流体力学Ⅰ及び演習 (H51A)

日本大学理工学部

2025年理工学部シラバス - 航空宇宙工学科

設置情報

科目名	流体力学Ⅰ及び演習
設置学科	航空宇宙工学科	学年	2年
担当者	村松　旦典	履修期	前期
単位	3	曜日時限	金曜1･2
校舎	船橋	時間割CD	H51A
クラス
履修系統図	履修系統図の確認

概要

学修到達目標	流体力学の基礎的な知識の習得を目的とする．すなわち，最初に静止流体の力学について扱う．次に，一次元の定常な流れを対象に連続の式，運動量方程式，エネルギ方程式をもとに流体運動および流体に作用する力について議論する．また，管内流れの圧力損失や流体中に置かれた物体に作用する力について学習し，工学的な流体の取り扱い方を理解する．
授業形態及び授業方法	「対面授業」パワーポイントを利用して講義を行う．講義に使うスライドはGoogle Classroomを利用して事前に配布する．講義の理解を深めるために，毎回演習を実施し，演習問題の解法を説明する．
履修条件	【未来博士工房対応科目】微分積分学や工業力学等の力学系科目を履修していること．また，1年次に「熱力学と流体力学の基礎」を履修していること．
ディプロマ・ポリシー（DP）及びカリキュラム・ポリシー（CP）との関連	本授業科目はDP1・3・４及びCP1・3・４に該当しています．

授業計画

第1回	授業の目標と内容について説明する．　流体力学とは何か．質点力学や材料力学と異なるところはどこか．　流体運動の分類，流体の特性，流れの運動の記述法．　講義内容に関連した演習問題を実施する．	事前学修：教科書２の1，２章を読んで，質問できるようにする．事後学修：学修した事項の復習と関連する演習問題を解いて理解を深める．	事前学修：２時間事後学修：３時間
第2回	静止流体力学（１）　前回の講義内容に関連した演習問題を実施し，解説する．　圧力とは，重力場における圧力，圧力のつり合いについて，講義を行う．	事前学修：教科書２の3.1節を読んで，質問できるようにする．事後学修：学修した事項の復習と関連する演習問題を解いて理解を深める．	事前学修：２時間事後学修：３時間
第3回	静止流体力学（２）　前回の講義内容に関連した演習問題を実施し，解説する．　圧力のつり合い，マノメータについて，講義を行う．	事前学修：教科書２の3.1節を読んで，質問できるようにする．事後学修：学修した事項の復習と関連する演習問題を解いて理解を深める．	事前学修：２時間事後学修：３時間
第4回	静止流体力学（３）　前回の講義内容に関連した演習問題を実施し，解説する．　面にかかる流体力，圧力中心について，講義を行う．	事前学修：教科書２の3.2節を読んで，質問できるようにする．事後学修：学修した事項の復習と関連する演習問題を解いて理解を深める．	事前学修：２時間事後学修：３時間
第5回	静止流体力学（４）　前回の講義内容に関連した演習問題を実施し，解説する．　浮力，浮力中心，相対平衡系での圧力分布について，講義を行う．	事前学修：教科書２の3.3，3.4節を読んで，質問できるようにする．事後学習：学修した事項の復習と関連する演習問題を解いて理解を深める．	事前学修：２時間事後学修：３時間
第6回	準1次元定常流れ（１）　前回の講義内容に関連した演習問題を実施し，解説する．　質量保存則(連続の式)，エネルギ方程式（ベルヌーイの式）について，講義を行う．　．	事前学修：教科書1の5.1~5.3節，及び教科書２の４章を読んで，質問できるようにする．事後学修：学修した事項の復習と関連する演習問題を解いて理解を深める．	事前学修：２時間事後学修：３時間
第7回	準1次元定常流れ（２）　前回の講義内容に関連した演習問題を実施し，解説する．　ベルヌーイの式の応用について，講義を行う．	事前学修：教科書２の４章を読んで，質問できるようにする．事後学修：学修した事項の復習と関連する演習問題を解いて理解を深める．	事前学修：２時間事後学修：３時間
第8回	準1次元定常流れ（３）　前回の講義内容に関連した演習問題を実施し，解説する．　運動量保存則について，講義を行う．	事前学修：教科書１の５章を読んで，質問できるようにする．事後学修：学修した事項の復習と関連する演習問題を解いて理解を深める．	事前学修：２時間事後学修：３時間
第9回	準1次元定常流れ（４）　前回の講義内容に関連した演習問題を実施し，解説する．　運動量保存則の応用及び角運動量の法則について，講義を行う．	事前学修：教科書２の5.1，5.2，5.3節を読んで，質問できるようにする．事後学修：学修した事項の復習と関連する演習問題を解いて理解を深める．	事前学修：２時間事後学修：３時間
第10回	管内流れの基礎（１）　前回の講義内容に関連した演習問題を実施し，解説する．　円管内流れの基礎について，講義を行う．	事前学修：教科書２の6.1と6.2節を読んで，質問できるようにする．事後学修：学修した事項の復習と関連する演習問題を解いて理解を深める．	事前学修：２時間事後学修：３時間
第11回	管内流れの基礎（２）　前回の講義内容に関連した演習問題を実施し，解説する．　円管内流れの基礎．乱流の取り扱い．管内損失の見積もりについて，講義を行う．	事前学修：教科書２の6.2と6.3節を読んで，質問できるようにする．事後学修：学修した事項の復習と関連する演習問題を解いて理解を深める．	事前学修：２時間事後学修：３時間
第12回	管内流れの流体機器への応用　前回の講義内容に関連した演習問題を実施し，解説する．　さまざまな管内損失の見積もり，ダクトについて，講義を行う．	事前学修：教科書２の6.3～6.5節を読んで，質問できるようにする．事後学修：学修した事項の復習と関連する演習問題を解いて理解を深める．	事前学修：２時間事後学修：３時間
第13回	流体中の物体に働く力（１）　前回の講義内容に関連した演習問題を実施し，解説する．　抗力と揚力．圧力抗力，摩擦抗力，造波抗力，誘導抗力．揚力係数，抗力係数，モーメント係数，圧力係数．流体力の測定法について，講義を行う．	事前学修：教科書１の７章，及び教科書２の7.1節を読んで，質問できるようにする．事後学修：学修した事項の復習と関連する演習問題を解いて理解を深める．	事前学修：２時間事後学修：３時間
第14回	流体中の物体に働く力（２）　前回の講義内容に関連した演習問題を実施し，解説する．　レイノルズ数の効果，流体振動について，講義を行う．	事前学修：教科書１の７章，及び教科書２の7.2，7.3節を読んで，質問できるようにする．事後学修：学修した事項の復習と関連する演習問題を解いて理解を深める．	事前学修：２時間事後学修：３時間
第15回	平常試験	事前学修：この授業で学修した事項を復習しておく．事後学修：解けなかった問題を再度解いてみる．	事前学修：４時間事後学修：１時間

その他

教科書	基礎流体力学編集委員会『基礎流体力学』産業図書日本機械学会『流体力学』 JSMEテキストシリーズ日本機械学会「基礎流体力学」はこれ以降学習することになる流体力学Ⅱ，粘性流体力学，圧縮性流体力学でも教科書として使用します．ただし，この本は静止流体力学に関する記述が少ないので，1年次の「熱力学と流体力学の基礎」で使用したJSMEテキストシリーズの「流体力学」も併用します．日本機械学会のJSMEテキストシリーズは機械工学の標準的な教科書として書かれたものです．
参考書	深野　徹『わかりたい人の流体工学（Ⅰ）』機械工学選書裳華房 1994年第1版今井功『流体力学（前編）』物理学選書裳華房 1973年第1版巽友正『流体力学』新物理学シリーズ培風館 1982年第1版日野幹雄『流体力学』朝倉書店 1992年第1版李家賢一，新井景隆，浅井圭介『空気力学入門』航空宇宙工学テキストシリーズ丸善 2016年第1版深野先生の本は流体力学Ⅰで扱う範囲について懇切丁寧に書かれています．今井先生，巽先生は日本を代表する流体力学者（物理学者）で，これらの本は流体力学を志す人にとってはとてもよい本です．日野先生の本は，低速で粘性を無視できない流れ（ほとんどの工学者が対象とする流れ）について懇切丁寧に書いていて，実験データの引用も多い．空気力学入門は日本の航空力学の代表的な研究者による入門書である．航空分野での流体力学の概要を知るために，一読願いたい．ただし，３年生や大学院で学ぶ事項も書かれている．
成績評価の方法及び基準	平常試験（約60%）と演習と課題（約40%）による総合評価．
定期試験等について	理解度確認期間(１４週目又は１５週目)に平常試験を実施予定
質問への対応	講義後随時
研究室又は連絡先	muramatsu.akinori@nihon-u.ac.jp
オフィスアワー	金曜船橋 12:15 ～ 13:00
学生へのメッセージ	流体力学は機械系4力学の一つで，この授業で扱う範囲はかつては水力学と呼ばれ，機械系技術者にとっての常識となる知識です．授業内容をよく復習し，演習を”自ら”着実にこなせば理解が深まるようになります．演習問題は適宜配布します．　３年次の達成度評価科目「航空宇宙工学総合演習」の流体力学分野の出題範囲の大部分を占めますので，着実な理解が求められます．

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