2025年 理工学部 シラバス - まちづくり工学科
設置情報
科目名 | まちづくり事業・制度論 | ||
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設置学科 | まちづくり工学科 | 学年 | 3年 |
担当者 | 高村 義晴 | 履修期 | 前期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 水曜2 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | E32M |
クラス | |||
履修系統図 | 履修系統図の確認 | ||
その他 | 実務経験のある教員による授業科目 |
概要
学修到達目標 | 近年、まちづくりは,単に道路などのハードな施設の整備や都市計画の運用を超えて,都市や地域の目標を掲げ,その実現を追求するため,地域の多様な主体の総力の結集,ハード・ソフト事業の一体化,さらにはコミュニティの形成までを総合的・パッケージ戦略で行うことが求められている.それには,これまでの都市計画法の体系にもとづく規制・誘導や諸事業のみならず,様々な制度や事業を駆使してまちづくりに取り組む必要がある.本講義では,「まちづくり交付金」をはじめとした,まちづくりの新たな考え方・アプローチ方法を学ぶとともに,活用可能な諸事業・制度について,具体的事例を通じて学修する. これにより,次の目標を目指す. ⑴まちづくり制度を知り的確に説明できる. ⑵実際のまちづくりに際し,自在にまちづくり事業計画が作成できる. |
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授業形態及び 授業方法 |
「対面授業」 これまでの国家公務員としての実務経験(行政経験)を活かし,各授業回の内容において自らの関わった事例を用いて講義を行う.まちづくりの諸制度・まちづくり事業の計画の立て方を中心に実用性・実効性の高い講義を行う.パワーポイントを中心として,資料を用意し,これらをもとに講義する.また事例をもとに,実際のまちづくりについて議論することで理解を深める.また授業中,演習を行い,より実践性の高い授業を行う. |
履修条件 | まちづくりの問題の複雑化・至難化,まちづくりに求められる要請について,身近な地域のまちづくりを通して考えておくこと.それに対し,どのようなソリューションを提案するか,考えてみてください. |
ディプロマ・ポリシー(DP)及びカリキュラム・ポリシー(CP)との関連 | 本授業科目はDP1・3及びCP1・3に該当しています. |
授業計画
第1回 | まちづくりのための事業・制度の効力,意味等と併せ,講義の全体像・進め方や学修のポイントを説明する.また,具体的事例を通しての学修の仕方や,講義の受け方についても説明する. | 【事前学修】現時点で自分が知っているまちづくりについて整理するとともに、そこでの問題点をまとめておくこと. 【事後学修】この講義で自分が学ぶべき,あるいは学びたい論点をまとめること. | 【事前学修】2時間 【事後学修】2時間 |
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第2回 | まちづくり事業・制度論(1) これまでの都市計画・事業に加えて,まちづくり事業計画論・事業制度論が登場してきた①時代背景,②行政を巡る状況の変化,③計画思想の変化ーについて説明する.特に都市計画・事業との違いを明らかにする. | 【事前学修】まちづくりを巡る時代背景,計画思想の変化について調べ,自分なりの考えをまとめておくこと. 【事後学修】まちづくりを目振る状況の変化,問題の変質,新たな計画論の必要性など,授業の内容を改めて自分の考えで整理しておくこと. | 【事前学修】2時間 【事後学修】2時間 |
第3回 | まちづくり事業・制度論(2) 現在のまちづくり事業・制度の全体体系と枠組みについて説明する.目標設定,期間,需要追随から目標追求型への転換など,現在のまちづくりに求められる考え方を学ぶ. | 【事前学修】身近なまちづくりをもとに,これまでのまちづくりの問題点と改善の方向について自分なりにまとめておくこと. 【事後学修】現下のまちづくりに求められる新たな視点・論点を明らかにし,そのうえで必要とされる「まちづくり事業計画/事業制度」について自分の考え方をまとめること. | 【事前学修】2時間 【事後学修】2時間 |
第4回 | まちづくり事業・制度論(3) まちづくり事業計画の立て方(目標,取組み/施策体系,プログラム,実施主体(役割分担・連携等)を説明する. | 【事前学修】まちづくり事業計画に求められることをすべて書き出しておくこと. 【事後学修】授業内容に基づき,まちづくり事業計画の立て方について自分の言葉で整理すること. | 【事前学修】2時間 【事後学修】2時間 |
第5回 | まちづくり事業・制度論(4) まちづくり事業/計画の①方法論,②マネジメント指向(PDCAサイクルを回す,アウトカム指標等)について説明する. | 【事前学修】まちづくりに対する要請(①計画面,②方法面)について自分の考えをまとめておくこと. 【事後学修】授業内容に基づき,まちづくりを巡る①計画思想に対する要請,②方法論に対する要請ーを自分の言葉でまとめること. | 【事前学修】2時間 【事後学修】2時間 |
第6回 | まちづくり事業の事例紹介(なる「まちづくり事業計画・制度(旧まちづくり交付1) これからの潮流と金制度)」を活用し,街の将来像を実現しようとする具体的な事例を紹介する.また交付金と補助金の違いを明らかにし,なにゆえ交付金の世界が登場したかについても説明する. | 【事前学修】旧まちづくり交付金制度(都市再生整備計画事業制度)について調べておくこと. 【事後学修】身近の事例をもとに,都市再生整備計画事業制度を活用した「まちづくり事業計画」を自分なりに作成してみること. | 【事前学修】2時間 【事後学修】2時間 |
第7回 | まちづくり事業の事例紹介(2) これからの潮流となる「まちづくり事業計画・制度(旧まちづくり交付金制度)」を活用し,街の将来像を実現しようとする具体的な事例を紹介する. | 【事前学修】インターネットで都市再生計画整備事業の実施例を調べ,要点をまとめておくこと(気づき). 【事後学修】身近の地区のまちづくりについて,自分で都市再生整備計画を作成してみること. | 【事前学修】2時間 【事後学修】2時間 |
第8回 | まちづくり事業計画作成のスキル(1) ロジックツリーにより,論理思考で事業計画を作成することの重要性・有効性と,その方法・スキルを説明する.併せて簡単な演習を行う. | 【事前学修】ロジックツリー、論理思考の意味を調べておくこと。 【事後学修】身近なまちづくりに関して,ロジックツリーを作成してみること. | 【事前学修】2時間 【事後学修】2時間 |
第9回 | まちづくり事業計画作成のスキル(2) より論理的・合理的,説得力のあるまちづくり事業計画を作成する上での手法として,SWOT分析について説明する.併せてSWOT分析を活用する簡単な演習を行う. | 【事前学修】SWOT分析について調べておくこと. 【事後学修】身近なまちづくりに関して,SWOT分析を試み,まとめること. | 【事前学修】2時間 【事後学修】2時間 |
第10回 | まちづくり事業計画作成のスキル(3) アウトカム指標の設定の仕方,PDCAサイクルを回し方について説明する. | 【事前学修】アウトカム指標,PDCAサイクルについて調べておくこと. 【事後学修】身近なまちづくりに関して,アウトカム指標の設定,PDCAサイクルを試み,まとめること. | 【事前学修】2時間 【事後学修】2時間 |
第11回 | まちづくり事業制度 主要な交付金制度について紹介するとともに,その適用の要所・留意点を説明する. | 【事前学修】主要な交付金制度について調べておくこと. 【事後学修】授業内容を踏まえ,主要な交付金制度を整理し,その活用が可能と考えられる例をまとめること. | 【事前学修】2時間 【事後学修】2時間 |
第12回 | 都市政策としてみた場合のまちづくり事業・制度論(1) 現下の都市政策を巡る新たな課題(多様化するニーズ,少子高齢化,地域の活性化・地方創生,安全安心,復興等)と,まちづくり事業・制度に求められる要所を具体的事例も挙げつつ,概観して説明する. | 【事前学修】現下の都市政策を巡る新たな課題(第12回に関連)について,自分なりの考えを整理しておくこと. 【事後学修】授業内容をもとに,身近なまちづくりに関して,自分の考えを織り込みまとめること. | 【事前学修】2時間 【事後学修】2時間 |
第13回 | 都市政策としてみた場合のまちづくり事業・制度(2) 都市政策を巡る新たな潮流の変化(多様な主体の参加,公民連携,地域の個性の発揮,地域の創意工夫等)と,まちづくり事業・制度に求められる要所を具体的事例も挙げつつ,概観して説明する. | 【事前学修】現下の都市政策を巡る新たな課題(第13回に関連)について,自分なりの考えを整理しておくこと. 【事後学修】授業内容をもとに,身近なまちづくりに関して,自分の考えを織り込みまとめること. | 【事前学修】2時間 【事後学修】2時間 |
第14回 | まとめ・まちづくり事業・制度の実際 まちづくり事業・制度の実際、今後の方向,展望と課題などについて説明いただく. | 【事前学修】これまでの授業を踏まえ,自分なりにまちづくり事業計画の要点と留意点をまとめておくこと. 【事後学修】まちづくり事業の実際、展望,さらには今後の展開方向や課題についてまとめること. | 【事前学修】2時間 【事後学修】2時間 |
第15回 | 平常試験の実施 試験終了後,問題の解説をする. | 【事前学修】事業での講義資料の内容を確認しておくこと. 【事後学修】平常試験の解説をとおして、自分の気づきや今後に生かしたい点を整理しておくこと. | 【事前学修】2時間 【事後学修】2時間 |
その他
教科書 |
特に教科書は使用せず,授業に際して配布するプリントを活用する.
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参考書 |
国土交通省・内閣官房・その他関係省庁・市町村の公表資料
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成績評価の方法 及び基準 |
理解度確認期間に実施する平常試験,レポート課題を実施する.配点基準は,平常試験(80%),レポート課題(20%)とする.なお出席が7割に満たない場合は,採点は行わない. |
定期試験等に ついて |
理解度確認期間(14週目又は15週目)に平常試験を実施予定 |
質問への対応 | 授業終了後,質問を受け付けるとともに,メールでも相談・質問に応じる. |
研究室又は 連絡先 |
E-mail:takamura.yoshiharu※nihon-u.ac.jp ※を@にしてください. |
オフィスアワー |
水曜 駿河台 12:30 ~ 13:10 授業教室(授業実施教室)
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学生への メッセージ |
まちづくり工学科で学ぶ,様々な考え方・知識,計画・事業・仕組み,ノウハウ等を駆使し,実際のまちづくりを実践していくには,それらを束ね総合化する支柱が必要となる.本授業は,そのための「まちづくり事業計画」と「事業論」を学ぶものであり,基本的考え方を習熟し,自分で使いこなせるようにして欲しい.ちなみに就職試験の論文作成にも役立つ. |