2025年 理工学部 シラバス - 物質応用化学科
設置情報
科目名 | 基礎物理化学 | ||
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設置学科 | 物質応用化学科 | 学年 | 1年 |
担当者 | 松田・須川 | 履修期 | 前期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 金曜3 金曜4 |
校舎 | 船橋 | 時間割CD | L53A L54B |
クラス | A 、 B | ||
履修系統図 | 履修系統図の確認 |
概要
学修到達目標 | 物理学を基礎にして化学現象を解明する基礎理論を学習(物理化学分野)すると共に、これをプロセスに応用するための基礎的手法(化学工学分野)を修得する。 具体的な学習目標は次のとおりである。 化学工学分野 1. 状態図の読み方、クラペイロン式,蒸気圧式および気体のP-v-T関係を計算するための状態式の使い方を理解することができる。 2. 物質収支を理解し、基礎的な化学プロセスにおける収支計算を行うことができる。 3. エネルギー収支の考え方を習得し、物理的操作をめぐる収支計算を行うことができる。 4. 化学反応操作をめぐるエネルギー収支を取り扱う上で必要となる反応熱の求め方を理解し、基礎的な化学プロセスにおけるエネルギー収支を計算できる。 物理化学分野 1. 化学エネルギーと電気エネルギーの関係を理解し、電池の起電力などを理論的に洞察できる。 2. 分子の電子状態の基礎を理解し、分子による光吸収、発光、および物質間の電子移動反応を予測できる。 3. 化学反応速度は反応物の濃度変化によって表されることを理解し、反応速度定数を求めることができる。 4. 吸着の理論には被覆率が重要であることを理解し、吸着等温式を使うことができる。 |
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授業形態及び 授業方法 |
「対面授業」 対面授業を行う。新型コロナウイルスまたはインフルエンザと診断された場合は、「新型コロナ・インフルエンザ罹患等申請システム」で必ず報告すること。その後の対応は担当教員の指示に従うこと。 高校で学んだ化学から専門的な物理化学や化学工学に至る、橋渡し的内容の授業を行う。 授業内容のより深い理解のため、演習ならびにレポート提出を実施する。 |
履修条件 | 高校で学習した化学、とくに理論化学の分野を理解していること。 |
ディプロマ・ポリシー(DP)及びカリキュラム・ポリシー(CP)との関連 | 本授業科目はDP1・3・5及びCP1・3・5に該当しています。 |
授業計画
第1回 | 【化学工学分野 第1回】(松田) 「基礎物理化学」講義の全体の概要についての説明を行う。 化学工学分野の講義の概要についての説明を行う。 化学工学の役割を説明する。 | 【事前学修】 今年度前期の授業初日は入学直後の4月9日(水)である。なるべく早く就学環境を整えること。 CST-VOICEの基本的な使い方を習得すること。 メールの書き方(教員への連絡方法はLINEではない、メールである)を習得すること。 シラバスの内容を確認の上,授業に臨むこと。化学工学教科書1ページから4ページを読むこと。 【事後学修】化学工学分野の授業の進め方を確認すること。化学工学の役割を確認すること。 | 【事前学修】2時間 【事後学修】2時間 |
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第2回 | 【化学工学分野 第2回】(松田) 前回の復習として、化学工学の役割を説明する。 物質の状態と物性(状態図)を説明する。 | 【事前学修】シラバスの内容を確認の上,授業に臨むこと。化学工学教科書1ページから4ページ,10ページから11ページを読んで理解できない箇所を質問できるようまとめておくこと。 【事後学修】化学工学の役割を確認すること。物質の状態図の見方を教科書やノートを用いて理解できるようにしておくこと。 | 【事前学修】2時間 【事後学修】2時間 |
第3回 | 【化学工学分野 第3回】(松田) クラペイロン式、蒸気圧、蒸気圧式(クラジウス・クラペイロン式,アントワン式)、理想気体の状態式、実在気体の状態式(van der Waals式)を説明する。 | 【事前学修】化学工学教科書11ページから13ページを読んで理解できない箇所を質問できるようまとめておくこと。 【事後学修】講義中に演習を行ったクラジウス・クラペイロン式に関する問題をもう一度解くこと。また,クラジウス・クラペイロン式に関する問題練習(レポート)を行うこと。 | 【事前学修】2時間 【事後学修】2時間 |
第4回 | 【化学工学分野 第4回】(松田) 前回のクラジウス・クラペイロン式に関する問題練習(レポート)の解説を行う。 理想気体の状態式、実在気体の状態式(van der Waals式)に関する問題演習を行う。また、化学プロセスの設計、開発、運転、保守、管理の基本となる物理的操作をめぐる物質収支を説明する。 | 【事前学修】化学工学教科書12ページから14ページを読んで理解できない箇所を質問できるようまとめておくこと。 【事後学修】講義中に演習を行った状態式(van der Waals式)に関する問題をもう一度解くこと。また,状態式(van der Waals式)に関する問題練習(レポート)を行うこと。 | 【事前学修】2時間 【事後学修】2時間 |
第5回 | 【化学工学分野 第5回】(松田) 前回の状態式(van der Waals式)に関する問題練習(レポート)の解説を行う。 物理的操作をめぐる物質収支に関する問題演習を行う。また、化学反応操作をめぐる物質収支を説明する。 | 【事前学修】化学工学教科書14ページから17ページ、19ページから20ページを読んで理解できない箇所を質問できるようまとめておくこと。 【事後学修】講義中に演習を行った物理的操作をめぐる物質収支に関する問題をもう一度解くこと。また,物理的操作をめぐる物質収支に関する問題練習(レポート)を行うこと。 | 【事前学修】2時間 【事後学修】2時間 |
第6回 | 【化学工学分野 第6回】(松田) 物理的操作をめぐる物質収支に関する問題練習(レポート)の解説を行う。 化学反応操作をめぐる物質収支に関する問題演習を行う。 | 【事前学修】化学工学教科書20ページから22ページを読んで理解できない箇所を質問できるようまとめておくこと。 【事後学修】講義中に演習を行った化学反応操作をめぐる物質収支に関する問題をもう一度解くこと。また、化学反応操作をめぐる物質収支に関する問題練習(レポート)を行うこと。 | 【事前学修】2時間 【事後学修】2時間 |
第7回 | 【化学工学分野 第7回】(松田) 前回の化学反応操作をめぐる物質収支に関する問題練習(レポート)の解説を行う。 化学プロセスの設計、開発、運転、保守、管理の基本となる物理的操作をめぐるエネルギー収支(相変化がない場合のみ)を説明する。また、化学反応操作をめぐるエネルギー収支として、標準生成エンタルピーを用いた標準反応熱の計算を説明する。 | 【事前学修】化学工学教科書24ページから25ページを読んで理解できない箇所を質問できるようまとめておくこと。 【事後学修】講義中に演習を行った標準反応熱の計算に関する問題をもう一度解くこと。 | 【事前学修】2時間 【事後学修】2時間 |
第8回 | 【物理化学分野 第1回】(須川) 電気化学基礎Ⅰ 化学エネルギーと電気エネルギーについて説明する。 | 【事前学修】図書館等で電気化学、特に物質の酸化還元反応について下調べを行い、理解できない箇所を質問できるようまとめておくこと。 【事後学修】講義最後に行う電気化学に関する問題をもう一度解くこと。 | 【事前学修】2時間 【事後学修】2時間 |
第9回 | 【物理化学分野 第2回】(須川) 電気化学基礎Ⅱ ネルンストの式と電池の起電力について説明する。 | 【事前学修】図書館等で電気化学、特にネルンストの式について下調べを行い、理解できない箇所を質問できるようまとめておくこと。 【事後学修】講義最後に行う電気化学に関する問題をもう一度解くこと。 | 【事前学修】2時間 【事後学修】2時間 |
第10回 | 【物理化学分野 第3回】(須川) 分子分光学基礎Ⅰ 分子の電子状態と光のエネルギーについて説明する。 | 【事前学修】図書館等で分子分光学、特に分子軌道について下調べを行い、理解できない箇所を質問できるようまとめておくこと。 【事後学修】講義最後に行う分子分光学に関する問題をもう一度解くこと。 | 【事前学修】2時間 【事後学修】2時間 |
第11回 | 【物理化学分野 第4回】(須川) 分子分光学基礎Ⅱ 吸収スペクトルと蛍光、太陽電池について説明する。 | 【事前学修】図書館等で分子分光学、特に吸収スペクトルについて下調べを行い、理解できない箇所を質問できるようまとめておくこと。 【事後学修】講義最後に行う分子分光学に関する問題をもう一度解くこと。 | 【事前学修】2時間 【事後学修】2時間 |
第12回 | 【物理化学分野 第5回】(須川) 化学反応速度Ⅰ 化学反応速度の定義と一次反応について説明する。 | 【事前学修】物理化学教科書225ページから228ページを読んで理解できない箇所を質問できるようまとめておくこと。 【事後学修】講義最後に行う一次反応に関する問題をもう一度解くこと。 | 【事前学修】2時間 【事後学修】2時間 |
第13回 | 【物理化学分野 第6回】(須川) 化学反応速度Ⅱ 複合反応と反応速度の温度依存性について説明する。 | 【事前学修】物理化学教科書230ページから237ページを読んで理解できない箇所を質問できるようまとめておくこと。 【事後学修】講義最後に行う反応速度の温度依存性に関する問題をもう一度解くこと。 | 【事前学修】2時間 【事後学修】2時間 |
第14回 | 【物理化学分野 第7回】(須川) 物理吸着と化学吸着 ラングミュアの吸着等温式について説明する。 | 【事前学修】図書館等で吸着について下調べを行い、理解できない箇所を質問できるようまとめておくこと。 【事後学修】講義最後に行う吸着に関する問題をもう一度解くこと。 | 【事前学修】2時間 【事後学修】2時間 |
第15回 | 【化学工学分野・物理化学分野 平常試験】 第1回から第14回の講義内容(化学工学分野および物理化学分野)について、平常試験を行う。その後、平常試験の解説を行う。 | 【事前学修】化学工学分野および物理化学分野の講義中に解いた例題・練習問題・レポートの問題、および総合演習の問題を繰り返し、かつ時間を区切って自分で解いて、平常試験に備えること。 【事後学修】平常試験で解けなかった問題を重点的に復習すること。 | 【事前学修】4時間 【事後学修】2時間 |
その他
教科書 |
『物理化学入門[9784808230425]』 真下清、他 東京教学社 2007年 第1版
日秋俊彦 編著,児玉大輔・栗原清文・松田弘幸・佐藤敏幸・松本真和 著 『標準化学工学Ⅰ 収支・流体・伝熱・平衡分離[9784254250404]』 朝倉書店 2018年
化学工学の教科書「標準化学工学Ⅰ 収支・流体・伝熱・平衡分離」は、2年生以上の化学工学系列の授業でも使用します。
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参考書 |
P. W. Atkins (著), M. J. Clugston (著), 千原 秀昭 (著), 稲葉 章 (翻訳) 『物理化学の基礎(アトキンス)』 東京化学同人 1984年
電気化学基礎部分が参考になります。
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成績評価の方法 及び基準 |
平常試験(70%)、レポート・演習(30%)によって総合評価する。 平常試験は理解度確認期間(15週目)に行う。 平常試験の詳細は授業中に指示します。科目担当者の指示に従ってください。 毎回の授業に出席し、すべてのレポート・演習を提出しても、平常試験(成績評価の70%)の得点が低いと、単位を修得することができないことがあります。十分注意してください。 |
定期試験等に ついて |
理解度確認期間(14週目又は15週目)に平常試験を実施予定 |
質問への対応 | 授業中外を問わず、随時対応する。 |
研究室又は 連絡先 |
化学工学分野(松田弘幸) 物質応用化学科化学工学研究室(駿河台校舎2号館1階215室) 物理化学分野(須川晃資) 物質応用化学科超分子化学研究室(駿河台校舎2号館地下1階206B室) メールアドレス(「あっと」は,半角@に直してください) 松田弘幸:matsuda.hiroyuki あっと nihon-u.ac.jp 須川晃資:sugawa.kosuke あっと nihon-u.ac.jp |
オフィスアワー |
金曜 船橋 16:30 ~ 17:00 授業の後に質問を受け付ける。
木曜 駿河台 10:00 ~ 12:00 メールで随時対応する。
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学生への メッセージ |
・講義中の例題の解法や、演習に関数電卓が必要です。毎回の授業で、授業開始の段階で関数電卓を机の上に置いて授業に臨んでください。 ・練習問題のPDFファイルを、CST-VOICEからダウンロードおよび印刷してください。毎回の授業で、授業開始の段階で印刷した練習問題を机の上に置いて授業に臨んでください。 ・毎回の授業に出席し、すべてのレポート・演習を提出しても、平常試験(成績評価の70%)の得点が低いと、単位を修得することができないことがあります。十分注意してください。 |