2025年 理工学部 シラバス - まちづくり工学科
設置情報
科目名 | 物質の構造と状態 | ||
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設置学科 | まちづくり工学科 | 学年 | 1年 |
担当者 | 岡田 真紀 | 履修期 | 後期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 火曜1 |
校舎 | 船橋 | 時間割CD | E21B |
クラス |
概要
学修到達目標 | 「物質」についての知識は,工学において特に「材料」や「環境」を理解する上で基礎的な情報として必須である。本講義では、原子や分子といったミクロ(微視的)スケールな「物質の構造」の理解を通して、固体・液体・気体といったマクロ(巨視的)スケールな「物質の状態」およびその変化を理解・説明できるようにする。 |
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授業形態及び 授業方法 |
対面授業とする。授業に関する連絡,資料(プリント)の配布,および課題の出題・回答は,原則CST-VOICEを通して行う(見落とさないよう注意すること。) |
履修条件 | 基礎教育科目(化学系科目),選択科目。 【学部Ⅰ年生】まちづくり工学科を履修対象とする。 【過年度生・短大生】事前に連絡先(メールアドレス)へ申請希望を出すこと。基本的には受講を認める。 【出席】教室の後部に設置されたカードリーダーに学生証を触れさせて出席を取る。 (注意事項:学生証を忘れた学生へのフォローは一切しない。学生証は忘れないこと。) |
ディプロマ・ポリシー(DP)及びカリキュラム・ポリシー(CP)との関連 | 本授業科目は,DP1・3及びCP1・3に該当しています。 |
授業計画
第1回 | 科目説明と基礎的事項の確認 高校化学との違いなど基礎的事項を確認し,科学の方法と特徴を理解する。 | 【事前学習】シラバスを参照し,不明な用語があれば教科書や図書館・Webを利用して調べ,科目の概要を確認する。 【事後学習】講義で扱われた事例について,高校「化学基礎」「化学」教科書及び本講義の教科書を確認し,違いについて理解する。 | [事前学修:2時間] [事後学修:2時間] |
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第2回 | 物質の構造・性質の理解とその歴史的過程 物質や原子構造についての考え方とその解明の過程上で提案されたラザフォードの原子モデルについて学修する。 | 【事前学修】高校の教科書(化学・化学基礎・物理)から,同素体,原子の構造(電子,陽子,中性子),物質量(モル),アボガドロ数,原子量・分子量,同位体を学修しておく。 【事後学修】授業後,配布資料とノートの内容を各自あるいは学生間で確認して理解を深める。 | [事前学修:1時間] [事後学修:3時間] |
第3回 | 物質の構造・性質の理解とその歴史的過程2 ラザフォードの原子モデルの限界を物理的に理解し,その後提案される理論・モデルとなる物理現象について学修する。 | 【事前学修】高校の教科書(物理・物理基礎)の「原子」を参照し,これらの実験に見られる物理現象および数Ⅲレベルの微分・積分について学修しておく。 【事後学修】授業後,配布資料とノートの内容を各自あるいは学生間で確認して理解を深める。 | [事前学修:1時間] [事後学修:3時間] |
第4回 | 物質の構造・性質の理解とその歴史的過程3 光(電磁波),黒体放射(熱と光),エネルギー量子仮説,光の粒子について学修し,ミクロな世界のエネルギーや運動,原子構造の解明のための実験過程で明らかになった古典力学の限界を理解する。 | 【事前学修】高校の教科書(物理・物理基礎)の「原子」や「波動」を参照し,原子内の原子核と電子の間の力とエネルギー,波の速度・波長・振動数,回折・干渉現象および数Ⅲレベルの微分・積分・数列について学修しておく。 【事後学修】授業後,配布資料とノートの内容を各自あるいは学生間で確認して理解を深める。 | [事前学修:1時間] [事後学修:3時間] |
第5回 | 物質の構造・性質の理解とその歴史的過程4 ラザフォードの原子モデルを拡張したボーアの原子モデル(前周期量子論)とその限界を学修し,現在の原子モデルを理解するためにひつような粒子と波の二重性,物質波について学修する。 | 【事前学修】高校の教科書(物理・物理基礎)の「原子」や「波動」を参照し,原子内の原子核と電子の間の力とエネルギー,波の速度・波長・振動数,回折・干渉現象および数Ⅲレベルの微分・積分・数列について学修しておく。 【事後学修】授業後,配布資料とノートの内容を各自あるいは学生間で確認して理解を深める。 | [事前学修:1時間] [事後学修:3時間] |
第6回 | 量子論的原子モデル1 量子力学の定式化の過程を学修し,シュレーディンガー方程式を用いて1次元の箱の中の粒子の振る舞いについて学修する。 | 【事前学修】第5回の復習および数Ⅲレベルの微分・積分・ベクトルについて学修しておく。 【事後学修】授業後,配布資料とノートの内容を各自あるいは学生間で確認して理解を深める。 | [事前学修:2時間] [事後学修:2時間] |
第7回 | 量子論的原子モデル2 水素原子のシュレディンガー方程式から得られる情報(動径波動関数,球面調和関数,量子数)を通じて,原子軌道の形状・確率密度・広がりについて学修する。 | 【事前学修】第6回の復習,量子数,原子軌道の種類と形状,エネルギー準位,および数Ⅲレベルの微分・積分・ベクトルについて学修しておく。 【事後学修】授業後,配布資料とノートの内容を各自あるいは学生間で確認して理解を深める。 | [事前学修:2時間] [事後学修:2時間] |
第8回 | 量子論的原子モデル3 シュレディンガー方程式を多電子系に拡張し,多体系を扱うことの難しさ(面白さ)を理解し,多電子系における電子配置の構成原理や有効核電荷について学修する。 | 【事前学修】第7回の復習,電子配置の規則(構成原理),および数Ⅲレベルの微分・積分について学修しておく。 【事後学修】授業後,配布資料とノートの内容を各自あるいは学生間で確認して理解を深める。 | [事前学修:2時間] [事後学修:2時間] |
第9回 | 原子から分子への拡張1 オクテット則による分子の表現法と, VB 法(原子価結合法)および MO法(分子軌道法)について学修する. | 【事前学修】第8回の復習,オクテット則について学修し,VB法,MO法について調査しておく。 【事後学修】授業後,配布資料とノートの内容を各自あるいは学生間で確認して理解を深める。 | [事前学修:1時間] [事後学修:3時間] |
第10回 | 原子から分子への拡張2 MO法(分子軌道法)について掘り下げ,等核二元分子を例に定性的な分子(イオン)の安定性,性質について理解する。 | 【事前学修】第9回の復習MO法について更に調査しておく。 【事後学修】授業後,配布資料とノートの内容を各自あるいは学生間で確認して理解を深める。 | [事前学修:1時間] [事後学修:3時間] |
第11回 | 原子から分子への拡張 3 MO法(分子軌道法)について掘り下げ,異核二元分子を例に電気陰制度と分子の極性について学修する。また多原子分子への拡張として混成軌道を導入し,分子の形(原子価殻電子対反発理論(VSEPR))について簡単にふれる。 | 【事前学修】第10回の復習,電気陰制度および分子の極性を学修しておく。 【事後学修】授業後,配布資料とノートの内容を各自あるいは学生間で確認して理解を深める。 | [事前学修:2時間] [事後学修:2時間] |
第12回 | 原子および分子の集団的振る舞い1 簡単な熱力学的表現を元に,物質の三態について学修する。また集団的振る舞いを理解する上で重要な分子間(内)の相互作用について学修する。 | 【事前学修】エンタルピー(もしくは内部エネルギー),エントロピー,自由エネルギーについて調査しておく。 【事後学修】授業後,配布資料とノートの内容を各自あるいは学生間で確認して理解を深める。 | [事前学修:2時間] [事後学修:2時間] |
第13回 | 原子および分子の集団的振る舞い2 気体と固体を中心に学修する。 気体:気体分子運動論,理想気体と実在気体. 固体:結晶の種類など | 【事前学修】気体の分子運動論および固体の結晶の種類について調査しておく。 【事後学修】授業後,配布資料とノートの内容を各自あるいは学生間で確認して理解を深める。 | [事前学修:2時間] [事後学修:2時間] |
第14回 | 原子および分子の集団的振る舞い3 液体を中心に学修する。 液体の二状態モデルを中心に,他の液体では見られない水の異常性について学修する。 | 【事前学修】水の異常性について調査しておく。 【事後学修】授業後,プリントとノートの内容を各自あるいは学生間で確認して理解を深める。 | [事前学修:2時間] [事後学修:2時間] |
第15回 | 理解度確認テストとその解説 | 【事前学修】今までの第1 - 14回を内容を総合的に学修しておく。 【事後学修】授業内で解説した内容を確認して理解を深める。 | [事前学修:3時間] [事後学修:1時間] |
その他
教科書 |
教科書は指定しません。自作教材をCST-VOICEにアップします。複数の書籍を参考に学習を深めてください。
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参考書 |
Peter Atkins 他(渡辺正 訳) 『アトキンス 一般化学(上) [ISBN-10: 4807908545]』 東京化学同人 2024年 第8版
Peter Atkins 他(渡辺正 訳) 『アトキンス 一般化学(下) [ISBN-10: 4807908553]』 東京化学同人 2024年 第8版
本講義の内容は上巻の範囲だが,卒業後にも十分に役立つ教科書として,いずれは上・下揃えて手元に置くことを勧める。
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成績評価の方法 及び基準 |
(1)授業は毎回出席すること ※なお,全15回中で10回以上の出席した学生を成績評価の対象とする (2)理解度確認テスト(第15回に実施):70% (3)毎回授業後の必須課題(=1週間以内)の提出:30% ※課題の提出状況と内容で評価する。提出期限は Canvas にて告知する,遅延提出は減点。 以上より,GPA 制度の基準に従い,点数および合否を決定する。 |
定期試験等に ついて |
理解度確認期間(14週目又は15週目)に平常試験を実施予定 |
質問への対応 | 授業中および授業後または下記オフィスアワー,LMSでの問い合わせ,メール等で対応する。 それ以外の時間でも下記研究室に在室中であれば随時質問は可能。 |
研究室又は 連絡先 |
船橋校舎8号館823室 okada.masaki10@nihon-u.ac.jp |
オフィスアワー |
火曜 船橋 18:30 ~ 20:30 左記以外にも在室時には随時対応
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学生への メッセージ |
判らないことは判らないままにしないこと。 常に "物質や物質の性質が変化する理由" を学習し、"それをどのように説明できるか?" を考え、"実際に口頭もしくは文章で説明する" 練習をしてください。 |