2025年 大学院理工学研究科 シラバス - 海洋建築工学専攻
設置情報
科目名 | 海洋建築技術者倫理 | ||
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設置学科 | 海洋建築工学専攻 | 学年 | 1年 |
担当者 | 小林(昭)・古谷・朝比奈 | 履修期 | 前期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 土曜1 |
校舎 | 船橋 | 時間割CD | D61A |
クラス | |||
その他 | 実務経験のある教員による授業科目 |
概要
学修到達目標 | 学修目標:建設工事における不正事案の発生により,建築物の品質確保に対する信頼性が揺らいでおり,技術者個人や企業における倫理意識の高揚が必要になっている.そこで,本授業では,海洋建築の設計・施工・維持管理に関わる技術者の意思決定と行動の枠組みを倫理の観点から理解し,行動を律する際の拠り所になる規範を議論する。 学修概要:第1~5回は,建築技術者倫理の基本事項,第6~10回は,耐震・免震偽装をテーマにした建築における企業倫理の重要性と取組み,第11~15回は,原発や温暖化をテーマにした環境と技術者倫理を学修する。第6~15回の講師は現役の技術者・研究者である。 本授業科目はDP1・3・4・5及びCP1・3・4・5に該当している。 本科目の学修を通して,日本大学教育憲章の「自主創造」を構成する「自ら学ぶ」能力のうちの「豊かな知識・教養を基に倫理観を高めることができる」能力と,「自ら考える」能力のうちの「得られる情報を基に論理的な思考,批判的な思考をすることができる」能力と「事象を注意深く観察して問題を発見し,解決策を提案することができる」能力を養うことができる。 |
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授業形態及び 授業方法 |
授業形態:対面式授業,ただし,状況によりオンライン双方向授業とすることがある。 授業方法:講師による解説講義と受講者間の議論を行う。解説講義ではパワーポイント,板書,配布資料を併用し,参考書などを紹介しながら多角的に理解を深める。 実務経験者による現実の課題と対応策を解説する。 |
準備学習(予習・ 復習等)の内容・ 受講のための 予備知識 |
一級建築士の実務経験として認定を受けるために必要な科目である。 技術者倫理の理解を通して,技術者のあるべき姿を確立しようとする意欲をもって授業に臨むこと。 事前学修では,配布資料などにより学修のポイントを確認し,事後学修では,次の授業との関連や展開を推察することにも心掛けること。 |
授業計画
第1回 | テーマ:ガイダンス/建築倫理概説(1)倫理,技術者倫理,企業倫理(小林) 目標:授業の到達目標および授業全体の構成の理解/倫理の定義の理解を理解する。 内容:授業計画/倫理・技術者倫理・企業倫理の定義についての討議 | 【事前学修】授業テーマや授業内容に関する資料の調査研究とmoodleに掲示した課題の考察 【事後学修】授業において議論したことの整理と考察 | 【事前学修】2時間 【事後学修】2時間 |
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第2回 | テーマ:建築倫理概説(2)不正事案の発生の根源(小林) 目標:不正事案の発生の根源と技術者の行動原則を理解する。 内容:不正発生の根源を探り,法規範,建築技術者の行動原則についての倫理的考察と討論 | 【事前学修】授業テーマや授業内容に関する資料の調査研究とmoodleに掲示した課題の考察 【事後学修】授業において議論したことの整理と考察 | 【事前学修】2時間 【事後学修】2時間 |
第3回 | テーマ:建築倫理概説(3)倫理的意思決定の方法~技術差の行為設計~(小林) 目標:倫理的判断を求められる場合の解決方法を理解し,倫理的行動の設計の方法を理解する。 内容:意思決定の方法とし,セブン・ステップ・ガイドを参考にして解説する。 | 【事前学修】授業テーマや授業内容に関する資料の調査研究とmoodleに掲示した課題の考察、二分法,決擬論,相反問題の解決,リスク管理,危機管理の学修 【事後学修】授業において議論したことの整理と考察 | 【事前学修】2時間 【事後学修】2時間 |
第4回 | テーマ:建築倫理概説(4)設計行為における設計者の倫理目標(小林) 目標:日本建築学会が示す倫理目標と技術者としての行為選択の理解 内容:設計行為における倫理目標と事例を題材とした倫理的考察と討論 | 【事前学修】授業テーマや授業内容に関する資料の調査研究とmoodleに掲示した課題の考察 【事後学修】授業において議論したことの整理と考察 | 【事前学修】2時間 【事後学修】2時間 |
第5回 | テーマ:建築倫理概説(5)建築環境倫理(小林) 目標:建築の存在による環境の変化,および建築と都市環境や地球環境との関わりを環境倫理の視座で理解する。 内容:建築環境倫理に関わる事例を題材とした倫理的考察と討論,および1~5回の内容の総合討論とレポート課題解説 | 【事前学修】授業テーマや授業内容に関する資料の調査研究とmoodleに掲示した課題の考察 【事後学修】授業において議論したことの整理と考察 | 【事前学修】2時間 【事後学修】2時間 |
第6回 | テーマ:企業倫理(1) 偽装問題と法改正の歴史(古谷) 構造計算書偽装、免震ゴム偽装、杭打ちデータ改ざん問題を通して、法改正の歴史を学ぶと共に、当事者、建設業や社会的資産である建築物への影響を考える。 | 【事前学修】授業テーマや授業内容に関する資料の調査研究とmoodleに掲示した課題の考察 【事後学修】授業において議論したことの整理と考察、板書のノートを整理し知識として修得する | 【事前学修】2時間 【事後学修】2時間 |
第7回 | テーマ:企業倫理(2) 社会的要求と法改正の歴史(古谷) 過去の大地震の知見による法改正や地球温暖化等の社会的要求に対する現状を学ぶと共に、未来を考える。 | 【事前学修】授業テーマや授業内容に関する資料の調査研究とmoodleに掲示した課題の考察 【事後学修】授業において議論したことの整理と考察、板書のノートを整理し知識として修得する | 【事前学修】2時間 【事後学修】2時間 |
第8回 | テーマ:企業倫理(3) 法治社会(古谷) 日常のルールから『気づき』、『学ぶ』の大切さを考えると共に、洞察力を養う。 | 【事前学修】授業テーマや授業内容に関する資料の調査研究とmoodleに掲示した課題の考察 【事後学修】授業において議論したことの整理と考察、板書のノートを整理し知識として修得する | 【事前学修】2時間 【事後学修】2時間 |
第9回 | テーマ:企業倫理(4) ルールの中で戦う(古谷) 土俵は同じでも差別化を図る。技術開発、業務改善、顧客満足度の大切さを考える。 | 【事前学修】授業テーマや授業内容に関する資料の調査研究とmoodleに掲示した課題の考察 【事後学修】授業において議論したことの整理と考察、板書のノートを整理し知識として修得する | 【事前学修】2時間 【事後学修】2時間 |
第10回 | テーマ:企業倫理(5) みなさんが今やるべきこと(古谷) 自身の学位論文を例題として、論文の作法、情報分析、論理的思考を学ぶ。 レポート課題(2)の出題と解説 | 【事前学修】授業テーマや授業内容に関する資料の調査研究とmoodleに掲示した課題の考察 【事後学修】授業において議論したことの整理と考察 | 【事前学修】2時間 【事後学修】2時間 |
第11回 | テーマ:環境と技術者倫理(1)エネルギーと処分について(朝比奈) 目標:資源,エネルギー,及び廃棄物についての現状を理解する. 内容:エネルギーと処分についての現状や解決すべき課題を知る. | 【事前学修】授業テーマや授業内容に関する資料の調査研究とmoodleに掲示した課題の考察 【事後学修】授業において議論したことの整理と考察、板書のノートを整理し知識として修得する | 【事前学修】2時間 【事後学修】2時間 |
第12回 | テーマ:環境と技術者倫理(2)エネルギーと処分について(朝比奈) 目標:発電所から出る廃棄物について,電力使用者として責任ある処分方法を考える. 内容:処分方法の事例を学び,事例を題材とした倫理的考察と討論を行う. | 【事前学修】授業テーマや授業内容に関する資料の調査研究とmoodleに掲示した課題の考察 【事後学修】授業において議論したことの整理と考察、板書のノートを整理し知識として修得する | 【事前学修】2時間 【事後学修】2時間 |
第13回 | テーマ:環境と技術者倫理(3)地球温暖化について(朝比奈) 目標:地球温暖化の問題や解決するために取り組んでいる内容を理解する. 内容:地球温暖化に関する解釈の歴史や現状を理解し,解決すべき課題を知る. | 【事前学修】授業テーマや授業内容に関する資料の調査研究とmoodleに掲示した課題の考察 【事後学修】授業において議論したことの整理と考察、板書のノートを整理し知識として修得する | 【事前学修】2時間 【事後学修】2時間 |
第14回 | テーマ:環境と技術者倫理(4)地球温暖化について(朝比奈) 目標:地球温暖化の対策がもたらす諸問題について,解決策を考える 内容:地球温暖化対策の事例を学び,事例を題材とした倫理的考察と討論を行う. | 【事前学修】授業テーマや授業内容に関する資料の調査研究とmoodleに掲示した課題の考察 【事後学修】授業において議論したことの整理と考察、板書のノートを整理し知識として修得する | 【事前学修】2時間 【事後学修】2時間 |
第15回 | テーマ:環境と技術者倫(5)(朝比奈) 目標:受講生各自が環境問題について調べ,その倫理的問題点を発表し,それについて質疑応答する 内容:1~5回の内容の総合討論とレポート課題解説 | 【事前学修】授業テーマや授業内容に関する資料の調査研究とmoodleに掲示した課題の考察 【事後学修】授業において議論したことの整理と考察、板書のノートを整理し知識として修得する | 【事前学修】2時間 【事後学修】2時間 |
その他
教科書 |
教科書は,特定しない。授業で適宜資料を配布する。
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参考資料コメント 及び 資料(技術論文等) |
赤林朗,児玉聡 編 『入門・倫理学[978-4-326-10265-5]』 勁草書房 2018年 第1版
日本建築学会 『日本建築学会の技術者倫理教材(改訂版)[978-4-8189-2232-7]』 丸善出版 2014年 第1版
直江清隆・盛永審一郎(編) 『理系のための 科学技術者倫理 JABEE基準 対応[978-4-621-08946-0]』 丸善出版 2015年 第1版
C. ウィットペック著,札野順・飯野弘之訳 『技術倫理1 [978-4-622-04119-1]』 みすず書房 2000年 第1版
杉本泰治・高城重厚 『技術者の倫理入門』 丸善出版 2001年 第1版
webからダウンロードできる参考資料
国土交通省 社会資本整備審議会:『建築物の安全性確保のための建築行政のあり方について 答申』,2006,https://www.mlit.go.jp/kisha/kisha06/07/070901_2_.html
国土交通省 免震材料に関する第三者委員会:『免震材料に関する第三者委員会報告書』,2015,https://www.mlit.go.jp/page/kanbo01_hy_004004.html
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成績評価の方法 及び基準 |
各講師が出題するレポート課題を各々100点満点とし,その平均点で成績評価する。 |
質問への対応 | 適宜,メールで対応する。 |
研究室又は 連絡先 |
小林昭男 kobayashi.akio@ 古谷 章 furuya.akira20@nihon-u.ac.jp 朝比奈大輔 d-asahina@aist.go.jp |
オフィスアワー |
土曜 船橋 12:10 ~ 13:20
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学生への メッセージ |
欠席するときは,必ず授業担当教員に連絡すること。 |