2025年 理工学部 シラバス - 物質応用化学科
設置情報
科目名 | 高分子材料 | ||
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設置学科 | 物質応用化学科 | 学年 | 3年 |
担当者 | 伊掛 浩輝 | 履修期 | 後期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 水曜1 水曜2 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | L31S L32T |
クラス | A, B | ||
履修系統図 | 履修系統図の確認 |
概要
学修到達目標 | これまでに修得した高分子に関する知識を横断的に結びつけ,高分子を素材として総合的に理解する力を養う.高分子の特性や応用の多様性を探究し,その魅力や面白さを科学的な視点から掘り下げるとともに,現状の課題や将来の展望についても議論を深める.本科目を修得することで,高分子に携わる技術者としての基盤となる知識や素養が身に付けられる. |
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授業形態及び 授業方法 |
対面授業. 各授業回で,予め配付する授業資料に基づき説明を加えていく.各自で該当資料を通読した上で授業に臨むこと.また,指定する教科書の該当箇所も通読のこと. 配付される資料に,各自でメモ書きを入れ,それをスクラップすることでオリジナルの参考書にもなる.A4サイズの資料が綴じられるファイルを準備すると良い. |
履修条件 | 高分子科学,高分子合成化学,高分子物性,さらには物理化学系の科目を修得していることが望ましい. |
ディプロマ・ポリシー(DP)及びカリキュラム・ポリシー(CP)との関連 | 本授業科目はDP1・3・5及びCP1・3・5に該当しています. |
授業計画
第1回 | 『高分子材料』についての概説 受講/授業の動機付け.履修上の注意として成績評価と基準,問合せ先などを周知する. | 【事前学習】シラバスおよび授業資料を確認する 【事後学習】授業に参加し,受講および授業に係る疑問点を解消する | 事前学習に1時間 事後学習に1時間 |
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第2回 | 高分子材料の歴史 高分子説の誕生,高分子材料の歴史,高分子材料と高分子工業について学習する. | 【事前学習】授業資料を読み,理解できない箇所を明確にし質問できるようにする 【事後学習】課題を利用して復習する.不明な点を調べ,質問し,疑問点を解消する | 事前学習に2時間 事後学習に2時間 |
第3回 | 高分子の分子特性 高分子性,平均分子量,溶融粘度,分子特性の分子量依存性について学習する. | 【事前学習】授業資料を読み,理解できない箇所を明確にし質問できるようにする 【事後学習】課題を利用して復習する.不明な点を調べ,質問し,疑問点を解消する | 事前学習に2時間 事後学習に2時間 |
第4回 | 高分子の合成法 高分子の合成反応,高分子構造と分類,バイオマス高分子について学習する. | 【事前学習】授業資料を読み,理解できない箇所を明確にし質問できるようにする 【事後学習】課題を利用して復習する.不明な点を調べ,質問し,疑問点を解消する | 事前学習に2時間 事後学習に2時間 |
第5回 | 高分子の基礎物性 高分子特有の力学的性質,動的粘弾性挙動,熱的性質を踏まえ解析法について学習する. | 【事前学習】授業資料を読み,理解できない箇所を明確にし質問できるようにする 【事後学習】課題を利用して復習する.不明な点を調べ,質問し,疑問点を解消する | 事前学習に2時間 事後学習に2時間 |
第6回 | 高分子の添加剤 高分子添加剤について学習し,各論として可塑剤,安定剤,造核剤を取り上げ,事例を学ぶ. | 【事前学習】授業資料を読み,理解できない箇所を明確にし質問できるようにする 【事後学習】課題を利用して復習する.不明な点を調べ,質問し,疑問点を解消する | 事前学習に2時間 事後学習に2時間 |
第7回 | 高分子の成形加工 成形加工法の基礎を学び,成形技法と樹脂の流動,溶融粘度について事例から学習する. | 【事前学習】授業資料を読み,理解できない箇所を明確にし質問できるようにする 【事後学習】課題を利用して復習する.不明な点を調べ,質問し,疑問点を解消する | 事前学習に2時間 事後学習に2時間 |
第8回 | 高分子系複合材料 多成分系材料,混和性,繊維強化材料,複合則,強化材と充塡材について事例から学習する. | 【事前学習】授業資料を読み,理解できない箇所を明確にし質問できるようにする 【事後学習】課題を利用して復習する.不明な点を調べ,質問し,疑問点を解消する | 事前学習に2時間 事後学習に2時間 |
第9回 | 高分子の形態特性1 繊維 合成繊維の基礎,繊維の微細構造と紡糸,機能性・感性繊維など多くの事例から学習する. | 【事前学習】授業資料を読み,理解できない箇所を明確にし質問できるようにする 【事後学習】課題を利用して復習する.不明な点を調べ,質問し,疑問点を解消する | 事前学習に2時間 事後学習に2時間 |
第10回 | 高分子の形態特性2 ゴム・エラストマー ゴム・エラストマーの基礎,最新のゴム・エラストマーについて学習する. | 【事前学習】授業資料を読み,理解できない箇所を明確にし質問できるようにする 【事後学習】課題を利用して復習する.不明な点を調べ,質問し,疑問点を解消する | 事前学習に2時間 事後学習に2時間 |
第11回 | 汎用高分子1 ポリエチレン,ポリプロピレン他,ポリオレフィンの機能化について学習する. | 【事前学習】授業資料を読み,理解できない箇所を明確にし質問できるようにする 【事後学習】課題を利用して復習する.不明な点を調べ,質問し,疑問点を解消する | 事前学習に2時間 事後学習に2時間 |
第12回 | 汎用高分子2 ポリ塩化ビニル他について学習する. | 【事前学習】授業資料を読み,理解できない箇所を明確にし質問できるようにする 【事後学習】課題を利用して復習する.不明な点を調べ,質問し,疑問点を解消する | 事前学習に2時間 事後学習に2時間 |
第13回 | 資源循環と高分子 環境基本法,プラスチックのマテリアルフロー,高分子の熱および酵素分解,これらを総じてポリマーリサイクルについて学習する. | 【事前学習】授業資料を読み,理解できない箇所を明確にし質問できるようにする 【事後学習】課題を利用して復習する.不明な点を調べ,質問し,疑問点を解消する | 事前学習に2時間 事後学習に2時間 |
第14回 | 高分子の形態特性3 塗料 塗装の目的,塗料の構成,顔料の分散設計,機能性塗料,低環境負荷塗料について学習する. | 【事前学習】授業資料を読み,理解できない箇所を明確にし質問できるようにする 【事後学習】課題を利用して復習する.不明な点を調べ,質問し,疑問点を解消する | 事前学習に2時間 事後学習に2時間 |
第15回 | 授業ふり返り -レポート課題への解説および授業総括- 課した授業レポート課題に対する疑問点などについて補足説明と解説を行う.シラバス「学修到達目標」に基づいて,授業全般に対して総括する. | 【事前学習】授業資料を読み,理解できない箇所を明確にし質問できるようにする 【事後学習】課題を利用して復習する.不明な点を調べ,質問し,疑問点を解消する | 事前学習に3時間 事後学習に3時間 |
その他
教科書 |
妹尾学,澤口孝志,清水繁,伊掛浩輝 『基礎 高分子科学 改訂版』 共立出版 2018年
この科目では,これまでに高分子系科目で修得した知識の結びつきと融合を図る.このために総合的な学習となり,教科書のページは行き来する.
各授業回で必要となる教科書の該当箇所や詳細については,それぞれの授業資料で案内しているので各自でフォロー,確認すること.
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参考書 |
小川俊夫 『高分子材料化学 [978-4-320-04383-1]』 共立出版 2009年
春名徹 『高分子添加剤ハンドブック [978-4-7813-0232-4]』 シーエムシー出版 2010年
(社)プラスチック成形加工学会 『プラスチック成形加工学III 成形加工におけるプラスチック材料 [978-4-627-66931-4]』 森北出版 2011年
本間精一 『技術大全シリーズ プラスチック材料大全 [978-4-526-07488-2]』 日刊工業新聞社 2015年
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成績評価の方法 及び基準 |
授業ごとに実施する課題(40%),授業レポート課題(60%)として,総合点を100点満点とし評価する. 成績評価基準および付随するルールについては,第1回の授業で説明するので必ず参加すること.併せて授業資料を熟読し,成績評価基準とルールについても十分に理解しておくこと. |
定期試験等に ついて |
平常点やレポート等の課題による評価予定 |
質問への対応 | 以下の方法の中から自身にあった方法で質問のこと.課題等への正答,解説は全体向けであり,個々の学習/理解状況を反映していない.質問することで学習効果が上がる.疑問を必ず解消すること. [1] 授業終了後に教室で質問 [2] Zoom利用によるオンライン質問 (事前予約制.日時も相談に応じる.友人同伴の参加可) [3] メールでの質問 (件名: 高分子材料への質問/本文: 所属先,学生番号,氏名を明記) |
研究室又は 連絡先 |
高分子工学研究室(駿河台校舎2号館1階214室) E-mail: ikake.hiroki@nihon-u.ac.jp/電話: 03-3259-0823(直通) |
オフィスアワー |
水曜 駿河台 15:00 ~ 16:30 メールによる事前予約制
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学生への メッセージ |
現代社会において欠かすことのできない高分子であるが,高分子らしい振る舞いはいったいどこからくるのか.高分子の構造と物性の関係は未だ不明な点も多い.高分子とはどのような特性をもつ材料であるのか,この授業では単元ごとに性質や性能を整理し,理解を深めることで,持続可能な利用を視野に高分子の在り方について議論していきたい.高分子材料に興味ある方には,この授業に積極的に参加し,高分子の知識や理解を深めてほしいと願っている. |