2017年 大学院理工学研究科 シラバス - 土木工学専攻
設置情報
科目名 |
土質力学演習Ⅰ
(地盤の不安定問題における総合的評価技術の習得)
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設置学科 | 土木工学専攻 | 学年 | 1年 |
担当者 | 岡田 仁 | 履修期 | 後期 |
単位 | 1 | 曜日時限 | 水曜5 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | A35C |
クラス | |||
ポリシー | ディプロマ・ポリシー【DP】 カリキュラム・ポリシー【CP】 |
概要
学修到達目標 | 地盤の不安定問題(地盤沈下・斜面崩壊・掘削に伴う地盤変状・地震災害等)を扱う上で、土質力学の公式や解析技術を用いて検討するだけでは、不確定要素が多く、地盤の現象を正しく評価できない。地盤の物理的・力学的性状が異なることや地盤の生い立ちを考慮し、かつ過去のトラブル事象を踏まえて工学的な判断を加えて解析モデルや解析条件等を設定し、判断することが重要である。 本授業では、東京周辺の地盤を例に取り、地盤の生いたちとトラブル事象を基に、実践的な地盤の総合判断能力を高める学習をする。 構造物の建設、維持管理をおこなう上での地盤に関わる総合的判断能力が身に付き、東京の地盤を工学的に説明することができる。 |
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授業形態及び 授業方法 |
スライドおよび配布資料を用いた講義と課題演習によるディスカッションを基本として進める。適宜、黒板で実工事での適用例等で補足をおこなう。 授業計画は、質問への回答およびディスカッションの状況により左右されるので確定的ではないが、代表的な一例として下記に示す。 |
準備学習(予習・ 復習等)の内容・ 受講のための 予備知識 |
土質力学および地盤工学の基礎知識は最低限必要です。教科書、ノート等の復習をしておいてください。 適宜課題を出します。課題は確実に実施しておくこと。正答でなくても構いません。自分の考えを整理し、レポートにまとめてください。 |
授業計画
第1回 | 授業のねらい,授業の進め方、参考資料の説明 地盤の不安定問題における土質力学・地盤工学の課題、問題点 |
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第2回 | 課題演習に基づくディスカッションにより地盤の総合的判断力の必要性を理解する |
第3回 | 東京の地盤 山の手台地と下町低地の地盤の違いと構造物の計画・設計・施工にあたっての留意点 開発による地盤の変貌 |
第4回 | 山の手台地の地形・地質・地層構成・おいたちの違いによる工学的評価 |
第5回 | 山の手台地の川と谷、地下水問題、局所的地盤沈下、水害 課題演習によるディスカッションにより問題点を理解する |
第6回 | 山の手台地の地盤と水 関東ローム層の工学的特性と地盤トラブル |
第7回 | 下町低地の地盤と災害 下町低地の地形・地質、生いたち、広域地盤沈下問題、関東造盆地運動、南関東ガス田 |
第8回 | 東京低地・多摩川低地・台地部の河谷低地の沖積層 課題演習によるディスカッションにより問題点を理解する |
第9回 | 地盤の総合評価応用(1) 地盤と地震災害;南関東大地震(東京下町低地の地盤災害、神奈川県小田原市の山津波、千葉市台地部での液状化)、首都直下型地震 |
第10回 | 地盤の総合評価応用(2) 地形、地質を利用した先人の知恵 江戸から東京への発展(江戸の開発、上水道開発、利根川東遷、利根川水系広域氾濫対策) |
第11回 | 地盤の総合評価応用(3) 地盤トラブルの事例と地盤工学上の着眼点 |
第12回 | 地盤の総合評価応用(4) 大規模掘削工事に伴う地盤変状検討例 (解析上の問題点の洗い出し) |
第13回 | レポート作成 地盤トラブルの課題提示 |
第14回 | レポート発表 |
第15回 | まとめ |
その他
教科書 |
指定しない。授業の都度、必要に応じプリントを配布する。
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参考資料コメント 及び 資料(技術論文等) |
『東京の自然史』 貝塚爽平 講談社学術文庫 2011年 第1版
土木技術者にとって社会に出てから役に立つ本です。
ぜひ熟読してください。
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成績評価の方法 及び基準 |
授業におけるディスカッションへの対応およびレポートの内容評価 |
質問への対応 | 教室で対応する。 |
研究室又は 連絡先 |
御茶ノ水校舎(旧法科大学院)7階 Tel&Fax:03-3259-0675 E-mail:sigemura@civil.cst.nihon-u.ac.jp |
オフィスアワー | |
学生への メッセージ |
この授業を通じて、地盤を総合的に評価し、問題を解決する楽しさと重要性を感じ取って欲しい。授業でわからないことはその場で質問して内容を理解し、論文・雑誌等でさらに理解度を深める習慣を身につけて欲しい。 |