2025年 理工学部 シラバス - 航空宇宙工学科
設置情報
科目名 |
振動工学
線形振動の基礎
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設置学科 | 航空宇宙工学科 | 学年 | 3年 |
担当者 | 宮﨑 康行 | 履修期 | 前期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 月曜2 |
校舎 | 船橋 | 時間割CD | H12B |
クラス | |||
履修系統図 | 履修系統図の確認 | ||
その他 | 実務経験のある教員による授業科目 |
概要
学修到達目標 | 運動としての振動とその数学的な取扱い方について説明することができる.特に,①一自由度系および二自由度系の線形振動の理論,②振動の評価法をもとに,宇宙機の振動試験結果を評価できる. |
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授業形態及び 授業方法 |
〇授業形態・方法:「対面授業」 配布する資料にそって,講義を行う. 〇授業内容:実務教員による授業 宇宙機関における科学衛星および宇宙探査機の開発経験をもとに、航空宇宙分野における振動問題を解析するための理論や解析手法について講義を行う. |
履修条件 | 「物理学Ⅰ,Ⅱ」,「工業力学Ⅰ,Ⅱ」,「材料力学Ⅰ~Ⅲ」,「工業数学Ⅰ~Ⅳ」,「コンピュータープログラミングⅠ,Ⅱ」を修得していることを前提に講義を行う. |
ディプロマ・ポリシー(DP)及びカリキュラム・ポリシー(CP)との関連 | 本授業科目はDP1・3及びCP1・3に該当している. |
授業計画
第1回 | 「序論」 振動工学がどのようなものであるかを理解するとともに、本講義の概要を確認する. | 【事前学修】 シラバスの内容をよく読んでおくこと. 【事後学修】 授業内容を復習するとともに,課題を解くこと. | 【事前学修】1時間 【事後学修】3時間 |
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第2回 | 「1自由度線形振動」 バネ・マス・ダンパー系の運動について復習する.特に,自由減衰振動における状態遷移関係理解する。 | 【事前学修】 配布資料を読んでおくこと. 【事後学修】 授業内容を復習するとともに,課題を解くこと. | 【事前学修】1時間 【事後学修】3時間 |
第3回 | 「任意の外力が作用する1自由度線形振動系の状態遷移」 バネ・マス・ダンパー系の運動を状態方程式の形式で表現し,任意の時系列外力が作用する場合の解析解および近似解を導く. | 【事前学修】 配布資料を読んでおくこと. 【事後学修】 授業内容を復習するとともに,課題を解くこと. | 【事前学修】1時間 【事後学修】3時間 |
第4回 | 「宇宙機の設計・開発における振動解析」 宇宙機の設計・開発の際には,宇宙機の打上げ時,および,軌道上における宇宙機や宇宙機の柔軟な付属物の振動を考慮する必要がある.そこで,具体的な例を通じて,「宇宙機の設計・開発」における「振動解析」の必要性,役割を学ぶ. | 【事前学修】 配布資料を読んでおくこと. 【事後学修】 授業内容を復習するとともに,課題を解くこと. | 【事前学修】1時間 【事後学修】3時間 |
第5回 | 「1自由度線形振動系の強制振動と共振」 バネ・マス・ダンパー系を強制振動させた場合の系の運動について調べ,共振現象について理解する.また,周波数応答,ボード線図,Q値といった,運動や振動現象の評価によく用いられるものの基礎を理解する. | 【事前学修】 配布資料を読んでおくこと. 【事後学修】 授業内容を復習するとともに,課題を解くこと. | 【事前学修】1時間 【事後学修】3時間 |
第6回 | 「減衰のない2自由度線形振動系の自由振動」 2自由度のバネ・マス系の運動方程式およびその自由振動解を導く | 【事前学修】 配布資料を読んでおくこと. 【事後学修】 授業内容を復習するとともに,課題を解くこと. | 【事前学修】1時間 【事後学修】3時間 |
第7回 | 「2自由度線桂新堂系の強制振動」 2自由度のバネ・マス・ダンパー系の土台加振による応答の解析解を導き、その特徴を理解する. | 【事前学修】 配布資料を読んでおくこと. 【事後学修】 授業内容を復習するとともに,課題を解くこと. | 【事前学修】1時間 【事後学修】3時間 |
第8回 | 「振動絶縁と動吸振器」 振動絶縁,動吸振器といった,振動低減設計に必要となる知識の基礎を、2自由度バネ・マス・ダンパー系を用いて理解する。 【事前学習】 テキストの第11章を読んでおくこと.(60分) 【事後学習】 授業内容を復習するとともに,課題を解くこと.(180分) | 【事前学修】 配布資料を読んでおくこと. 【事後学修】 授業内容を復習するとともに,課題を解くこと. | 【事前学修】1時間 【事後学修】3時間 |
第9回 | 「モード法の基礎」 モード法を用いた過渡応答の計算法について理解する. | 【事前学修】 配布資料を読んでおくこと. 【事後学修】 授業内容を復習するとともに,課題を解くこと. | 【事前学修】1時間 【事後学修】3時間 |
第10回 | 「刺激係数と有効質量」 多自由度系における各振動モードを等価なバネ・マス系に置き換えた場合の刺激係数と有効質量、および、それらの利用法について理解する. 【事前学習】 配布資料を読んでおくこと.(60分) 【事後学習】 授業内容を復習するとともに,課題を解くこと.(180分) | 【事前学修】 配布資料を読んでおくこと. 【事後学修】 授業内容を復習するとともに,課題を解くこと. | 【事前学修】1時間 【事後学修】3時間 |
第11回 | 「パワースペクトル密度」 振動の計測データの評価法の基礎となる,フーリエ解析について復習するとともに、振動データの実効値およびパワースペクトル密度について理解する. | 【事前学修】 配布資料を読んでおくこと. 【事後学修】 授業内容を復習するとともに,課題を解くこと. | 【事前学修】1時間 【事後学修】3時間 |
第12回 | 「ランダム振動」 ロケットに搭載された宇宙機が打上げ中に受ける音響振動について学ぶとともに,音響振動を等価なランダム振動に置き換える方法について学ぶ.そして、ランダム振動によるバネ・マス・ダンパー系の応答を導く。 | 【事前学修】 配布資料を読んでおくこと. 【事後学修】 授業内容を復習するとともに,課題を解くこと. | 【事前学修】1時間 【事後学修】3時間 |
第13回 | 「ランダム加振される物体に作用する果汁」 ランダム加振される物体の過渡応答の計算法を理解するとともに、物体に作用する等価静荷重の代表的な近似式であるRRSとMilesの式について理解する。 | 【事前学修】 配布資料を読んでおくこと. 【事後学修】 授業内容を復習するとともに,課題を解くこと. | 【事前学修】1時間 【事後学修】3時間 |
第14回 | 「振動に対する耐性の評価法」 超小型衛星の振動試験法、および、試験結果の評価法について理解する。 | 【事前学修】 配布資料を読んでおくこと. 【事後学修】 授業内容を復習するとともに,課題を解くこと. | 【事前学修】1時間 【事後学修】3時間 |
第15回 | 「衝撃に対する耐性の評価法」 超小型衛星の衝撃試験法、および、試験結果の評価法について理解する。特に、衝撃の指標であるSRSについて理解する。 | 【事前学修】 配布資料を読んでおくこと. 【事後学修】 授業内容を復習するとともに,課題を解くこと. | 【事前学修】1時間 【事後学修】3時間 |
その他
教科書 |
特に教科書は指定しませんが、JAXAの「JERG-2-130-HB003 振動試験ハンドブック」(JAXAのサイト https://sma.jaxa.jp/techdoc.html からダウンロードできます)を一読してみるとよいと思います。
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参考書 |
Leonard Meirovitch (訳:砂川惠) 『振動解析の理論と応用(上)』 ブレイン図書出版
小松敬治 『機械構造振動学』 森北出版
近藤 恭平 『工学基礎 振動論』 培風館
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成績評価の方法 及び基準 |
①1自由度系および2自由度系の線形振動の理論,②振動の評価法を理解しているかどうかを,Google formによるアンケート(15),第1回~第15回の課題(75),最終課題(25)で評価する. |
定期試験等に ついて |
平常点やレポート等の課題による評価予定 |
質問への対応 | 随時,Classroomから質問してください. |
研究室又は 連絡先 |
連絡先:miyazaki.yasuyuki@nihon-u.ac.jp 研究室:JAXA宇宙科学研究所(相模原キャンパス)研究管理棟4階1425室 |
オフィスアワー |
月曜 船橋 17:00 ~ 18:00 メールの他、Zoomで対応可能です
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学生への メッセージ |
振動工学は様々な分野で必要となる学問であり,特に,航空機や宇宙機の設計には必須の学問ですので,是非,履修して,しっかり理解してください. |