2025年 大学院理工学研究科 シラバス - 機械工学専攻
設置情報
科目名 | 熱工学特論Ⅱ | ||
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設置学科 | 機械工学専攻 | 学年 | 1年 |
担当者 | 木村 元昭 | 履修期 | 前期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 水曜3 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | F33A |
クラス |
概要
学修到達目標 | 管内流や翼面の壁面せん断層、バーナーなどの噴流の自由せん断層では、固体壁面と作動流体あるいは流速や気体の異なる流れのせん断層において、運動量、熱、物質の移動、拡散が生じる。このような熱流体の輸送現象の基礎を学ぶと共に、工業的な応用例についても学ぶ。 ①分子運動論から見た流体内の粘性、熱伝導、物質拡散を説明することができる。 ②乱流による運動量と熱の輸送に関して説明することができる。 ③自由せん断層の熱流体の輸送現象に関して具体例を用いて説明することができる。 |
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授業形態及び 授業方法 |
「対面授業」 講義中の板書(スライド含む)・解説を中心とした講義形式を行う。学会や企業で発表された拡散混合に関する研究成果を紹介する。また、授業の最後2回程度に受講している大学院生が現在行っている研究に関する発表を行い討論する。 |
準備学習(予習・ 復習等)の内容・ 受講のための 予備知識 |
熱や流体の分野に興味があり、これらの分野の基礎を修得していることが望ましい。 熱力学、伝熱工学、流体力学の基礎知識を修得していることが望ましい。 |
授業計画
第1回 | 熱工学特論Ⅱに関する概要の説明 | シラバスの内容を確認の上,授業に臨むこと。 【事前学習】煙突からの煙の拡散、沸騰した湯気の拡散、湯船のお湯の調温、水中へのインクの拡散のど、身の回りに生じる拡散混合について興味深く観察する。 【事後学習】身の回りに生じる拡散混合の状態が運動量、熱、物質のどの場合に当てはまるかを考察する。 | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
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第2回 | 分子運動論から見た流体内の粘性、熱伝導、物質拡散に関する講義 | 【事前学習】粘性係数、熱伝導率、物質拡散率などの物性について伝熱資料などで調査する。 【事後学習】講義した微視的観点から求めた粘性係数の導き方について振り返り、分子運動による物性値の導出について理解を深める。また、同方法を用いて熱伝導率、物質拡散率への適用にチャレンジしてみる。 | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
第3回 | 熱伝導方程式を用いた自然対流がある場合とない場合の拡散率に関する講義 | 【事前学習】熱伝導と熱伝導方程式について調べる。フーリエの法則/熱量保存則 【事後学習】熱伝導方程式の導き方を復習する。温度伝導率、動粘性係数およびプラントル数が何を示すかを考察する。 | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
第4回 | 乱流の性質とレイノズル応力に関する講義 | 【事前学習】乱流の性質をまとめる。不規則性/拡散性/レイノルズ数/3次元の渦運動/散逸性/連続性 【事後学習】レイノルズ分解を理解し、レイノルズ応力を導出する手順を身に着ける。 | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
第5回 | 乱流による運動量と熱の輸送に関する講義 | 【事前学習】流れの運動方程式と連続の式、及びエネルギー方程式の成り立ちを予習する。 【事後学習】乱流による熱輸送について、分子運動熱流束と乱流熱流束より成り立つことを復習する。 | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
第6回 | 自由せん断層に関する講義 | 【事前学習】流体力学で学んだせん断層について予習する。第4回の内容を踏まえてレイノルズ方程式について予習する。 【事後学習】レイノルズ方程式を条件により簡単化する方法を復習する。配布する二次元噴流の実験データとレイノルズ応力その他の状態変化を対応させ理解を深める。 | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
第7回 | 自由せん断層の不連続面で生じる渦層に関する講義 | 【事前学習】流体力学の渦に関する項目を予習する。 【事後学習】渦度から成る渦層の不安定性について理解を深め、混合層の渦発生のメカニズムについて考察する。 | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
第8回 | 噴流拡散の応用例の紹介(その1) | 【事前学習】資料の鋼材加熱炉に関する論文を熟読し、不明な点を調査する。 【事後学習】二層雰囲気燃焼技術に用いられる、せん断層に関する考察を深める。 | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
第9回 | 噴流拡散の応用例の紹介(その2) | 【事前学習】資料のマイクロガスタービンとインテリジェントノズルの論文を熟読して、不明な点を調査する。 【事後学習】ノズル周りの流れと拡散混合に関する考察を深める。 | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
第10回 | 気体燃料の燃焼(予混合燃焼)に関する講義 | 【事前学習】燃焼に関する書籍より、予混合燃焼に関して調査する。 【事後学習】予混合燃焼の火炎構造、火炎伝播、火炎の吹飛、逆火に関しての関係性を考察する。 | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
第11回 | 気体燃料の燃焼(拡散燃焼)に関する講義 | 【事前学習】燃焼に関する書籍より、拡散燃焼に関して調査する。 【事後学習】拡散燃焼の火炎構造、拡散燃焼と予混合燃焼の違いを理解し、実験的観察資料より燃焼の性質を考察する。 | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
第12回 | 噴流拡散の応用例の紹介(その3) 課題の説明 | 【事前学習】提供する資料より、航空機騒音について調査する。 【事後学習】ファンジェットエンジンの騒音源と低減方法について考察する。 | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
第13回 | 噴流拡散の応用例の紹介(その4) | 【事前学習】コンバインドサイクルに関する資料を熟読し、不明な点を調査する。 【事後学習】コンバインドサイクルに使用されている効率改善点を熱力学的な立場からまとめる。 | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
第14回 | 各自のテーマに関するプレゼンテーション | 【事前学習】自身の研究を10分程度で説明できるようにまとめること。 【事後学習】他の受講者の研究内容を振り返り、自分の研究計画に反映すように熟慮すること。 | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
第15回 | 各自のテーマに関するプレゼンテーション 本講義を振り返り、重要な点をまとめる。 | 【事前学習】自身の研究を10分程度で説明できるようにまとめること。 【事後学習】他の受講者の研究内容を振り返り、自分の研究計画に反映すように熟慮すること。 | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
その他
教科書 | |
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参考資料コメント 及び 資料(技術論文等) |
藤原仁志、荒川忠一 訳 『乱流入門 [ISBN-9784486014409]』 東海大学出版 1998年 第1版
庄司正弘 『伝熱工学 [ISBN4-13-062826-7]』 東京大学出版 1997年 第2版
新岡 嵩、河野通方、佐藤順一 『燃焼現象の基礎 [ISBN4-274-08713-1]』 オーム社 2001年 第1版
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成績評価の方法 及び基準 |
講義中の質疑応答と、講義全体を通してのレポートの内容を80%、各自のテーマに関するプレゼンテーションを20%とし、100点満点として成績評価とする。 |
質問への対応 | 随時 |
研究室又は 連絡先 |
木村元昭(駿河台校舎タワー・スコラ17階) kimura.motoaki@nihon-u.ac.jp |
オフィスアワー |
水曜 駿河台 12:10 ~ 13:20 木村元昭(駿河台校舎タワー・スコラ17階) kimura.motoaki@nihon-u.ac.jp
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学生への メッセージ |