2025年 大学院理工学研究科 シラバス - 物質応用化学専攻
設置情報
科目名 | 生命化学特別研究 | ||
---|---|---|---|
設置学科 | 物質応用化学専攻 | 学年 | 1年 2年 3年 |
担当者 | 浮谷 基彦 | 履修期 | 年間 |
単位 | 8 | 曜日時限 | 土曜4 土曜5 土曜6 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | L64K L65K L66K |
クラス |
概要
研究テーマ 及び研究領域 |
・主に植物を起源とする機能性分子の単離・同定を行い,必要に応じて化学修飾を施し,得られた機能性分子の病態モデルに対する作用と作用メカニズムを解明する. ・具体的には,東南アジア伝統生薬を素材として,高純度精製技術,質量分析計やNMR等を用いた未知成分の構造決定技術を応用して,新規な生理活性物質を探索する.また,培養細胞を用いた病態モデル系で,得られた生理活性物質の,がん,炎症,メラニン産生に及ぼす作用を測定するとともに,フローサイト分析等の最新の生化学的手法を用いて,作用メカニズムの解明を行う. ・作用と作用メカニズムが明らかになった成分に関しては,企業と共同で医薬品リード化合物や機能性食品素材としての実用化を試みる.最終的には,人類の生活に質向上の一助となる研究成果を目指す. ・近年クローズアップされている、博士論文や投稿論文作成におけるモラルの向上にも取り組んでいただく. |
---|---|
学修到達目標 | 我々が研究対象としてきた植物の二次代謝産物である天然有機化合物は,その多様な化学構造のため生理活性を有するものが多い.人類は,天然有機化合物を生薬,食品添加物として利用するとともに,化学的に有効成分の解明を行ってきた.また,天然物由来の成分が,実用化された多くの医薬品のリード化合物であることはよく知られている.しかしながら,植物や微生物資源の枯渇により,新規かつ有効な二次代謝産物の発見数は減少の一途を辿っている. 本科目では,上記の現状に鑑み,化学と生化学の両方の知識を駆使して,生理活性成分の探索に留まらず,生理活性成分の機能を総合的に研究に必要な技術の習得を目指す.さらに,現象論でなく,工学的見地で研究を遂行し学位論文を作成するばかりでなく,論文投稿等の外部発表も積極的に行ってもらう.また,研究を通して,語学力,企画力,創造力,実行力,指導力を身につけ,修了後に研究者や技術者となったときに身につけていなければならない能力を養う. |
研究指導の計画・ 研究指導の方法 (授業形態・授業 方法) |
研究テーマにそって,調査,実験,討論,学会発表,論文投稿を行うとともに博士論文として総合的に研究成果をまとめる. |
準備学習(予習・ 復習等)の内容・ 受講のための 予備知識 |
基礎生命科学と基礎有機化学の内容を必ず身につけておくこと.また,生命有機化学Ⅰ・Ⅱ,有機化学Ⅰ~Ⅱを習得していることが望ましい.また,専門英語の論文を読む為の英語力は必須. |
その他
成績評価の方法 及び基準 |
研究・実験態度,実験量,研究成果,学会発表,博士論文の内容,プレゼンテーション能力により総合的に評価する. 博士論文を作成し,審査に合格するために必要な,申請書類の作成能力,主査,副査,教務課と連携するために必要な人間力なども評価対象とする. |
---|---|
質問への対応 | 研究室にて随時対応. |
研究室又は 連絡先 |
駿河台校舎2号館233A号室(浮谷) |
オフィスアワー |
月曜 駿河台 17:00 ~ 18:00
|
学生への メッセージ |
教員から与えられたテーマの範疇にとどまらず,学習した内容や経験を取り入れて,研究内容を広げて,最終的に学位論文に収束させる努力をしてください.独力で研究に取り組む姿勢を持ちながら,教官や仲間の学生とのコミュニケーションを図り,広範な情報収集能力や情報発信能力を磨いてほしい. 修士課程,博士課程の合計5年間の貴重な時間を最大限に活用するために,実際の研究を通じて自分の能力と意識を最大限に高め,更に研究者としての感性を磨き,自分に対しての自信を充分身につけ,社会へチャレンジして下さい. 博士号を得ることは研究者としてのスタートラインですが,大学院で培った知識や技術は一生自分についてまわるものです.博士研究を通じておおいに実験に成功しては喜び,おおいに実験に失敗しては嘆き,それらの多くの経験の中からぜひ自分の次の研究の種を見つけて下さい 論文や発表原稿の作成に当たり,著作権がある画像,文章を無断で転載したり,いわゆるデータの使い回しが問題になることがあります。科学者のモラルに関しても、正しい認識を身につけていただきたいと思います. |