2025年 大学院理工学研究科 シラバス - 海洋建築工学専攻
設置情報
科目名 |
海洋環境工学特論Ⅰ(海洋物理環境)
沿岸域利用に必要な海洋物理環境
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設置学科 | 海洋建築工学専攻 | 学年 | 1年 |
担当者 | 野志・横田 | 履修期 | 前期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 水曜4 |
校舎 | 船橋 | 時間割CD | D34A |
クラス | |||
その他 | 実務経験のある教員による授業科目 |
概要
学修到達目標 | 沿岸域の管理において工学的手法を利用するための基礎・応用知識として,海岸の環境・防災・利用を保全するための海岸岸保全計画に必要な技術を習得することができ,この学習を通して,海岸環境保全の重要性を理解するとともに、適切な保全計画ができるようになる。 |
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授業形態及び 授業方法 |
授業形態:対面授業 本科目では,沿岸域の自然環境と海洋建築物の相互作用とともに,海洋建築物の設計,波浪,津波などに関する実務経験に基づいて現実に課題となりうる事項への留意点を取り上げて分かりやすく授業を行う。構造物の目的と機能,設計荷重,一般構造,および構造設計方法を解説し,適宜,演習を実施して理解を深める。 |
準備学習(予習・ 復習等)の内容・ 受講のための 予備知識 |
学部設置科目である、「海洋環境工学Ⅰ・Ⅱ」「沿岸域工学及び演習」を受講していることが好ましい。 |
授業計画
第1回 | 【テーマ】ガイダンス 【目標】15回の授業の目的と内容が理解できる。 【学修事項】授業計画,海洋に関わる物理環境 | 【事前学修】シラバスの内容を熟読して、授業内容についてよく理解しておくこと。 【事後学修】授業内容について理解を深め、理解できなかった箇所を次回の授業で質問できるようにしておくこと。 | 【事前学修】2時間 【事後学修】2時間 |
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第2回 | 【テーマ】波の基本的な性質 【目標】波の分類,波長,波速,群速度,水粒子の軌道と速度の算出方法が修得できる。 【学修事項】水深波長比による波の分類の数学的な理解,波長,波速,群速度,水粒子の軌道と速度の数値計算 | 【事前学修】シラバスの内容を熟読して、授業内容についてよく理解しておくこと。 【事後学修】授業内容について理解を深め、理解できなかった箇所を次回の授業で質問できるようにしておくこと。 | 【事前学修】2時間 【事後学修】2時間 |
第3回 | 【テーマ】波浪(1) 【目標】風波の発達,計算図表と数値計算による簡易な波浪推算が習得できる。 【学修事項】風波の推算,計算図,数式による計算,うねりの推算 | 【事前学修】シラバスの内容を熟読して、授業内容についてよく理解しておくこと。 【事後学修】授業内容について理解を深め、理解できなかった箇所を次回の授業で質問できるようにしておくこと。 | 【事前学修】2時間 【事後学修】2時間 |
第4回 | 【テーマ】波浪(2) 【目標】波の統計的性質の数学的理解と諸量の計算方法が修得できる。 【学修事項】波の統計的な性質,レイリー分布と代表波の数学的な関係,波高,周期の分布関数,平均波,有義波,最高波などの関係 | 【事前学修】シラバスの内容を熟読して、授業内容についてよく理解しておくこと。 【事後学修】授業内容について理解を深め、理解できなかった箇所を次回の授業で質問できるようにしておくこと。 | 【事前学修】2時間 【事後学修】2時間 |
第5回 | 【テーマ】波浪(3) 【目標】極値統計による確率波と設計沖波の算定方法が修得できる。 【学修事項】30年間の台風データによる沖波の推算,極値統計解析による設計沖波の決定 | 【事前学修】シラバスの内容を熟読して、授業内容についてよく理解しておくこと。 【事後学修】授業内容について理解を深め、理解できなかった箇所を次回の授業で質問できるようにしておくこと。 | 【事前学修】2時間 【事後学修】2時間 |
第6回 | 【テーマ】海岸付近の波の変形(1) 【目標】屈折,回折,換算沖波,浅水変形,砕波,設計波の算定方法が修得できる。 【学修事項】構造物設置水深までの波の変形,屈折,回折,換算沖波,浅水変形,砕波水深,砕波波高,計算図と数式による算定 | 【事前学修】シラバスの内容を熟読して、授業内容についてよく理解しておくこと。 【事後学修】授業内容について理解を深め、理解できなかった箇所を次回の授業で質問できるようにしておくこと。 | 【事前学修】2時間 【事後学修】2時間 |
第7回 | 【テーマ】海岸付近の波の変形(2) 【目標】屈折,回折,換算沖波,浅水変形,砕波,設計波の算定方法が修得できる。 【学修事項】構造物設置水深までの波の変形,屈折,回折,換算沖波,浅水変形,砕波水深,砕波波高,計算図と数式による算定 | 【事前学修】シラバスの内容を熟読して、授業内容についてよく理解しておくこと。 【事後学修】授業内容について理解を深め、理解できなかった箇所を次回の授業で質問できるようにしておくこと。 | 【事前学修】2時間 【事後学修】2時間 |
第8回 | 【テーマ】構造物と波の相互作用 【目標】打上高,越波を学習し,高潮・高波,津波対策としての護岸・防潮堤の基本設計方法が修得できる。 【学修事項】護岸・防潮堤の構造,護岸の・防波堤の要求性能,打上高,越波量,基本設計手順 | 【事前学修】シラバスの内容を熟読して、授業内容についてよく理解しておくこと。 【事後学修】授業内容について理解を深め、理解できなかった箇所を次回の授業で質問できるようにしておくこと。 | 【事前学修】2時間 【事後学修】2時間 |
第9回 | 【テーマ】波浪場の計算 【目標】回折計算を主とした方向分散法を用いた波浪場の計算および、エネルギー平衡方程式を用いた波浪場の計算方法の修得ができる。 【学修事項】方向分散法、エネルギー平衡方程式 | 【事前学修】シラバスの内容を熟読して、授業内容についてよく理解しておくこと。 【事後学修】授業内容について理解を深め、理解できなかった箇所を次回の授業で質問できるようにしておくこと。 | 【事前学修】2時間 【事後学修】2時間 |
第10回 | 【テーマ】海浜変形予測計算(1) 【目標】幾何学的に海浜形状を予測するHSUモデルおよび連続した漂砂量式から汀線形状を予測するOne-Lineモデルを用いた海浜変形予測計算の修得ができる。 【学修事項】HSUモデル、One-Lineモデル | 【事前学修】シラバスの内容を熟読して、授業内容についてよく理解しておくこと。 【事後学修】授業内容について理解を深め、理解できなかった箇所を次回の授業で質問できるようにしておくこと。 | 【事前学修】2時間 【事後学修】2時間 |
第11回 | 【テーマ】海浜変形予測計算(2) 【目標】海浜形状を3次元的に予測可能な等深線変化予測モデルおよびBGモデルを用いた海浜変形予測計算の修得ができる。 【学修事項】等深線変化予測モデル、BGモデル | 【事前学修】シラバスの内容を熟読して、授業内容についてよく理解しておくこと。 【事後学修】授業内容について理解を深め、理解できなかった箇所を次回の授業で質問できるようにしておくこと。 | 【事前学修】2時間 【事後学修】2時間 |
第12回 | 【テーマ】海岸侵食と対策(1) 【目標】漂砂と主な海岸地形の形成過程,海岸侵食の要因,対策技術が理解できる。 【学修事項】海岸地形,漂砂と土砂収支,沿岸漂砂量の算定,海岸侵食の要因と事例,対策技術と課題(海岸保全施設,線的・面的対策) | 【事前学修】シラバスの内容を熟読して、授業内容についてよく理解しておくこと。 【事後学修】授業内容について理解を深め、理解できなかった箇所を次回の授業で質問できるようにしておくこと。 | 【事前学修】2時間 【事後学修】2時間 |
第13回 | 【テーマ】海岸侵食と対策(2) 【目標】対策技術と地形変化の予測計算の基礎が修得できる。 【学修事項】ヘッドランド工法と養浜による対策(養浜砂の選定,必要体積,地形変化予測技術) | 【事前学修】シラバスの内容を熟読して、授業内容についてよく理解しておくこと。 【事後学修】授業内容について理解を深め、理解できなかった箇所を次回の授業で質問できるようにしておくこと。 | 【事前学修】2時間 【事後学修】2時間 |
第14回 | 【テーマ】保全計画の実践 【目標】今までで習得したことを使用して、実際に演習として保全計画を実施する。 【学修事項】海岸保全計画 | 【事前学修】シラバスの内容を熟読して、授業内容についてよく理解しておくこと。 【事後学修】授業内容について理解を深め、理解できなかった箇所を次回の授業で質問できるようにしておくこと。 | 【事前学修】2時間 【事後学修】2時間 |
第15回 | 【テーマ】理解度確認授業 【目標】演習課題の結果を俯瞰して,授業を総括する。 【内容】演習結果の完成度の最終確認と提出 | 【事前学修】シラバスの内容を熟読して、授業内容についてよく理解しておくこと。 【事後学修】授業内容について理解を深め、理解できなかった箇所を次回の授業で質問できるようにしておくこと。 | 【事前学修】2時間 【事後学修】2時間 |
その他
教科書 |
小林昭男 『沿岸域工学の基礎』 技報堂 2019年 第1版
沿岸域の現象を網羅していますので,沿岸技術者必携の図書です。
教科書は必ず購入し,予習・復習に活用しましょう。
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参考資料コメント 及び 資料(技術論文等) |
宇多 高明 『海岸侵食の実態と解決策』 山海堂 2004年 第1版
深刻化する海岸侵食の典型的な事例を侵食パターンごとに分類して紹介し、また実務的にどこまで予想可能かについて、著者らが開発を進めてきた予測モデルと計算モデルを示し、海岸侵食の本質的問題点について考察した図書です。本授業で扱う予測モデルに関する記載が多くされています。
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成績評価の方法 及び基準 |
評価基準:毎回の授業後に行う理解度確認の小テストの合計を50点満点,第15回目の理解度確認問題の取組状況を30~40点満点として合計点で成績を評価する。 |
質問への対応 | 授業内容で理解できなかった事項がある場合は,授業後に質問内容を整理して質問しましょう。 |
研究室又は 連絡先 |
野志保仁:noshi.yasuhito@nihon-u.ac.jp |
オフィスアワー | |
学生への メッセージ |
沿岸域の利用や環境保全に関する施設等の計画・設計をするための知識を楽しく学びましょう。 |