2025年 理工学部 シラバス - 建築学科
設置情報
科目名 | 材料化学 | ||
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設置学科 | 建築学科 | 学年 | 2年 |
担当者 | 大宅 淳一 | 履修期 | 前期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 水曜5 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | C35M |
クラス | 建築学科 |
概要
学修到達目標 | 将来的に建設材料を取り扱う機会が多い学科の学生を対象とした科目である。 主にセメント系材料の化学を中心に学習する予定であるが,化学の基礎的な内容にはじまり,無機材料・有機材料の基本も併せて幅広く学習する。 |
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授業形態及び 授業方法 |
「対面授業」にて実施する。 授業で解説に使用したスライドを別途PDFファイルとして提供するので,予習・復習に活用してください。 毎回の振り返り(課題提出)は,授業時間内に提出していただく予定である。 なお,提出した課題は,基本的に次の回の授業にて添削したものを返却する。 課題の解説は,LMS-V2(Canvas)にて行う予定です。 |
履修条件 | ・基礎教育科目・基礎科学分野(化学系)〔※2単位以上必須〕の選択科目の1つ ・環境ライフサブメジャー・コース設置科目 |
ディプロマ・ポリシー(DP)及びカリキュラム・ポリシー(CP)との関連 | 本授業科目はDP1・3及びCP1・3に該当しています。 |
授業計画
第1回 | ガイダンス 授業の進め方など セメント化学の概要と専門科目(建築材料I・建築材料II)との関連性, ”材料”とは何か | 【予習】シラバスに目を通し,講義内容の概略を理解しておく 【復習】授業後に公開する授業時のスライドを再確認し,どのような内容の講義が行われたのか理解しておく | 【事前学修】1時間 【事前学修】3時間 |
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第2回 | セメントの化学組成計算に必要な化学の基本(その1)”原子・元素の性質” 原子の構造と元素の性質 | 【予習】参考書等(特に高校時の「化学基礎」の教科書など)を見て「イオン結合」について理解しておくこと 【復習】授業後に公開する授業時のスライドを再確認し,イオン結晶の性質や式量の計算などについて十分理解しておくこと | 【事前学修】1時間 【事前学修】3時間 |
第3回 | セメントの化学組成計算に必要な化学の基本(その2)”化学結合” 金属結合,共有結合,イオン結合,配位結合,分子間力による結合,水素結合 | 【予習】参考書等(特に高校時の「化学基礎」の教科書など)を見て「化学結合」について理解しておくこと 【復習】授業後に公開する授業時のスライドを再確認し,様々な化学結合の種類とその違いについて理解しておくこと | 【事前学修】1時間 【事前学修】3時間 |
第4回 | セメントの化学組成計算に必要な化学の基本(その3)”化学反応と質量”など 分子・(原子団)イオンの構成と式量(分子量)を用いた物質量(モル数)への換算 | 【予習】参考書等(特に高校時の「化学基礎」の教科書など)を見て「イオン結合」について理解しておくこと 【復習】授業後に公開する授業時のスライドを再確認し,イオン結晶の組成式の記載や式量の計算方法を理解しておくこと | 【事前学修】1時間 【事前学修】3時間 |
第5回 | セメントとは何か?,セメントの定義と分類 セメントの歴史(ローマンコンクリート~ポルトランドセメントの誕生) 気硬性セメントと水硬性セメント,ポルトランドセメント,特殊セメント | 【予習】参考書等を見て「セメント」という材料に関するイメージ的な概略を掴んでおくこと 【復習】授業後に公開する授業時のスライドを再確認し,どのような内容の講義が行われたのか理解しておくこと | 【事前学修】1時間 【事前学修】3時間 |
第6回 | ポルトランドセメントの種類と化合物組成,ポルトランドセメントの製造法 クリンカー化合物の性質と化学組成とポルトランドセメントの製造方法(原料の調製,焼成,混合・粉砕) | 【予習】参考書等を見て「セメントクリンカー化合物」とは何か調べておくこと 【復習】授業後に公開する授業時のスライドを再確認し,セメントクリンカー化合物の種類と,化学組成・性質等を整理しておくこと | 【事前学修】1時間 【事前学修】3時間 |
第7回 | セメントの水和反応 クリンカー化合物の水和特性と凝結のメカニズム | 【予習】参考書等を見て「セメントの化学反応」がどのようなものであるのか概略を調べておくこと 【復習】授業後に公開する授業時のスライドを再確認し,各クリンカー化合物の水和反応がどのような過程で進行するのか十分に理解しておくこと | 【事前学修】1時間 【事前学修】3時間 |
第8回 | セメント・コンクリートの材料化学 化学混和剤の種類とその性能 と 混和材料 | 【予習】参考書等を見て近年の「コンクリート配合」ではセメント以外にどのような材料が使用されているか調べておくこと 【復習】授業後に公開する授業時のスライドを再確認し,「化学混和剤」の種類と性能をまとめると共に,「高分子系界面活性剤」がどのような役割を果たすのか,「混和材料(混和材)」が様々な側面で利用されることを理解しておくこと | 【事前学修】1時間 【事前学修】3時間 |
第9回 | セメント・コンクリートの環境問題, ガラス・陶磁器等の無機材料の性質 セメント・コンクリートと環境問題,ガラスや陶磁器など(無機物質の)建築材料 | 【予習】参考書等を見て,セメント関連産業における「環境問題」にはどのようなものが挙げられるか調べておくこと 【復習】授業後に公開する授業時のスライドを再確認し,産業系副産物がどのような目的でセメント産業で有効活用されているのか理解しておくこと | 【事前学修】1時間 【事前学修】3時間 |
第10回 | コンクリートの耐久性 中性化・炭酸化反応,アルカリ骨材反応,塩害の化学的メカニズムとその対応(化学反応に着目) | 【予習】参考書等を見て「コンクリートの耐久性」について調べておくこと 【復習】授業後に公開する授業時のスライドを復習し,塩害・凍害・炭酸化・アルカリ骨材反応がコンクリートの性能にどのような影響を与えるのか,そのメカニズムを十分理解しておくこと | 【事前学修】1時間 【事前学修】3時間 |
第11回 | 無機系材料・金属系材料の性質 無機系材料の一般的な性質 組織と破壊に関する考え方 金属系材料の一般的な性質 腐食,耐久性,イオン化傾向 | 【予習】参考書等を見て無機系材料,金属系材料とはどのようなものか,それらの性質を調べておくこと 【復習】授業後に公開する授業時のスライドを復習し,建設系材料金属系材料や無機系材料がどのような部材,環境で使用されているかを確認すること | 【事前学修】1時間 【事前学修】3時間 |
第12回 | 金属系材料・有機系材料の性質 金属系材料(鉄鋼,アルミニウム,銅,チタン,亜鉛など)の性質 有機系材料の性質 | 【予習】参考書等を見て「金属系材料」「有機系材料」とはどのようなものか,それらの種類など調べておくこと 【復習】授業後に公開する授業時のスライドを復習し,金属系材料や有機系材料がどのような部材、環境で使用されているか確認すること | 【事前学修】1時間 【事前学修】3時間 |
第13回 | 有機系材料の性質 1 高分子材料(樹脂,プラスチックや合成ゴムなど)とそれらの性質(機械的性質,熱的性質,耐久性) | 【予習】参考書等を見て「有機系材料」のうち,高分子材料とはどういうものか調べておくこと 【復習】授業後に公開する授業時のスライドを復習し,高分子材料がどのような環境、部材で使用されているか確認すること | 【事前学修】1時間 【事前学修】3時間 |
第14回 | 有機系材料の性質 2 木材の性質 | 【予習】参考書等を見て「木材」について,化学的な視点(どのような成分から構成されるか,耐久性や乾燥などとの関係)を調べておくこと 【復習】授業後に公開する授業時のスライドを復習し,木材がどのような部材があるか,どのような環境で使用されているか確認すること | 【事前学修】1時間 【事前学修】3時間 |
第15回 | 理解度確認テスト および その解説 | 【予習】これまでの授業スライドを総覧し,セメントを中心とした建設材料について、主に「化学的な側面(どのような化学結合をしているのかなど)」から授業内容を確認しておくこと 【復習】テストで理解できていなかった点などを復習しておくこと | 【事前学修】3時間 【事前学修】1時間 |
その他
教科書 |
授業内容の説明に必要な図表等はスライドとして準備するので教科書等は指定なし。
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参考書 |
『最新 建築材料科学 [ISBN:978-4-7530-1752-2]』 松井勇・出村克宣・湯浅昇・中田善久 井上書院 2012年 第1版
『新・社会環境マテリアル [ISBN:978-4-906886-79-1]』 坂井悦郎・大門正機 セメント新聞社 2017年 第1版
その他の参考書類についてはガイダンスや授業中で随時紹介する。
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成績評価の方法 及び基準 |
授業最終回に実施予定の「理解度確認テスト」(70%)および授業毎の振り返り課題(30%)で評価。 ただし感染症等により対面でのテストを実施できない場合は,平常点として,授業毎の振り返り課題で評価を実施する。 |
定期試験等に ついて |
理解度確認期間(14週目又は15週目)に平常試験を実施予定 |
質問への対応 | 下記,研究室で対応しますが,水曜日午後以外は駿河台校舎に居りません。 このため,授業前後以外はメールで相談・質問ください。 (メールについてはオフィスアワーに限らず,いつでも構いません。) |
研究室又は 連絡先 |
船橋校舎 8号館2階 814 ooya.junnichi※nihon-u.ac.jp (※に@を入れてください。) |
オフィスアワー |
水曜 駿河台 18:10 ~ 19:00 駿河台校舎 タワー・スコラS606
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学生への メッセージ |
卒業後の進路で公務員や建設系の企業を目指す場合,実際の現場では使用する様々な「材料」に関する幅広い(材料学的な)知識が必要とされます。材料学の本質を知るには,それを構成している化学物質に関する理解も必須となります。 高校時代,化学を学んでいない学生諸君も興味をもって積極的に受講してください。 |