2025年 理工学部 シラバス - 海洋建築工学科
設置情報
科目名 | 応用数学及び演習 | ||
---|---|---|---|
設置学科 | 海洋建築工学科 | 学年 | 2年 |
担当者 | 近藤 典夫 | 履修期 | 前期 |
単位 | 3 | 曜日時限 | 火曜1・2 |
校舎 | 船橋 | 時間割CD | D21C |
クラス | |||
履修系統図 | 履修系統図の確認 |
概要
学修到達目標 | 数学の基礎知識の習得を図るとともに工学への応用が出来るようになる。さらに、力学系の分野で必要とする数学の応用的知識の習得と力学系への応用を図り、力学体系で使用される数学の概念が理解出来るようになる。 |
---|---|
授業形態及び 授業方法 |
[対面授業] 講義は、板書を中心にして行うが、必要に応じてパワーポイントを併用する。 講義は、数学の基礎を習得する部分と、これを工学に応用したときの知識を養う部分からなる。特に、応用面では建築工学・海洋工学に即して行なう。 |
履修条件 | 三角関数、微分・積分、線形代数を理解していることが望ましい。 |
ディプロマ・ポリシー(DP)及びカリキュラム・ポリシー(CP)との関連 | 本授業科目はDP1・3及びCP1・3に該当しています。 |
授業計画
第1回 | ガイダンス(シラバスの内容を確認して授業に臨むこと。) (講義で使用する資料について説明する) 復習:三角関数、指数関数、対数関数、微積 (三角関数、指数関数、対数関数は力学を学習する中で基本的な関数群であるため、これらの基本構造、演算等を再確認することを狙っている。したがって、これらの関数の性質を理解し、演算を通して自由に使い分けが出来るようにする。) ベクトル 、基底ベクトル、ベクトル演算、スカラー積、ベクトル積 (力学を学習する中で、座標の3次元と時間の次元の4次元が基本になる。特に座標に係わる3次元を中心に、空間の捉え方を理解する。そのために、この単元では、ベクトルの性質、考え方、ベクトル演算等を理解し、質点または物資点の移動の捉え方を学ぶ。) | [事前学習]三角関数や微積、ベクトルなどを予習しておく [事後学習]三角関数や微積、ベクトルなどの問題が解けるように復習する | [事前学習] 2.5時間 [事後学習] 2.5時間 |
---|---|---|---|
第2回 | 行列 、行列式、逆行列、連立方程式の解法 (力学で現れる連立方程式を解く場合には、行列に変換すると理解しやすい。そのため、行列の性質や演算について学び、連立方程式の解法を理解する。このとき、行列式、逆行列の計算法を理解し、解の存在、不定、不能の判定の仕方についても学ぶ。) 常微分、偏微分、ベクトルの微分 、テーラー展開 (工学では、4変数関数(x,y,z,t)が基本になるので、1変数関数に対する微分の復習からはじめ、4次元空間の各方向への微分つまり偏微分の定義・性質を理解する。さらに、力学では複数の関数(3軸方向の変位や圧力など)を扱うので、それらをベクトルに表示したときの微分の仕方を学ぶ。) | [事前学習]資料を読んでおく [事後学習]例題を解いて理解を深める | [事前学習] 2.5時間 [事後学習] 2.5時間 |
第3回 | 微分演算子 (編微分を扱う場合、個々の編微分を表示すると長くなるので、まとまりのある微分記号で表示すると簡単で便利である。このために工学で使われている微分演算子を理解し、専門教科で出てくる微分方程式の理解に努める。) 多重積分(1) (力学では、基本性状を得るために各軸方向での積分が必要になることが多い。この単元では、領域が係数や定数で与えられる場合に限定して、2重、3重積分の性質とその計算の仕方を理解する。また、どのような力学分野で多重積分が必要になるのかを理解する。) | [事前学習]資料を読んでおく [事後学習]例題を解いて理解を深める | [事前学習] 2.5時間 [事後学習] 2.5時間 |
第4回 | 多重積分(2) (この単元では、1方向の領域が関数で与えられる場合についての2重、3重積分の性質とその計算の仕方を理解する。) ガウス・グリーン・ストークスの積分定理 (多重積分では、様々な積分定理がある。これらの積分定理の性質と力学ではどのようにして使われるのかを学ぶ。また部分積分公式との関連についても学ぶ。) | [事前学習]資料を読んでおく [事後学習]例題を解いて理解を深める | [事前学習] 2.5時間 [事後学習] 2.5時間 |
第5回 | 複素数 、複素平面 (海洋波動問題や構造物の振動問題を扱う場合には複素数を扱う事が多い。そこで、複素数の性質、複素平面、偏角、オイラーの公式等を理解し、海洋波動問題等への複素数の有益性を学ぶ。) 行列の固有値・固有ベクトル(1) 実数領域 (構造物や海洋波動問題では振動数、振動モードが重要になる。これらを学ぶ準備として、実数領域に限定した行列の固有値・固有ベクトルの性質、演算の仕方を学ぶ。またこれは力学のどのような分野で使われるのかを理解する。) | [事前学習]資料を読んでおく [事後学習]例題を解いて理解を深める | [事前学習] 2.5時間 [事後学習] 2.5時間 |
第6回 | 行列の固有値・固有ベクトル(2) 複素領域 (固有値・固有ベクトルが複素領域になる場合を対象にして学ぶ。この場合は、構造物は安定振動か不安定振動かの判定が出来るので、それについても学ぶ。) 固有値・固有ベクトルの応用(1) 構造物の質点系モデルの振動数 (具体的な応用として、建築物の固有振動数の簡易な求め方を理解する。建築物を1質点1自由度系と2質点1自由度系へのモデル化の仕方および各モデルの運動方程式と固有振動数の計算方法を学び、n次固有振動数を理解する。このとき、質量、減衰、剛性の関係を理解する。) | [事前学習]資料を読んでおく [事後学習]例題を解いて理解を深める | [事前学習] 2.5時間 [事後学習] 2.5時間 |
第7回 | 固有値・固有ベクトルの応用(2) 構造物の質点系モデルの振動モード (非減衰の固有振動数に基づいて建築物の固有モードの性質とその計算法を学び、n次固有モードについて理解する。) 固有値・固有ベクトルの応用(3) 構造物の質点系モデルの振動モード (非減衰の固有振動数に基づいて建築物の固有モードの性質とその計算法を学び、n次固有モードについて理解する。) | [事前学習]資料を読んでおく [事後学習]例題を解いて理解を深める | [事前学習] 2.5時間 [事後学習] 2.5時間 |
第8回 | 前回までのまとめ及び小テスト ベクトルの微分と偏微分、微分演算子 (偏微分を扱う場合、個々の編微分を表示すると長くなるので、まとまりのある微分記号で表示すると簡単で便利である。このために工学で使われている微分演算子を理解し、専門教科で出てくる微分方程式の理解に努める。) | [事前学習]資料を読んでおく [事後学習]例題を解いて理解を深める | [事前学習] 2.5時間 [事後学習] 2.5時間 |
第9回 | 同次定数係数微分方程式の解法(1) (工学で表れる微分方程式の中で、n階の定数係数微分方程式について7回まで講義を行う。はじめに、同次微分方程式について、特性方程式の解の分類に対応した微分方程式の解の構成を理解し、特性方程式の解が実数解の場合についての微分方程式の解の構成を学ぶ。) 同次定数係数微分方程式の解法(2) (特性方程式の解に複素解が存在する場合について、微分方程式の解の構成を学ぶ。また、境界条件が与えられたときの解の構成を理解する。) | [事前学習]資料を読んでおく [事後学習]例題を解いて理解を深める | [事前学習] 2.5時間 [事後学習] 2.5時間 |
第10回 | 同次定数係数微分方程式の解法(3) (微分方程式の解法の練習問題を行ない、理解を深める。) 非同次定数係数微分方程式の解法(1) (非同次形の微分方程式に対しての解法について学ぶ。既知関数が代数関数や三角関数の場合の特解の求め方を理解する。また、境界条件が与えられたときの解の構成を理解する。) | [事前学習]資料を読んでおく [事後学習]例題を解いて理解を深める | [事前学習] 2.5時間 [事後学習] 2.5時間 |
第11回 | 非同次定数係数微分方程式の解法(2) (・2階微分の微分方程式を中心に講義する。 ・非同次形の微分方程式に対しての解法について学ぶ。境界条件が与えられたときの解の構成を理解する。) 非同次定数係数微分方程式の解法(3) (・4階微分の微分方程式を中心に講義する。 ・非同次形の微分方程式に対しての解法について学ぶ。境界条件が与えられたときの解の構成を理解する。) | [事前学習]資料を読んでおく [事後学習]例題を解いて理解を深める | [事前学習] 2.5時間 [事後学習] 2.5時間 |
第12回 | 微分方程式(1) 構造物の自由振動計算 (微分方程式の応用例として、構造物の振動問題を対象にする。初めに外力がない場合の構造物の振動変位を求める。) 微分方程式(2) 構造物の強制振動計算 (微分方程式の応用例として、構造物の振動問題を対象にする。強制振動外力として周期関数を与えて、外力依存の強制振動解を求める。) | [事前学習]資料を読んでおく [事後学習]例題を解いて理解を深める | [事前学習] 2.5時間 [事後学習] 2.5時間 |
第13回 | フーリエ級数 (1) (複雑な周期関数を単純な三角関数の和で表す方法を学ぶ) フーリエ級数 (2) (具体的な不連続関数を用いて、三角関数の和でどのような形になるのかを学ぶ) | [事前学習]資料を読んでおく [事後学習]例題を解いて理解を深める | [事前学習] 2.5時間 [事後学習] 2.5時間 |
第14回 | 変分法(1) エネルギー保存則、ポテンシャル・エネルギー (梁・柱等の部材を対象にして、静力学のひずみエネルギー・外力による仕事の定義と計算の方法、最小ポテンシャルエネルギー原理を学ぶ。これらは構造力学で学ぶカスチリアーノの定理や仮想仕事の原理の基礎になる。) 変分法(2) ポテンシャル・エネルギーと運動エネルギー (梁・柱等の部材を対象にして、動力学に於ける運動エネルギーを学び、時間依存の力学体系を理解する。) | [事前学習]資料を読んでおく [事後学習]例題を解いて理解を深める | [事前学習] 2.5時間 [事後学習] 2.5時間 |
第15回 | 変分法(3) 減衰系のラグランジュ方程式 (減衰を考慮した時のラグランジュ方程式について理解する。) 平常試験及び解説 | [事前学習]資料を読んでおく [事後学習]解けなかった問題を復習し理解を深める | [事前学習] 2.5時間 [事後学習] 2.5時間 |
その他
教科書 |
講義テキストを配布する。
|
---|---|
参考書 |
有馬哲、石村貞夫 『よくわかる線形代数』 東京図書
石井一夫 『ベクトル解析』 森北出版
|
成績評価の方法 及び基準 |
テスト(80%)、課題等(20%)の総合評価 |
定期試験等に ついて |
理解度確認期間(14週目又は15週目)に平常試験を実施予定 |
質問への対応 | 随時 |
研究室又は 連絡先 |
近藤 1342室 kondo.norio@nihon-u.ac.jp |
オフィスアワー |
火曜 船橋 12:30 ~ 13:00
|
学生への メッセージ |
意欲を持って講義に出席すること。 予習・復習を必ず行うこと。 |