2025年 理工学部 シラバス - 交通システム工学科
設置情報
科目名 | 都市衛生・防災 | ||
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設置学科 | 交通システム工学科 | 学年 | 3年 |
担当者 | 伊東・佐藤・岡積 | 履修期 | 後期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 水曜2 |
校舎 | 船橋 | 時間割CD | B32E |
クラス | |||
履修系統図 | エンジニアリングコースの系統図確認 マネジメントコースの系統図確認 | ||
その他 | 実務経験のある教員による授業科目 |
概要
学修到達目標 | 前半は、頻発する地震や洪水などによる自然災害の実態を踏まえつつ、これからの都市における防災・減災のために必要な施策を理解する。後半は、都市域における都市インフラとしての上下水道の役割としくみ、社会インフラである上下水道施設を守り続けていくための施策を理解する。 本科目は、学科の学習・教育到達目標A~I(「学生生活のしおり」p.1参照)のうち、D「専門応用能力」およびI「デザイン・総合力」の達成に主体的に関与する重要な科目です。 |
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授業形態及び 授業方法 |
講義形式:パワーポイントと配布資料により対面授業を行う。 1回~7回の講義は、国土交通省等での防災に係る行政経験をもとに、都市における防災・減災に係る基本的でかつ最新の政策や取り組みについて具体的事例をもとに説明する。 8回〜14回の講義は、民間会社で設計に携わった経験をもとに、社会インフラとのしての上下水道の重要性や施設の成り立ちを上下水道の歴史から、現在の計画、設計手法につなげて授業する。さらに、上下水道インフラを将来に渡って維持していくために必要なマネジメント手法を説明する。 |
履修条件 | 岡積:自然災害が社会に関して与える影響や今後の安全なまちづくりに関心があること。 佐藤:都市インフラの主要な施設である上下水道施設の現状と将来に関心があること。 専門教育科目、両コース共通、社会・環境系群 |
ディプロマ・ポリシー(DP)及びカリキュラム・ポリシー(CP)との関連 | 本授業科目はDP1・3・4・5・6及びCP1・3・4・5・6に該当しています。 |
授業計画
第1回 | 都市と防災(1):自然災害と都市の脆弱性 実務経験を活かし、災害リスクと災害の種類、都市の進展と災害の歴史、我が国の地象・気象の特徴、気候変動と地球温暖化、都市の脆弱性を解説する。 | (事前学習)最近起きた自然災害によって都市が受けた被害について調べておくこと (事後学習)授業で提示した課題を整理しておくこと | 合計4時間 内訳 事前学習2時間 事後学習2時間 |
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第2回 | 都市と防災(2):都市と地震 実務経験を活かし、地震災害の歴史と地震発生メカニズム、首都圏直下地震と首都の脆弱性、地盤と建物の耐震化、地震被害軽減策、東日本大震災からの復興を解説する。 | (事前学習)最近の地震被害及び地震関連情報の実態について調べておくこと(120分) (事後学習)授業で提示した課題を整理しておくこと(120分) | 合計4時間 内訳 事前学習2時間 事後学習2時間 |
第3回 | 都市と防災(3):都市と津波・高潮など 実務経験を活かし、津波とその被害軽減策、高潮とその被害軽減策、高波・海岸浸食とその被害軽減策、都市とその他の自然災害(豪雪、渇水など)を解説する。 | (事前学習)最近の高潮災害の実態について調べておくこと (事後学習)授業で提示した課題を整理しておくこと | 合計4時間 内訳 事前学習2時間 事後学習2時間 |
第4回 | 都市と防災(4):都市と洪水 実務経験を活かし、洪水被害と治水事業の歴史、河川の管理、都市河川の特徴と課題、近年の豪雨災害の課題と今後の被害軽減策である流域治水を解説する。 | (事前学習)今までに、ご自身や親せき・知人など、身近で起きた洪水被害の話とその時の状況について調べておくこと (事後学習)授業で提示した課題を整理しておくこと | 合計4時間 内訳 事前学習2時間 事後学習2時間 |
第5回 | 都市と防災(5):都市と土砂災害 - 実務経験を活かし、土砂災害の災害の歴史、土砂災害の種類、土砂災害対策、火山噴火災害、火山地域における土砂災害対策を解説する。 | (事前学習)最近の土砂災害の実態について調べておくこと (事後学習)授業で提示した課題を整理しておくこと | 合計4時間 内訳 事前学習2時間 事後学習2時間 |
第6回 | 都市と防災(6):安全な都市づくり - 実務経験を活かし、市街地火災と防火対策、防災資源の活用と都市防災施設、災害に強いまちづくり、災害と法制度を解説する。 | (事前学習)公園や道路など都市施設の防災上の役割について調べておくこと (事後学習)授業で提示した課題を整理しておくこと | 合計4時間 内訳 事前学習2時間 事後学習2時間 |
第7回 | 都市と防災(7):これからの防災・減災 - 実務経験を活かし、防災減災の基本的な考え方、防災減災国土強靭化、施設の維持管理と老朽化対策、事前の復興準備、マイタイムラインなどを解説する。 | (事前学習)自身の身の回りで起きる可能性がある災害について、思いつくものをできるだけたくさん書き出しておくこと (事後学習)授業で提示した課題をレポートにまとめ、後日提出のこと | 合計4時間 内訳 事前学習2時間 事後学習2時間 |
第8回 | 都市衛生(1):水道の役割(1) 都市と河川のつながりを流域の視点で、加えて気候変動と都市の水リスクの関係を都市生活の視点から解説する。さらに、社会インフラとしての水道の役割を解説する。 | (事前学習)事前配布する資料を精読しておくこと。気候変動に関するマスコミ等の記事をインターネット等を活用して収集精読すること。受講者が考える社会インフラと市民生活の関連を考えておくこと。さらに、去年1月に発生した能登半島沖地震による上下水道水施設の被害に関する情報をインターネットや新聞などから収集し、市民生活と上下水道の役割を考えておくこと。 (事後学習)都市と流域の関連性、加えて都市に整備されている社会インフラの目的を整理すること。さらに、講義で説明する確認問題を復習すること。 | 合計4時間 内訳 事前学習2時間 事後学習2時間 |
第9回 | 都市衛生(2):水道の役割(2) 古代から近代までの水道の歴史をもとに、時代の変化による水道の役割の変遷を説明する。加えて水道の目的、水道が備えるべき要素、水道水の水質に関わる諸問題や水道事業が抱える課題を解説する。 | (事前学習)事前配布する資料を精読しておくこと。さらに、新聞やネット情報を通して感染症に関する情報を収集し、感染拡大の予防や新たな感染症に対して社会がとるべき施策を整理しておくこと。水道施設の老朽化に起因する事故等に関する記事を新聞やネット情報をもとに整理しておくこと。 (事後学習)講義で述べた水道の目的や役割、水道の要素をノートに整理して理解しておくこと。さらに、講義で説明する確認問題の復習すること。 | 合計4時間 内訳 事前学習2時間 事後学習2時間 |
第10回 | 都市衛生(3):水道の役割(3) 水道施設の全体構成や各構成施設の役割を解説するとともに、水道施設を計画する上で必要となる事項や施設の設計に必要な諸元、及び設計上の留意点を実務経験をもとに解説する。さらに、水道施設を維持するために考慮すべき事項を説明する。水源の水質低下に対する方策を説明する。 | (事前学習)事前配布する講義資料を精読しておくこと。さらに、受講者の出身地域に飲料水を供給する水道の浄水方法や水道事業の種類を事前に調べておくこと。最近の水質汚染(表流水と地下水)に関する情報を新聞記事やネット情報を通じて収集しておくいこと。 (事後学習)浄水方式の種類とその特徴、並びに、浄水場を構成する施設の役割を理解すること。さらに、講義で説明する確認問題を復習すること。 | 合計4時間 内訳 事前学習2時間 事後学習2時間 |
第11回 | 都市衛生(4):下水道の役割(1) 生活環境の改善に向けた下水道の貢献を下水道の歴史をもとに解説する。加えて社会の変化に合わせて下水道の役割が如何に変わってきたかを解説する。さらに、下水道計画を行う上で重要な下水道の種類と仕組み、計画上の諸元を解説する。 | (事前学習)事前配布する講義資料を精読しておくこと。さらに、水に係る感染症の種類を整理するとともに、感染拡大による市民生活への影響をマスコミなどの記事やネット情報などを通してイメージしておくこと。今年1月28日に発生した八潮市の道路陥没事故に関する情報を新聞記事やネット情報で収集すると共に、事故原因に関する受講者なりの考えを整理しておくこと。 (事後学習)公衆衛生改善の重要性と社会インフラとしての下水道の役割を理解すること。さらに、講義で説明する確認問題を復習すること。 | 合計4時間 内訳 事前学習2時間 事後学習2時間 |
第12回 | 都市衛生(5):下水道の役割(2) 下水道計画の策定に必要なプロセス、及び各プロセスを構成する作業項目と作業を実施する上での留意点を説明する。さらに、管路の計画と設計を行う上で検討が必要となる事項の解説と管路を設計する上で留意すべき点を解説する。加えて管布設の方法を工事事例をもとに解説する。 | (事前学習)事前配布する講義資料を精読しておくこと。さらに、街中で見かける下水道工事から管布設を中心とした下水道工事の全体像をイメージしておくこと。 (事後学習)講義で説明した管路施設に対する設計手法と管布設工事の流れを理解すること。さらに、講義で説明する確認課題を復習すること。 | 合計4時間 内訳 事前学習2時間 事後学習2時間 |
第13回 | 都市衛生(6):下水道の役割(3) 下水処理の目的と全体の水処理プロセスを説明するとともに、各処理プロセスの役割と処理上の留意点を実務経験をもとに説明する。加えて汚泥処理の目的と全体の処理のプロセスを解説するとともに、各処理プロセスの役割と処理方法を説明する。さらに、下水処理の過程で発生する処理水、及び汚泥の有効利用に関する現状を実例をもとに解説する。 | (事前学習)事前配布する講義資料を精読しておくこと。さらに、下水道処理水や下水道汚泥の有効利用に関する情報を新聞やネット検索などを通して収集しておくこと。 (事後学習)講義で説明する確認問題を復習すること。さらに講義で提示した水道と下水道に関する課題をレポートにまとめ、指定した期日時までに提出すること。なお、レポートの解説は第15回講義時、あるいは、Classroomで掲示する。 | 合計4時間 内訳 事前学習2時間 事後学習2時間(レポートの作成を含む) |
第14回 | 都市衛生(7):下水道の役割(4) 下水道施設の老朽化で生じる課題や自然災害への施設の対応の重要性を実務経験を踏まえて解説する。さらに、下水道事業を将来に渡って安定して推進していくために必要なマネジメント手法を解説する。大規模地震や、近年、多発する水質事故や道路陥没事故を踏まえて上下水道施設の耐震化、施設更新、長寿命化に必要な方策を解説する。 | (事前学習)事前配布する講義資料を精読しておくこと。さらに、下水道をはじめとした社会インフラの老朽化が市民生活に及ぼす影響を新聞やTV等で報道される道路陥没、断水、臭気事故と関連付けて理解しておくこと。第8回講義、第9回講義、第10回講義、第11回講義の事前学習で収集した情報を再度読み直す事。 (事後学習)今後、顕在化する下水道の老朽化とそれに伴う課題とその対策をノートに整理すること。さらに、講義で説明する確認問題を復習すること。 | 合計4時間 内訳 事前学習2時間 事後学習2時間 |
第15回 | 理解度確認テストと解説 | 【事前学習】全体の講義内容を整理し、内容を理解しておくとともに、各回講義中に解説する「確認問題」を確実に復習しておくこと。 【事後学習】試験終了後に間違った回答などを復習すること | 合計4時間 内訳 事前学習2時間 事後学習2時間 |
その他
教科書 |
教科書は使用しない。講義資料のPDFはCST-VOICEのクラスルームで配布する。必要に応じて事前に各自で講義資料を印刷すること。あるいは授業中にパソコンやタブレットで講義資料を参照すること。
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参考書 | |
成績評価の方法 及び基準 |
成績は理解度確認テストおよびレポート課題で総合評価する。 理解度確認テスト(出欠確認も含む)で60点(佐藤:30点、岡積:30点)、レポート課題で40点(佐藤:20点、岡積:20点)で評価する。 なお、学習目標を達成するために、全ての授業回で出席することを原則とし、出席が80%に満たない場合は採点対象としない。 |
定期試験等に ついて |
理解度確認期間(14週目又は15週目)に平常試験を実施予定 |
質問への対応 | 岡積:電子メールにて対応する。 佐藤:電子メールにて対応する。 |
研究室又は 連絡先 |
交通環境研究室(738室):伊東 ito.hideyuki@nihon-u.ac.jp 岡積先生: 佐藤先生:sato.makoto20@nihon-u.ac.jp |
オフィスアワー |
火曜 船橋 12:30 ~ 13:00 伊東
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学生への メッセージ |
岡積:自分の身の回りに起きる可能性のある災害及びその情報に触れることを契機にして自らの問題として感じて、都市の災害対策について幅の広い学習を期待したい。 佐藤:社会インフラである上下水道の整備と維持に関する方策を「現場の視点」で講義するので幅の広い知識の習得を期待する。 |