2025年 理工学部 シラバス - 物理学科
設置情報
科目名 | 天文学 | ||
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設置学科 | 物理学科 | 学年 | 3年 |
担当者 | 根來 均 | 履修期 | 前期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 火曜1 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | M21P |
クラス | 物理学科3年生以上 | ||
履修系統図 | 履修系統図の確認 |
概要
学修到達目標 | 太陽の形成から宇宙論まで天文学の概要を学ぶ。美しい天体画像やデータなどを通じて、宇宙での様々な現象を物理学を通じて理解する。 |
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授業形態及び 授業方法 |
「対面授業」 授業中心。 |
履修条件 | 力学、光学、電磁気学、統計学、量子力学の各基礎知識。 |
ディプロマ・ポリシー(DP)及びカリキュラム・ポリシー(CP)との関連 | 本授業科目はDP3及びCP3に該当しています。 |
授業計画
第1回 | 宇宙の階層構造とスケール1(様々な単位、太陽系、惑星、月、系外惑星探査、ハビタブルゾーン) | 天文学で使われる様々な単位について予習し、授業後に復習すること。 | 事前に1時間以上、事後と合わせて4時間 |
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第2回 | 宇宙の階層構造とスケール2(惑星、小惑星、彗星、オールトの雲、近傍の恒星、銀河、星団、銀河団) | 宇宙の階層構造について第1週の授業の内容と授業内容に記したキーワードをもとに予習し、授業後、各自まとめること。 | 事前に1時間以上、事後と合わせて4時間 |
第3回 | 星の誕生と多波長観測(星の一生/黒体放射/電波観測-暗黒星雲/赤外観測-星の誕生/原始星/可視観測-星雲/林トラック/散開星団)。 | 授業内容に記したキーワードをもとに電磁波の各波長域での特徴について予習し、授業後、各自まとめること。 | 事前に1時間以上、事後と合わせて4時間 |
第4回 | 恒星と恒星の進化(可視光観測-測光/等級/HR図/球状星団/恒星のエネルギー源/核融合と核分裂反応/惑星状星雲)。 | 授業内容に記したキーワードをもとに黒体放射と核融合について復習し、授業後、各自まとめること。 | 事前に1時間以上、事後と合わせて4時間 |
第5回 | 活動する太陽(黒点/太陽フレア/磁気再結合/スーパーフレア/コロナ/フラウンホーファー線)。 | 授業内容に記したキーワードをもとに磁場が持つエネルギーなどについて復習し、授業後、各自まとめること。 | 事前に1時間以上、事後と合わせて4時間 |
第6回 | 星の死とその後の世界(褐色矮星/初期質量関数/ガス圧, 放射圧, 磁気圧, 縮退圧/縮退星/連星系/白色矮星と新星(ノバ)/超新星爆発/ニュートリノ観測/超新星残骸)。 | 授業内容に記したキーワードをもとに、様々な圧力について復習し、授業後、各自まとめること。 | 事前に1時間以上、事後と合わせて4時間 |
第7回 | 連星とその進化(連星/多重星/実視連星/分光連星/蝕連星/軌道要素と質量関数/ロシュローブ/白色矮星/近接連星系/トランジェント/球状星団)。 | 授業内容に記したキーワードをもとに力学の2体問題について復習し、授業後、各自まとめること。 | 事前に1時間以上、事後と合わせて4時間 |
第8回 | 中性子星(中性子星の回転エネルギー/磁場とその強度/電波パルサー/かにパルサー/連星系パルサー/重力波/シャピロディレー/中性子星の内部構造/降着駆動型X線パルサー/X線バースト/中性子星の進化)。 | 授業内容に記したキーワードをもとに、剛体の力学や、量子力学や統計物理学で学ぶ縮退について予習もしくは復習し、授業後、各自まとめること。 | 事前に1時間以上、事後と合わせて4時間 |
第9回 | 恒星質量ブラックホール(相対論/X線観測/白鳥座X-1/ブラックホールの質量/天の川銀河にあるブラックホールの総数/ブラックホール実在の証拠/降着円盤/シュバルツシルドホールとカーホール/ジェット/MHDシミュレーション)。 | 授業内容に記したキーワードをもとに、相対論 で学んだ時間の遅れについて復習もしくは予習し、授業後、各自まとめること。 | 事前に1時間以上、事後と合わせて4時間 |
第10回 | 超巨大ブラックホールと活動銀河核(天の川銀河の超巨大ブラックホール/G2イベント/潮汐力破壊/ブラッホール質量の測定/電波ジェット/セイファート銀河/活動銀河核統一モデル/重力赤方偏移した輝線/ブラックホールシャドー/重力レンズ効果)。 | 授業内容に記したキーワードをもとに音波もしくは光のドップラー効果や重力赤方偏移などについて復習もしくは予習し、授業後、各自まとめること。 | 事前に1時間以上、事後と合わせて4時間 |
第11回 | ジェット(原始星からのジェット/ハービッグハロー天体/惑星状星雲/ジェットのエネルギー源/ブラックホールジェット/潮汐力破壊/ガンマ線バースト/残光(アフターグロー)/宇宙の灯台としてのガンマ線バースト)。 | 授業内容に記した様々なジェットについて予習し、授業後、各自まとめること。 | 事前に1時間以上、事後と合わせて4時間 |
第12回 | 銀河とダークマター(銀河の分類/楕円銀河/渦巻き銀河/棒渦巻き銀河/銀河回転とダークマター/マッチョ/銀河同士の衝突/重力レンズとダークマター/銀河団と高温ガス)。 | 授業内容に記したダークマターについてインターネット等で事前に調べ、授業後、各自まとめること。 | 事前に1時間以上、事後と合わせて4時間 |
第13回 | 新たな宇宙観測手段(重力波/ニュートリノ/マルチメッセンジャー) | 授業内容に記したキーワードについてインターネット等で事前に調べ、授業後、各自まとめること。 | 事前に1時間以上、事後と合わせて4時間 |
第14回 | 観測的宇宙論(オルバースのパラドックス/天体までの距離/ハッブルの法則/ビッグバーン/宇宙の万里の長城/宇宙背景放射/アインシュタインの重力方程式と宇宙モデル/加速膨張する宇宙)。 | 授業内容に記したキーワードをもとに、水素原子のスペクトル線などについて予習し、授業後、各自まとめること。 | 事前に1時間以上、事後と合わせて4時間 |
第15回 | 平常試験とその解説 平常試験が行い場合は、将来計画等について。 | これまでの内容を十分に復習しておくこと。 | 事前に4時間以上行い、必要に応じて復習すること。 |
その他
教科書 |
適当なものがあれば授業中に紹介します。
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参考書 |
福江 純, 沢 武文, 高橋 真聡 『極・宇宙を解くー現代天文学演習』 恒星社厚生閣 2020年 第1版
日本天文学会 『シリーズ現代の天文学』 日本評論社 2007年 第2版
坂下志郎、池内了 『宇宙流体力学』 培風館 1996年 第1版
M. Harwit 『Astrophysical Concepts』 2006年 第4版
「極・宇宙を解くー現代天文学演習」は学部の初級者向け。「シリーズ現代の天文学」は全18巻からなるシリーズもの。何故か11, 12巻が「天体物理学の基礎 I, II」となっている。「宇宙流体力学」は古いが非常に簡潔かつ明快に記された宇宙理論向けのテキスト。"Astrophysical Concepts" は世界的に有名な学部生向けの宇宙物理学全般に関する教科書。
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成績評価の方法 及び基準 |
第15週の平常試験の結果で評価する。 ただし、平常試験または期末試験を予定しているが、講義室の空き状況により正確な実施は未定であり、平常試験が期末試験へ、期末試験が平常試験へ変更の可能性がある。授業でアナウンスを行う。 |
定期試験等に ついて |
理解度確認期間(14週目又は15週目)に平常試験を実施予定 |
質問への対応 | 授業中および授業後. メディア授業の場合は(課題提出と一緒にしないで)メイルにてお願いします。 |
研究室又は 連絡先 |
negoro.hitoshi@nihon-u.ac.jp |
オフィスアワー |
火曜 駿河台 12:20 ~ 13:00
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学生への メッセージ |
奇麗な天体写真が宇宙のどのような現象を表しているのか、学部で学んだ物理学が天文学でどのように使われているかなど、最新のトピックスを含め、天文学的数字と基本的な物理の式を使って宇宙の全階層について説明して行きます。 |