2025年 理工学部 シラバス - 物理学科
設置情報
科目名 | 物理学実験Ⅲ | ||
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設置学科 | 物理学科 | 学年 | 3年 |
担当者 | 小松崎・住友 他 | 履修期 | 前期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 水曜3・4 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | M33T |
クラス | |||
履修系統図 | 履修系統図の確認 |
概要
学修到達目標 | 基礎的な物理現象の実験を通して,現象をよく観察し考察すると共に基礎的な実験装置の取り扱いに慣れ,物理学の実験方法,観察法および考察法を学ぶ。共同実験を通して,実験中の課題を解決する提案力やコミニュケーション能力,自分を活かす力,互いを活かす力などを育むとともに,レポート作成を通してプレゼンテーション能力や実験結果を理解するための論理的思考や批判的思考を養う。様々な自然現象に対する観察法,実験装置の仕組み・原理を理解する考え方,実験を行うための基礎技術,報告書作成能力などを身につけさせる。 |
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授業形態及び 授業方法 |
授業形態 対面授業(実験) 1テーマの実験は,第1週, 第2週の対面の実験を行う。実験開始に先立ち予習レポートを提出する。実験終了後,指定期日までにレポートを作成し提出する。 8つの基礎的実験テーマの中から,各自に指定された7つのテーマに関する実験を行う。実験開始に先立ち予習レポートを提出する。実験終了後実験レポートを提出する。8つの実験テーマは下記の通り, 強磁性体のヒステリシス曲線/放射性物質の崩壊/熱の伝播/核磁気共鳴/ファラデー効果/マイケルソン干渉計/プランク定数/線スペクトルとリュードベリ定数,である。 |
履修条件 | 物理学実験ⅠおよびⅡの単位を取得していることを条件とし,履修制限を行うことがある. |
ディプロマ・ポリシー(DP)及びカリキュラム・ポリシー(CP)との関連 | 本授業科目はDP3・4・5・6及びCP3・4・5・6に該当する。 |
授業計画
第1回 | 本授業のガイダンスとして,資料の配布,実験内容とスケジュールの説明,実験グループの割振り,レポートの書き方の指導を行う。 | 【事前学習】学生番号ごとの履修曜日を確認し,他の授業との重複がないかを確認する。 【事後学習】配布された資料をよく読み,今後の実験スケジュールとレポート提出方法について確認する。 | 【事前学習】60分 【事後学習】60分 |
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第2回 | 【1】強磁性のヒステリシス曲線(1週目) 物質の磁気的な性質について理解を深める。環状のニッケルフェライトのヒステリシス曲線を測定し,強磁性体の特性を理解する。 | 【事前学習】事前に配布した教科書を熟読し,実験内容を理解し,予習レポートを作成する。 【事後学習】実験データを解析する。 | 【事前学習】60分 【事後学習】60分 |
第3回 | 【1】強磁性のヒステリシス曲線(2週目) 棒状の鉄合金のヒステリシス曲線を測定し,強磁性体の特性を理解する。 | 【事前学習】事前に配布した教科書を熟読し,実験内容を理解する。 【事後学習】実験データを解析し,報告レポートを作成する。 | 【事前学習】60分 【事後学習】60分 |
第4回 | 【2】放射性物質の崩壊(1週目) 放射線の計数測定の手法を学ぶ。シンチレーション検出器の動作原理を学び,取り扱い方を習得する。 | 【事前学習】事前に配布した教科書を熟読し,実験内容を理解し,予習レポートを作成する。 【事後学習】実験データを解析する。 | 【事前学習】60分 【事後学習】60分 |
第5回 | 【2】放射性物質の崩壊(2週目) シンチレーション検出器によりエネルギー分布を計測し,結果の物理的意味を理解する。 | 【事前学習】事前に配布した教科書を熟読し,実験内容を理解する。 【事後学習】実験データを解析し,報告レポートを作成する。 | 【事前学習】60分 【事後学習】60分 |
第6回 | 【3】熱の伝播(1週目) 温度勾配が生じた物質中での熱の伝播を題材に非平衡現象への理解を深める。アルミ棒の一端を断続的に加熱し非平衡熱流を作り出し,ヒーターから離れた位置での温度の時間変化を測定する。この実験結果のフーリエ解析から熱の伝播速度の振動数依存性を調べる。 | 【事前学習】事前に配布した教科書を熟読し,実験内容を理解し,予習レポートを作成する。 【事後学習】実験データを解析する。 | 【事前学習】60分 【事後学習】60分 |
第7回 | 【3】熱の伝播(2週目) 伝播速度の理論値と実験値の比較からアルミニウムの熱伝導率を導出する。 | 【事前学習】事前に配布した教科書を熟読し,実験内容を理解する。 【事後学習】実験データを解析し,報告レポートを作成する。 | 【事前学習】60分 【事後学習】60分 |
第8回 | 【4】核磁気共鳴(1週目) 物質の微視的な磁気モーメントを測定する核磁気共鳴法について理解を深める。水素原子核の核磁気共鳴現象を観測し,原子核がもつ磁気モーメントについて理解を深める。 | 【事前学習】事前に配布した教科書を熟読し,実験内容を理解し,予習レポートを作成する。 【事後学習】実験データを解析する。 | 【事前学習】60分 【事後学習】60分 |
第9回 | 【4】核磁気共鳴(2週目) 異なる周波数の電磁波を用いて水素原子核の核磁気共鳴現象を観測し,実験の原理について理解する。 | 【事前学習】事前に配布した教科書を熟読し,実験内容を理解する。 【事後学習】実験データを解析し,報告レポートを作成する。 | 【事前学習】60分 【事後学習】60分 |
第10回 | 【5】ファラデー効果(1週目) 磁場で光の偏光面が回転するファラデー効果を観察し,光と磁気の関わりについて理解を深める。透過する光のファラデー効果を観測する。 | 【事前学習】事前に配布した教科書を熟読し,実験内容を理解し,予習レポートを作成する。 【事後学習】実験データを解析する。 | 【事前学習】60分 【事後学習】60分 |
第11回 | 【5】ファラデー効果(2週目) 往復する光のファラデー効果を観測する。 | 【事前学習】事前に配布した教科書を熟読し,実験内容を理解する。 【事後学習】実験データを解析し,報告レポートを作成する。 | 【事前学習】60分 【事後学習】60分 |
第12回 | 【6】マイケルソン干渉計(1週目) マイケルソン干渉計によってレーザー光の干渉現象を観測し,レーザー光の特性を理解する。レーザー光の波長を測定する。 | 【事前学習】事前に配布した教科書を熟読し,実験内容を理解し,予習レポートを作成する。 【事後学習】実験データを解析する。 | 【事前学習】60分 【事後学習】60分 |
第13回 | 【6】マイケルソン干渉計(2週目) レーザー光のコヒーレンス長を測定する。レーザー光を用いて空気の屈折率を測定する。 | 【事前学習】事前に配布した教科書を熟読し,実験内容を理解する。 【事後学習】実験データを解析し,報告レポートを作成する。 | 【事前学習】60分 【事後学習】60分 |
第14回 | 【7】プランク定数(1週目) 分光器を用いて,様々な波長の入射光に対する光電流の陽極電圧依存性を測定する。 | 【事前学習】事前に配布した教科書を熟読し,実験内容を理解し,予習レポートを作成する。 【事後学習】実験データを解析する。 | 【事前学習】60分 【事後学習】60分 |
第15回 | 【7】プランク定数(2週目) 阻止電圧の入射光波長依存性を調べて,プランク定数と仕事関数を導出する。 | 【事前学習】事前に配布した教科書を熟読し,実験内容を理解する。 【事後学習】実験データを解析し,報告レポートを作成する。 | 【事前学習】60分 【事後学習】60分 |
その他
教科書 |
高野良紀ほか 『専門課程物理学実験』 裳華房 2018年 改訂版 第1版第1刷。
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参考書 | |
成績評価の方法 及び基準 |
出席およびレポートにより評価する。期限を過ぎて提出されたレポートは採点しない。 |
定期試験等に ついて |
平常点やレポート等の課題による評価予定 |
質問への対応 | 各実験テーマに関する質問は,テーマ担当者に質問する。実験全体に関する質問は,実験係(高瀬,小林)に質問する。 |
研究室又は 連絡先 |
ガイダンス時に配布する。 |
オフィスアワー |
水曜 駿河台 13:20 ~ 16:30 各物理学実験室
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学生への メッセージ |
実験の前に必ず教科書を精読してくること。レポートの書き方についての指導は,第1回目の講義のみで行う。各テーマの第2週終了時にテーマ担当の教員とレポート内容について打ち合わせを行い終了とすること。 |