2025年 理工学部 シラバス - 物質応用化学科
設置情報
科目名 | 量子化学 | ||
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設置学科 | 物質応用化学科 | 学年 | 3年 |
担当者 | 大月 穣 | 履修期 | 後期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 火曜1 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | L21R |
クラス | A 、 B | ||
履修系統図 | 履修系統図の確認 |
概要
学修到達目標 | 量子力学は,この世の全ての基礎原理である.物質に対して量子力学を適用する量子化学を理解することは,あらゆる物質の研究・開発を行うための基礎となる.本講を学ぶと,量子力学の基礎を,きっちり数式を使って理解できるようになる.あわせて,数学や英語を実際に使うことによって,これらの復習もできる. |
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授業形態及び 授業方法 |
「対面授業」 小テストや課題を通じて,自分で考えながら計算し,書いてまとめるという主体的なプロセスを取り入れます. 資料は別途配布するので,(プリントアウトするか),PC(推奨),パッド(推奨),携帯(非推奨)で見てください. |
履修条件 | 三角関数,微分積分,行列,ベクトルなどの数学の基礎,大学生レベルの英単語に関してマスターしておくことが望ましい. |
ディプロマ・ポリシー(DP)及びカリキュラム・ポリシー(CP)との関連 | 本授業科目はDP1・3・5及びCP1・3・5に該当しています. |
授業計画
第1回 | 原子や分子の構造や性質が理解するためには量子化学が必要なことを説明する.まずは,古典力学(位置,速度,加速度)と数学の復習(微分,積分)を行う.小テストとその解説を行うことがある. | 【事前学習】講義内容について,配布資料等を用いて概要を理解する,疑問点がある場合は質問をまとめておくこと. 【事後学習】講義内容を復習し,理解を確実にする. | 【事前学習】120分 【事後学習】120分 |
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第2回 | 引き続き古典力学を復習する(ニュートンの第2法則,仕事,運動エネルギー,運動量).また,電磁気学のうちクーロンの法則を復習する.小テストとその解説を行うことがある. | 【事前学習】講義内容について,配布資料等を用いて概要を理解する,疑問点がある場合は質問をまとめておくこと. 【事後学習】講義内容を復習し,理解を確実にする. | 【事前学習】120分 【事後学習】120分 |
第3回 | クーロンの法則から静電エネルギーまで復習する.その後いよいよ,量子力学の話に入るが,まずは,量子力学の出発時の仮定を整理しておく.小テストとその解説を行うことがある. | 【事前学習】講義内容について,配布資料等を用いて概要を理解する,疑問点がある場合は質問をまとめておくこと. 【事後学習】講義内容を復習し,理解を確実にする. | 【事前学習】120分 【事後学習】120分 |
第4回 | 電子の状態は波動関数で表されることを学び,時間に依存しないシュレディンガー方程式を導入する.小テストとその解説を行うことがある. | 【事前学習】講義内容について,配布資料等を用いて概要を理解する,疑問点がある場合は質問をまとめておくこと. 【事後学習】講義内容を復習し,理解を確実にする. | 【事前学習】120分 【事後学習】120分 |
第5回 | 第1回から第4回の内容に関して,理解を確認する小テストを行い,その解説を行う. | 【事前学習】第1回から第4回の内容に関して,復習をし,疑問点がある場合は質問をまとめておくこと. 【事後学習】自身の解答を踏まえて,第1回から第4回の内容に関して復習し,理解を確実にする. | 【事前学習】120分 【事後学習】120分 |
第6回 | シュレディンガー方程式を,最も簡単な系である一次元の箱の中にある電子に適用し,波動関数とエネルギーの求め方を学ぶ.小テストとその解説を行うことがある. | 【事前学習】講義内容について,配布資料等を用いて概要を理解する,疑問点がある場合は質問をまとめておくこと. 【事後学習】講義内容を復習し,理解を確実にする. | 【事前学習】120分 【事後学習】120分 |
第7回 | シュレディンガー方程式を一次元の箱の中にある電子に適用し,波動関数とエネルギーの求め,波動関数の性質を学ぶ.今度はいよいよ,実際の物質である水素原子にシュレディンガー方程式を適用する.小テストとその解説を行うことがある. | 【事前学習】講義内容について,配布資料等を用いて概要を理解する,疑問点がある場合は質問をまとめておくこと. 【事後学習】講義内容を復習し,理解を確実にする. | 【事前学習】120分 【事後学習】120分 |
第8回 | シュレディンガー方程式の解が,なじみ深い1s, 2s, あるいは2pといった原子軌道であることを学ぶ.また,2px軌道と2py軌道は別のp軌道の線形結合で表されることを学び,重ね合わせの状態というものが存在することを知る.小テストとその解説を行うことがある. | 【事前学習】講義内容について,配布資料等を用いて概要を理解する,疑問点がある場合は質問をまとめておくこと. 【事後学習】講義内容を復習し,理解を確実にする. | 【事前学習】120分 【事後学習】120分 |
第9回 | 原子軌道のエネルギーと光のエネルギーや波長の関係を理解する.小テストとその解説を行うことがある. | 【事前学習】講義内容について,配布資料等を用いて概要を理解する,疑問点がある場合は質問をまとめておくこと. 【事後学習】講義内容を復習し,理解を確実にする. | 【事前学習】120分 【事後学習】120分 |
第10回 | 第1回から第9回の内容に関して,理解を確認する小テストを行い,その解説を行う. | 【事前学習】第1回から第9回の内容に関して,復習をし,疑問点がある場合は質問をまとめておくこと. 【事後学習】自身の解答を踏まえて,第1回から第9回の内容に関して復習し,理解を確実にする. | 【事前学習】120分 【事後学習】120分 |
第11回 | 前回のエネルギー関係から水素原子が出す光の波長に対応するバルマー系列やライマン系列を理解する.新たに三次元空間でのベクトルの復習をする(外積).小テストとその解説を行うことがある. | 【事前学習】講義内容について,配布資料等を用いて概要を理解する,疑問点がある場合は質問をまとめておくこと. 【事後学習】講義内容を復習し,理解を確実にする. | 【事前学習】120分 【事後学習】120分 |
第12回 | 古典力学の角運動量を復習し,その後,原子軌道に関する量子力学的な角運動量を求める.果たして,電子は原子核の周りをぐるぐる回っているのだろうか?の疑問に答える.小テストとその解説を行うことがある. | 【事前学習】講義内容について,配布資料等を用いて概要を理解する,疑問点がある場合は質問をまとめておくこと. 【事後学習】講義内容を復習し,理解を確実にする. | 【事前学習】120分 【事後学習】120分 |
第13回 | いよいよ,原子から分子に話を移す.まず,分子の性質を理解するために,量子力学が実際にどのように用いられているか紹介する.そして,後で出てくる変分法を理解するための準備として,エルミート演算子というものを学ぶ.小テストとその解説を行うことがある. | 【事前学習】講義内容について,配布資料等を用いて概要を理解する,疑問点がある場合は質問をまとめておくこと. 【事後学習】講義内容を復習し,理解を確実にする. | 【事前学習】120分 【事後学習】120分 |
第14回 | エルミート演算子の3つの性質を証明し,「直交」と「完備性」という概念を学ぶ.その後,変分法を紹介し,分子の基底状態が近似的に求まることを学ぶ.小テストとその解説を行うことがある. | 【事前学習】講義内容について,配布資料等を用いて概要を理解する,疑問点がある場合は質問をまとめておくこと. 【事後学習】講義内容を復習し,理解を確実にする. | 【事前学習】120分 【事後学習】120分 |
第15回 | 第1回から第14回の内容に関して,理解を確認する小テストを行い,その解説を行う. | 【事前学習】第1回から第14回の内容に関して,復習をし,疑問点がある場合は質問をまとめておくこと. 【事後学習】自身の解答を踏まえて,第1回から第14回の内容に関して復習し,理解を確実にする. | 【事前学習】120分 【事後学習】120分 |
その他
教科書 |
講義資料を配布します.
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参考書 | |
成績評価の方法 及び基準 |
第5回,第10回,第15回の小テスト(100%) |
定期試験等に ついて |
平常点やレポート等の課題による評価予定 |
質問への対応 | 講義中に積極的にお願いします. |
研究室又は 連絡先 |
駿河台校舎2号館 1F 218号室 e-mail:otsuki.joe@nihon-u.ac.jp |
オフィスアワー |
火曜 駿河台 10:30 ~ 11:30
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学生への メッセージ |
根本的に,物質の構造や性質は量子力学のルールによって決まります.従って,物質を理解するためには,つまり化学を理解するためには量子力学を学ぶ必要があります.原子や電子の奇妙な性質が量子力学によって見事に説明されることを味わって楽しめると素晴らしいです.量子力学のルールは数式で表されるので,数学についても復習しつつ,一つ一つ理解できるよう解説したいと思います.自分で考えながら手を動かして計算し,書いてまとめるという主体的なプロセスを経て初めて知識は身に付くと思いますので,主体的に取り組んでほしいと思います. |