2025年 理工学部 シラバス - 数学科
設置情報
科目名 |
代数学及び演習B
体論入門および作図について
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設置学科 | 数学科 | 学年 | 3年 |
担当者 | 平田(河野) 典子 | 履修期 | 後期 |
単位 | 3 | 曜日時限 | 金曜1・2 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | N51R |
クラス | |||
履修系統図 | 履修系統図の確認 |
概要
学修到達目標 | 数学および自然科学を十分に理解するために,具体的な現象を総合して考えることのできる抽象代数の深い知識を身に付け,応用できるようにする.このために環論の復習後に体論を学び,整数論への応用・ガロア理論・定規とコンパスによる作図の理論,5次以上の代数方程式の解の公式の非存在性の証明など代数学の発展的な内容を学習する.理論的な内容を理解しながら幅広い演習問題を解くことを通して,主体的に考える力を養うことを目標とする.演習の際に受講生と教員および受講生同士で相互に交わされる討議をふまえ,自ら課題を発見し解決する能力,そして楽しく演習問題に挑戦する姿勢を身に付ける. |
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授業形態及び 授業方法 |
授業方法:対面授業(やむを得ない場合のみオンデマンド併用) (講義)主に黒板によるが,CST Voice・Canvas等,理工学部システム上のインターネット配信によるテキスト配布も併せて行う.紙媒体でも毎回,授業内容及び演習問題を配布する. (演習)できる限り多くの受講生が黒板で演習できるように工夫する.加えて2~3回程度の小テストおよび自己採点の場を設け,問題を解く達成感が味わえるようにしたい.受講者自身が主体的に多くの問題を解くことを通し,代数学の興味深い知識と諸現象の理解増進を目指す.演習問題に楽しく挑戦する姿勢を身に付けられるよう,質疑応答にも随時対応する. |
履修条件 | 代数学及び演習Aを履修していることが望ましいが,必須ではない.作図や整数論など,代数学につながる分野に興味があり,主体的・能動的に学ぶ姿勢を備えていること. |
ディプロマ・ポリシー(DP)及びカリキュラム・ポリシー(CP)との関連 | 本授業科目はDP1・6及びCP1・6に該当しています. |
授業計画
第1回 | 全体的な授業計画,成績のつけ方の説明,授業で用いる記号の定義の解説を実施する.シラバスの内容を確認のうえ授業に臨むこと.代数学及び演習Aの授業内容に関する概要の説明もおこなう. | 授業の予習:CST Voiceの配付物に記載された演習問題を解いて発表の準備をする. 授業の復習:今回の授業における配付物の内容を復習し,演習の時間に分かった正解を自分の解答と比べて,正解とその背景にある理論の把握に努める. | この学習に対しては,週に5時間の授業復習を要する. |
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第2回 | 授業と演習.環の定義と性質の概要の復習 | 授業の予習:前回の授業における配付物もしくは板書記録に記載された演習問題を解いて発表の準備をする. 授業の復習:今回の授業における配付物の内容を復習し,演習の時間に分かった正解を自分の解答と比べて,正解とその背景にある理論の把握に努める. | この学習に対しては,週に2時間の授業復習と週に3時間の演習準備・予習を要する. |
第3回 | 授業と演習.環の定義と性質の復習及びその活用例について | 授業の予習:前回の授業における配付物もしくは板書記録に記載された演習問題を解いて発表の準備をする. 授業の復習:今回の授業における配付物の内容を復習し,演習の時間に分かった正解を自分の解答と比べて,正解とその背景にある理論の把握に努める. | この学習に対しては,週に2時間の授業復習と週に3時間の演習準備・予習を要する. |
第4回 | 授業と演習.体の定義と性質の復習及びその活用例について | 授業の予習:前回の授業における配付物もしくは板書記録に記載された演習問題を解いて発表の準備をする. 授業の復習:今回の授業における配付物の内容を復習し,演習の時間に分かった正解を自分の解答と比べて,正解とその背景にある理論の把握に努める. | この学習に対しては,週に2時間の授業復習と週に3時間の演習準備・予習を要する. |
第5回 | 授業と演習.有限次拡大体の定義 単純拡大体及びその活用例について | 授業の予習:前回の授業における配付物もしくは板書記録に記載された演習問題を解いて発表の準備をする. 授業の復習:今回の授業における配付物の内容を復習し,演習の時間に分かった正解を自分の解答と比べて,正解とその背景にある理論の把握に努める. | この学習に対しては,週に2時間の授業復習と週に3時間の演習準備・予習を要する. |
第6回 | 授業と演習.有限次拡大体の性質 次数と基底及びその計算例について | 授業の予習:前回の授業における配付物もしくは板書記録に記載された演習問題を解いて発表の準備をする. 授業の復習:今回の授業における配付物の内容を復習し,演習の時間に分かった正解を自分の解答と比べて,正解とその背景にある理論の把握に努める. | この学習に対しては,週に2時間の授業復習と週に3時間の演習準備・予習を要する. |
第7回 | 授業と演習.代数拡大体の定義 有限次拡大体と代数拡大体との関係及びその活用例について | 授業の予習:前回の授業における配付物もしくは板書記録に記載された演習問題を解いて発表の準備をする. 授業の復習:今回の授業における配付物の内容を復習し,演習の時間に分かった正解を自分の解答と比べて,正解とその背景にある理論の把握に努める. | この学習に対しては,週に2時間の授業復習と週に3時間の演習準備・予習を要する. |
第8回 | 授業と演習.代数拡大体のの性質 次数と基底及びその計算例について | 授業の予習:前回の授業における配付物もしくは板書記録に記載された演習問題を解いて発表の準備をする. 授業の復習:今回の授業における配付物の内容を復習し,演習の時間に分かった正解を自分の解答と比べて,正解とその背景にある理論の把握に努める. | この学習に対しては,週に2時間の授業復習と週に3時間の演習準備・予習を要する. |
第9回 | 授業と演習.正規拡大体の定義 拡大体における共役写像及びその計算例について | 授業の予習:前回の授業における配付物もしくは板書記録に記載された演習問題を解いて発表の準備をする. 授業の復習:今回の授業における配付物の内容を復習し,演習の時間に分かった正解を自分の解答と比べて,正解とその背景にある理論の把握に努める. | この学習に対しては,週に2時間の授業復習と週に3時間の演習準備・予習を要する. |
第10回 | 授業と演習.正規拡大体の性質 多項式の分解体及びその計算例について | 授業の予習:前回の授業における配付物もしくは板書記録に記載された演習問題を解いて発表の準備をする. 授業の復習:今回の授業における配付物の内容を復習し,演習の時間に分かった正解を自分の解答と比べて,正解とその背景にある理論の把握に努める. | この学習に対しては,週に2時間の授業復習と週に3時間の演習準備・予習を要する. |
第11回 | 授業と演習.ガロア拡大の定義と性質 中間体及びその計算例について | 授業の予習:前回の授業における配付物もしくは板書記録に記載された演習問題を解いて発表の準備をする. 授業の復習:今回の授業における配付物の内容を復習し,演習の時間に分かった正解を自分の解答と比べて,正解とその背景にある理論の把握に努める. | この学習に対しては,週に2時間の授業復習と週に3時間の演習準備・予習を要する. |
第12回 | 授業と演習.ガロア理論とその応用(1) 方程式の解の公式の存在性及びその活用例について | 授業の予習:前回の授業における配付物もしくは板書記録に記載された演習問題を解いて発表の準備をする. 授業の復習:今回の授業における配付物の内容を復習し,演習の時間に分かった正解を自分の解答と比べて,正解とその背景にある理論の把握に努める. | この学習に対しては,週に2時間の授業復習と週に3時間の演習準備・予習を要する. |
第13回 | 授業と演習.ガロア理論とその応用(2) 定規とコンパスによる作図及びその活用例について | 授業の予習:前回の授業における配付物もしくは板書記録に記載された演習問題を解いて発表の準備をする. 授業の復習:今回の授業における配付物の内容を復習し,演習の時間に分かった正解を自分の解答と比べて,正解とその背景にある理論の把握に努める. | この学習に対しては,週に2時間の授業復習と週に3時間の演習準備・予習を要する. |
第14回 | 理解度確認期間に試験を実施 | 理解度確認期間に試験を実施する. | この学習全体に対し,週に5時間の総復習を要する. |
第15回 | 理解度確認試験の復習と解説 | 理解度確認試験内容を復習. | この学習全体に対し,週に5時間の総復習を要する. |
その他
教科書 |
毎回の授業の際に,授業内容・演習問題を記載したテキスト資料を,対面およびCST Voice・Canvas等,理工学部システム上でのインターネット配信によって配布する.このテキスト資料を教科書の代わりになるものとする.各回の授業のための予習はその前の回の配布テキストによって実施できるようにする.この配布テキストを用いれば,毎回の授業復習も可能である.
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参考書 |
石田 信 『代数学入門』 実教出版
この他に必要な参考書は随時紹介する.
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成績評価の方法 及び基準 |
原則として理解度確認期間に対面試験を実施.試験の成績による評価を50%,演習の参加状況や内容に対する評価を50%として総合評価.CST Voice・Canvas等,理工学部システム上でのインターネット配信によるレポートを課すこともある.ただし試験は原則,対面で実施予定です. |
定期試験等に ついて |
理解度確認期間(14週目又は15週目)に平常試験を実施予定 |
質問への対応 | 随時対応する. |
研究室又は 連絡先 |
研究室の場所と連絡先は、最初の授業でお伝えします. |
オフィスアワー |
水曜 駿河台 12:00 ~ 13:00
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学生への メッセージ |
体論は数学のなかで最も面白く,また楽しく学べる例の豊富なわかりやすい学習対象であると考えています.数学科の学生らしい抽象的な考え方を,具体例を多く導入しながら学習し,いつのまにか問題の本質を見抜く力を養えるような学問分野です.熱心に勉強する意志のある方を広く歓迎します.演習では課題探求心をおおいに伸ばして欲しいと思っています.企業への就職にも教員としての就職にも,不可欠となる,数学科らしい分野です.演習の時間には,問題を解く達成感が味わえるようにしましょう. |