2025年 大学院理工学研究科 シラバス - 量子理工学専攻
設置情報
科目名 | 量子力学特論Ⅰ | ||
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設置学科 | 量子理工学専攻 | 学年 | 1年 |
担当者 | 平松 尚志 | 履修期 | 前期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 金曜6 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | O56A |
クラス |
概要
学修到達目標 | 物理学および量子科学を専攻する上で重要となる量子力学を現代的な視点から定式化し,古典力学とは大きく異なる量子力学に特有な概念を学習する。 |
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授業形態及び 授業方法 |
「対面授業」 板書,もしくはスライドを用いた講義を行う。 |
準備学習(予習・ 復習等)の内容・ 受講のための 予備知識 |
予備知識としては、学部で学ぶレベルの複素関数論および量子力学の初歩的知識を有することが望ましい。準備学習としては、次回の講義内容を把握して、公開している講義ノートをよく読み、疑問点などをまとめておくこと。 |
授業計画
第1回 | 数学的準備 -量子力学で必要になる数学として、ヒルベルト空間、ブラベクトルとケットベクトル、演算子のエルミート共役など、複素線形代数全般について学ぶ。 | 事前学修:複素関数論の復習を行っておくこと。 事後学修:授業の内容を復習し,疑問点を明らかにして次回に質問できるようにしておくこと。 | 事前学修:2時間 事後学修:2時間 |
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第2回 | 量子力学の枠組み1 - 量子力学のルール,状態と物理量,ボルンの確率則など,量子力学の考え方の基本となる事項を学ぶ。 | 事前学修:前回の授業内容の復習を行っておくこと。 事後学修:授業の内容を復習し,疑問点を明らかにして次回に質問できるようにしておくこと。 | 事前学修:2時間 事後学修:2時間 |
第3回 | 量子力学の枠組み2 - シュレーディンガー方程式,密度演算子,射影仮説,シュレーディンガー表示とハイゼンベルク表示など,量子力学の考え方の基本となる事項を学ぶ。 | 事前学修:前回の授業内容の復習を行っておくこと。 事後学修:授業の内容を復習し,疑問点を明らかにして次回に質問できるようにしておくこと。 | 事前学修:2時間 事後学修:2時間 |
第4回 | 連続変数の量子力学1 - 離散量と連続量,位置演算子,運動量演算子など,無限次元ヒルベルト空間への拡張を行う。 | 事前学修:前回の授業内容の復習を行っておくこと。 事後学修:授業の内容を復習し,疑問点を明らかにして次回に質問できるようにしておくこと。 | 事前学修:2時間 事後学修:2時間 |
第5回 | 連続変数の量子力学2 - 不確定性原理,無限次元の状態に対するシュレーディンガー方程式など,無限次元ヒルベルト空間への拡張を行う。 | 事前学修:前回の授業内容の復習を行っておくこと。 事後学修:授業の内容を復習し,疑問点を明らかにして次回に質問できるようにしておくこと。 | 事前学修:2時間 事後学修:2時間 |
第6回 | シュレーディンガー方程式の解析1 - 自由粒子,井戸型ポテンシャル,デルタ関数ポテンシャルなど,シュレーディンガー方程式を用いて具体的な系を解析する。 | 事前学修:前回の授業内容の復習を行っておくこと。 事後学修:授業の内容を復習し,疑問点を明らかにして次回に質問できるようにしておくこと。 | 事前学修:2時間 事後学修:2時間 |
第7回 | シュレーディンガー方程式の解析2 - 調和振動子,V字型ポテンシャル,粒子散乱など,シュレーディンガー方程式を用いて具体的な系を解析する。 | 事前学修:前回の授業内容の復習を行っておくこと。 事後学修:授業の内容を復習し,疑問点を明らかにして次回に質問できるようにしておくこと。 | 事前学修:2時間 事後学修:2時間 |
第8回 | 角運動量とその合成 - 角運動量の固有状態とその合成について解説する。 | 事前学修:前回の授業内容の復習を行っておくこと。 事後学修:授業の内容を復習し,疑問点を明らかにして次回に質問できるようにしておくこと。 | 事前学修:2時間 事後学修:2時間 |
第9回 | アドバンストな話題1 - 密度演算子と混合状態,合成系と部分系,量子エンタングルメントなどに関する話題を解説する。 | 事前学修:前回の授業内容の復習を行っておくこと。 事後学修:授業の内容を復習し,疑問点を明らかにして次回に質問できるようにしておくこと。 | 事前学修:2時間 事後学修:2時間 |
第10回 | アドバンストな話題2 - 簡単な量子計算の実例を基に,量子情報理論に関係する話題を解説する。 | 事前学修:前回の授業内容の復習を行っておくこと。 事後学修:授業の内容を復習し,疑問点を明らかにして次回に質問できるようにしておくこと。 | 事前学修:2時間 事後学修:2時間 |
第11回 | アドバンストな話題3 - 二重井戸ポテンシャル,周期ポテンシャル,共鳴など,量子トンネル効果に関する話題を解説する。 | 事前学修:前回の授業内容の復習を行っておくこと。 事後学修:授業の内容を復習し,疑問点を明らかにして次回に質問できるようにしておくこと。 | 事前学修:2時間 事後学修:2時間 |
第12回 | 超対称量子力学 - 厳密に解ける理論模型として超対称量子力学を紹介する。 | 事前学修:前回の授業内容の復習を行っておくこと。 事後学修:授業の内容を復習し,疑問点を明らかにして次回に質問できるようにしておくこと。 | 事前学修:2時間 事後学修:2時間 |
第13回 | 電磁場中の量子力学 -電磁場が存在する場合に現れるアハロノフ・ボーム効果と,その背後にあるベリー位相について解説する | 事前学修:前回の授業内容の復習を行っておくこと。 事後学修:授業の内容を復習し,疑問点を明らかにして次回に質問できるようにしておくこと。 | 事前学修:2時間 事後学修:2時間 |
第14回 | 量子力学とベルの不等式 - スピン相関,EPR パラドックス,ベルの不等式に関して解説を行う。 | 事前学修:前回の授業内容の復習を行っておくこと。 事後学修:授業の内容を復習し,疑問点を明らかにして次回に質問できるようにしておくこと。 | 事前学修:2時間 事後学修:2時間 |
第15回 | これまでのまとめ | 事前学修:前回の授業内容の復習を行っておくこと。 事後学修:授業の内容を復習し,疑問点を明らかにしておくこと。 | 事前学修:2時間 事後学修:2時間 |
その他
教科書 |
特に指定の教科書はない。
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参考資料コメント 及び 資料(技術論文等) |
初田泰之 『量子力学入門 [ISBN:978-4320036338]』 共立出版 2025年 第1版
J. J. サクライ,ナポリターノ 『現代の量子力学(上)第3版 [ISBN:978-4842703763]』 物理学叢書 吉岡書店 2022年 第3版
基本となる事項は上記参考書でカバーされていますが,授業内容をすべてカバーしているわけではありません。
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成績評価の方法 及び基準 |
授業中に出題する課題(80%),授業における質問などの積極性(20%) |
質問への対応 | 質問は授業中に行い,疑問点を次に残さないことを望みます。また,メールでも受け付けます。 |
研究室又は 連絡先 |
研究室:駿河台校舎8号館833D メール:決定次第お知らせします |
オフィスアワー |
金曜 駿河台 17:00 ~ 18:00 駿河台校舎8号館833D
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学生への メッセージ |
この授業の前半では量子力学の基礎を扱い,後半は量子力学の最近の発展につながる話題を取り上げます。量子力学に興味のある学生さんは,ぜひ受講してください。 |