2025年 理工学部 シラバス - 機械工学科
設置情報
科目名 | 弾性学Ⅱ | ||
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設置学科 | 機械工学科 | 学年 | 3年 |
担当者 | 加藤 保之 | 履修期 | 後期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 金曜2 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | F52Q |
クラス | 1組、2組 | ||
履修系統図 | 履修系統図の確認 |
概要
学修到達目標 | 弾性学Ⅰでは歪エネルギー原理や弾性安定原理(座屈現象)などを、主として棒部材を対象に学習してきた。弾性学Ⅱでは、更に2次元の広がりを持つ構造物に対して外力が作用する場合を考え、物体内部の詳細な応力分布や変形を,力学の原理に基づき解析的に求める方法を学ぶ。 具体的には、2次元弾性論と平板の曲げ問題がこの講義で主に説明する内容であり、テンソル解析を導入した連続体力学の初歩を学習することで、2次元問題を解く方法を身に着けることができる。 |
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授業形態及び 授業方法 |
黒板を用いた板書による「対面授業」で行う。そのため、講義内容を要領よくノートにとる必要がある。固体力学に関する基礎的な原理及び理論の習得を目指したものであるので、できる限り基本原理の誘導や証明(数学的記述を含む)を詳細に解説する。尚、理解を深めるために、講義内容の区切り目に、レポート(課題)を数回出す。 |
履修条件 | 既に、材料力学Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、弾性学Ⅰを修得している者が望ましい。 初等関数の微積分や線形代数が理解でき,容易に使いこなせること。 |
ディプロマ・ポリシー(DP)及びカリキュラム・ポリシー(CP)との関連 | 本授業科目はDP3・5及びCP3・5に該当しています。 |
授業計画
第1回 | 【 弾性学Ⅱの講義概要と授業計画(学習範囲)、講義の進め方と学習の方法、成績の評価についてなど、弾性学Ⅱの講義内容の紹介、応力解析の基本的な考え方、2次元、3次元での一般変形場の応力の定義 】 | 【事前学修】材料力学Ⅰで学んだ応力の定義を復習すること。 【事後学修】第1回目の講義で説明した一般変形場での応力について、面の向きと応力の向きについて符号のルールを復習すること。 | 事前学修:2時間 事後学修:2時間 |
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第2回 | 【 2次元、3次元での応力の釣り合い式、一般変形場における変形の幾何学、2次元での歪の定義 】 | 【事前学修】材料力学Ⅰで学んだ歪の定義を復習すること。 【事後学修】第2回目の講義で説明した一般変形場での変形の幾何学、2次元、3次元での歪の定義を復習すること。 | 事前学修:2時間 事後学修:2時間 |
第3回 | 【 3次元での歪の定義、歪テンソルとスピンテンソル 、フックの法則、平面応力、平面歪 】 | 【事前学修】材料力学Ⅰで学んだ歪の定義を復習すること。 【事後学修】第2回目の講義で説明した一般変形場での変形の幾何学、2次元、3次元での歪の定義を復習すること。 | 事前学修:2時間 事後学修:2時間 |
第4回 | 【 応力の座標変換 】 | 【事前学修】ベクトルの座標変換について復習すること。 【事後学修】第4回目の講義で説明した応力の座標変換を復習すること。 | 事前学修:2時間 事後学修:2時間 |
第5回 | 【 主応力(主歪)および主軸、応力の不変量、境界条件】 | 【事前学修】線形代数学で学んだ固有値と固有ベクトルについて復習すること。 【事後学修】第5回目の講義で説明した主応力、応力の不変量について復習すること。 | 事前学修:2時間 事後学修:2時間 |
第6回 | 【 歪の適合条件、エアリ(Airy)の応力関数 】 | 【事前学修】第2回目の講義で説明した一般変形場での変形の幾何学と歪の定義ならびに、第3回目の講義で説明した応力の釣り合い式について再度復習すること。 【事後学修】第6回目の講義で説明した歪の適合条件と応力関数を復習すること。 | 事前学修:2時間 事後学修:2時間 |
第7回 | 【 2次元問題の支配方程式(微分方程式) 】 簡単な応用例(1): 直交直線座標系での応力分布 | 【事前学修】2変数の多項式の高階の微分について復習すること。 【事後学修】第7回目の講義で説明した2次元問題の支配方程式(微分方程式)の誘導過程を復習すること、また、応力関数の幾つかの例について復習すること。 | 事前学修:2時間 事後学修:2時間 |
第8回 | 【 極座標系における微分演算子(直交直線座標系から極座標系への変換)、極座標系での支配方程式(微分方程式)】 | 【事前学修】微分演算子の性質 (演算順序や媒介変数表示)について復習すること。 【事後学修】第8回目の講義で説明した極座標系における微分演算子と支配方程式の誘導過程を復習すること。 | 事前学修:2時間 事後学修:2時間 |
第9回 | 【 授業内容:極座標系での応力関数 】 簡単な応用例(2): 厚肉円管、孔あき平板の応力分布、き裂周りの応力分布 | 【事前学修】第4回目の講義で説明した応力の座標変換を再度復習すること。 【事後学修】第9回目の講義で説明した厚肉円管の応力分布について復習すること。 | 事前学修:2時間 事後学修:2時間 |
第10回 | 【 平板の曲げ問題における応力と断面力の関係 】 | 【事前学修】材料力学Ⅰで学んだ棒の曲げの基礎仮定を復習すること。 【事後学修】第10回目の講義で説明した平板の一般化内力(軸力、剪断力、モーメント)について復習すること。 | 事前学修:2時間 事後学修:2時間 |
第11回 | 【 平板の曲げ問題における軸力、剪断力、曲げおよび捩りモーメントの釣り合い式 】 | 【事前学修】第3回目の講義で説明した応力の釣り合い式を復習すること。 【事後学修】第11回目の講義で説明した平板の釣り合い式を復習すること。 | 事前学修:2時間 事後学修:2時間 |
第12回 | 【 平板の曲げ変形の幾何学、断面力と変位の関係、支配方程式(微分方程式) 】 | 【事前学修】第3回目の講義で説明した平面応力状態におけるフックの法則について、また曲率や捩り率の表記法について復習すること。 【事後学修】第12回目の講義で説明した平板の曲げの支配方程式を復習すること。 | 事前学修:2時間 事後学修:2時間 |
第13回 | 【 応用例(1)- 矩形平板の曲げ問題 】 | 【事前学修】第11回目と第12回目の講義で説明した平板の支配方程式の誘導過程を復習すること。 【事後学修】第13回目の講義で説明した矩形平板の曲げについて復習すること。 | 事前学修:2時間 事後学修:2時間 |
第14回 | 【 応用例(2)- 円板の曲げ問題 】 | 【事前学修】第8回目の講義で説明した極座標系における微分演算子を復習すること。 【事後学修】第14回目の講義で説明した円板の曲げについて復習すること。 | 事前学修:2時間 事後学修:2時間 |
第15回 | 【 平常試験とその解説 】 | 【事前学修】1回から15回までの講義内容を確認し復習する必要がある。 【事後学修】解説を確認すること。 | 事前学修:2時間 事後学修:2時間 |
その他
教科書 |
教科書は用いず講義を進める。ただし、必要の都度プリントを配布する。
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参考書 |
小林 繁夫、近藤 恭平 『弾性力学』 培風館 1987年
岸田 敬三 『材料の力学』 培風館
S.P.Timoshenko and J.N.Goodier, Theory of Elasticity, McGRAW-HILL, 1983, 19 edition
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成績評価の方法 及び基準 |
レポート(課題)と講義の参加状況を考慮した平常点を20%、理解度確認期間に行う平常試験を80%とし、100点満点に換算して60点以上を目標が達成されたものとして合格とする。ただし、コロナウィルス等の影響で成績の評価基準を変更することも考えられる。その際には、変更箇所をアナウンスする。 |
定期試験等に ついて |
理解度確認期間(14週目又は15週目)に平常試験を実施予定 |
質問への対応 | 下記のオフィスアワーの時間以外にも随時受け付ける。質問や面会の予約可能(メールアドレスは、下記の通り)。 |
研究室又は 連絡先 |
駿河台校舎 タワースコラ17階 S1717室、加藤研究室 E-mail: kato.yasuyuki@nihon-u.ac.jp ℡: 03-3259-0751(加藤研究室) |
オフィスアワー |
水曜 駿河台 12:10 ~ 13:20 タワースコラ17階 S1717室(加藤研究室)
金曜 駿河台 12:10 ~ 13:20 タワースコラ17階 S1717室(加藤研究室)
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学生への メッセージ |
材料力学系の研究室に配属を希望または予定している方は、是非とも習得していただきたい講義の一つです。 |