2025年 理工学部 シラバス - 精密機械工学科
設置情報
科目名 | 物理学Ⅱ | ||
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設置学科 | 精密機械工学科 | 学年 | 1年 |
担当者 | 中原 明生 | 履修期 | 後期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 火曜3 |
校舎 | 船橋 | 時間割CD | G23C |
クラス | 1 |
概要
学修到達目標 | 本講義では、物理学 I で習った「ニュートン力学」を基礎として、「熱力学」および「電磁気学」に焦点を当てて学習し、「熱と温度・不可逆性・エントロピー」や「ガウスの法則・アンペールの法則・電磁誘導」など、「熱力学」と「電磁気学」における重要な概念や法則を理解し、それらがどう工学的に応用されているかを学ぶことを目標とする。 |
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授業形態及び 授業方法 |
この授業は「対面授業」として実施する。「熱力学」と「電磁気学」の講義を行う際に、必要に応じて随時、全微分と偏微分・完全微分と不完全微分・ベクトル解析などの物理学の理解に必要な数学の説明をおこない、理解を深める。あわせて開講される物理学 II 演習では、自ら演習問題を解くことで、知識の定着を図る。 |
履修条件 | 基礎教育科目。必修科目。 物理学 I の知識を前提とするが、物理学 I の単位取得を必ずしも必要としない。物理学 II 演習を並行して受講することが望ましい。 |
ディプロマ・ポリシー(DP)及びカリキュラム・ポリシー(CP)との関連 | 本授業科目はDP1・3及びCP1・3に該当しています。 |
授業計画
第1回 | ガイダンス:この授業で「熱力学」と「電磁気学」から何をどう学ぶのか説明する。 第14章:熱(1/2) 熱力学の第0法則:熱平衡の推移率。 熱と温度、経験温度、物質の状態(相と相転移)、熱と分子運動と内部エネルギー、熱容量と比熱、熱の移動。 | 【事前学習】シラバスの内容を確認の上,授業に臨むこと。教科書・第14章を読み、熱と温度について予習をしておくこと。 【事後学習】授業で習った内容をきちんと復習して理解すること。 | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
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第2回 | 第14章:熱(2/2) 気体の分子運動論、理想気体とその内部エネルギー、エネルギー等分配則、ファン・デル・ワールス気体。 | 【事前学習】教科書・14章を読み、気体分子運動論について予習しておくこと。 【事後学習】授業で習った内容をきちんと復習して理解すること。 | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
第3回 | 第15章:熱力学(1/3) 熱力学の第1法則:エネルギー保存則。 熱平衡状態と状態量、示強変数と示量変数、準静的過程、定圧過程と定積過程、等温過程と断熱過程、理想気体の熱容量。 | 【事前学習】教科書・15章を読み、熱力学の第1法則について予習しておくこと。 【事後学習】授業で習った内容をきちんと復習して理解すること。 | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
第4回 | 第15章:熱力学(2/3) 熱力学の第2法則:熱力学現象の不可逆性。 熱力学の第3法則:ネルンストの定理。 カルノーサイクルとその熱効率。 | 【事前学習】教科書・15章を読み、熱力学の第2法則、熱力学の第3法則とカルノーサイクルについて予習しておくこと。 【事後学習】授業で習った内容をきちんと復習して理解すること。 | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
第5回 | 第15章:熱力学(3/3) 熱機関の効率とカルノーの定理、熱力学的絶対温度の決定、エントロピー、熱力学の第2法則の表現(クラウジウスの不等式)。 | 【事前学習】教科書・15章を読み、熱機関の効率とカルノーの定理、熱力学的絶対温度、エントロピー、クラウジウスの不等式について予習しておくこと。 【事後学習】授業で習った内容をきちんと復習して理解すること。 | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
第6回 | 中間試験とその解説 | 【事前学習】テキスト14章から15章までのこれまでに習った範囲をきちんと復習して中間試験に備えること。(120分) 【事後学習】中間試験で出た問題を再度自分で解き直してしっかり理解すること。(120分) | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
第7回 | 第16章:真空中の静電場(1/2) 電荷と電気力、電荷の保存則、電場と電気力線、電場のガウスの法則。 | 【事前学習】教科書・16章を読み、電荷、電場と電気力線、電場のガウスの法則について予習しておくこと。 【事後学習】授業で習った内容をきちんと復習して理解すること。 | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
第8回 | 第16章:真空中の静電場(2/2) 電場と電位、等電位線 | 【事前学習】教科書・16章を読み、電場と電位、等電位線について予習しておくこと。 【事後学習】授業で習った内容をきちんと復習して理解すること。 | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
第9回 | 第17章:導体と静電場 導体と電場、キャパシター、電場のエネルギー。 | 【事前学習】教科書・17章を読み、導体と電場、キャパシターについて予習しておくこと。 【事後学習】授業で習った内容をきちんと復習して理解すること。 | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
第10回 | 第18章:誘電体と静電場 誘電体の誘電分極、誘電体を挟んだキャパシター、電束密度、電束密度を用いたガウスの法則、電束密度を用いた電場のエネルギー。 | 【事前学習】教科書・18章を読み、誘電体、電束密度について予習しておくこと。 【事後学習】授業で習った内容をきちんと復習して理解すること。 | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
第11回 | 第19章:電流 オームの法則、直流回路、キルヒホッフの第1法則、キルヒホッフの第2法則、CR回路。 | 【事前学習】教科書・19章を読み、オームの法則、キルヒホッフの法則について予習しておくこと。 【事後学習】授業で習った内容をきちんと復習して理解すること。 | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
第12回 | 第20章:電流と磁場 磁場と磁束密度、磁場のガウスの法則、アンペールの法則、ビオ・サバールの法則、ローレンツ力、電流に作用する力、電流間に働く力、磁性体。 | 【事前学習】教科書・20章を読み、磁場と磁束密度、アンペールの法則、ビオサバールの法則などについて予習しておくこと。 【事後学習】授業で習った内容をきちんと復習して理解すること。 | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
第13回 | 第21章:電磁誘導(1/2) 電磁誘導の発見、レンツの法則、誘電起電力、磁場中で回転するコイルに働く起電力(交流発電機の原理)、自己誘導と相互誘導、コイルの蓄えるエネルギー、磁場のエネルギー。 | 【事前学習】教科書・21章を読み、電磁誘導、誘電起電力、交流発電機などについて予習しておくこと。 【事後学習】授業で習った内容をきちんと復習して理解すること。 | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
第14回 | 第21章:電磁誘導(2/2) 交流回路、交流の実効値と電力、RLC回路、インピーダンス、位相のずれ、共振(同調回路への応用)。 | 【事前学習】教科書・21章を読み、交流回路について予習しておくこと。 【事後学習】授業で習った内容をきちんと復習して理解すること。 | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
第15回 | 物理学 II の授業のまとめ。 理解度確認試験とその解説 | 【事前学習】テキスト16章から21章までのこれまでに習った範囲をきちんと復習して理解度確認試験に備えること。 【事後学習】理解度確認試験で出た問題を再度自分で解き直してしっかり理解すること。 | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
その他
教科書 |
原康夫 『第5版 物理学基礎 Web動画付(ISBN 978-4-7806-0950-9)』 学術図書 2021年 第5版
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参考書 |
和達三樹、十河清、出口哲生 『ゼロからの熱力学と統計力学(ISBN 9784000067003)』 ゼロからの大学物理 5 岩波書店 2005年 第1版
長岡洋介 『電磁気学 I(ISBN 9784000298636)』 物理入門コース 新装版 岩波書店 2017年 第1版
長岡洋介 『電磁気学 II(ISBN 9784000298643)』 物理入門コース 新装版 岩波書店 2017年 第1版
その他の参考書も必要に応じて授業時に紹介する。
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成績評価の方法 及び基準 |
小テスト(30%)と中間試験(30%)と理解度確認試験(40%)の結果で評価する。ただし、「15回の授業のうち5回以上欠席した者」と「中間試験もしくは理解度確認試験を受けていない者」はどちらも成績評価対象としない。 |
定期試験等に ついて |
理解度確認期間(14週目又は15週目)に平常試験を実施予定 |
質問への対応 | 授業中に理解できないところがあった場合、質問内容を整理し随時質問すること。対面授業中だけでなくメールや google classroom などからも質問を受け付けます。オフィスアワーには研究室でも質問対応します。 |
研究室又は 連絡先 |
船橋校舎1号館3階131A室 メールアドレス: nakahara.akioATnihon-u.ac.jp(注:AT を @ に変えてください) http://www.phys.ge.cst.nihon-u.ac.jp/~nakahara |
オフィスアワー |
火曜 船橋 12:00 ~ 13:00 1号館3階 131A室
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学生への メッセージ |
大学以降、身に付けるべき知識は数限りなく、研究を行うと答えのわからない未知の現象に挑むことになるので、公式の丸暗記という手法はいずれ破綻します。「微積分やベクトルなどの数学を用いることで、少数の基礎法則から物理現象の様々な公式を論理的に導出することができる」という「物理学の考え方」を修得してください。 |