2025年 大学院理工学研究科 シラバス - 建築学専攻
設置情報
科目名 | 建築構造特論Ⅲ | ||
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設置学科 | 建築学専攻 | 学年 | 1年 |
担当者 | 畑田 朋彦 | 履修期 | 後期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 水曜5 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | C35C |
クラス | 建築構造特論Ⅲ | ||
その他 | 実務経験のある教員による授業科目 |
概要
学修到達目標 | 地震工学とは、地震に対する被害から建物などの構造物を守り被害を軽減するための技術について研究し、実社会において応用を図る工学の一領域である。 本講義では、地震に対して安全な構造物の構築や都市防災の推進に必要な知識の修得を目的とする。具体的には、実際の地震被害事例などを通して、地震の基本特性や地震時の構造物の揺れ方の特性を理解し、耐震設計の基本的な考え方とともに被害軽減に向けた対策について学ぶ。 |
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授業形態及び 授業方法 |
0. 対面授業とする。 1. 地震工学の基本的な考え方やしくみ、そして建築実務への展開方法の修得に主眼を置く。授業は一方的でなく、内容の理解度を確認しながら進める。 2. 実際の建設現場や民間企業の研究所などの見学や実務者との意見交換を通して、建物が建設されるプロセスや研究開発の実際を理解する。 3. 地震工学に関連する技術を紹介し、興味・関心のある新たなテーマ探索を図る。 4. ビデオ・スライドなどのツールを使用することで、視覚的な内容理解を図る。 5. 講義テーマについては、対話を重視してコミュニケーションを積極的に図る。 6. 講義内容の資料の一部を配布する。 |
準備学習(予習・ 復習等)の内容・ 受講のための 予備知識 |
建物の構造や振動に関する基礎知識があることが望ましいのですが、ほんの少しかじった程度の知識であっても大丈夫です。地震被害の軽減に向けて取り組もうとする意欲があれば、ぜひ受講してください。 |
授業計画
第1回 | 授業の全体概要 授業計画を提示し、その内容の概要を紹介する。 | 【事前学習】配布資料を予習する。 【事後学習】配布資料を参考として授業内容を復習する。 | 【事前学習】120分 【事後学習】120分 |
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第2回 | 地震動(1):地震はどのように起こる? 地震の発生メカニズムと基本特性を理解し、日本の活断層と将来予想される巨大地震について学ぶ。 | 【事前学習】配布資料を予習する。 【事後学習】配布資料を参考として授業内容を復習する。 | 【事前学習】120分 【事後学習】120分 |
第3回 | 地震動(2):地震とは? 地震の規模(マグニチュード)と揺れの大きさ(震度)の違いを学ぶ。地震計で観測された実記録を例に、地震動分析の考え方について学ぶ。 | 【事前学習】配布資料を予習する。 【事後学習】配布資料を参考として授業内容を復習する。 | 【事前学習】120分 【事後学習】120分 |
第4回 | 構造物の揺れ(1):振動とは? 地震による構造物の揺れを表現する振動論の基礎について学ぶ。 | 【事前学習】配布資料を予習する。 【事後学習】配布資料を参考として授業内容を復習する。 | 【事前学習】120分 【事後学習】120分 |
第5回 | 構造物の揺れ(2):入力地震動とは? 地震時に構造物の揺れを引き起こす地震動と構造物の揺れの関係を理解し、構造物の揺れ方の特性について学ぶ。 | 【事前学習】配布資料を予習する。 【事後学習】配布資料を参考として授業内容を復習する。 | 【事前学習】120分 【事後学習】120分 |
第6回 | 構造物の揺れ(3):建物応答とは? 地震による構造物の揺れの大きさ(建物応答)を求める方法(地震応答解析法)について学ぶ。 | 【事前学習】配布資料を予習する。 【事後学習】配布資料を参考として授業内容を復習する。 | 【事前学習】120分 【事後学習】120分 |
第7回 | 構造物の耐震設計(1):建物の構造とは? 耐震構造の基本となる、鉄筋コンクリート造・鉄骨造の特徴について学ぶ。 | 【事前学習】配布資料を予習する。 【事後学習】配布資料を参考として授業内容を復習する。 | 【事前学習】120分 【事後学習】120分 |
第8回 | 構造物の耐震設計(2):耐震設計とは? 耐震設計の考え方を理解し、一般的な構造物や超高層建物などの特殊構造物がどのように耐震設計されているのか、その基本的な考え方と方法について学ぶ。 | 【事前学習】配布資料を予習する。 【事後学習】配布資料を参考として授業内容を復習する。 | 【事前学習】120分 【事後学習】120分 |
第9回 | 地震被害 東日本大震災や熊本地震などの震災による地震被害の実例紹介を通して、地震被害の特徴を理解し、得られた教訓を学ぶ。 | 【事前学習】配布資料を予習する。 【事後学習】配布資料を参考として授業内容を復習する。 | 【事前学習】120分 【事後学習】120分 |
第10回 | 地震工学の新たな展開(1):リスクマネジメントとBCP 自然災害に対する危機管理(リスクマネジメント)の考え方を理解し、その事業継続計画(BCP)への応用の方法について学ぶ。 | 【事前学習】配布資料を予習する。 【事後学習】配布資料を参考として授業内容を復習する。 | 【事前学習】120分 【事後学習】120分 |
第11回 | 地震工学の新たな展開(2):免震・制振構造 最新の耐震技術として注目を浴びる免震構造と制振構造の考え方を理解し、その適用の方法について学ぶ。 | 【事前学習】配布資料を予習する。 【事後学習】配布資料を参考として授業内容を復習する。 | 【事前学習】120分 【事後学習】120分 |
第12回 | 地震工学の新たな展開(3):構造モニタリングとリアルタイム防災 ソフト面からの防災対策である構造モニタリングとリアルタイム防災の考え方を理解し、その防災・減災に果たす役割を学ぶ。 | 【事前学習】配布資料を予習する。 【事後学習】配布資料を参考として授業内容を復習する。 | 【事前学習】120分 【事後学習】120分 |
第13回 | 建設現場の見学 施工中の建設現場を見学し、施工担当者との意見交換を通して、建設現場における施工プロセスの実際を体験する。 | 【事前学習】配布資料を予習する。 【事後学習】見学内容を復習する。 | 【事前学習】120分 【事後学習】120分 |
第14回 | 民間企業研究所の見学 建設会社の研究所の実験施設などを見学し、研究員との意見交換を通して、最新の研究動向や研究開発成果が実際にどのように生かされているかを学ぶ。 | 【事前学習】配布資料を予習する。 【事後学習】見学内容を復習する。 | 【事前学習】120分 【事後学習】120分 |
第15回 | 課題の提出・討議・解説 各課題の回答内容についての討議を通して、重要なポイントや考え方を解説する。 | 【事前学習】配布資料を予習する。 【事後学習】配布資料を参考として授業内容を復習する。 | 【事前学習】120分 【事後学習】120分 |
その他
教科書 | |
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参考資料コメント 及び 資料(技術論文等) |
講義で使用する参考文献や関連資料については適宜紹介する。
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成績評価の方法 及び基準 |
授業への参加意欲と、提出された課題やレポートの内容が、要求する基準に沿ったものであるかを判断し、評価する。 |
質問への対応 | 授業内容に直接関係しなくても、質問があれば、授業中の他、メール、電話などでいつでも対応する。 |
研究室又は 連絡先 |
メール:hatada@kajima.com 電話:070-6994-6786 (携帯) |
オフィスアワー | |
学生への メッセージ |
近年、多発する震災経験を踏まえて、地震工学も新たな展開が求められています。そこでは、建物単体を地震から守るだけでなく、震災から人々を守る安全・安心な街づくりを目指す総合的な視点と対策が必要です。首都直下地震や南海トラフ地震の発生が懸念される現在、地震に対する被害を軽減するための効果的な対策に関心を深め、実社会での活用を念頭に置いた地震工学の基礎知識や最新技術の修得を目指しましょう。 |