2025年 大学院理工学研究科 シラバス - 建築学専攻
設置情報
科目名 | 建築史意匠特論 | ||
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設置学科 | 建築学専攻 | 学年 | 1年 |
担当者 | 田所 辰之助 | 履修期 | 前期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 月曜3 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | C13A |
クラス |
概要
学修到達目標 | 建築家が作品に添えて発表した建築論・設計論の論考を取り上げ、その意図および時代背景等について探っていく。建築の設計・デザインという営為が、社会や時代状況とのかかわりのなかで多様な言説を生み出し、また独自の設計手法に結実していった過程に目を向けていきたい。日本の近現代建築を牽引してきた建築家たちによる論考を扱い、現在の建築デザインが置かれている状況とその背景をなす問題について、歴史的な視野のなかで理解を得ることを目標とする。 |
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授業形態及び 授業方法 |
1)授業形態:対面授業 講義および発表・討論を交互に設け、発表については6つのテーマに応じて担当回を決めて行う。 2)授業方法: 各回ごとに関連資料を配布し、その読解と解説を中心に講義を行う。また、テーマごとに分担して、各論考の解釈、関連する話題についてレポート・発表し、その内容をもとに討論形式にて授業を進める。各論考で扱われている問題をふまえたうえで、今日の現代建築が置かれている状況に関する最終レポートをあらためて作成し、発表を行う。 |
準備学習(予習・ 復習等)の内容・ 受講のための 予備知識 |
建築史III(日本近代建築史)を受講していることが望ましい。 各回ごとに配布する資料に必ず目を通し、また『マトリクスで読む20世紀の空間デザイン』(建築史Ⅱ)あるいは『図説・近代建築の系譜』(建築史Ⅲ)に記載されている関連事項について、事前に学習しておくこと。 |
授業計画
第1回 | イントロダクション(序論):建築作品と時代背景/建築家による論評活動/建築批評への眼差し/建築家は何に取り組んできたのか/グループ分けと担当回の決定 | [事前学習]シラバスを通読し、授業の主旨、講義内容の全体構成について概要を把握する。 [事後学習]配布される論考を通読し、それぞれの概要を把握するとともに、担当を希望する回を選定する。 | [事前学習]:120分 [事後学習]:120分 |
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第2回 | 第1講:「現在日本において近代建築をいかに理解するか-伝統の創造のために」(丹下健三、1955年) | [事前学習]配布される論考を読解し、複数の論点を抽出する。 [事後学習]配布される関連資料を通読し、授業にてテーマとなった論点との関連を確認する。 | [事前学習]:120分 [事後学習]:120分 |
第3回 | 発表・討論:「現在日本において近代建築をいかに理解するか-伝統の創造のために」(丹下健三、1955年) | [事前学習]配布される関連資料を読解し、討論のための論点を用意する。 [事後学習]参考資料等を活用し、討論の際にテーマとなった論点、また取り上げられた建築作品と時代・社会状況との関わりについてさらに理解を深める。 | [事前学習]:120分 [事後学習]:120分 |
第4回 | 第2講:「柱は空間に場を与え、床は空間を規定する」(菊竹清訓、1963年) | [事前学習]配布される論考を読解し、複数の論点を抽出する。 [事後学習]配布される関連資料を通読し、授業にてテーマとなった論点との関連を確認する。 | [事前学習]:120分 [事後学習]:120分 |
第5回 | 発表・討論:「柱は空間に場を与え、床は空間を規定する」(菊竹清訓、1963年) | [事前学習]配布される関連資料を読解し、討論のための論点を用意する。 [事後学習]参考資料等を活用し、討論の際にテーマとなった論点、また取り上げられた建築作品と時代・社会状況との関わりについてさらに理解を深める。 | [事前学習]:120分 [事後学習]:120分 |
第6回 | 第3講:「群造形-都市造形のエレメントとシステムの考察」(槇文彦、1971年) | [事前学習]配布される論考を読解し、複数の論点を抽出する。 [事後学習]配布される関連資料を通読し、授業にてテーマとなった論点との関連を確認する。 | [事前学習]:120分 [事後学習]:120分 |
第7回 | 発表・討論:「群造形-都市造形のエレメントとシステムの考察」(槇文彦、1971年) | [事前学習]配布される関連資料を読解し、討論のための論点を用意する。 [事後学習]参考資料等を活用し、討論の際にテーマとなった論点、また取り上げられた建築作品と時代・社会状況との関わりについてさらに理解を深める。 | [事前学習]:120分 [事後学習]:120分 |
第8回 | 討論:第1講~第3講を振り返って 戦後日本の近代建築をめぐる諸相について | [事前学習]第1講~第3講で扱われた論考を再読し、討論のための新たな論点を用意する。 [事後学習]参考資料等を活用し、討論の際にテーマとなった論点、また取り上げられた建築作品と時代・社会状況との関わりについてさらに理解を深める。 | [事前学習]:120分 [事後学習]:120分 |
第9回 | 第4講:「失われたのは空間の響きだ」(篠原一男、1962年) | [事前学習]配布される論考を読解し、複数の論点を抽出する。 [事後学習]配布される関連資料を通読し、授業にてテーマとなった論点との関連を確認する。 | [事前学習]:120分 [事後学習]:120分 |
第10回 | 発表・討論:「失われたのは空間の響きだ」(篠原一男、1962年) | [事前学習]配布される関連資料を読解し、討論のための論点を用意する。 [事後学習]参考資料等を活用し、討論の際にテーマとなった論点、また取り上げられた建築作品と時代・社会状況との関わりについてさらに理解を深める。 | [事前学習]:120分 [事後学習]:120分 |
第11回 | 第5講:「都市、国家、そして〈様式〉を問う」(磯崎新、1983年) | [事前学習]配布される論考を読解し、複数の論点を抽出する。 [事後学習]配布される関連資料を通読し、授業にてテーマとなった論点との関連を確認する。 | [事前学習]:120分 [事後学習]:120分 |
第12回 | 発表・討論:「都市、国家、そして〈様式〉を問う」(磯崎新、1983年) | [事前学習]配布される関連資料を読解し、討論のための論点を用意する。 [事後学習]参考資料等を活用し、討論の際にテーマとなった論点、また取り上げられた建築作品と時代・社会状況との関わりについてさらに理解を深める。 | [事前学習]:120分 [事後学習]:120分 |
第13回 | 第6講:「パドックからカラオケへ─新建築住宅設計競技2006課題「プランのない家」について」(隈研吾、2006年) | [事前学習]配布される論考を読解し、複数の論点を抽出する。 [事後学習]配布される関連資料を通読し、授業にてテーマとなった論点との関連を確認する。 | [事前学習]:120分 [事後学習]:120分 |
第14回 | 発表・討論:「パドックからカラオケへ─新建築住宅設計競技2006課題「プランのない家」について」(隈研吾、2006年) | [事前学習]配布される関連資料を読解し、討論のための論点を用意する。 [事後学習]参考資料等を活用し、討論の際にテーマとなった論点、また取り上げられた建築作品と時代・社会状況との関わりについてさらに理解を深める。 | [事前学習]:120分 [事後学習]:120分 |
第15回 | 最終レポートの提出および発表・講評会:日本の近現代建築をめぐる諸問題について | [事前学習]共通テーマのもと日本の近現代建築をめぐる問題についてレポートをまとめ、発表会用資料を準備する。 [事後学習]参考資料等を活用し、発表・講評会の際にテーマとなった論点、また取り上げられた建築作品と時代・社会状況との関わりについてさらに理解を深める。 | [事前学習]:120分 [事後学習]:120分 |
その他
教科書 |
とくに用いない。テキストとする資料のコピー、および関連する資料を各回配布する。
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参考資料コメント 及び 資料(技術論文等) |
矢代眞己・田所辰之助・濱嵜良実 『マトリクスで読む20世紀の空間デザイン』 彰国社[ISBN:4-395-00539-X C3052] 2003年
大川三雄、川向正人、初田亨、吉田鋼一 『図説 近代建築の系譜』 彰国社 1997年 第3版
そのほか、関連する資料を各回の授業時に配布する。
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成績評価の方法 及び基準 |
担当する回のレポートおよび発表(30%)、討論への取り組み状況(30%)、そして最終レポートおよび発表(40%)を勘案しながら総合的に評価する。 |
質問への対応 | 授業終了後に対応します。あるいは、下記のアドレスへメールにて連絡ください。 |
研究室又は 連絡先 |
タワー・スコラ8階S817室(建築史・建築論研究室) 連絡先:tadokoro.shinnosuke@nihon-u.ac.jp |
オフィスアワー |
月曜 駿河台 12:30 ~ 13:30 タワー・スコラ8階S817室(建築史・建築論研究室)
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学生への メッセージ |
建築家が時代状況や、変化しつつある社会のありようをどのように理解し作品創造につなげていったのか、その関係性に目を向けていきたい。作品がそれぞれどのような言説に支えられているのか、一次資料(典拠資料)の読解を通じて、各建築家の声に耳を傾けていきたい。 |