性を理解する. 基礎的なプラズマ磁場閉じ込めの平衡状態を考える. | 予習:電磁気および電磁流体力学に関して予習しておくこと. 復習:プラズマの平衡と安定性に関して復習すること. | 事前学習:2時間 事後学習:2時間 |
その他
教科書 | |
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参考資料コメント 及び 資料(技術論文等) |
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成績評価の方法 及び基準 |
成績評価は適時行うレポートの提出を基に総合的に判断する. 出題した課題に関しては適時,解説を行う. |
質問への対応 | 質問は、いつでもどうぞ. オフィスアワーを以下に示していますが,変更もあります. まずはメールで連絡してください. |
研究室又は 連絡先 |
駿河台校舎8号館2階 823F室,TEL 03-3259-0917 船橋校舎 物理実験A棟,TEL 047-469-5350 e-mail watanabe.masayuki66@nihon-u.ac.jp |
オフィスアワー |
火曜 船橋 14:00 ~ 16:00
水曜 駿河台 12:30 ~ 13:00
木曜 船橋 12:00 ~ 13:00
金曜 駿河台 12:30 ~ 13:00
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学生への メッセージ |
プラズマは放電などを用いて形成されます. 高温なガスとしての応用や電磁気力を使った応用など多岐にわたります. この様々な分野に応用されるプラズマの科学を習得しましょう. |