2018年 理工学部 シラバス - 物理学科
設置情報
科目名 | 流体力学 | ||
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設置学科 | 物理学科 | 学年 | 3年 |
担当者 | 長山 好夫 | 履修期 | 前期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 火曜1 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | M21P |
クラス | |||
ポリシー | ディプロマ・ポリシー【DP】 カリキュラム・ポリシー【CP】 | ||
履修系統図 | 履修系統図の確認 |
概要
学修到達目標 | 科学研究、技術・商品開発、試験・運転などの現場では、力学、電磁気学とならんで流体力学の力が必要な場面が多々ある。現場でのトラブルで雑音や熱が絡むことがしばしば発生するが、熱問題の解決には流体力学の応用力が必須である。現場で役立つ流体力学の力を身につける。 |
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授業形態及び 授業方法 |
講義、演習、小テスト |
履修条件 | 解析学、力学 |
授業計画
第1回 | 流体の性質: 流体の用語(流速、流量、、密度、比体積、比重、体積弾性係数、圧縮率、粘度、動粘度、国際単位系など)。 圧力とせん断応力。ニュートンの粘性法則。気体の状態方程式 |
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第2回 | 流体の静力学: 静止流体中の圧力。パスカルの原理。気体中の圧力。 直線運動、回転運動をする流体容器内の圧力。 |
第3回 | 壁面に作用する圧力: 平板に作用する圧力。曲面に作用する圧力。容器内に作用する圧力。 浮力。 |
第4回 | 流体の運動と一次元流れ: 流線、流管。 質量保存則と連続の式。 エネルギー保存則とベルヌーイの定理 |
第5回 | 運動量の法則: 運動量の法則。角運動量の法則。 管路、静止版、移動羽根、タンクに流体が及ぼす力。プロペラの推力。 |
第6回 | 粘性流体の内部流れ: 平衡平板間の流れ。上板が移動する平板間の流れ。 円管路内の流れ。ハーゲン・ポアズイユ流れ すき間の流れ。軸受。 |
第7回 | 水平な直管路内の流れ: 層流と乱流 円管の摩擦損失 |
第8回 | 二次元流れの乱流: 混合距離、対数法則、指数法則。 |
第9回 | 流れの相似則と次元解析: 相似則。模型実験。 レイノルズ数、フルート数、マッハ数。 次元解析。レイリーの方法。バッキンガムのΠ定理 |
第10回 | 流体の運動と基礎方程式: 流帯要素の運動と変形(並進運動、伸縮変形、せん断変形、回転運動) オイラーの運動方程式 極座標と円柱座標での基礎方程式 循環、強制渦と自由渦 |
第11回 | 二次元ポテンシャル流れ: 速度ポテンシャル、流れ関数、複素ポテンシャル 一様流れ、渦、わき出しと吸い込み 流れの合成、二重わき出し、鏡像 |
第12回 | 物体まわりの流れ: 物体に働く力。抗力と揚力 円柱や球の抗力係数 カルマン渦 回転する円柱に働く揚力 |
第13回 | 粘性流体の運動方程式: 流体に働く応力 せん断応力による変形速度 垂直応力による変形速度 ナビエ・ストークス方程式の導出 |
第14回 | ナビエ・ストークス方程式: ナビエ・ストークス方程式の無次元化 ナビエ・ストークス方程式の適用(平行平板間流れ、円管内流れ、ストークス流れ) |
第15回 | 流体力学の応用: ベルヌーイの定理の応用 ナビエ・ストークス方程式の応用 |
その他
教科書 | |
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参考書 |
『演習で学ぶ「流体の力学」入門』 西海孝夫、一柳隆義 (株)秀和システム 2013年 第1版
流体の静力学から始まり、粘性流体の運動方程式(ナビエ・ストークス方程式)まで、基礎的な流体力学を網羅する。全15章からなり、1回の講義と1つの章が対応する。各章は、本文解説と演習問題および詳細な問題解答からなり、演習問題を解くことで自然と力が身につくようになっている。高校数学レベルの力があれば自学自習も容易である。類例のない画期的な流体力学の教科書である。
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成績評価の方法 及び基準 |
毎回、10分間程度の小テストを実施し、小テストの合計点で成績評価する。 |
質問への対応 | 短いものなら授業時間あるいは授業前に対応する。長い質問は研究室で対応する。 |
研究室又は 連絡先 |
7号館2階721B号室。 電子メール:nagayama.yoshio@nihon-u.ac.jp 内線:898 |
オフィスアワー | |
学生への メッセージ |
流体力学は、科学技術の現場では必須であるが、用語が新奇で、偏微分方程式を多用するので覚えずらく忘れやすい。しかし、演習を繰り返すことで意外に分かるようになる。そこで、一夜漬けの定期試験より、小テストでこまめに復習をしていただく。ただし、問題の内容は前週に告知し、解答が教科書に記載されているものを選ぶので、普通に勉強していれば高得点がとれるはず。 |