2025年 理工学部 シラバス - 教養教育・外国語・保健体育・共通基礎
設置情報
科目名 |
技術者倫理
科学技術者のための倫理的思考力とコミュニケーションデザイン力の探究
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設置学科 | 一般教育 | 学年 | 1年 |
担当者 | 壁谷 彰慶 | 履修期 | 後期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 月曜3 |
校舎 | 船橋 | 時間割CD | Q13J |
クラス | 1年生は精機・航宇・電気のみ。2年生以上は学科による履修制限はありません。 | ||
履修系統図 | 履修系統図の確認 |
概要
学修到達目標 | ・知性主義化したリスク社会の特徴、要素還元主義的な科学や日本の文化や組織、そして人間の認知システムの強みと弱みなどを理解・検討する力を身につける。 ・科学知や科学技術の開発・運営をめぐるコミュニケーションと倫理の適切なかたちを探求し続ける力を身につける。 ・これまでの様々な失敗事例や思考実験を用いながら科学技術者として自分が身につけるべき対話力、フォロワーとしての市民が身につけるべき科学技術と情報をめぐるリテラシーと思考力を伸ばす。 ※本授業科目はDP1・2・3・4及びCP1・2・3・4に該当しています。 |
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授業形態及び 授業方法 |
対面授業 |
履修条件 | 専門知識を駆使した科学技術者としての責任を果たすために必要な倫理的思考力とコミュニケーションデザイン力の洗練に関心のある学生。 社会コミュニケーションサブメジャー・コース設置科目 |
ディプロマ・ポリシー(DP)及びカリキュラム・ポリシー(CP)との関連 | 本授業科目はDP1・2・3・4及びCP1・2・3・4に該当しています。 |
授業計画
第1回 | 第01回 科学技術者とはどのような人か? :科学技術者の仕事はどのような特徴をもつか | [事前学習]:この科目とその他の教養教育科目のシラバスをあらかじめ読み、何のために履修するのかを考えておく。 [事後学習]:授業で扱った参考資料を閲覧し、授業内容の論点の確認と、その先の問題について各自で考えてみる | 事前学習:120分 事後学習:120分 |
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第2回 | 第02回 科学技術者に倫理はなぜ必要なのか? 「専門家」としての役割/人工物問題 | [事前学習]:技術者とはどのような人なのか、職場や責任などの観点から考えておく。 [事後学習]:授業で扱った参考資料を閲覧し、授業内容の論点の確認と、その先の問題について各自で考えてみる | 事前学習:120分 事後学習:120分 |
第3回 | 第03回 科学技術者はどのような責任を負うのか?(1) 社会のなかの技術/チャレンジャー号爆発事故 | [事前学習]:技術者は社会にどのような影響を与えているのかを考えておく [事後学習]:授業で扱った参考資料を閲覧し、授業内容の論点の確認と、その先の問題について各自で考えてみる | 事前学習:120分 事後学習:120分 |
第4回 | 第04回 科学技術者はどのような責任を負うのか?(2) 技術者とは何をする人か/ルメジャーとシティコープタワーの危機 | [事前学習]:技術者がトラブルを防ぐためには何を配慮すべきかを考えておく [事後学習]:授業で扱った参考資料を閲覧し、授業内容の論点の確認と、その先の問題について各自で考えてみる | 事前学習:120分 事後学習:120分 |
第5回 | 第05回 科学技術者はどのような責任を負うのか?(3) プロフェッションとしての技術業 | [事前学習]:専門家、ということの意味を考え、技術者との関わりを考えておく [事後学習]:授業で扱った参考資料を閲覧し、授業内容の論点の確認と、その先の問題について各自で考えてみる | 事前学習:120分 事後学習:120分 |
第6回 | 第06回 科学技術者はどのような責任を負うのか?(4) 費用便益分析/フォード・ピント事件 | [事前学習]:フォード・ピント事件について調べておく [事後学習]:授業で扱った参考資料を閲覧し、授業内容の論点の確認と、その先の問題について各自で考えてみる | 事前学習:120分 事後学習:120分 |
第7回 | 第07回 科学技術者はどのような責任を負うのか?(5) 功利主義と義務論/製造物責任法/安全性に対する合理的な期待/福知山線脱線事故 | [事前学習]:製造物責任法について調べ、問題点を考えておく [事後学習]:授業で扱った参考資料を閲覧し、授業内容の論点の確認と、その先の問題について各自で考えてみる | 事前学習:120分 事後学習:120分 |
第8回 | 第08回 科学技術者はどのような責任を負うのか?(6) 技術者は誰に責任を負うのか(1)/身近な人たちへの責任/倫理的ジレンマ | [事前学習]:技術者にとっての家族の責任の問題を調べておく [事後学習]:授業で扱った参考資料を閲覧し、授業内容の論点の確認と、その先の問題について各自で考えてみる。 | 事前学習:120分 事後学習:120分 |
第9回 | 第09回 科学技術者はどのような責任を負うのか?(7) 技術者は誰に責任を負うのか(2)/少し見えにくい人たちへの責任/かなり見えにくい人たちへの責任(i)(異なる文化の人たちへの責任)/インドネシア味の素事件 | [事前学習]:技術者が異文化の人たちとトラブルに直面した事例を調べておく [事後学習]:授業で扱った参考資料を閲覧し、授業内容の論点の確認と、その先の問題について各自で考えてみる | 事前学習:120分 事後学習:120分 |
第10回 | 第10回 科学技術者はどのような責任を負うのか?(8) 技術者は誰に責任を負うのか(3)/かなり見えにくい人たちへの責任(ii)(未来世代の人たちへの責任)/原発問題と10万年後の安全 | [事前学習]:原発問題について調べておく [事後学習]:授業で扱った参考資料を閲覧し、授業内容の論点の確認と、その先の問題について各自で考えてみる | 事前学習:120分 事後学習:120分 |
第11回 | 第11回 科学技術者はどのように行動すべきか?(1) 一般的な指針の個別問題への加工(i)/ボパール化学工場爆発事故 | [事前学習]:技術者にはどのような義務があるのかを、ここまでの授業をもとに考えておく [事後学習]:授業で扱った参考資料を閲覧し、授業内容の論点の確認と、その先の問題について各自で考えてみる | 事前学習:120分 事後学習:120分 |
第12回 | 第12回 科学技術者はどのように行動すべきか?(2) 一般的な指針の個別問題への加工(ii)/リスク評価の手法/六本木ヒルズ回転ドア事故 | [事前学習]:技術のリスク評価や安全性の保証をするための制度にはどのようなものがあるのか調べておく [事後学習]:授業で扱った参考資料を閲覧し、授業内容の論点の確認と、その先の問題について各自で考えてみる | 事前学習:120分 事後学習:120分 |
第13回 | 第13回 科学技術者はどのように行動すべきか?(3) 国際規格と安全基準/設計場面でどう行動すべきか/バリアフリーとユニバーサルデザイン | [事前学習]:バリアフリーとユニバーサルデザインの違いを調べておく [事後学習]:授業で扱った参考資料を閲覧し、授業内容の論点の確認と、その先の問題について各自で考えてみる | 事前学習:120分 事後学習:120分 |
第14回 | 第14回 科学技術者を社会はどうサポートしているか?(1) 人間関係と組織のなかでどう行動するか/内部告発・内部通報の問題 | [事前学習]:組織のなかでの不正行為に遭遇した場合、自分ならどうするかを考えておく [事後学習]:授業で扱った参考資料を閲覧し、授業内容の論点の確認と、その先の問題について各自で考えてみる | 事前学習:120分 事後学習:120分 |
第15回 | 第15回 科学技術者を社会はどうサポートしているか?(2) 説明責任/知的財産権/職務発明 【※期末レポートのフィードバック(全体向け)はclassroomにて行う)】 | [事前学習]:説明責任が果たされるべき事例や、説明責任が十分に果たされた例を調べておく [事後学習]:授業で扱った参考資料を閲覧し、授業内容の論点の確認と、その先の問題について各自で考えてみる | 事前学習:120分 事後学習:120分 |
その他
教科書 |
勢力尚雅(編著) 『科学技術の倫理学Ⅱ』 梓出版社 [ISBN: 978-4872620368]
※「Ⅱ」のほうです。
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参考書 |
黒田光太郎, 戸田山和久, 伊勢田哲治 『誇り高い技術者になろう[第2版]―工学倫理ノススメ― [ISBN: 978-4815807061]』 名古屋大学出版会 2012年 第2版
そのほかの参考書は授業内で紹介します。
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成績評価の方法 及び基準 |
○単位認定要件: (a)10回以上の出席 (b)期末レポートの提出 2つのいずれかが満たされない場合は、単位を認定しない ○成績評価 授業内課題・・・40% 学期末レポート・・・60% ※期末試験は実施しません ○期末レポートの評価 以下の三点から行う。 (1)論述の整合性 (2)授業内容との関連性 (3)自主性(自分で調べたこと、自分で考えたこと) |
定期試験等に ついて |
定期試験を実施予定 |
質問への対応 | メールもしくは授業後 |
研究室又は 連絡先 |
kabeya.akiyoshi21@nihon-u.ac.jp |
オフィスアワー | |
学生への メッセージ |
「技術者」が職務上で直面しうる、価値(「よい/悪い」「べき/べきでない」etc.)について生じる諸問題を考える機会を提供します。一般に、価値の関わる問題には「正解」はなく、人々のあいだで納得のいくかたちで合意に至ることで対応するしかありません。そして、合意に至るには、自分の意見を別角度で眺めたり、他人の立場と自身の立場の相違点を明らかにしたりして、意見をやりとりする技能が必須になります。また、技術者は、専門家として、問題をどのように考え、行動に移していくかを、主体的に判断していかなければならない場面に直面します。遠隔授業ではありますが、できるだけ、各自で問題を考える機会と、受講生同士で意見交換を参照できる機会を提供したいと思います。積極的な参加を望みます。 |