2025年 大学院理工学研究科 シラバス - 建築学専攻
設置情報
科目名 | 近代建築史特論 | ||
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設置学科 | 建築学専攻 | 学年 | 1年 |
担当者 | 矢代 真己 | 履修期 | 前期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 月曜2 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | C12A |
クラス |
概要
学修到達目標 | 今日の建築の状況に直接的に繋がる「近代(主義)建築」の生成・発展のプロセスについて、既往の一般的な解釈に囚われることなく、新たな視点・角度から再検討していく作業を通じて、過去・現在・未来と連なる歴史的なものの見方について学ぶとともに、固定的な観念に縛られないクリティカルな考え方を身につける。加えて、時代・社会背景との関連の内で建築を読み解く作業を基として、建築の造形・デザインについて幅広い視野から捉え、説明できる力を培う。 |
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授業形態及び 授業方法 |
授業形態:対面授業 授業方法:講義を中心とする。必要に応じて適宜、資料を配付する。 課題提出及び授業内演習を行う。 課題・授業内演習とも授業内に解説を行う。 |
準備学習(予習・ 復習等)の内容・ 受講のための 予備知識 |
時代や社会との関連のもとに幅広い視野から「建築」への関心を抱くこと。 講義内容の性質上、近代建築(日本・西洋)についての基本的知識を有していることが望ましい。 |
授業計画
第1回 | 「近代」という問題機構 | 事前学習:シラバス・教科書に目を通しておく。 事後学習:講義中に指摘した内容について、振り返りをする。 | [事前学習]:120分 [事後学習]:120分 |
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第2回 | 近代運動の到達点: フォルムからデザインへ | 事前学習:教科書(項目039および関連項目)・配付資料の該当部分に目を通しておく。参考書の指示された部分についても目を通しておきたい。 事後学習:講義中に指摘した内容について、振り返りをする。 | [事前学習]:120分 [事後学習]:120分 |
第3回 | 建築の解体•建築の発見: 歴史主義建築の功罪 | 事前学習:教科書(項目005および関連項目)・配付資料の該当部分に目を通しておく。参考書の指示された部分についても目を通しておきたい。 事後学習:講義中に指摘した内容について、振り返りをする。 | [事前学習]:120分 [事後学習]:120分 |
第4回 | 相反する時代の相貌: アールヌーボーとナショナルロマンティシズム | 事前学習:教科書(項目002・027および関連項目)・配付資料の該当部分に目を通しておく。参考書の指示された部分についても目を通しておきたい。 事後学習:講義中に指摘した内容について、振り返りをする。 | [事前学習]:120分 [事後学習]:120分 |
第5回 | 世紀転換期の新たな様相: 新大陸(シカゴ:シカゴ派)と旧大陸(ウィーン:オットー・ワーグナー)における機能主義の実践 | 事前学習:教科書(項目003・007・020および関連項目)・配付資料の該当部分に目を通しておく。参考書の指示された部分についても目を通しておきたい。 事後学習:講義中に指摘した内容について、振り返りをする。 | [事前学習]:120分 [事後学習]:120分 |
第6回 | 構成から構築へ: 東西ヨーロッパでの「コンストラクティヴィズム」という構想 | 事前学習:教科書(項目025・033および関連項目)・配付資料の該当部分に目を通しておく。参考書の指示された部分についても目を通しておきたい。 事後学習:講義中に指摘した内容について、振り返りをする。 | [事前学習]:120分 [事後学習]:120分 |
第7回 | 「バウエン」という思想の視座: マルト・スタムの活動の軌跡 | 事前学習:教科書(項目035および関連項目)・配付資料の該当部分に目を通しておく。参考書の指示された部分についても目を通しておきたい。 事後学習:講義中に指摘した内容について、振り返りをする。 | [事前学習]:120分 [事後学習]:120分 |
第8回 | 「バウエン」の実践の射程: マルト・スタムの建設活動の核心 | 事前学習:教科書(項目035および関連項目)・配付資料の該当部分に目を通しておく。参考書の指示された部分についても目を通しておきたい。 事後学習:講義中に指摘した内容について、振り返りをする。 | [事前学習]:120分 [事後学習]:120分 |
第9回 | 「バウエン」という思想の拡がり: 東欧とCIAM | 事前学習:教科書(項目046・053および関連項目)・配付資料の該当部分に目を通しておく。参考書の指示された部分についても目を通しておきたい。 事後学習:講義中に指摘した内容について、振り返りをする。 | [事前学習]:120分 [事後学習]:120分 |
第10回 | わが国における「バウエン」の思考: 山越邦彦と「構築」 | 事前学習:教科書(項目035および関連項目)・配付資料の該当部分に目を通しておく。参考書の指示された部分についても目を通しておきたい。 事後学習:講義中に指摘した内容について、振り返りをする。 | [事前学習]:120分 [事後学習]:120分 |
第11回 | 近代建築と色彩: ル・コルビュジエ、テオ・ファン・ドゥースブルフ、ブルーノ・タウト | 事前学習:教科書(項目023・025・038および関連項目)・配付資料の該当部分に目を通しておく。参考書の指示された部分についても目を通しておきたい。 事後学習:講義中に指摘した内容について、振り返りをする。 | [事前学習]:120分 [事後学習]:120分 |
第12回 | ポスト近代建築の先駆: オランダ構造主義 | 事前学習:教科書(項目065および関連項目)・配付資料の該当部分に目を通しておく。参考書の指示された部分についても目を通しておきたい。 事後学習:講義中に指摘した内容について、振り返りをする。 | [事前学習]:120分 [事後学習]:120分 |
第13回 | 20世紀におけるオランダのハウジング100年の軌跡: 【戦前編】平等なる住環境の招来を求めて | 事前学習:教科書(項目030・037・045および関連項目)・配付資料の該当部分に目を通しておく。参考書の指示された部分についても目を通しておきたい。 事後学習:講義中に指摘した内容について、振り返りをする。 | [事前学習]:120分 [事後学習]:120分 |
第14回 | 20世紀におけるオランダのハウジング100年の軌跡: 【戦後編】多様性の中の統一をめざして | 事前学習:教科書(項目061・096および関連項目)・配付資料の該当部分に目を通しておく。参考書の指示された部分についても目を通しておきたい。 事後学習:講義中に指摘した内容について、振り返りをする。 | [事前学習]:120分 [事後学習]:120分 |
第15回 | レポ-ト課題の発表と講評 | 事前学習:課題提出・発表に向けてこれまでの授業の全体について振り返りをする。 事後学習:解説された講評の内容について、振り返りをする。 | [事前学習]:120分 [事後学習]:120分 |
その他
教科書 |
矢代眞己、田所辰ノ助、濱嵜良実 『マトリクスで読む20世紀の空間デザイン』 彰国社 2003年 第1版
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参考資料コメント 及び 資料(技術論文等) |
矢代眞己 『カリスマ建築家偉人伝 -20世紀を動かした12人-』 彰国社 2007年 第1版
彰国社編 『モダニスト再考[海外編] 建築の20世紀はここから始まった』 彰国社 2016年 第1版
彰国社編 『モダニスト再考[日本編] 建築の20世紀はここから始まった』 彰国社 2017年 第1版
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成績評価の方法 及び基準 |
レポート課題(提出内容と発表:75%)と授業時ミニッツペーパー(提出内容:25%)に基づいて行う。 |
質問への対応 | 授業後に対応する。メールでも受けつける。 |
研究室又は 連絡先 |
船橋校舎9号館923F室 yashiro.masaki@nihon-u,ac.jp |
オフィスアワー |
月曜 駿河台 12:10 ~ 12:40 授業終了後、教室にて
木曜 船橋 12:10 ~ 12:40 923F室研究室
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学生への メッセージ |
建築は造形行為の果実であることは疑いありません。しかしながら、社会からの要請、ニーズを受けてはじめて産声を上げることのできるものでもあるのです。それゆえ、世の流れに従い、社会の洗礼を受けながら、建築の価値や意味も揺れ動いていきます。21世紀の現在においても、建築に対する価値判断のものさしとして「近代(主義)建築」は重要な位置を占めています。その実像(未発の可能性)について、忌憚なき眼差しをもって探っていきたいと思います。 |