2025年 理工学部 シラバス - 電子工学科
設置情報
科目名 | 電子工学実験Ⅲ | ||
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設置学科 | 電子工学科 | 学年 | 3年 |
担当者 | 吉川・佐伯 他 | 履修期 | 年間 |
単位 | 4 | 曜日時限 | 木曜3・4 |
校舎 | 船橋 | 時間割CD | J43E |
クラス | |||
履修系統図 | 履修系統図の確認 | ||
その他 | 実務経験のある教員による授業科目 |
概要
学修到達目標 | 前期は課題実験を通して,各種の機能を有する素子や回路等の動作原理,諸特性について理解を深めると共に,さらに進んで素子や回路の設計・製作能力を修得することができる. 後期はグループによるPBL型実験を通して,グループ内で自身の果たすべき役割を自ら創意工夫しつつ見出し,目的を達成する能力を修得できる.(PBL:Project Based Learning) |
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授業形態及び 授業方法 |
「対面授業」 前期:各実験をグループまたは個人で行う.実験の順番はグループにより異なることに留意. 後期:ものづくりを主体とした開発的実験を行う.各グループで課題達成に向けて計画的にものづくりを進める.実務経験として, 電器メーカーで学んだ開発技術および,管理職経験を活かし,電子部品の特性や利用方法の指導や問題点の捉え方と解決プロセスを指導する.一方,報告の重要性や報告技術を指導し, 社会で生かせる技術を習得してもらう. また医療機器メーカーにて研究・開発経験を持つ教員が,実践から得られたものづくり,および問題解決方法を,学生実験の課題実験やPBL型実験にて,PDCAサイクルの重要性を常に意識しながら指導を行う. |
履修条件 | 電子工学実験Ⅰおよび電子工学実験Ⅱを修得している事が望ましい. |
ディプロマ・ポリシー(DP)及びカリキュラム・ポリシー(CP)との関連 | 本授業科目はDP4・5・6・7及びCP4・5・6・7に該当しています.※本科目は{未来}対応科目である. |
授業計画
第1回 | SPICEを用いた回路設計 | 【事前学修】SPICEを実行可能な環境を準備する. 【事後学修】指摘事項を踏まえて提出レポートの改善を実施し,学修を進める. | 【事前学修】1時間 【事後学修】1時間 |
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第2回 | フィルタの設計と製作 フィルタの設計法を習得し,特性を測定する. | 【事前学修】実験前に必ず設計し,回路合成,分布定数回路で学習した伝送の基本的知識を復習し,何を計測し,評価するか確認して定められた予習手続きを行うこと. 【事後学修】特に,設計値のとの比較について,Sパラメータ等の評価をすること. | 【事前学修】1時間 【事後学修】1時間 |
第3回 | レッヘル線によるインピーダンス測定 分布定数回路の基本となるレッヘル線を用いて分布定数線路の性質を理解する. | 【事前学修】回路合成,分布定数回路で学習した伝送の基本的知識を復習し,何を計測し,評価するか確認して定められた予習手続きを行うこと. 【事後学修】特に,分布定数回路と等価回路について,記述すること. | 【事前学修】1時間 【事後学修】1時間 |
第4回 | トランジスタを用いた増幅器の設計と製作 増幅器を設計・製作し,その特性を測定する. | 【事前学修】実験前に必ず設計し,TAや教員に素子値の確認をとること.電子回路I・IIで学習したトランジスタの基本的知識を復習し,何を計測し,評価するか確認して定められた予習手続きを行うこと. 【事後学修】増幅における周波数特性と位相特性について,設計と実計測を比較し記述せよ. | 【事前学修】1時間 【事後学修】1時間 |
第5回 | 演算増幅器の基礎実験 演算増幅器の特性及び基本回路についての理解を深める. | 【事前学修】電子回路I・IIで学習した増幅器の基本的知識を復習し,何を計測し,評価するか確認して定められた予習手続きを行うこと. 【事後学修】特に,課題において,スルーレートのキーワードを必ず用いて,動作可能範囲につき記述すること. | 【事前学修】1時間 【事後学修】1時間 |
第6回 | PBL型実験の内容と進め方(PDCAサイクル等)と諸注意を行う.後期から始まるPBL型実験の前駆的活動を行う. | 【事前学修】電子回路I・IIで学習したトランジスタの基本的知識を復習し,何を計測し,評価するか確認して定められた予習手続きを行うこと. 【事後学修】特に,過渡現象の学習内容も踏まえ,スイッチング現象について記述せよ. | 【事前学修】1時間 【事後学修】1時間 |
第7回 | 演算増幅器を用いたCR発振回路 発振機構と発振条件を理解する. | 【事前学修】回路理論I・IIで学習した共振回路の基本的知識を復習し,何を計測し,評価するか確認して定められた予習手続きを行うこと. 【事後学修】特に,電子工学実験IIの"LC発振器の特性測定"も踏まえ,議論・記述すること. | 【事前学修】1時間 【事後学修】1時間 |
第8回 | PBL型実験の内容と進め方(PDCAサイクル等)と諸注意を行う.後期から始まるPBL型実験の前駆的活動を行う. | 【事前学修】電子回路I・IIで学習したトランジスタの基本的知識を復習し,何を計測し,評価するか確認して定められた予習手続きを行うこと. 【事後学修】特に,過渡現象の学習内容も踏まえ,スイッチング現象について記述せよ. | 【事前学修】1時間 【事後学修】1時間 |
第9回 | ダイオードおよびトランジスタのスイッチング特性 パルス電圧過渡応答特性の測定から,各素子のスイッチング特性を理解する. | 【事前学修】提出したレポートの改善・自身の執筆内容を確かに把握しておく. 【事後学修】指摘事項を踏まえて提出レポートの改善を実施し,学修を進める. | 【事前学修】1時間 【事後学修】1時間 |
第10回 | LabVIEWを用いた自動計測 与えられた測定項目を測定するプログラムを,LabVIEWを用いて作成し計測を行う. | 【事前学修】実験前に必ず設計し,計算機アーキテクチャで学習した処理シーケンスの基本的知識を復習し,何を計測し,評価するか確認して定められた予習手続きを行うこと. 【事後学修】プログラミング応用を参考にしつつ,特に,GP-IB等のインターフェイスについて復習すること. | 【事前学修】1時間 【事後学修】1時間 |
第11回 | 半導体素子設計のための時定数・周波数特性 集積回路や半導体素子の特性に影響する少数キャリヤの寿命の測定や,MOS構造のC-V特性を計測・評価する. | 【事前学修】電磁気学,基礎電子物性,電子物性工学で学習した半導体の基本的知識を復習し,何を計測し,評価するか確認して定められた予習手続きを行うこと. 【事前学修】特に,半導体デバイス工学,量子物性工学,光電子機能マテリアルの学習内容と合わせてキャリアと光吸収およびMOS構造について等価回路を踏まえて,記述すること. | 【事前学修】1時間 【事後学修】1時間 |
第12回 | 薄膜素子の製作と測定 スパッタ法を用いて薄膜を作製し,薄膜の電気的性質を計測し, 理解する. | 【事前学修】電磁気学,基礎電子物性,電子物性工学で学習した薄膜の基本的知識を復習し,何を計測し,評価するか確認して定められた予習手続きを行うこと. 【事後学修】特に,半導体デバイス工学,量子物性工学,光電子機能マテリアルの学習内容と合わせて薄膜作製,代表的計測方法について,記述すること. | 【事前学修】1時間 【事後学修】1時間 |
第13回 | 磁性薄膜の磁区を観察し, 磁気的性質の理解と電磁気学における単位系について理解する. | 【事前学修】電磁気学,基礎電子物性,電子物性工学で学習した薄膜の基本的知識を復習し,何を計測し,評価するか確認して定められた予習手続きを行うこと. 【事後学修】特に,量子物性工学,光電子機能マテリアルの学習内容と合わせて薄膜作製,代表的計測方法について,記述すること. | 【事前学修】1時間 【事後学修】1時間 |
第14回 | 汎用ICを用いたデジタル回路の設計と製作 簡単な組み合わせ回路を汎用ICを用いて設計・製作することにより,デジタル回路の基本動作を学ぶ. | 【事前学修】実験前に必ず設計し,TAや教員に素子値の確認をとること.論理回路で学習した論理式やカルノー図について復習するとともに定められた予習手続きを行うこと. 【事後学修】ディジタル回路を参考にしつつ特に,同期式,非同期式の比較について記述すること. | 【事前学修】1時間 【事後学修】1時間 |
第15回 | 後期から始まるPBL型実験のコンセプト実証(CoP)をはじめとした前駆的活動を行う.計画の全体と初動について決定する. | 【事前学修】与えられる課題、対象となる機器の関連情報に対して事前に調査を行う.特にPDCAサイクルについても調べる. 【事後学修】与えられた課題に対し諸注意を踏まえ、計画・設計行う. | 【事前学修】1時間 【事後学修】1時間 |
第16回 | PBL型実験(製作・実験) と教員・TAとの進捗会議 | 【事前学修】PDCAサイクルのうち,前の週の改善(Act)を含めて計画(Plan)を修正する. 【事後学修】実行した事実・測定値に基づき,計画(Plan)と実績(Do)の差異の是正のために行う改善(Act)点を決定します. | 【事前学修】1時間 【事後学修】1時間 |
第17回 | PBL型実験(製作・実験) と教員・TAとの進捗会議 | 【事前学修】PDCAサイクルのうち,前の週の改善(Act)を含めて計画(Plan)を修正する. 【事後学修】実行した事実・測定値に基づき,計画(Plan)と実績(Do)の差異の是正のために行う改善(Act)点を決定します. | 【事前学修】1時間 【事後学修】1時間 |
第18回 | PBL型実験(製作・実験) と教員・TAとの進捗会議 | 【事前学修】PDCAサイクルのうち,前の週の改善(Act)を含めて計画(Plan)を修正する. 【事後学修】実行した事実・測定値に基づき,計画(Plan)と実績(Do)の差異の是正のために行う改善(Act)点を決定します. | 【事前学修】1時間 【事後学修】1時間 |
第19回 | 中間競技会 ここまでに,2符号の通信を確立し,競う.結果を踏まえて用いる通信原理について振り返りを行う. | 【事前学修】PDCAサイクルのうち,前の週の改善(Act)を含めて計画(Plan)を修正する. 【事後学修】実行した事実・測定値に基づき,計画(Plan)と実績(Do)の差異の是正のために行う改善(Act)点を決定します. | 【事前学修】1時間 【事後学修】1時間 |
第20回 | PBL型実験(製作・実験) と教員・TAとの進捗会議 | 【事前学修】PDCAサイクルのうち,前の週の改善(Act)を含めて計画(Plan)を修正する. 【事後学修】実行した事実・測定値に基づき,計画(Plan)と実績(Do)の差異の是正のために行う改善(Act)点を決定します. | 【事前学修】1時間 【事後学修】1時間 |
第21回 | PBL型実験(製作・実験) と教員・TAとの進捗会議 | 【事前学修】PDCAサイクルのうち,前の週の改善(Act)を含めて計画(Plan)を修正する. 【事後学修】実行した事実・測定値に基づき,計画(Plan)と実績(Do)の差異の是正のために行う改善(Act)点を決定します. | 【事前学修】1時間 【事後学修】1時間 |
第22回 | PBL型実験(製作・実験) と教員・TAとの進捗会議 | 【事前学修】PDCAサイクルのうち,前の週の改善(Act)を含めて計画(Plan)を修正する. 【事後学修】実行した事実・測定値に基づき,計画(Plan)と実績(Do)の差異の是正のために行う改善(Act)点を決定します. | 【事前学修】1時間 【事後学修】1時間 |
第23回 | 中間競技会 ここまでに,通信原理を確定し,競う.結果を踏まえて改善すべき課題を分析する. | 【事前学修】PDCAサイクルのうち,前の週の改善(Act)を含めて計画(Plan)を修正する. 【事後学修】実行した事実・測定値に基づき,計画(Plan)と実績(Do)の差異の是正のために行う改善(Act)点を決定します. | 【事前学修】1時間 【事後学修】1時間 |
第24回 | PBL型実験(製作・実験) と教員・TAとの進捗会議 | 【事前学修】PDCAサイクルのうち,前の週の改善(Act)を含めて計画(Plan)を修正する. 【事後学修】実行した事実・測定値に基づき,計画(Plan)と実績(Do)の差異の是正のために行う改善(Act)点を決定します. | 【事前学修】1時間 【事後学修】1時間 |
第25回 | PBL型実験(製作・実験) と教員・TAとの進捗会議 | 【事前学修】PDCAサイクルのうち,前の週の改善(Act)を含めて計画(Plan)を修正する. 【事後学修】実行した事実・測定値に基づき,計画(Plan)と実績(Do)の差異の是正のために行う改善(Act)点を決定します. | 【事前学修】1時間 【事後学修】1時間 |
第26回 | PBL型実験(検証・調整) | 【事前学修】PDCAサイクルのうち,前の週の改善(Act)を含めて最終作業内容(Plan)を修正する. 【事後学修】競技会で成果を出すための準備を行う. | 【事前学修】1時間 【事後学修】1時間 |
第27回 | 競技会 製作した機器を使い通信競技に参加し,結果を競う.必要な機器がある場合は予め連絡すること. | 【事前学修】競技会で機器を確実に作動させるための準備を行うこと. 【事後学修】競技会の結果を踏まえ,作製した機器の性能と作製工程を総合的に評価すること. | 【事前学修】1時間 【事後学修】1時間 |
第28回 | 成果報告会 これまでの実験における総括を発表する.今までの進捗や工程管理,競技会での結果,機器の仕様について説明する. | 【事前学修】わかりやすく説明するために配布資料や,モニターに映す資料を用意すること. 【事後学修】討論で得た助言や観点をもとに,作製した機器の仕様書と最終報告書を作成すること. | 【事前学修】1時間 【事後学修】1時間 |
第29回 | 成果報告会2 前回の討論内容とこれまでの実験におけるプロジェクトの全体を総括を発表する.プロジェクト管理,自身の行動特性につき検討を深める | 【事前学修】最終報告書を作成する 【事後学修】自身のコンピテンシー(行動特性)につき検討を深める. | 【事前学修】1時間 【事後学修】1時間 |
第30回 | 成果報告会2 前回の討論内容とこれまでの実験におけるプロジェクトの全体を総括を発表する.プロジェクト管理,自身の行動特性につき検討を深める | 【事前学修】最終報告書を作成する 【事後学修】自身のコンピテンシー(行動特性)につき検討を深める. | 【事前学修】1時間 【事後学修】1時間 |
その他
教科書 |
ガイダンス時に配布する.参考書については教科書に記載する.
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参考書 |
必要に応じて各自で調べる.
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成績評価の方法 及び基準 |
前期:各実験題目における実験実施度(15%),各週報告およびレポート(35%) 後期:各競技会での達成度評価(10%),各週報告および成果報告会の発表評価(10%),製作物の工学的・技術的評価および開発過程を含むレポート(30%) ※ 未来博士工房対応評価は別途行う |
定期試験等に ついて |
平常点やレポート等の課題による評価予定 |
質問への対応 | 実験中はTA(ティーチングアシスタント)及び担当教員が指導に当たり,質問に対しては適宜対応する. |
研究室又は 連絡先 |
吉川大貴(411室, yoshikawa.hiroki@nihon-u.ac.jp)・佐伯勝敏(432室)・三枝健二(435室) |
オフィスアワー |
月曜 船橋 11:00 ~ 12:00 吉川大貴(411号室)
月曜 船橋 12:15 ~ 13:15 佐伯勝敏(432号室)
木曜 船橋 10:40 ~ 12:10 三枝健二(435号室)
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学生への メッセージ |
実験実習課目であることに留意し, 遅刻・無断退席は絶対にしないこと.課題実験ではそれぞれ何を目的として実験を行っているのか理解して取り組むことで適切な受講が可能となります.PBL型実験では提示課題に対してグループでまとめた考えを実験を通して形にしていきます.グループによるものづくりの大変さ面白さを体感し,挑戦してください.両実験とも積極的に取り組み,実験を通じて現実化することを楽しんでください. |