2025年 理工学部 シラバス - 教養教育・外国語・保健体育・共通基礎
設置情報
科目名 |
教)数学科教育法Ⅰ
高校数学教育の内容論と教材論(代数・幾何・解析)
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設置学科 | 一般教育 | 学年 | 2年 |
担当者 | 相田 紘孝 | 履修期 | 前期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 土曜5 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | Y65A |
クラス | 数学科以外の学生用クラス |
概要
学修到達目標 | (1) 高等学校の数学教育について、現在の授業改革の方向性、身につけるべき能力と評価方法の変化、カリキュラムの歴史と現在の潮流を理解している。 (2) 高等学校の数学教育の内容、特に、代数分野、幾何分野、解析分野の内容について、中学校数学、大学教養課程水準の数学、さらには数学の学問的な研究との関係との関係も含めて理解している。 (3) 探究的な教材の開発を行うことを通じて、現代の高等学校の数学教育において求められる技術を習得している。 |
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授業形態及び 授業方法 |
「対面授業」 |
履修条件 | 中・高教員免許(数学)取得のための必修科目 この授業は、数学科以外の学生用の科目です。数学科の学生で、時間割の都合によってこのクラスの履修を希望する場合は、第1回の授業が始まる前に担当教員に必ず連絡してください。 また、この授業は夏季集中授業として実施されます。日程については、教務課からのアナウンスをよく確認しておいてください。 |
ディプロマ・ポリシー(DP)及びカリキュラム・ポリシー(CP)との関連 | . |
授業計画
第1回 | 高校数学教育の現在 | 【事前学習】自分が高校で受けた数学教育について、おもしろかったことや、大学での学習や活動に生かすことができたこと、学校外での活動や生活において生かすことができたことを思い出してまとめておく。 【事後学習】授業で紹介した各種データを参考にしながら、自分が高校において経験した数学の授業の特徴についてまとめておく。 | 【事前学習】1時間 【事後学習】3時間 |
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第2回 | 現代のコンピテンシー論と高校数学教育への影響 | 【事前学習】『高等学校学習指導要領解説 数学編』の第1章第1節「改訂の経緯及び基本方針」、第1章第2節1「数学科改訂の趣旨」、第1章第3節「数学科の目標」を読み、興味深いと思った点と疑問に思った点をまとめておく。 【事後学習】授業で紹介されたコンピテンシー論や各種データを踏まえて、将来の社会において求められるコンピテンシーを身につけるためにふさわしい高校数学の教育方法について、自分の考えをまとめておく。 | 【事前学習】1時間 【事後学習】3時間 |
第3回 | 現代の高校数学教育における評価の改革 | 【事前学習】自分がこれまで受けた数学のテストで、おもしろかったものを思い出して、まとめておく。 【事後学習】パフォーマンス評価の理論と方法を参考にして、高校数学のパフォーマンス課題とルーブリックを作成しておく。 | 【事前学習】1時間 【事後学習】3時間 |
第4回 | 高校数学カリキュラムの変遷 | 【事前学習】『高等学校学習指導要領解説 数学編』の第1章第2節2「数学科改訂の要点」と第4節「数学科の科目構成」を読み、興味深いと思った点と疑問に思った点をまとめておく。【事後学習】過去の高校数学カリキュラムには存在したが現在は存在しない高校数学教育内容について、高校数学に活用する方法を考えておく。 | 【事前学習】1時間 【事後学習】3時間 |
第5回 | 教材開発の方法 | 【事前学習】自分で高校数学の問題をつくったことがあるかどうかを振り返っておく。あるのならば、つくった際に自分がたどった過程を思い出しておく。 【事後学習】What-If-Not戦略を用いて、高校数学の教材をつくっておく。 | 【事前学習】1時間 【事後学習】3時間 |
第6回 | 数と式の教材/二次関数の教材 | 【事前学習】数式の展開や因数分解について、単なる計算結果を示すのではなく図示する方法を考えておく。また、二次関数で表される現象を調べておく。 【事後学習】数式とその図示を活用した教材および二次関数で表させる現象を用いた教材を開発しておく。 | 【事前学習】1時間 【事後学習】3時間 |
第7回 | 平面幾何と三角比の教材 | 【事前学習】三角比と三角関数が高校数学カリキュラム上で分かれていることの利点について、自分の考えをまとめておく。 【事後学習】三角比を用いた測量に関する教材を開発しておく。 | 【事前学習】1時間 【事後学習】3時間 |
第8回 | 座標平面と線形計画法の教材 | 【事前学習】数式を座標平面上の図形として表すことでわかりやすくなる問題の例と、図形に対して座標を設定して数式で表すことによってわかりやすくなる問題の例の、2種類を考えておく。また、「線形計画法」という言葉の意味を調べておく。 【事後学習】線形計画法に関する教材を開発しておく。 | 【事前学習】1時間 【事後学習】3時間 |
第9回 | 指数・対数関数の教材 | 【事前学習】累乗で増加・減少する現象を調べておく。また、その現象を関数と捉えたときの独立変数と従属変数を明らかにし、さらにその変数を入れ替えた逆関数を考えておく。 【事後学習】累乗で増加・減少する現象と指数・対数関数を組み合わせた教材を開発しておく。 | 【事前学習】1時間 【事後学習】3時間 |
第10回 | 三角関数(円関数)の教材 | 【事前学習】周期的に変化する現象を調べておく。 【事後学習】周期的に変化する現象と三角関数(円関数)を組み合わせた教材を開発しておく。 | 【事前学習】1時間 【事後学習】3時間 |
第11回 | 微積分と物理的・社会的現象の教材 | 【事前学習】高校と大学における微積分の授業で扱われた物理的・社会的現象を思い出してまとめておく。また、微分方程式の解法について、今まで学んだことをまとめておく。 【事後学習】物理的・社会的現象と微積分を組み合わせた教材を開発しておく。 | 【事前学習】1時間 【事後学習】3時間 |
第12回 | 数列と物理的・社会的現象の教材 | 【事前学習】微分方程式で表される現象を一つ選び、独立変数を一定間隔で増加させた際の従属変数の変化を調べておく。 【事後学習】物理的・社会的現象と数列を組み合わせた教材を開発しておく。 | 【事前学習】1時間 【事後学習】3時間 |
第13回 | ベクトルと行列の教材 | 【事前学習】大学における線形代数の授業を思い出し、高校のときに学んでおけばよかったと思うことをまとめておく。 【事後学習】多次元量や一次変換に関する教材を開発しておく。 | 【事前学習】1時間 【事後学習】3時間 |
第14回 | 教材開発の実施 | 【事前学習】これまで開発した教材のうち一つを選んで、その完成度を上げておく。 【事後学習】授業中に指摘されたことを元にして、教材を改善しておく。 | 【事前学習】1時間 【事後学習】3時間 |
第15回 | 開発した教材の相互検討 | 【事前学習】開発した教材の意図をグループメンバーに説明できるようにしておく。 【事後学習】グループメンバーから受けた指摘を元に、教材をさらに改善しておく。 | 【事前学習】1時間 【事後学習】3時間 |
その他
教科書 |
文部科学省 『高等学校学習指導要領(平成30年3月告示) [978-4-8278-1567-2]』 東山書房 2019年
文部科学省 『高等学校学習指導要領(平成30年3月告示)解説 数学編 理数編 [978-4-7625-0535-5]』 学校図書 2019年
文部科学省 『中学校学習指導要領(平成29年3月告示)解説 数学編 [978-4-536-59012-9]』 日本文教出版 2018年
学習指導要領および学習指導要領解説は、次のURLからダウンロードが可能です。 https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/1384661.htm
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参考書 |
藤原彰夫 (編) 『深進数学I (61 啓林館 数I 711) [978-4-402-02111-5]』 啓林館
藤原彰夫 (編) 『深進数学A (61 啓林館 数A 708) [978-4-402-02117-7]』 啓林館
藤原彰夫 (編) 『深進数学II (61 啓林館 数II 708) [978-4-402-02114-6]』 啓林館
藤原彰夫 (編) 『深進数学B (61 啓林館 数B 708) [978-4-402-02117-7]』 啓林館
藤原彰夫 (編) 『深進数学III (61 啓林館 数III 708) [978-4-402-02114-6]』 啓林館
藤原彰夫 (編) 『深進数学C (61 啓林館 数C 708) [978-4-402-02117-7]』 啓林館
宿題の参考にするために、高校の数学の教科書を用意しておいてください。高校時代に使用したものでかまいません。購入する場合は、このシラバスに参考書として掲載しているものを推奨します。同じ出版社から同じ科目について複数の教科書が出版されているので注意してください。購入場所は次のURLから調べることができます。 http://www.text-kyoukyuu.or.jp/gaiyou.html 最新の教科書一覧は次のURLから見ることができます。 http://www.textbook.or.jp/textbook/textbook-price.html これら以外に、必要に応じて資料を配布します。
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成績評価の方法 及び基準 |
以下の4点の条件をすべて満たすことが、成績評価の対象者となる条件です。4点のうち1点でも満たさなかった場合は、成績評価の対象外と判断し、「E」評価(判定不可)となります。 (1) 授業実施回数15回のうち2/3である10回以上に出席している。 (2) 課された宿題をすべて提出し合格している。 (3) 教材開発を実施している。 (4) 最終レポートを締切までに提出している。 成績評価の方法と割合は、最終レポート100%です。 最終レポートの内容と評価基準については、受講生の実態を踏まえた上で決定します。具体的には、授業最終日に説明します。 フィードバックは主に以下の方法で行います。 各回の授業内容についての質問:各日の授業終了後 最終レポート:電子システムへの講評の掲示 |
定期試験等に ついて |
平常点やレポート等の課題による評価予定 |
質問への対応 | 下記の連絡先宛に送ってもらえば、適宜対応します。 なお、連絡を取る際は、本人確認を容易にするために、科目名、曜日時限、学科、学生番号、氏名の5点を必ず記入してください。 |
研究室又は 連絡先 |
連絡先メールアドレス:hiroaida [at] kanto-gakuin.ac.jp その他の連絡手段については、授業開始前にGoogleClassroom経由で説明します。 |
オフィスアワー |
土曜 駿河台 18:10 ~ 18:20 左の曜日・時間帯の記述は形式的なものです。夏季集中講義なので、各日の授業終了後に対応します。
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学生への メッセージ |
・授業には自分用のノートPCを持参してください。第1回から持参してください。 ・高校数学の復習を主目的とした授業ではないので、高校数学の内容を網羅することはありませんし、知識の不足を補うための時間を授業中に用意するにしても限界があります。授業を受講していて高校数学の知識が不足していると感じたら、自分自身で急いで補ってください。 ・受講生の人数や理解度・習熟度に応じて授業の内容や構成を変更することがあります。 |