2025年 理工学部 シラバス - 教養教育・外国語・保健体育・共通基礎
設置情報
科目名 | 科学技術と人間 | ||
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設置学科 | 一般教育 | 学年 | 1年 |
担当者 | 勢力 尚雅 | 履修期 | 後期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 月曜5 |
校舎 | 船橋 | 時間割CD | S15F |
クラス | 全学科(学科・学年による制限はありません) | ||
履修系統図 | 履修系統図の確認 |
概要
学修到達目標 | 私たちはあらゆる場面で科学技術の恩恵にあずかっていますが、はたして「科学技術に過剰に依存することのない適切な関わり方」は可能なのでしょうか。また、そもそも「科学」とはどのような営みなのでしょうか。 この授業では、「科学的」と称する情報やものの見方を鵜吞みにせず、次のような問いを自分で考える作業を通じて、「科学と人間のあるべき関係性」を構想する習慣を涵養します。 ・古今東西の自然観・技術観の諸相と私たちが今直面している問いは何か? ・記憶・記録の技術は人間をどのように変容させうるだろうか? ・創造・操作への野心・好奇心は人間をどのように変容させうるだろうか? ・人類にとって「進化」とは何だろうか?進歩と平和は両立するのだろうか? ・科学技術による統治はどこまで許容できる合理的なものなのか? ・「フェイク」との付き合い方にルールはあるべきだろうか? ・差別や抗争への対抗は科学技術によってどの程度可能なのか? ・科学は「自然」への反抗なのだろうか? ・人間は科学とどう折衝するべきか? ・科学と技術の展開は情報社会と資本主義のありかたをどう変えるだろうか? ・「科学的」とはどのような協働的技術か? ・「技術者」と「消費者」が協働するための各々の責任とは何か? 以上のような問いを考え続ける習慣を身につけることによって、科学技術リテラシーを磨き、科学と技術を駆使した責任ある研究・開発・業務・消費についての対話と協働を促進する力を育てることを目標としています。 |
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授業形態及び 授業方法 |
対面授業 |
履修条件 | 予備知識は特に必要ありません。毎回の授業では有名なSF小説やマンガを題材として問いを提示します。その問いに導かれて、「科学」と「人間」がどのような関係にあるのか(そして、あるべきか)を、哲学者たちの思考との対話を通じて再考する時間です。 環境ライフサブメジャー・コース設置科目 |
ディプロマ・ポリシー(DP)及びカリキュラム・ポリシー(CP)との関連 | 本授業科目はDP1・2・3及びCP1・2・3に該当しています。 |
授業計画
第1回 | 自然と人為の関係 ―古今東西の自然観・技術観の諸相と私たちが今直面している問い (伊東俊太郎、ハイデガーら) | 【事前学習】シラバスの授業内容欄を読み、質問したい事項がないか考えてくる。 【事後学習】紹介した文献や講義内容に関しての自分の考察を次回までに練っておく。 | 【事前学習】 2時間 【事後学習】 2時間 |
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第2回 | 記憶・記録の技術は人間をどのように変容させうるだろうか? ―「情報リテラシー」と「主体的思考」を問い直す (レイ・ブラッドベリ、アーレントら) | 【事前学習】前回の講義資料とシラバスの授業内容欄を読み、質問したい事項がないか考えてくる。 【事後学習】紹介した文献や講義内容に関しての自分の考察を次回までに練っておく。 | 【事前学習】 2時間 【事後学習】 2時間 |
第3回 | 創造・操作への野心・好奇心は人間をどのように変容させうるだろうか? ―生物界における人間の地位の再考 (アーサー・クラーク、ヒュームら) | 【事前学習】前回の講義資料とシラバスの授業内容欄を読み、質問したい事項がないか考えてくる。 【事後学習】紹介した文献や講義内容に関しての自分の考察を次回までに練っておく。 | 【事前学習】 2時間 【事後学習】 2時間 |
第4回 | 人類にとって「進化」とは何だろうか? ―進歩と平和は両立するのだろうか? (アーサー・クラーク、カントら) | 【事前学習】前回の講義資料とシラバスの授業内容欄を読み、質問したい事項がないか考えてくる。 【事後学習】紹介した文献や講義内容に関しての自分の考察を次回までに練っておく。 | 【事前学習】 2時間 【事後学習】 2時間 |
第5回 | 科学技術による統治はどこまで許容できる合理的なものなのか?⑴ ―「ユートピア」を構想するのは誰? (アーサー・クラーク、ヌスバウムら) | 【事前学習】前回の講義資料とシラバスの授業内容欄を読み、質問したい事項がないか考えてくる。 【事後学習】紹介した文献や講義内容に関しての自分の考察を次回までに練っておく。 | 【事前学習】 2時間 【事後学習】 2時間 |
第6回 | 科学技術による統治はどこまで許容できる合理的なものなのか⑵ ―「健康な精神」「健康な社会」とはどういう意味? (伊藤計劃、アダム・スミス、ベンサムら) | 【事前学習】前回の講義資料とシラバスの授業内容欄を読み、質問したい事項がないか考えてくる。 【事後学習】紹介した文献や講義内容に関しての自分の考察を次回までに練っておく。 | 【事前学習】 2時間 【事後学習】 2時間 |
第7回 | 「フェイク」との付き合い方にルールはあるべきだろうか? ―ニヒリズムを超克する技術と信頼をめぐる考察 (藤子・F・不二雄、ニーチェら) | 【事前学習】前回の講義資料とシラバスの授業内容欄を読み、質問したい事項がないか考えてくる。 【事後学習】紹介した文献や講義内容に関しての自分の考察を次回までに練っておく。 | 【事前学習】 2時間 【事後学習】 2時間 |
第8回 | 差別や抗争への対抗は科学技術によってどの程度可能なのか? ―科学技術とデュアルユース問題の再考 (松本零士、出口康夫ら) | 【事前学習】前回の講義資料とシラバスの授業内容欄を読み、質問したい事項がないか考えてくる。 【事後学習】紹介した文献や講義内容に関しての自分の考察を次回までに練っておく。 | 【事前学習】 2時間 【事後学習】 2時間 |
第9回 | 科学は「自然」への反抗なのだろうか? ―「守るべき自然」とは何か? (手塚治虫、宮崎駿、稲葉振一郎ら) | 【事前学習】前回の講義資料とシラバスの授業内容欄を読み、質問したい事項がないか考えてくる。 【事後学習】紹介した文献や講義内容に関しての自分の考察を次回までに練っておく。 | 【事前学習】 2時間 【事後学習】 2時間 |
第10回 | 人間は科学とどう折衝するべきか? ―エコロジーとアイデンティディーの関係再考 (ガタリ、ドゥルーズ、フロリディら) | 【事前学習】前回の講義資料とシラバスの授業内容欄を読み、質問したい事項がないか考えてくる。 【事後学習】紹介した文献や講義内容に関しての自分の考察を次回までに練っておく。 | 【事前学習】 2時間 【事後学習】 2時間 |
第11回 | 科学と技術の展開は情報社会と資本主義のありかたをどう変えるだろうか? ―「新しいアニミズム」とは何か? (手塚治虫、広井良典ら) | 【事前学習】前回の講義資料とシラバスの授業内容欄を読み、質問したい事項がないか考えてくる。 【事後学習】紹介した文献や講義内容に関しての自分の考察を次回までに練っておく。 | 【事前学習】 2時間 【事後学習】 2時間 |
第12回 | 科学・宗教・芸術の関係を再考する ―反省的判断力と構想力の技術の再検討 (ベルクソン、南方熊楠、宮沢賢治、三木清ら) | 【事前学習】前回の講義資料とシラバスの授業内容欄を読み、質問したい事項がないか考えてくる。 【事後学習】紹介した文献や講義内容に関しての自分の考察を次回までに練っておく。 | 【事前学習】 2時間 【事後学習】 2時間 |
第13回 | 実在と科学の関係 ―「科学的」とはどのような協働的技術か? (パース、ポパー、ホフマンら) | 【事前学習】前回の講義資料とシラバスの授業内容欄を読み、質問したい事項がないか考えてくる。 【事後学習】紹介した文献や講義内容に関しての自分の考察を次回までに練っておく。 | 【事前学習】 2時間 【事後学習】 2時間 |
第14回 | 協働と技術の関係 ―制約の中で技術を駆使して「共によく生きる」にはどのような技術観が必要か? (ヒューム、スティグレールら) | 【事前学習】前回の講義資料とシラバスの授業内容欄を読み、質問したい事項がないか考えてくる。 【事後学習】紹介した文献や講義内容に関しての自分の考察を次回までに練っておく。 | 【事前学習】 2時間 【事後学習】 2時間 |
第15回 | 「技術者(専門家)」と「消費者(生活者)」が協働するための各々の責任とは何か? ―金銭以外に価値ある交換とは何か? (アーサー・クラーク、ヒュームら) | 【事前学習】前回の講義資料とシラバスの授業内容欄を読み、質問したい事項がないか考えてくる。 【事後学習】15回分の授業をふまえて得た問いをめぐる考察を洗練させ、その表現を他者に向けて試すこと。 | 【事前学習】 2時間 【事後学習】 2時間 |
その他
教科書 |
特にありません。
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参考書 |
授業の中で指示します。
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成績評価の方法 及び基準 |
授業内課題レポートの得点を累計して成績をつけます。 授業内課題レポートに関して、その作成上の留意点・評価基準等の指示や、受講者全体に周知すべきフィードバックは、授業内で行います。 |
定期試験等に ついて |
平常点やレポート等の課題による評価予定 |
質問への対応 | 授業中や授業後に対応します。 |
研究室又は 連絡先 |
seiriki.nobumasa@nihon-u.ac.jp |
オフィスアワー |
月曜 船橋 12:20 ~ 13:00 532研究室(9月までは533室)
火曜 船橋 12:20 ~ 13:00 532研究室(9月までは533室)
水曜 駿河台 12:20 ~ 13:00 タワースコラS608研究室(9月まではS1116室)
金曜 駿河台 12:20 ~ 13:00 タワースコラS608研究室(9月まではS1116室)
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学生への メッセージ |
「『科学的』であるとはどういう意味だろう?」と疑問を持っている方や、「目先の問題解決や好奇心に促されて科学技術の研究・開発をしても、問題は増える一方ではないか?」など、科学技術の所産に疑念を感じている方などに、積極的に参加していただけるとうれしいです。 科学技術に取り囲まれた時代を責任をもって主体的に生きていくためのリテラシーを共に探求しましょう。 |