2025年 理工学部 シラバス - 電気工学科
設置情報
科目名 | 先端材料工学 | ||
---|---|---|---|
設置学科 | 電気工学科 | 学年 | 3年 |
担当者 | 松田 健一 | 履修期 | 後期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 火曜4 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | I24O |
クラス | A,B共通 | ||
履修系統図 | 履修系統図の確認 |
概要
学修到達目標 | 様々な電気・電子材料の中でも,新しい構造を持つ物質,新しい機能を持つ材料について学びます.具体的には「半導体とナノ構造」,「磁性材料とスピン」,「材料・物質の光学的特性」,「超伝導材料とその応用」,「材料加工技術と観察技術」について理解するとともに,自分の言葉で説明できるようになることを目標とします. |
---|---|
授業形態及び 授業方法 |
対面型の講義を実施します.ただし,コロナの感染状況等,社会情勢を鑑みてオンライン講義に移行する可能性があります. |
履修条件 | 令和2年度以降の入学者,および令和3年度以降に2年次編入した学生向けの講義です. 平成元年度以前の入学者,および令和3年度以前に3年次編入した学生が「ナノデバイス」の 再履修を計画している場合は履修届け出の前に事前に相談してください. 次の講義をあらかじめ履修・修得していることが望ましいです. 「電気工学のための数学」「電磁気の基礎」「物性の基礎」「半導体デバイスの基礎」「電気材料」 |
ディプロマ・ポリシー(DP)及びカリキュラム・ポリシー(CP)との関連 | 本授業科目はDP3・5及びCP3・5に該当しています。 |
授業計画
第1回 | 講義全体の概要説明.「先端材料」という分野・領域についての説明. 最近の「先端材料」の基礎と応用に関する講義. | 【事前学習】シラバスの確認.「物性の基礎」および「半導体デバイスの基礎」を復習. 【事後学習】講義内容のまとめと疑問点の整理. | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
---|---|---|---|
第2回 | 光・電磁についての基礎.特に波動方程式,位相速度と群速度,分散関係,光量子等について講義. | 【事前学習】事前に予告された部分の予習. 【事後学習】講義内容のまとめと疑問点の整理. | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
第3回 | 電子についての基礎的事項の講義.特に,電磁界から受ける力,ド・ブロイ波長について講義. | 【事前学習】事前に予告された部分の予習. 【事後学習】講義内容のまとめと疑問点の整理. | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
第4回 | 原子の構造について講義.ボーアの原子模型,エネルギー準位,緩和と励起について講義. | 【事前学習】事前に予告された部分の予習. 【事後学習】講義内容のまとめと疑問点の整理. | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
第5回 | 金属の特徴について講義.直流に対するドルーデモデル,オームの法則,電気抵抗の温度依存性について講義. | 【事前学習】事前に予告された部分の予習. 【事後学習】講義内容のまとめと疑問点の整理. | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
第6回 | 金属の交流電界に対する応答について講義.交流電気伝導度,プラズマ振動,金属の光・電磁波反射および透過・吸収. | 【事前学習】事前に予告された部分の予習. 【事後学習】講義内容のまとめと疑問点の整理. | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
第7回 | 超伝導現象に関する基礎的事項について講義.低温工学の発展,電気抵抗ゼロの発見,超伝導を示す物質. | 【事前学習】事前に予告された部分の予習. 【事後学習】講義内容のまとめと疑問点の整理. | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
第8回 | 超伝導体の基底状態.ロンドン理論,マイスナー効果 | 【事前学習】事前に予告された部分の予習. 【事後学習】講義内容のまとめと疑問点の整理. | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
第9回 | 超伝導体の示す量子力学的な性質.磁束の量子化. | 【事前学習】事前に予告された部分の予習. 【事後学習】講義内容のまとめと疑問点の整理. | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
第10回 | 超伝導の応用.ジョセフソン効果,高温超伝導体. | 【事前学習】事前に予告された部分の予習. 【事後学習】講義内容のまとめと疑問点の整理. | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
第11回 | ナノメートルサイズの物性とデバイス.物質の大きさに依存する効果. | 【事前学習】事前に予告された部分の予習. 【事後学習】講義内容のまとめと疑問点の整理. | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
第12回 | ナノメートルサイズの物性とデバイス.量子ドットと静電エネルギー. | 【事前学習】事前に予告された部分の予習. 【事後学習】講義内容のまとめと疑問点の整理. | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
第13回 | ナノメートルサイズの物性とデバイス.クーロン閉塞,単電子トンネル現象. | 【事前学習】事前に予告された部分の予習. 【事後学習】講義内容のまとめと疑問点の整理. | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
第14回 | ナノメートルサイズの物性とデバイス.単電子トランジスタ. | 【事前学習】事前に予告された部分の予習. 【事後学習】講義内容のまとめと疑問点の整理. | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
第15回 | 講義全体の振り返り. | 【事前学習】事前に予告された部分の予習. 【事後学習】講義内容のまとめと疑問点の整理. | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
その他
教科書 |
特定の教科書は使用しません.適宜,講義資料を配布し,また参考書の該当箇所を示すことで対応します.
|
---|---|
参考書 |
近角聰信 『物性科学入門』 裳華房 1999年
斯波弘行 『基礎の固体物理学』 培風館 2007年
グロッソ,パラビチニ 『固体物理学(上,中,下)』 吉岡書店 2004年
参考書は,講義中にも適宜紹介します.以下は,講義全体の補助的な参考書として紹介します.
#1は,あまり予備知識を仮定せずに書かれているので,初学者向けの物性の教科書.材料系の研究を志す学生さんははじめに手に取るとよい教科書だと思います.
#2は,基礎的なことがコンパクトにまとまっていて理論的な見通しがよい教科書です.内容は脱初級くらいのレベルです.量子力学に関する基礎的な事項は知っていたほうが読みやすい.
#3は,辞書サイズくらいのボリュームがあり,多岐にわたって詳細に説明されている教科書です.英語版は改訂されて,内容が刷新されている箇所もあるので,意欲のある学生は英語版を読むこともお勧めします.
|
成績評価の方法 及び基準 |
講義内容の区切りのよいところで理解度確認のための小テストを実施します. 成績評価は,試験の結果に加え,授業への参加状況等を含めて総合的に評価します. およその配点は 理解度確の小テスト(3回):90% 提出物や講義への参加状況等:10% を予定しています. |
定期試験等に ついて |
平常点やレポート等の課題による評価予定 |
質問への対応 | 電子メールは随時質問受付します.回答は対面で行うこともあります. また,ZOOMを利用した質問も可能です.教室での質問はその都度可能です. |
研究室又は 連絡先 |
駿河台校舎タワースコラ16階,S1615室 TEL : 03-3259-0772 email: matsuda.kenichi@nihon-u.ac.jp |
オフィスアワー |
金曜 駿河台 10:40 ~ 12:00
|
学生への メッセージ |
数式によって理解するのではなく,想像力を逞しくして具体的な現象に対するイメージをつかむことを優先してください. |