2025年 大学院理工学研究科 シラバス - 物質応用化学専攻
設置情報
科目名 | 化学工学特論Ⅲ | ||
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設置学科 | 物質応用化学専攻 | 学年 | 1年 |
担当者 | 松田 弘幸 | 履修期 | 後期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 金曜5 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | L55A |
クラス |
概要
学修到達目標 | 純物質および混合物の熱力学性質を,熱力学第一法則,第二法則に基づく算出法を解説する.本講義では,まず純物質の物性値としてP-V-T関係,蒸気圧,蒸発潜熱などを述べ,状態方程式を用いたP-V-T関係ならびにエンタルピー偏倚の計算法を学ぶ.次に分離プロセスの設計に重要な混合物の相平衡の特徴を述べ,活量係数式による計算法を学ぶ.具体的な学習目標は次のとおりである. 1. 各種プロセスを考察するときの基礎物性であるP-V-T関係・状態方程式・蒸気圧・気液平衡・固液平衡が理解できる. 2. 状態方程式および活量係数式を用いた気液平衡・固液平衡計算を電卓またはノートパソコンで行うことができるようになる. |
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授業形態及び 授業方法 |
「対面授業」 対面授業を行う.新型コロナウイルス感染症またはインフルエンザと診断された場合は,「新型コロナ・インフルエンザ罹患等申請システム」で必ず報告し,別途録画したオンデマンド動画で受講すること. 学会出張などにより休講および補講がある場合があります.その際はなるべく早めに連絡します. 授業内容のより深い理解のため,演習ならびにレポート提出を実施する. |
準備学習(予習・ 復習等)の内容・ 受講のための 予備知識 |
学部の「基礎物理化学」「量論化学工学I」「量論化学工学II」「物質分離工学」「専門化学実験VIb」の講義・学生実験で修得した化学工学の基本(物質収支,エネルギー収支,物性の基本,気液平衡,マッケーブ・シーレ法による蒸留塔の理論段数の算出) |
授業計画
第1回 | ガイダンス(本講義の目的と概要),純物質の熱力学的性質 -P-V-T関係- 本講義の目的と概要について説明する. 純物質の熱力学的性質の第1回目として,純物質のP-V-T関係ならびに状態方程式(ビリアル展開式,3次型状態方程式)について説明する. | 【事前学修】シラバスの内容を確認の上,授業に臨むこと.教科書29ページから32ページに記載されている熱力学の基礎を読んで理解できない箇所を質問できるようまとめておくこと。 【事後学修】講義中にて説明した純物質のP-V-T関係ならびに状態方程式(ビリアル展開式,3次型状態方程式)を復習すること. | 【事前学修】2時間 【事後学修】2時間 |
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第2回 | 純物質の熱力学的性質 -状態方程式(1)- 純物質の熱力学的性質の第2回目として,状態方程式(ビリアル展開式,3次型状態方程式)について説明する. | 【事前学修】教科書30ページから37ページを読んで理解できない箇所を質問できるようまとめておくこと. 【事後学修】講義中にて説明した状態方程式(ビリアル展開式,3次型状態方程式)を復習すること. | 【事前学修】2時間 【事後学修】2時間 |
第3回 | 純物質の熱力学的性質 -状態方程式(2)- 純物質の熱力学的性質の第3回目として,状態方程式(ビリアル展開式,3次型状態方程式)を用いたP-V-T関係の計算法について問題練習を行う. | 【事前学修】教科書30ページから39ページを読んで理解できない箇所を質問できるようまとめておくこと. 【事後学修】講義中に演習を行った状態方程式(ビリアル展開式,3次型状態方程式)を用いたP-V-T関係の計算に関する問題をもう一度解くこと. | 【事前学修】2時間 【事後学修】2時間 |
第4回 | 純物質の熱力学的性質 -状態方程式(3)- 純物質の熱力学的性質の第4回目として,状態方程式(ビリアル展開式)を用いたエンタルピー偏倚の計算法について説明を行う. | 【事前学修】教科書53ページから55ページを読んで理解できない箇所を質問できるようまとめておくこと. 【事後学修】講義中に説明した状態方程式(ビリアル展開式)を用いたエンタルピー偏倚の式誘導をもう一度行うこと. | 【事前学修】2時間 【事後学修】2時間 |
第5回 | 純物質の熱力学的性質 -状態方程式(4)- 純物質の熱力学的性質の第5回目として,状態方程式(ビリアル展開式)を用いたエンタルピー偏倚の計算法について問題練習を行う. | 【事前学修】教科書53ページから55ページを読んで理解できない箇所を質問できるようまとめておくこと. 【事後学修】講義中に演習を行った状態方程式(ビリアル展開式)を用いたP-V-T関係ならびにエンタルピー偏倚の計算に関する問題をもう一度解くこと. | 【事前学修】2時間 【事後学修】2時間 |
第6回 | グループ寄与法による臨界定数の推算 グループ寄与法であるLydersen法およびJoback法による臨界定数(臨界温度,臨界圧力,臨界体積)の計算法について説明する. | 【事前学修】教科書50ページから52ページを読んで理解できない箇所を質問できるようまとめておくこと. 【事後学修】講義中に演習を行ったLydersen法およびJoback法による臨界定数(臨界温度,臨界圧力,臨界体積)の計算に関する問題をもう一度解くこと. | 【事前学修】2時間 【事後学修】2時間 |
第7回 | 第1回目から第6回目の内容に関する演習を行う. | 【事前学修】第1回から第6回の講義で解いた練習問題をもう一度解いて,演習に備えること. 【事後学修】演習で解けなかった問題をもう一度自分で解くこと. | 【事前学修】3時間 【事後学修】2時間 |
第8回 | 混合物の熱力学的性質 -混合量,部分モル量,Gibbs-Duhem式- 混合物の熱力学的性質として,混合量,部分モル量,Gibbs-Duhem式について説明する. | 【事前学修】教科書60ページから64ページを読んで理解できない箇所を質問できるようまとめておくこと. 【事後学修】講義中に説明した混合量,部分モル量,Gibbs-Duhem式を復習すること. | 【事前学修】2時間 【事後学修】2時間 |
第9回 | 混合物の熱力学的性質 -フガシティー,フガシティー係数,活量係数,相平衡- 混合物の熱力学的性質として,フガシティー,フガシティー係数,活量係数について説明する.また,相平衡が成立する条件についても説明する. | 【事前学修】教科書69ページから70ページを読んで理解できない箇所を質問できるようまとめておくこと. 【事後学修】講義中に説明したフガシティー,フガシティー係数,活量係数,相平衡が成立する条件を復習すること. | 【事前学修】2時間 【事後学修】2時間 |
第10回 | 相平衡とその計算 -気液平衡(1)- 相平衡の第1回目として,気液平衡の原理およびその計算法について説明する. | 【事前学修】教科書77ページから81ページを読んで理解できない箇所を質問できるようまとめておくこと. 【事後学修】講義中に説明した気液平衡の原理およびその計算法を復習すること. | 【事前学修】2時間 【事後学修】2時間 |
第11回 | 相平衡とその計算 -気液平衡(2)- 相平衡の第2回目として,活量係数式(Margules式,Wilson式)を用いた気液平衡の計算法について問題練習を行う. | 【事前学修】教科書82ページから86ページを読んで理解できない箇所を質問できるようまとめておくこと. 【事後学修】講義中に演習を行った,活量係数式(Margules式,Wilson式)を用いた気液平衡の計算に関する問題をもう一度解くこと.また,活量係数式(Margules式,Wilson式)を用いた気液平衡の計算に関する問題練習(レポート)を行うこと. | 【事前学修】2時間 【事後学修】2時間 |
第12回 | 相平衡とその計算 -気液平衡(3)- 前回の活量係数式(Margules式,Wilson式)を用いた気液平衡の計算に関する問題練習(レポート)の解説を行う. 相平衡の第3回目として,気液平衡データの測定から活量係数式のパラメータ決定を経て,蒸留塔の分離に必要な理論段数(マッケーブ・シーレ法)を求めるまでの一連の問題練習を行う. | 【事前学修】活量係数式(Margules式,Wilson式)を用いた気液平衡の計算を復習すること.また,マッケーブ・シーレ法による蒸留塔の理論段数の算出を復習すること. 【事後学修】講義中に演習を行った気液平衡の計算およびマッケーブ・シーレ法による蒸留塔の理論段数の算出に関する問題をもう一度解くこと. | 【事前学修】2時間 【事後学修】2時間 |
第13回 | 相平衡とその計算 -固液平衡(1)- 相平衡の第4回目として,固液平衡の原理およびその計算法について説明を行う. | 【事前学修】教科書116ページから118ページを読んで理解できない箇所を質問できるようまとめておくこと. 【事後学修】講義中に説明した固液平衡の原理およびその計算法を復習すること. | 【事前学修】2時間 【事後学修】2時間 |
第14回 | 相平衡とその計算 -固液平衡(2)- 相平衡の第5回目として,活量係数式を用いた固液平衡の計算法について説明ならびに問題練習を行う. | 【事前学修】教科書118ページから119ページを読んで理解できない箇所を質問できるようまとめておくこと. 【事後学修】講義中に演習を行った活量係数式を用いた固液平衡の計算に関する問題をもう一度解くこと. | 【事前学修】2時間 【事後学修】2時間 |
第15回 | 理解度確認レポートの作成・提出,および解説 理解度確認レポートの作成および提出を行う.その後,その解説を行う. | 【事前学修】講義中に解いた例題・レポートの問題,および第7回の演習の問題を繰り返し自分で解いて,理解度の確認に備えること. 【事後学修】理解度確認レポートの解説を受け,間違えていた箇所を重点的に復習すること. | 【事前学修】3時間 【事後学修】2時間 |
その他
教科書 |
栃木勝己,宮野善盛,船造俊孝,鈴木潔光,辻智也,児玉大輔,松田弘幸 『化学技術者のための実用熱力学演習』 化学工業社 2013年 第1版
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参考資料コメント 及び 資料(技術論文等) |
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成績評価の方法 及び基準 |
理解度確認レポート(第15回)50%,演習(第7回)20%,レポート10%,授業への取り組み状況20% |
質問への対応 | 授業中外を問わず,随時対応する. |
研究室又は 連絡先 |
物質応用化学科化学工学研究室(駿河台校舎2号館1階215号室) メールアドレス(「あっと」は,半角@に直してください) 松田弘幸:matsuda.hiroyuki あっと nihon-u.ac.jp |
オフィスアワー |
木曜 駿河台 10:00 ~ 12:00 駿河台校舎2号館1階215号室
木曜 駿河台 10:00 ~ 12:00 メールで随時対応する
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学生への メッセージ |
・学会出張などにより休講および補講がある場合があります.その際はなるべく早めに連絡します. ・3次型状態方程式を用いたP-V-T関係や気液平衡の計算を行う際に,関数電卓のSOLVE機能を使用します.学部3年生のときの「専門化学実験VIb」で使ったことがあると思いますので,使い方を思い出しておいてください. |