2021年 理工学部 シラバス - 土木工学科
設置情報
科目名 | プロジェクトスタディⅠ | ||
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設置学科 | 土木工学科 | 学年 | 3年 |
担当者 | 重村・長谷部・原 他 | 履修期 | 前期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 土曜3・4 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | A63M |
クラス | TD | ||
履修系統図 | 履修系統図の確認 | ||
その他 | 実務経験のある教員による授業科目 |
概要
学修到達目標 | 土木の事業(プロジェクト)を進めるためにはプロジェクトの過程で様々な構造物を築造する必要がある。このコースでは、実務経験者による実例を交えた説明を通して、プロジェクト全体の流れを俯瞰できる力を養うと共に,具体的な構造物の設計や積算課題を通じて,土木の基本的な専門知識を設計や施工に応用できる力を身につけます。また、グループワークを通して議論する力を養うとともにプレゼンテーション能力の向上を目指します。 |
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授業形態及び 授業方法 |
この科目は「ハイブリッド型授業」で行います。 テクニカルデザインコースでは、コースをA、B、Cの3つのグループに分けて少人数化(約25名程度)を図る。各グループ年間を通じて実際の土木プロジェクトを題材とした課題に取り組み、土木技術者としての素養を身につける。 各グループの前期(プロジェクトスタディⅠ)の課題は以下のとおりである。 Aグループ:水工構造物(重力式ダム)の設計 Bグループ:スパン1mの木製橋梁の設計と製作 Cグループ:掘削地盤の設計 授業は、設計手法に関する技術を教授し、得られた知識を深めるために演習を行う。講師による実務経験談、現場映像等によって現場の視点も学ぶ。また、受講者の発表能力向上のために、折々にプレゼンテーションできる機会を提供し議論を行う。成果物として、設計計算書・模型などを作成し、それをプレゼンテーションする。 |
履修条件 | 応用力学・構造力学・水理学・地盤力学・建設材料ほか土木の専門科目の基本的知識が必要です。 |
授業計画
第1回 | ガイダンス・「テクニカルデザイン」コースの説明(位置付け)を行う。設計課題の選択・グループ分けアナウンスをする。 A:プロジェクトの概念を確認し,チーム毎にダムの必要性(目的),メリットや課題、さらに安定条件に関して検討・発表を行う。 【事後学習】討議内容を踏まえて,力学的安定性を検討するために必要となる応用力学の内容を復習すること。(60分) B:土木プロジェクトの流れ,様々な橋梁形式に関する講義を行う。 応用力学や構造力学Ⅰで学んだ「はり」に関する理論を確認する演習,簡易はり模型の製作を行う。 【事前学習】応用力学,構造力学Ⅰの内容を復習しておくこと。(60分) 【事後学習】はり理論に関する演習の内容を復習すること。(60分) C:公共事業の流れ,官庁・民間の実際の事業における役割を講義する.また,設計課題である土留め工事を伴う様々なプロジェクトについて整理する。 【事後学習】土留め工事を伴うプロジェクトについて各自事例を調査すること。(90分) |
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第2回 | A:大型土木工事プロジェクト実績について話題提供し,建設プロセスについて確認する。さらにわが国におけるダム設計基準を講義し,設計に必要な外力と安定条件について検討・発表を行う。 【事前学習】ダムの設計に必要な作用外力と安定条件について確認すること。(60分) 【事後学習】検討内容を踏まえて,ダムの設計基準に関して復習すること。(60分) B:簡易はり模型の実験,橋梁の設計法に関する講義,はり模型の設計計算演習を行う。 【事前学習】簡易模型製作に取り組むこと。(60分) 【事後学習】実験内容のレポートを作成すること。レポートは後日添削し,返却する。再提出が必要な場合は個々に指示する。(60分) C:土留めの設計について講義し,設計課題と設計条件について説明を行う。 【事前学習】土留め工事を伴うプロジェクトについてレポートにまとめること。(60分) 【事後学習】設計条件等を設計書にまとめ整理すること。(60分) |
第3回 | A:設計書の内容について,講義する。またダムの安定条件・支持力について解説し,簡易なモデルを用いた演習を行う(演習1)。さらに土木プロジェクト遂行にあたって必要不可欠となる調査内容について説明を行い,チーム毎に検討を開始する。 【事前学習】力の釣り合い条件や計算手法などを復習しておくこと。(60分) 【事後学習】演習内容を復習すること。また,土木プロジェクトを例に問題となっていることを確認し,調査項目について整理すること。(60分) B:CAD実習(CADソフトの使用方法,GW橋梁の一般図作成)を行う。 【事前学習】簡易はり模型の橋梁一般図を描くこと。(60分) 【事後学習】CAD実習の内容を復習すること。(60分) C:土留の安定および側圧の算定に関して講義し,各自の設計条件における設計計算書を作成する。 【事前学習】地盤力学Ⅱの土圧について復習しておくこと。(90分) 【事後学習】主働側圧の計算書を照査すること。(60分) |
第4回 | A:簡易なモデルを用いたダム安定性に関する演習を行う(演習2)。さらにチーム毎にダム調査プロジェクトの検討を行う。 【事前学習】ダム建設地点の調査結果について資料に目を通すこと。(60分) 【事後学習】演習内容を復習すること。(60分) B:独自のはり模型の載荷実験コンテストを行う。グループワーク(以下GW)課題の説明およびグループ分けを行う。 【事前学習】各自の橋梁模型製作に取り組むこと。(60分) 【事後学習】実験内容のレポートを作成すること。レポートは後日添削し,返却する。再提出が必要な場合は個々に指示する。(60分) C:グループ内で側圧に関する設計計算書の相互確認を行い,地盤条件が側圧分布に及ぼす影響について考察する。 【事前学習】受働側圧の計算書を作成しておくこと。(60分) 【事後学習】グループ内での相互確認結果を踏まえ,計算書を修正し完成させておくこと。(60分) |
第5回 | A:ダム建設地点の調査結果について,チーム毎に検討・取りまとめ,プレゼンテーションの準備を行う.また,演習により,ダム構造設計の理解をさらに深める(演習3)。 【事前学習】ダム調査のうち担当する分野に関する資料収集・分析を行うこと。(60分) 【事後学習】演習内容を復習すること。またプレゼンテーション内容を確認すること(60分) B:骨組み構造解析の実習(解析ソフトの使用方法,演習,GW橋梁のモデル化)を行う。 【事前学習】GW橋梁の構造一般図を作成すること。(60分) 【事後学習】骨組み構造解析実習の内容を復習すること。(60分) C:側圧に対する土留めの必要根入れ長の算定に関する講義を行い,各自の設計条件における設計計算書を作成する。 【事前学習】受働側圧の計算書を作成しておくこと。(60分) 【事後学習】各施工ステップにおけるつり合い根入れ長の計算をしておくこと。(60分) |
第6回 | A:ダムプロジェクトのうち,調査段階を対象にした前回検討・取りまとめた内容に関して,チーム毎にプレゼンテーションを行う.また,過去の自然災害を例に,土木構造物の潜在リスクに関して話題提供する。。 【事前学習】ダムプロジェクトの調査に関してチームごとにプレゼンテーションの準備をすること。(60分) 【事後学習】河川構造物の抱えるリスクについて整理すること。(60分) B:GW橋梁の構造解析および図面作成を行う。 【事前学習】GW橋梁の骨組み構造解析を実施すること。(60分) 【事後学習】GW橋梁の骨組み構造解析結果を精査すること。(60分) C:グループ内で側圧に対する土留めの必要根入れ長に関する設計計算書の相互確認を行い,地盤条件が必要根入れ長に及ぼす影響について考察する。 【事前学習】必要根入れ長の計算書を精査しておくこと。(60分) 【事後学習】相互確認を踏まえて必要根入れ長を算定しておくこと。(60分) |
第7回 | A:過去の自然災害を例に,土木構造物の潜在リスクに関して話題提供する。また,チーム毎に,ダムの設計条件の確認を行い,設計検討書の作成に着手する。さらにダム設計について,さらなる理解を深める(演習4)。 【事前学習】ダムの安定計算に関する資料に目を通すこと。(60分) 【事後学習】演習内容を復習すること。(60分) B:GW橋梁の模型製作準備(図面,構造計算書,数量計算書の1次チェック)を行う。 【事前学習】橋梁模型の図面,構造計算書,数量計算書を作成すること。授業内で修正箇所を指示し,返却する。(60分) 【事後学習】橋梁模型の図面,構造計算書,数量計算書を修正すること。(60分) C:掘削底面の安定性(ヒービングなど)による根入れ長の算定に関する講義を行い,各自の設計条件におけるを設計計算書を作成する。 【事前学習】掘削工事における底面の安定に関する資料に目を通しておくこと。(60分) 【事後学習】側圧の算定,必要根入れ長,掘削底の安定の計算書を見直しておくこと。(60分) |
第8回 | A:設計検討書の作成を行う。また設計フロー,設計条件・高さおよび基本断面決定に関する検討を行う。さらにダム安定検討のうち平水時での検討方法について,理解を深める。 【事前学習】平水時のダムに採用する外力について整理するとともに,安定計算(平水時)に関する資料に目を通すこと。(60分) 【事後学習】ダムの安定計算(平水時)に関する設計検討結果を評価すること。(60分) B:予備実験用橋梁模型製作を進める。 【事前学習】模型製作の工程を検討すること。(60分) 【事後学習】模型製作の工程を見直し,適宜修正すること.必要であれば,書類(図面等)を修正すること。(60分) C:土留め壁の応力計算と応力度検討(最下段支保工設置前の掘削時・最終掘削時)に関する講義を行い,各自の設計条件における設計計算書を作成する。 【事前学習】土留め壁の応力計算と応力度に関する資料に目を通しておくこと。(60分) 【事後学習】土留め壁の応力計算と応力度の計算書を精査しておくこと。(60分) |
第9回 | A:ダムの安定計算(高水時)に関する解説を行い,設計検討書の作成を進める。 【事前学習】高水時のダムに採用する外力について整理するとともに,安定計算(高水時)や水理条件等に関する資料に目を通すこと。(60分) 【事後学習】ダムの安定計算(高水時)に関する設計成果を評価すること。(60分) B:予備実験用橋梁模型製作を行う。 【事前学習】模型製作の工程を検討すること。(60分) 【事後学習】グループ内で模型製作工程の修正点を議論し,本実験に備えること。(60分) C:土留め壁の腹起しおよび切梁の応力計算と応力度検討に関する講義を行い,各自の設計条件における設計計算書を作成する。 【事前学習】留め壁の腹起しおよび切梁の応力計算と応力度に関する資料に目を通しておくこと。(60分) 【事後学習】留め壁の腹起しおよび切梁の応力計算と応力度の計算書を精査しておくこと。(60分) |
第10回 | A:ダムの安定計算(空虚時),断面修正方法に関する解説を行い,設計検討書の作成を進める。さらに,ダム下流側の流況を確認し,対策工の要否を検討する。 【事前学習】ダムの安定計算(空虚時),断面修正に関する資料に目を通すこと。(60分) 【事後学習】ダムの安定計算(空虚時)に関する設計評価を行い,さらにチームの採用断面を選定すること。(60分) B:ブリッジコンテストの予備実験を行う。 【事前学習】グループ内で実験の役割を分担すること。(60分) 【事後学習】予備実験の考察を行うこと。(60分) C:グループ内で土留め壁,腹起しおよび切梁の応力計算と応力度検討に関する設計計算書の相互確認を行い,地盤条件が土留め壁等の各部材に及ぼす影響について考察する。 【事前学習】土留め壁,腹起しおよび切梁の応力計算と応力度の計算書を精査しておくこと。(60分) 【事後学習】グループ内の相互確認を踏まえ,留め壁の腹起しおよび切梁の応力計算と応力度の計算書を完成させておくこと。(60分) |
第11回 | A:ダム上流側への影響範囲,護岸設計,さらにダム下流側の流況,副ダムの形状・設置位置に関する解説を行い,河川構造物の設計を行う。 【事前学習】河川構造物の設計に関連する資料に目を通し,これまでの設計方針に対するチェックを行うこと。(60分) 【事後学習】河川構造物に関する設計検討書を確認すること。(60分) B:予備実験の考察および改善案の検討(図面,構造計算書,数量計算書の2次チェック)を行う。 【事前学習】予備実験結果を踏まえ,模型の改良箇所をグループ内で議論すること。(60分) 【事後学習】模型の図面等を修正すること。(60分) C:土留め工事の積算に関する講義を行い,各自の設計条件における積算書を作成する。 【事前学習】土留め工事の積算に関する資料に目を通しておくこと。(60分) 【事後学習】土留め工事の積算に関する計算書を見直しておくこと。(60分) |
第12回 | A:土木事業における予算作成手順などについて解説するとともに,簡単な積算演習を行う。また,副ダムの安定計算,副ダム下流側の護床工の設計,設計図面の作成を行う。 【事前学習】ダムの設計全般に関する資料を再確認すること。(60分) 【事後学習】副ダムの安定計算,副ダム下流側の護床工の設計結果を再評価するとともに,設計図面に関する資料に目を通すこと。(60分) B:本実験用木製橋梁模型製作を行う。 【事前学習】模型製作の工程を検討すること。(60分) 【事後学習】模型製作の工程を見直し,適宜修正すること.必要であれば,書類(図面等)を修正すること。(60分) C:実際の掘削地盤工事を伴うプロジェクトにおける設計・施工についての学ぶ。 【事前学習】実際のプロジェクトに関する資料を確認しておくこと。(60分) 【事後学習】実際のプロジェクトでの設計上の要点を整理しておくこと。(60分) |
第13回 | A:設計計算書の取りまとめと設計書概要版を作成し,さらにプレゼンテーションの準備を行う。 【事前学習】各自設計計算書を精査しておくこと。(60分) 【事後学習】プレゼンテーションの準備を進めること。(60分) B:本実験用木製橋梁模型製作を行う。 【事前学習】模型製作の工程を検討すること。(60分) 【事後学習】ブリッジコンテストの準備を進めること。(60分) C:本設計課題を掘削地盤工事を伴う実際のプロジェクトに適用するにあたり,検討すべき項目について,グループ内で議論し,プレゼンテーションの準備を行う。 【事前学習】実際のプロジェクトにおける土留め工事の検討に必要な資料を調べておくこと。(60分) 【事後学習】グループで議論したことを踏まえて不足する点を調べておくこと。(60分) |
第14回 | A:設計課題に関するプレゼンテーション(報告会)を行うとともに,課題資料の内容を必要に応じて見直す。 【事前学習】チームごとに設計課題に関するプレゼンテーションの準備をすること。(60分) 【事後学習】報告会結果を踏まえて設計計算書および概要版の見直しを行い,提出物を完成させる。(60分) B:NUBC(ブリッジコンテスト,成果報告会)。 【事前学習】ブリッジコンテストの準備を進めること。(60分) 【事後学習】ブリッジコンテスト成果報告書を作成すること。次回の授業内で提出された報告書に関する総括を行う。(60分) C:本設計課題を実際のプロジェクトに適用するにあたり,さらに検討すべき項目についてプレゼンテーションを行う。 【事前学習】実際のプロジェクトにおける土留め工事に関するプレゼンテーションを準備すること。(60分) 【事後学習】プレゼンテーションでの指摘箇所を調べておくこと。(60分) |
第15回 | A:設計課題の提出,およびダムプロジェクトにおける調査から設計に関する総括を行う。 【事前学習】設計計算書などの最終版を完成させること。(60分) 【事後学習】総括を踏まえてダムプロジェクト全体を復習すること。(60分) B:ブリッジコンテストの考察,橋梁設計に関する講義を行う。 【事前学習】これまでの授業内容を復習すること。(60分) 【事後学習】ブリッジコンテストの考察を踏まえて橋梁設計上の留意点を復習すること。(60分) C:本設計課題とプレゼンテーションを総括し,プロジェクト全体における設計の役割に対する理解を深める。 【事前学習】実際のプロジェクトにおける土留め工事に関する最終プレゼンテーションを準備およびすること。(60分) 【事後学習】総括を踏まえて,設計書および実際のプロジェクトにおける土留め工事に関するレポートを作成し,期日までに提出すること。(60分) |
その他
教科書 |
大津岩夫,安田陽一編 『水理学』 理工図書
Aグループ:水理学。
各グループにおいて適宜参考資料などを配布する。
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参考書 |
社団法人日本河川協会編 『建設省河川砂防技術基準(案)同解説 設計編[Ⅰ]』 技報堂出版
社団法人日本河川協会編 『改定 解説・河川管理施設等構造令』 技報堂出版
Aグループ:
建設省河川砂防技術基準(案)同解説 設計編[Ⅰ],
改定 解説・河川管理施設等構造令
B,Cグループ:講師より適宜指示をする。
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成績評価の方法 及び基準 |
各グループにおいて与えられた課題に対する成果物(設計計算書,模型など)、発表能力を総合的に評価する。 成果物70%、発表能力30%程度の割合で評価する。 |
質問への対応 | オフィスアワーを基本とするが、都合がよければ適宜対応する。非常勤講師の先生方へ質問がある場合は、各コース窓口教員が連絡する。 |
研究室又は 連絡先 |
Aグループ窓口:原(hara.masato20@nihon-u.ac.jp) Bグループ窓口:長谷部(hasebe.hiroshi@nihon-u.ac.jp) Cグループ窓口:重村(shigemura.satoshi@nihon-u.ac.jp) |
オフィスアワー |
土曜 駿河台 13:00 ~ 13:15 Aグループ:授業実施教室
土曜 駿河台 12:15 ~ 13:15 Bグループ:タワー・スコラ10階S1026室
土曜 駿河台 13:00 ~ 13:15 Cグループ:授業実施教室
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学生への メッセージ |
・課題を成し遂げ成果をあげるためには授業に出席することが重要です。 |