2025年 短期大学部 シラバス - ものづくり・サイエンス総合学科
設置情報
| 科目名 |
量子力学Ⅰ
古典物理学の限界と量子力学への歩み
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| 設置学科 | ものづくり・サイエンス総合学科 | 学年 | 2年 |
| 担当者 | 山田 賢治 | 履修期 | 前期 |
| 単位 | 2 | 曜日時限 | 水曜2 |
| 校舎 | 船橋 | 時間割CD | E32G |
| クラス | |||
| ポリシー | ディプロマ・ポリシー【DP】 カリキュラム・ポリシー【CP】 | ||
概要
| 学修到達目標 | 量子力学I・IIを通じて，量子力学の基本的事項とその考え方について学習することにより，量子力学を体系的に理解することを目標とする。 量子力学Ⅰでは，ニュートン力学とマクスウェル電磁気学を基礎とする古典物理学の限界と量子論の必要性から始めて，量子力学の基本的な考え方とその定式化（波動力学）について学習する。 |
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| 授業形態及び 授業方法 |
【対面授業】 （1）基本的重要事項の解説は，板書を中心とした講義形式で行う。 （2）基本的重要事項について，理解度確認テストを実施する。 【レポート課題の提出及びフィードバックの方法等】 （1）解答をレポート用紙にまとめて，原則として１週間以内に提出する。 （2）提出したレポートは，評価を付して返却する。 （3）課題の解説は，必要に応じて授業内で行う。 |
| 履修条件 | 専門教育科目／選択（物理学分野） （1）微分方程式Ⅰ，複素関数論を履修すること。 （2）力学Ⅰを履修していること。 （3）微分積分I・II，数学演習I・IIを履修していること。 （4）行列と行列式，線形代数を履修していること。 |
| ディプロマ・ポリシー（DP）及びカリキュラム・ポリシー（CP）との関連 | 本授業科目はDP1及びCP1に該当している。 科目ナンバリング：MFmPh-211 |
授業計画
| 第1回 | ・講義ガイダンス ・ミクロの世界における物理定数 １ 基礎物理定数 ２ ミクロの世界における重要な物理定数 ３ 古典電子半径 | 【事後学習】講義の内容について，数式をチェックしながら十分復習すること。理解できない点については，その内容を整理し質問の準備をすること。 | 【事後学習】4時間 |
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| 第2回 | ・量子力学的世界における単位 １ 量子力学で用いられる単位 ① エネルギーの単位 ② 長さの単位 ③ 質量の単位 ④ 換算定数 ２ プランク定数の必要性 ① m_e，e，ε_0，c から作られる長さの次元を持つ定数 ② m_e，e，ε_0，ℏ から作られる長さの次元を持つ定数 ３ 原子単位系 ４ 電子の静止エネルギー，コンプトン波長と微細構造定数 | 【事前学習】前回の授業内容について，理解を深めておくこと。 【事後学習】講義の内容について，数式をチェックしながら十分復習すること。理解できない点については，その内容を整理し質問の準備をすること | 【事前学習】1時間 【事後学習】3時間 |
| 第3回 | ・黒体輻射とプランクの量子仮説 １ 黒体輻射 ① レーリー−ジーンズの輻射法則 ② ウィーンの輻射法則 ２ プランクの輻射法則 ３ シュテファン−ボルツマンの法則 ① シュテファン−ボルツマンの法則の導出 ② 比例定数の決定 | 【事前学習】前回の授業内容について，理解を深めておくこと。 【事後学習】講義の内容について，数式をチェックしながら十分復習すること。理解できない点については，その内容を整理し質問の準備をすること | 【事前学習】1時間 【事後学習】3時間 |
| 第4回 | ・黒体輻射とプランクの量子仮説 ４ ウィーンの変位則 ① ウィーンの変位則の導出 ② 普遍定数の決定 ５ 宇宙背景輻射 ６ 巨視的なスケールでのエネルギー量子 | 【事前学習】前回の授業内容について，理解を深めておくこと。 【事後学習】講義の内容について，数式をチェックしながら十分復習すること。理解できない点については，その内容を整理し質問の準備をすること | 【事前学習】1時間 【事後学習】3時間 |
| 第5回 | 光電効果 １ レナルト（レナード）の実験結果 ２ 光の波動説の困難さ ３ アインシュタインの光量子仮説 ４ アインシュタインの光電効果の理論 ① 光の粒子説に基づく光電効果の説明 ② 光電子の最大エネルギーに対するアインシュタインの関係式 ５ アインシュタインの関係式の実験的検証 ６ 日常生活で経験する光電効果 | 【事前学習】前回の授業内容について，理解を深めておくこと。 【事後学習】講義の内容について，数式をチェックしながら十分復習すること。理解できない点については，その内容を整理し質問の準備をすること | 【事前学習】1時間 【事後学習】3時間 |
| 第6回 | ・光子のエネルギーと運動量 １ 粒子の速度と運動エネルギーの関係 ２ 特殊相対性理論におけるエネルギー−運動量の関係 ３ 光子の静止質量 ４ 光子の運動量 ５ 波数と光子の運動量 | 【事前学習】前回の授業内容について，理解を深めておくこと。 【事後学習】講義の内容について，数式をチェックしながら十分復習すること。理解できない点については，その内容を整理し質問の準備をすること | 【事前学習】1時間 【事後学習】3時間 |
| 第7回 | ・コンプトン効果 １ コンプトンによるX線の散乱実験 ２ 古典論によるコンプトン効果の説明の困難さ ３ 電子によるX線の弾性散乱（コンプトン散乱） ４ 波長のずれのないX線の散乱 | 【事前学習】前回の授業内容について，理解を深めておくこと。 【事後学習】講義の内容について，数式をチェックしながら十分復習すること。理解できない点については，その内容を整理し質問の準備をすること | 【事前学習】1時間 【事後学習】3時間 |
| 第8回 | ・コンプトン散乱の実験的検証 ─ 反跳電子の観測 １ ウィルソン霧箱と電子の飛跡の観測 ２ 反跳電子の運動エネルギー ３ 反跳電子の観測 ・コンプトン散乱の実験的検証 ─ エネルギー・運動量保存則の証拠 １ エネルギー・運動量保存則から要請される反跳電子と散乱光子の運動方向の角度相関 ２ 散乱の素過程におけるエネルギー・運動量保存則の実験的証拠 | 【事前学習】前回の授業内容について，理解を深めておくこと。 【事後学習】講義の内容について，数式をチェックしながら十分復習すること。理解できない点については，その内容を整理し質問の準備をすること | 【事前学習】1時間 【事後学習】3時間 |
| 第9回 | ・電子による光子の放出と吸収 １ 電子による光子の放出・吸収反応 ２ 自由電子による光子の放出の禁止 ３ 自由電子による光子の吸収の禁止 ・電子−陽電子の対生成・対消滅 １ 陽電子の発見 ２ 光子と物質の相互作用 ３ 電子−陽電子の対生成 ４ 電子−陽電子の対消滅 | 【事前学習】前回の授業内容について，理解を深めておくこと。 【事後学習】講義の内容について，数式をチェックしながら十分復習すること。理解できない点については，その内容を整理し質問の準備をすること | 【事前学習】1時間 【事後学習】3時間 |
| 第10回 | ・原子核の発見とラザフォードの原子模型 １ 原子核の発見 ２ ラザフォードの原子模型 ３ 原子の安定性 ・原子スペクトルと水素原子のボーア模型 １ 原子スペクトルの離散性 ２ 水素原子のボーア模型とエネルギー準位の量子化 ① ボーアの量子条件 ② 水素原子のスペクトル ③ ゾンマーフェルトの量子条件 | 【事前学習】前回の授業内容について，理解を深めておくこと。 【事後学習】講義の内容について，数式をチェックしながら十分復習すること。理解できない点については，その内容を整理し質問の準備をすること | 【事前学習】1時間 【事後学習】3時間 |
| 第11回 | ・物質粒子の波動性 ─ ド・ブロイの物質波 １ 波動の基礎 ① 粒子と場 ② 波動方程式 ２ ド・ブロイ仮説 ３ 波動性の出現 ４ ド・ブロイ仮説の実験的検証 | 【事前学習】前回の授業内容について，理解を深めておくこと。 【事後学習】講義の内容について，数式をチェックしながら十分復習すること。理解できない点については，その内容を整理し質問の準備をすること | 【事前学習】1時間 【事後学習】3時間 |
| 第12回 | ・波の位相速度と波束の群速度 １ 平面波 ２ 波の位相速度 ３ 波束 ４ 光の波束 ５ 物質波の波束 ① 波束と群速度 ② 群速度の概念 | 【事前学習】前回の授業内容について，理解を深めておくこと。 【事後学習】講義の内容について，数式をチェックしながら十分復習すること。理解できない点については，その内容を整理し質問の準備をすること | 【事前学習】1時間 【事後学習】3時間 |
| 第13回 | ・物質波の位相速度と群速度 １ 物質波の位相速度 ２ 運動エネルギーの変化を用いた速度の表式 ３ 物質粒子の速度と波束の群速度 ４ 位相速度と群速度の一般的関係 ５ 位相速度と群速度の大小関係 ６ 液体表面の波 ① 位相速度と群速度 ─ 長波長近似 ② 位相速度と群速度 ─ 短波長近似 | 【事前学習】前回の授業内容について，理解を深めておくこと。 【事後学習】講義の内容について，数式をチェックしながら十分復習すること。理解できない点については，その内容を整理し質問の準備をすること | 【事前学習】1時間 【事後学習】3時間 |
| 第14回 | ・粒子の速度と波の位相速度 １ 物質粒子の速度と物質波の位相速度 ① 非相対論的な物質粒子 ② 相対論的な物質粒子 ２ 光子の速度と光波の位相速度 ① 相対論的エネルギー–運動量の関係 ② 光子の速度と位相速度 ３ 物質粒子の古典的記述と量子力学的記述 ① 基本的物理量としての運動量 ② 古典的記述と量子力学的記述の関係 | 【事前学習】前回の授業内容について，理解を深めておくこと。 【事後学習】講義の内容について，数式をチェックしながら十分復習すること。理解できない点については，その内容を整理し質問の準備をすること | 【事前学習】1時間 【事後学習】3時間 |
| 第15回 | ・理解度確認テスト及びその解説 | 【事前学習】与えられた課題について，十分学習しておくこと。 | 【事前学習】4時間 |
その他
| 教科書 |
（1）原田勲・杉山忠男 著 『量子力学I』 講談社基礎物理学シリーズ 6 講談社 2009年 第1版
（2）二宮正夫・杉野文彦・杉山忠男 著 『量子力学II』 講談社基礎物理学シリーズ 7 講談社 2010年 第1版
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| 参考書 |
（1）W. グライナー 著，伊藤伸泰・早野龍五 監訳，川島直輝・河原林透・野々村禎彦・羽田野直道・古川信夫 訳 『量子力学概論』 グライナー物理テキストシリーズ シュプリンガー・フェアラーク東京 2000年 第1版
（2）二宮正夫・並木雅俊・杉山忠男 著 『物理のための数学入門』 講談社基礎物理学シリーズ 10 講談社 2009年 第1版
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| 成績評価の方法 及び基準 |
（1）授業及びレポート課題への取組状況40％，理解度確認テスト60％の割合で総合的に評価する。 （2）出席回数が総授業回数の5分の3（9回）に満たない場合は，履修放棄として取り扱い，学業成績を評価E（判定不可）とする。 （3）授業開始から30分を経過した後に入室した場合は，欠席として取り扱う。 |
| 質問への対応 | 授業終了後又は電子メール等により，随時対応する。 |
| 研究室又は 連絡先 |
E-mail：yamada.kenji＠nihon-u.ac.jp |
| オフィスアワー |
水曜 船橋 12:10 ～ 12:50 【場所】９号館１階 913講師室
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| 学生への メッセージ |
【令和６年度成績分布状況】履修者数 6名 S：3人(50.0%)，A：1人(16.7%)，B：0人(0.0%)，C：2人(33.3%)，D：0人(0.0%)，E：0人 |