2017年 大学院理工学研究科 シラバス - 土木工学専攻
設置情報
科目名 |
土木構造学特論Ⅴ
構造物の重大な変状とメンテナンス工学
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設置学科 | 土木工学専攻 | 学年 | 1年 |
担当者 | 小西・高木 | 履修期 | 前期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 木曜5 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | A45A |
クラス | |||
ポリシー | ディプロマ・ポリシー【DP】 カリキュラム・ポリシー【CP】 |
概要
学修到達目標 | ・社会基盤施設(主として鋼構造物)に作用する力によって発生する応力(引張応力、圧縮応力、せん断応力)、変状として現れる破壊現象の座屈、疲労等及び溶接等継手構造の特徴、設計について理解する。 ・社会基盤施設(主として道路関係)の維持管理(メンテナンス)、供用後に発生する種々な変状、発生している変状を適切に把握する点検・診断、必要な対策(維持、補修、補強等)内容と効果、マネジメントについて理解する。 ・実務に機能する即戦力となる専門技術者を目指す。 |
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授業形態及び 授業方法 |
・講義(座学)型式を主として行う。 ・講義は、基本的にパワーポイントを使用し、その都度詳細に解説する。 |
準備学習(予習・ 復習等)の内容・ 受講のための 予備知識 |
・学習到達目標に示したように鋼構造物の力学特性など基礎的な専門知識について学習する前半、供用開始後に発生する種々な変状、点検・診断、メンテナンスマネジメント等を学習する後半に分けて基本から実務を学ぶ流れとなっている。 ・講義内容の修得度を高めるためには、構造力学等の基礎知識、社会基盤施設に関する国内外情報を収集するだけでなく、講義ごとに受講した内容を復習し、次回以降の講義時に役立てることが必要である。 ・講義を聞くだけでなく、疑問点や意見を配布資料を基にその都度確かめる意欲が必要である。 |
授業計画
第1回 | 鋼構造物の技術史 鋼の力学的性質 ・鋼の組成と性質 ・鋼の破壊 |
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第2回 | 鋼部材の破壊 ・き裂と破壊 ・破壊靱性 |
第3回 | 引張部材,曲げ部材の設計 ・引張り部材の内部応力 ・欠損の影響 ・ケーブル |
第4回 | 圧縮部材の座屈と座屈設計 ・柱の座屈 ・板の座屈 |
第5回 | 鋼橋の疲労 ・疲労損傷事例 ・疲労とは ・疲労に関するトピックス |
第6回 | 破壊制御設計 ・衝撃強さ ・脆性破壊防止設計 |
第7回 | 溶接構造の設計施工 ・溶接 ・溶接施工と溶接欠陥 ・溶接部の設計 |
第8回 | 構造物の建設と管理 ・建設と管理 ・社会基盤施設の抱えている現状 ・維持管理とは? |
第9回 | 構造物の点検・診断 ・点検と法制度化 ・非破壊調査の概要と特徴 ・健全度(損傷度)診断 |
第10回 | 構造物に発生する変状の要因と機構 ・鋼構造物の損傷・劣化 ・コンクリート構造物の損傷・劣化 ・付属物の損傷・劣化 |
第11回 | 構造物の劣化予測と寿命 ・劣化予測の種類 ・確率的劣化予測と確定的劣化予測 ・統計的劣化予測事例研究 |
第12回 | 構造物の補修と現状 ・維持工事 ・性能回復と補修技術 ・補修対策の概要と特徴 |
第13回 | 構造物の補強と現状 ・性能向上と補強技術 ・補強対策の概要と特徴 |
第14回 | 構造物のライフサイクルとインフラマネジメント ・ライフサイクルコスト ・社会的便益と費用便益分析 ・投資判断技術と会計(公会計) ・インフラマネジメントの種類と特徴 |
第15回 | 構造物の変状とその対策、戦略的メンテナンスに関わる平常試験とその解説 ・講義前後半のポイントについて試験を行う。 ・試験を行う趣旨説明と個別解説を行い理解度を高める。 |
その他
教科書 |
教科書は特別に指定はしない。ただし、講義時に使用する資料を講義前日までに配布するのでそれを基に事前予習し、復習することが必要である。
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参考資料コメント 及び 資料(技術論文等) |
三木千寿 『橋梁の疲労と破壊』 朝倉書店 2007年
小澤一雅、髙木千太郎他 『アセットマネジメント導入への挑戦』 技報堂出版 2007年
本講義を受講する際にこれら書籍を参考書として活用することで、講義内容の理解度が高まり、講義で得たスキルを実務に役立つ。ここに掲載した書籍以外に「これならわかる道路橋の点検」建設図書、「社会インフラ・メンテナンス工学」(公社)土木学会なども参考にするとよい。
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成績評価の方法 及び基準 |
①課題レポート:60% ②講義時平常試験:30% ③授業対応意欲:10% |
質問への対応 | ・講義内容及び関連事項について質問や疑問がある場合は、講義終了後に質問すること。 ・講義終了後に復習等で疑問がある場合は、講義開始前に内容を整理し質問すること。 なお、下記メールアドレスに質問事項を送ることも可能であるが必ず本人氏名、学籍番号及び本人メールアドレスを明記すること。 |
研究室又は 連絡先 |
・小西非常勤講師:konishi@tcu.ac.jp ・髙木非常勤講師:takasent@tecmex.or.jp |
オフィスアワー | |
学生への メッセージ |
・小西及び髙木講師は、学会、行政関連委員会等において種々な活動を行っているので、実務に関連する種々な事項や将来進路を含めた質問に対し、その都度対応するので十分活用すること。 |