2025年 理工学部 シラバス - 物質応用化学科
設置情報
科目名 | 基礎物理化学 | ||
---|---|---|---|
設置学科 | 物質応用化学科 | 学年 | 2年 |
担当者 | 松田・須川 | 履修期 | 前期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 金曜6 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | L56M |
クラス | |||
履修系統図 | 履修系統図の確認 |
概要
学修到達目標 | 物理学を基礎にして化学現象を解明する基礎理論を学習(物理化学分野)すると共に、これをプロセスに応用するための基礎的手法(化学工学分野)を修得する。 具体的な学習目標は次のとおりである。 化学工学分野 1. 状態図の読み方、クラペイロン式,蒸気圧式および気体のP-v-T関係を計算するための状態式の使い方を理解することができる。 2. 物質収支を理解し、基礎的な化学プロセスにおける収支計算を行うことができる。 3. エネルギー収支の考え方を習得し、物理的操作をめぐる収支計算を行うことができる。 4. 化学反応操作をめぐるエネルギー収支を取り扱う上で必要となる反応熱の求め方を理解し、基礎的な化学プロセスにおけるエネルギー収支を計算できる。 物理化学分野 1. 化学エネルギーと電気エネルギーの関係を理解し、電池の起電力などを理論的に洞察できる。 2. 分子の電子状態の基礎を理解し、分子による光吸収、発光、および物質間の電子移動反応を予測できる。 3. 化学反応速度は反応物の濃度変化によって表されることを理解し、反応速度定数を求めることができる。 4. 吸着の理論には被覆率が重要であることを理解し、吸着等温式を使うことができる。 |
---|---|
授業形態及び 授業方法 |
「対面授業」 対面授業を行う。新型コロナウイルスまたはインフルエンザと診断された場合は、「新型コロナ・インフルエンザ罹患等申請システム」で必ず報告すること。その後の対応は担当教員の指示に従うこと。 高校で学んだ化学から専門的な物理化学や化学工学に至る、橋渡し的内容の授業を行う。 授業内容のより深い理解のため,演習ならびにレポート提出を実施する。 化学工学分野(松田)の授業は、予習を前提として進める。船橋校舎設置の「基礎物理化学」と授業の進め方が異なるので注意すること。授業の最初に演習問題を時間内に解き、その後解説を行う形とする。授業前に昨年度(または一昨年度)の「基礎物理化学」のノートの該当箇所を見て、必ず予習したうえで、授業を受講すること。 本科目は「夏季集中授業」として行います。授業日程は、2025年4月頃にCST-VOICEおよびメールで連絡します。 |
履修条件 | 高校で学習した化学、とくに理論化学の分野を理解していること。 |
ディプロマ・ポリシー(DP)及びカリキュラム・ポリシー(CP)との関連 | 本授業科目はDP1・3・5及びCP1・3・5に該当しています。 |
授業計画
第1回 | 【化学工学分野 第1回】(松田) 化学工学分野の講義内容について概説する。 クラペイロン式、蒸気圧、蒸気圧式(クラジウス・クラペイロン式,アントワン式)について説明する。その後、問題演習およびその解説を行う。 | 【事前学修】化学工学教科書10ページから12ページを読んで理解できない箇所を質問できるようまとめておくこと。また、昨年度(または一昨年度)の「基礎物理化学」のノートの該当箇所を見て、予習すること。 【事後学修】講義中に演習を行ったクラジウス・クラペイロン式に関する問題を繰り返し解くこと。 | 【事前学修】2時間 【事後学修】2時間 |
---|---|---|---|
第2回 | 【化学工学分野 第2回】(松田) 理想気体の状態式、実在気体の状態式(van der Waals式)について説明する。その後、問題演習およびその解説を行う。 | 【事前学修】化学工学教科書12ページから13ページを読んで理解できない箇所を質問できるようまとめておくこと。また、昨年度(または一昨年度)の「基礎物理化学」のノートの該当箇所を見て、予習すること。 【事後学修】講義中に演習を理想気体の状態式、実在気体の状態式(van der Waals式)に関する問題を繰り返し解くこと。 | 【事前学修】2時間 【事後学修】2時間 |
第3回 | 【化学工学分野 第3回】(松田) 物理的操作をめぐる物質収支について説明する。その後、問題演習およびその解説を行う。 | 【事前学修】化学工学教科書13ページから17ページを読んで理解できない箇所を質問できるようまとめておくこと。また、昨年度(または一昨年度)の「基礎物理化学」のノートの該当箇所を見て、予習すること。 【事後学修】講義中に演習を行った物理的操作をめぐる物質収支に関する問題を繰り返し解くこと。 | 【事前学修】2時間 【事後学修】2時間 |
第4回 | 【化学工学分野 第4回】(松田) 化学反応操作をめぐる物質収支について説明する。その後、問題演習およびその解説を行う。 | 【事前学修】化学工学教科書19ページから22ページを読んで理解できない箇所を質問できるようまとめておくこと。また、昨年度(または一昨年度)の「基礎物理化学」のノートの該当箇所を見て、予習すること。 【事後学修】講義中に演習を行った化学反応操作をめぐる物質収支に関する問題を繰り返し解くこと。 | 【事前学修】2時間 【事後学修】2時間 |
第5回 | 【化学工学分野 第5回】(松田) 第1回から第4回の講義内容について、演習を行う。その後、演習問題の解説を行う。 | 【事前学修】第1回から第4回に行った演習問題を、時間を区切ってもう一度解くこと。 【事後学修】講義中に演習を行った問題を繰り返し解くこと。 | 【事前学修】2時間 【事後学修】2時間 |
第6回 | 【化学工学分野 第6回】(松田) 化学プロセスの設計、開発、運転、保守、管理の基本となる物理的操作をめぐるエネルギー収支(相変化がない場合のみ)を説明する。また、化学反応操作をめぐるエネルギー収支として、標準生成エンタルピーを用いた標準反応熱の計算を説明する。その後、問題演習およびその解説を行う。 | 【事前学修】化学工学教科書24ページから25ページを読んで理解できない箇所を質問できるようまとめておくこと。また、昨年度(または一昨年度)の「基礎物理化学」のノートの該当箇所を見て、予習すること。 【事後学修】講義中に演習を行った標準反応熱および標準燃焼エンタルピーの計算に関する問題を繰り返し解くこと。 | 【事前学修】2時間 【事後学修】2時間 |
第7回 | 【物理化学分野 第1回】(須川) 電気化学基礎Ⅰ 化学エネルギーと電気エネルギーについて説明する。 | 【事前学修】図書館等で電気化学、特に物質の酸化還元反応について下調べを行い、理解できない箇所を質問できるようまとめておくこと。 【事後学修】講義最後に行う電気化学に関する問題をもう一度解くこと。 | 【事前学修】2時間 【事後学修】2時間 |
第8回 | 【物理化学分野 第2回】(須川) 電気化学基礎Ⅱ ネルンストの式と電池の起電力について説明する。 | 【事前学修】図書館等で電気化学、特にネルンストの式について下調べを行い、理解できない箇所を質問できるようまとめておくこと。 【事後学修】講義最後に行う電気化学に関する問題をもう一度解くこと。 | 【事前学修】2時間 【事後学修】2時間 |
第9回 | 【物理化学分野 第3回】(須川) 分子分光学基礎Ⅰ 分子の電子状態と光のエネルギーについて説明する。 | 【事前学修】図書館等で分子分光学、特に分子軌道について下調べを行い、理解できない箇所を質問できるようまとめておくこと。 【事後学修】講義最後に行う分子分光学に関する問題をもう一度解くこと。 | 【事前学修】2時間 【事後学修】2時間 |
第10回 | 【物理化学分野 第4回】(須川) 分子分光学基礎Ⅱ 吸収スペクトルと蛍光、太陽電池について説明する。 | 【事前学修】図書館等で分子分光学、特に吸収スペクトルについて下調べを行い、理解できない箇所を質問できるようまとめておくこと。 【事後学修】講義最後に行う分子分光学に関する問題をもう一度解くこと。 | 【事前学修】2時間 【事後学修】2時間 |
第11回 | 【物理化学分野 第5回】(須川) 化学反応速度 一次反応・複合反応と反応速度の温度依存性について説明する。 | 【事前学修】物理化学教科書225ページから237ページを読んで理解できない箇所を質問できるようまとめておくこと。 【事後学修】講義最後に行う問題をもう一度解くこと。 | 【事前学修】2時間 【事後学修】2時間 |
第12回 | 【物理化学分野 第6回】(須川) 物理吸着と化学吸着 ラングミュアの吸着等温式について説明する。 | 【事前学修】図書館等で吸着について下調べを行い、理解できない箇所を質問できるようまとめておくこと。 【事後学修】講義最後に行う吸着に関する問題をもう一度解くこと。 | 【事前学修】2時間 【事後学修】2時間 |
第13回 | 【化学工学分野 総合演習】(松田) 化学工学分野の第1回から第6回の講義内容について、演習を行う。その後、演習問題の解説を行う。 | 【事前学修】化学工学分野の第1回から第6回授業で解いた演習問題を、時間を区切ってもう一度解くこと。 【事後学修】総合演習で解いた問題を繰り返し、かつ時間を区切って解くこと。 | 【事前学修】3時間 【事後学修】3時間 |
第14回 | 【物理化学分野 総合演習】(須川) 物理化学分野の第7回から第12回の講義内容について、演習を行う。その後、演習問題の解説を行う。 | 【事前学修】物理化学分野の第7回から第12回授業で解いた演習問題を、時間を区切ってもう一度解くこと。 【事後学修】総合演習で解いた問題を繰り返し、かつ時間を区切って解くこと。 | 【事前学修】3時間 【事後学修】3時間 |
第15回 | 【平常試験とその解説】(松田・須川) 第1回から第14回の講義内容(化学工学分野および物理化学分野)について、平常試験を行う。その後、解説を行う。 | 【事前学修】化学工学分野および物理化学分野で解いた問題を繰り返し、かつ時間を区切って解くこと。 【事後学修】平常試験の解説を受け、間違えていた箇所を重点的に復習すること。 | 【事前学修】5時間 【事後学修】2時間 |
その他
教科書 |
『物理化学入門[9784808230425]』 真下清、他 東京教学社 2007年 第1版
日秋俊彦 編著,児玉大輔・栗原清文・松田弘幸・佐藤敏幸・松本真和 著 『標準化学工学Ⅰ 収支・流体・伝熱・平衡分離[9784254250404]』 朝倉書店 2018年
化学工学の教科書「標準化学工学Ⅰ 収支・流体・伝熱・平衡分離」は、2年生以上の化学工学系列の授業でも使用します。
|
---|---|
参考書 |
P. W. Atkins (著), M. J. Clugston (著), 千原 秀昭 (著), 稲葉 章 (翻訳) 『物理化学の基礎(アトキンス)』 東京化学同人 1984年
電気化学基礎部分が参考になります。
|
成績評価の方法 及び基準 |
平常試験(70%)、レポート・演習(30%)によって総合評価する。 平常試験は第15回授業にて行う. 毎回の授業に出席し、すべてのレポート・演習を提出しても、平常試験(成績評価の70%)の得点が低いと、単位を修得することができないことがあります。十分注意してください。 |
定期試験等に ついて |
理解度確認期間(14週目又は15週目)に平常試験を実施予定 |
質問への対応 | 授業中外を問わず、随時対応する。 |
研究室又は 連絡先 |
化学工学分野(松田弘幸) 物質応用化学科化学工学研究室(駿河台校舎2号館1階215室) 物理化学分野(須川晃資) 物質応用化学科超分子化学研究室(駿河台校舎2号館地下1階206B室) メールアドレス(「あっと」は,半角@に直してください) 松田弘幸:matsuda.hiroyuki あっと nihon-u.ac.jp 須川晃資:sugawa.kosuke あっと nihon-u.ac.jp |
オフィスアワー |
木曜 駿河台 12:10 ~ 13:20 メールで随時対応する。
|
学生への メッセージ |
本科目は「夏季集中授業」として行います。授業日程は、2025年4月頃にCST-VOICEおよびメールで連絡します。 化学工学分野(松田)の授業は、予習を前提として進めます。船橋校舎設置の「基礎物理化学」と授業の進め方が異なるので注意してください。授業の最初に演習問題を時間内に解き、その後解説を行う形とします。授業前に昨年度(または一昨年度)の「基礎物理化学」のノートの該当箇所を見て、必ず予習したうえで、授業を受講してください。 ・講義中の例題の解法や、演習に関数電卓が必要です。毎回の授業で、授業開始の段階で関数電卓を机の上に置いて授業に臨んでください。 ・練習問題のPDFファイルを、CST-VOICEからダウンロードおよび印刷してください。毎回の授業で、授業開始の段階で印刷した練習問題を机の上に置いて授業に臨んでください。 ・毎回の授業に出席し、すべてのレポート・演習を提出しても、平常試験(成績評価の70%)の得点が低いと、単位を修得することができないことがあります。十分注意してください。 |