2025年 大学院理工学研究科 シラバス - 土木工学専攻
設置情報
科目名 |
構造メンテナンス工学
構造メンテナンス工学
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設置学科 | 土木工学専攻 | 学年 | 1年 |
担当者 | 小西 拓洋 | 履修期 | 前期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 木曜5 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | A45A |
クラス | |||
その他 | 実務経験のある教員による授業科目 |
概要
学修到達目標 | 橋梁を対象として,構造物の破壊から守る設計,製作,維持管理技術を学ぶ. 橋梁の事故事例から破壊の原因となった設計、製作施工上の問題点を知り、その破壊を防止するための設計技術、製作施工技術を学ぶ. そのような破壊を防止するための構造物の維持管理技術を学ぶ。 鋼、コンクリート部材の破壊に関わる構造力学を重点的に学習する。 |
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授業形態及び 授業方法 |
①「対面授業」でパワーポイントを使用して講義を行う。 ② 破壊事例の調査報告会、設計演習を授業時間内に行う. ③ 各自が考え答えを見つけるケーススタディ実習・討議を2回程度実施する。 ④ 事例調査、学習内容に関する課題をホームワークとして与える。 |
準備学習(予習・ 復習等)の内容・ 受講のための 予備知識 |
講義テキストを配布する.授業の内容を予習しておくことが必要. |
授業計画
第1回 | 材料の力学的性質:鋼材に設計荷重が作用しても通常は破壊しない。どのような条件で鋼材はメンテナンス工学・最初の1歩:製作された構造物を長く安全に使用するためにはどのような知識が必要とされるかを説明する.簡単な構造物模型の製作,載荷を行い,メンテナンス(破壊の防止)について学ぶ. | 事前学修:配布資料を読んで質問事項をまとめること 事後学修:授業内容をまとめること | 事前学修:2時間 事後学修:2時間 |
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第2回 | 鋼・コンクリートの材料力学:鋼部材、コンクリート部材の特性、基礎的設計法を説明する。 | 事前学修:配布資料を読んで質問事項をまとめること。鋼コンクリート部材の長所・短所をまとめ報告する。 事後学習:授業内容をまとめること | 事前学修:2時間 事後学修:2時間 |
第3回 | 鋼・コンクリート部材の破壊:鋼コンクリート構造物の破壊形態(脆性破壊と延性破壊)の原因、対応法について考える.橋の破壊について調査報告を行う. | 事前学修:配布資料を読んで質問事項をまとめること。,橋の破壊事例について調査し,原因,対策をPPTにまとめる(5分で発表) 事後学習:授業内容をまとめること | 事前学修:2時間 事後学修:2時間 |
第4回 | メンテナンスのための力学1 橋梁形式別に構造力学の観点から橋の進化を見直してみる.アーチ橋,吊橋などの模型製作,載荷を行い,各構造物の仕組み,弱点を理解する. | 事前学修:配布資料を読んで質問事項をまとめること 模型製作の準備 事後学習:授業内容をまとめること | 事前学修:2時間 事後学修:2時間 |
第5回 | メンテナンスのための力学2 鋼I桁橋,補剛材,2次部材の働きについて説明する.I桁橋の製作を通じて,桁の働き,弱点を知る. | 事前学修:配布資料を読んで質問事項をまとめること 模型製作の準備、PC、電卓 事後学習:授業内容をまとめること | 事前学修:2時間 事後学修:2時間 |
第6回 | メンテナンスのための力学3 トラス構造の特性、長所、短所について説明する.トラス桁橋の製作を通じて,桁の働き,弱点を知る. | 事前学修:配布資料を読んで質問事項をまとめること 模型製作の準備、PC、電卓 事後学習:授業内容をまとめること | 事前学修:2時間 事後学修:2時間 |
第7回 | 引張り部材の破壊:引張り部材の耐力評価法について学び,なぜ正しく設計された引張部材が破壊するのか、その理由、対策を考える。 | 事前学習:配布資料を読んで質問事項をまとめること PC、電卓準備 事後学習:授業内容をまとめること | 事前学修:2時間 事後学修:2時間 |
第8回 | 1)鋼構造物の破壊:これまでに起きた鋼構造物の脆性破壊事故を調べ、原因、対応策を学ぶ。 2)破壊の違い,延性破壊,脆性破壊,疲労破壊について学ぶ. | 事前学習:配布資料を読んで質問事項をまとめること | 事前学修:2時間 事後学修:2時間 |
第9回 | 3)脆性破壊:構造物に重大な事故は脆脆性破壊により生じる場合が多い。その基点疲労亀裂を起点とした脆性といえる.脆性破壊の発生メカニズムと防止法について解説する。 | 事前学習:配布資料を読んで質問事項をまとめること | 事前学修:2時間 事後学修:2時間 |
第10回 | 1)圧縮部材の破壊:圧縮部材の主たる破壊現象である座屈について基本理論を学ぶ。 2)模型の座屈実験を行い,計算式との差違,その原因を考える. 3)座屈による破壊事故事例の原因を調べ、防止対策を学ぶ。 | 事前学習:配布資料を読んで質問事項をまとめること 座屈事故事例を調査し、原因、対策を報告する(5分で報告) 模型製作の準備、パソコン、電卓を準備する. | 事前学修:2時間 事後学修:2時間 |
第11回 | 継手の破壊:構造物の破壊は接合部において多発する.溶接継手とボルト継手の設計法,両者の長所,短所を学ぶ. | 事前学修:配布資料を読んで質問事項をまとめること パソコン、電卓を準備する. | 事前学修:2時間 事後学修:2時間 |
第12回 | 鋼継手の強度計算を行う。設計計算プログラミング(VBA)を行う。 | 事前学修:配布資料を読んで質問事項をまとめること パソコン、電卓を準備する. 事後学修:授業内容をまとめること | 事前学修:2時間 事後学修:2時間 |
第13回 | 疲労の劣化曲線による寿命予測の手法を使い、橋梁の寿命予測、疲労設計を行う。設計計算プログラミング演習(VBA)を行う。 | 事前学修:配布資料を読んで質問事項をまとめること 事後学修:授業内容をまとめること | 事前学修:2時間 事後学修:2時間 |
第14回 | 橋梁の損傷調査:鋼構造物の疲労損傷事例を紹介し,損傷の検査法,原因の調査手段,評価法を学ぶ.現行の疲労設計法と維持管理法を解説する. 維持管理手法:橋を対象とした維持管理手法点検モニタリングによる損傷検知、破壊予知について最新の技術を学ぶ | 事前学習:配布資料を読んで質問事項をまとめること | 事前学修:2時間 事後学修:2時間 |
第15回 | 全体解説:破壊に関して学んだスキルを確認し,不足している部分については補講を行う. | 事前学習:配布資料を読んで質問事項をまとめること | 事前学修:2時間 事後学修:2時間 |
その他
教科書 |
三木千壽 『鋼構造』 共立出版 2000年
疲労、破壊を含めた鋼構造についての、理論を含めわかりやすい解説書
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参考資料コメント 及び 資料(技術論文等) |
土木学会構造工学委員会 『橋梁メンテナンスのための構造工学入門(実践編)』 建設図書 2024年 第1版
講義テキストを講義前に配布する
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成績評価の方法 及び基準 |
HWレポートの内容(10点満点×5回),授業内容に関わる積極的な発言、質問(30点程度)で評価する.事例プレゼン(10点×2回程度)、欠席、遅刻は減点する。 |
質問への対応 | 授業内容に関わる質問について回答する.授業後の質問,レポートに示された疑義については,次の授業で対応する. |
研究室又は 連絡先 |
t_konishi@issinc.co.jp |
オフィスアワー | |
学生への メッセージ |
構造物の破壊がなぜ起こるのか、どうすれば防げるかという実男油滴知識を身につけていただきたい。特に破壊の原因については未知な部分も多く、自分で調べ、考え、突きとめるという姿勢で講義内容を活用してください。わからないことはなんでも質問してください. |