2025年 大学院理工学研究科 シラバス - 物質応用化学専攻
設置情報
科目名 | 応用化学特別講義Ⅱ | ||
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設置学科 | 物質応用化学専攻 | 学年 | 1年 |
担当者 | 板谷 清司 | 履修期 | 後期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 火曜3 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | L23A |
クラス |
概要
学修到達目標 | 本講義では,セラミックスの作製に重要なプロセシング(粉体合成,成形,焼成)について粒子の焼結という視点から各事項を説明する.ミクロな現象である焼結と関連付けて各プロセシングを理解することにより,セラミックスの機能を材料設計する力が養なわれる.本講義の主要な部分は英語で説明するが,これによって国際会議等での発表力も併せて養なうことを目標としている. |
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授業形態及び 授業方法 |
「対面授業」 最初に黒板に板書しながら基礎事項を解説した後,パワーポイントを用いて当日の講義内容を説明する。 |
準備学習(予習・ 復習等)の内容・ 受講のための 予備知識 |
無機材料に関わる予備知識(学部の講義では無機固体化学や無機材料物性)を基に授業に臨むことが望ましいが,専門外であっても十分に理解できるように内容には配慮する. |
授業計画
第1回 | Introduction(概論) 英語で講義を行うために必要な専門用語を解説する. | 【事前学修】科学全般の英語の専門用語を復習しておくこと. 【事後学修】講義の中で説明した英語の専門用語を復習し,理解を深める. | 【事前学修】 2時間 【事後学修】 2時間 |
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第2回 | Sintering theory: solid state sintering I(焼結理論:固相焼結I) 一般的な固相焼結理論について解説する. | 【事前学修】結晶中で起こる現象(格子欠陥,拡散等)を調べて授業に臨むこと. 【事後学修】焼結に関わる原子レベルの現象について理解を深める. | 【事前学修】 2時間 【事後学修】 2時間 |
第3回 | Sintering theory: solid state sintering II(焼結理論:固相焼結II) 固相焼結理論を初期,中期および後期段階に分けて解説する. | 【事前学修】焼結現象および拡散現象を調べて授業に臨むこと. 【事後学修】セラミックスのち密化過程で起こる現象について理解を深める. | 【事前学修】 2時間 【事後学修】 2時間 |
第4回 | Sintering theory: liquid phase sintering(焼結理論:液相焼結) 焼成中に少量の液相が関与して起こる液相焼結理論について解説する. | 【事前学修】共融などの高温で起こる液相の生成現象を調べて授業に臨むこと. 【事後学修】液相が関わる焼結現象について理解を深める. | 【事前学修】 2時間 【事後学修】 2時間 |
第5回 | Fabrication of light-transmitting ceramics(透光性セラミックスの作製) 透光性アルミナ(Al2O3)セラミックスの作製事例を固相焼結と絡めて解説する. | 【事前学修】物質の光透過について調べて授業に臨むこと. 【事後学修】セラミックスが光透過性を示す条件について理解を深める. | 【事前学修】 2時間 【事後学修】 2時間 |
第6回 | Sintering phenomena in nature(自然界での焼結現象) 自然界で起こる焼結現象の例として氷の焼結について解説する. | 【事前学修】水の三態(固体,液体,気体)を復習して授業に臨むこと. 【事後学修】固相焼結と液相焼結の違いについて理解を深める. | 【事前学修】 2時間 【事後学修】 2時間 |
第7回 | Syntheses of powders: solid state reaction(粉体合成法:固相合成) 固相合成法について,粉体の焼結性と絡めて解説する. | 【事前学修】一般的な固相合成について調べて授業に臨むこと. 【事後学修】固相合成で調製した粉体物性の特徴について理解を深める. | 【事前学修】 2時間 【事後学修】 2時間 |
第8回 | Syntheses of powders: liquid phase reaction I(粉体合成法:液相合成I) 液相合成法について,粉体の焼結性と絡めて解説する. | 【事前学修】一般的な液相合成について調べて授業に臨むこと. 【事後学修】液相合成で調製した粉体物性の特徴について理解を深める. | 【事前学修】 2時間 【事後学修】 2時間 |
第9回 | Syntheses of powders: liquid phase reaction II(粉体合成法:液相合成II) その他の液相合成法について,粉体の焼結性と絡めて解説する. | 【事前学修】液相合成の利点と問題点を調べて授業に臨むこと. 【事後学修】様々な合成法で調製した粉体物性の特徴について理解を深める. | 【事前学修】 2時間 【事後学修】 2時間 |
第10回 | Syntheses of powders: vapor phase reaction(粉体合成法:気相合成) 気相合成法について,粉体の焼結性と絡めて解説する. | 【事前学修】一般的な気相合成について調べて授業に臨むこと. 【事後学修】気相合成で調製した粉体物性の特徴について理解を深める. | 【事前学修】 2時間 【事後学修】 2時間 |
第11回 | Pulverization techniques of powders(粉体の粉砕法) 粉体の粉砕法について,粉体の焼結と絡めて解説する. | 【事前学修】粉体の粉砕法について調べて授業に臨むこと. 【事後学修】粉砕後の粉体物性について理解を深める. | 【事前学修】 2時間 【事後学修】 2時間 |
第12回 | Granulation techniques of powders(粉体の造粒法) 粉体の造粒法について,粉体の焼結と絡めて解説する. | 【事前学修】粉体の造粒法について調べて授業に臨むこと. 【事後学修】造粒後の粉体物性について理解を深める. | 【事前学修】 2時間 【事後学修】 2時間 |
第13回 | Powder forming techniques(粉体の成形方法) 粉体を所望の形状に成形する方法について,粉体の焼結と絡めて解説する. | 【事前学修】粉体の成形方法について調べて授業に臨むこと. 【事後学修】成形方法の特徴と進歩について理解を深める. | 【事前学修】 2時間 【事後学修】 2時間 |
第14回 | Firing techniques of powder compact(成形体の焼成方法) 粉体を成形した後の焼成方法について,粉体の焼結と絡めて解説する. | 【事前学修】成形体の焼成方法について調べて授業に臨むこと. 【事後学修】焼成技術の特徴と進歩について理解を深める. | 【事前学修】 2時間 【事後学修】 2時間 |
第15回 | Ceramics processing: case study (セラミックスプロセシング:ケーススタディ) 高強度ジルコニア(ZrO2)セラミックスの作製を取りあげて解説する. | 【事前学修】高強度ジルコニアセラミックスについて調べて授業に臨むこと. 【事後学修】ジルコニアの相変態と機械的強度との関係について理解を深める. | 【事前学修】 2時間 【事後学修】 2時間 |
その他
教科書 | |
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参考資料コメント 及び 資料(技術論文等) |
掛川,砂原,板谷,篠崎,鈴木,小島,材料科学入門,みみずく舎(編集),医学評論社(発行)(2015). (J. F. Shackelford, Introduction to Materials Science for Engineersの翻訳本).
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成績評価の方法 及び基準 |
毎回の授業後半で行う課題に対するレポートの提出で評価する。なお,レポートの解説は翌週の冒頭で行う. |
質問への対応 | 授業終了後に随時対応するが,電子メールでも回答する. |
研究室又は 連絡先 |
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オフィスアワー | |
学生への メッセージ |
無機材料を専門としない場合でも,理解できるように講義を進めていく予定である. |