2021年 理工学部 シラバス - 交通システム工学科
設置情報
科目名 | 材料化学 | ||
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設置学科 | 交通システム工学科 | 学年 | 1年 |
担当者 | 大宅 淳一 | 履修期 | 後期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 月曜5 |
校舎 | 船橋 | 時間割CD | B15B |
クラス |
概要
学修到達目標 | 将来的に建設材料を取り扱う機会が多い学科の学生を対象とした科目である. 主にセメント系材料の化学を中心に学習する予定であるが,化学の基礎的な内容についても併せて幅広く学習する. 本科目は、交通システム工学科の学習・教育目標A~Iのうち、「C 専門基礎学力」の達成に関与する重要科目です. |
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授業形態及び 授業方法 |
高等学校で化学を履修していなくとも理解できるように,基礎的な事項の解説から最近のトピックスの紹介までを行う. ハイブリッド型授業(対面方式での授業およびオンデマンド方式での授業を併用)する予定である. なお,出席状況は各回の課題の提出をもって判断する.(提出先はポータルサイト等を予定している) また,課題等のフィードバックについては,ポータルサイトを利用して提出物を添削する予定である. |
履修条件 | 基礎教育科目・基礎科学分野(化学系)・選択科目 環境ライフサブメジャー・コース設置科目 |
授業計画
第1回 | ガイダンス 授業の進め方など セメント化学の概要と専門科目(コンクリート材料)との関連性 事前学習(60分):コンクリートがどう作られているのか,どのようなものを材料としているのか,調べる. 事後学習(180分):授業後, プリント及びノートの内容を復習する. 疑問点があれば次回に確認する. |
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第2回 | セメントとは何か? セメント・コンクリートの歴史(ローマンコンクリート~ポルトランドセメントの誕生) 事前学習(60分):コンクリートおよびそれに類する材料の歴史に関連して,古代ローマで用いられていたコンクリートについて調べる. 事後学習(180分):授業後, プリント及びノートの内容を復習する。 疑問点があれば次回に確認する. |
第3回 | セメントの定義と分類,ポルトランドセメントの構成成分と製造方法,原料 事前学習(60分):気硬性,水硬性という用語について調べてくる. 事後学習(180分):授業後, プリント及びノートの内容を復習する. 疑問点があれば次回に確認する. |
第4回 | セメントの化学組成計算に必要な化学の基本(その1) 原子の構造と化学結合,酸化物の形式 事前学習(120分):高校の「基礎化学」あるいは「化学」の原子の構造に関して予習してくる. 事後学習(120分):授業後, プリント及びノートの内容を復習する. 疑問点があれば次回に確認する. |
第5回 | セメントの化学組成計算に必要な化学の基本(その2) 分子・(原子団)イオンの構成と式量(分子量)を用いた物質量(モル数)への換算 事前学習(120分):化学反応とそれらの計算について,高校の「基礎化学」より「化学変化に関わる諸法則(質量保存の法則,定比例の法則,倍数比例の法則,気体反応の法則,アボガドロの法則など)」について調べてくる. 事後学習(120分):授業後, プリント及びノートの内容を復習する. 疑問点があれば次回に確認する. |
第6回 | セメントの化学組成計算に必要な化学の基本(その3) 式量や分子量を用いた計算,周期表と元素の性質,化学結合 事前学習(120分):化学反応とそれらの計算について,高校の「基礎化学」より「化学変化に関わる諸法則(質量保存の法則,定比例の法則,倍数比例の法則,気体反応の法則,アボガドロの法則など)」について調べてくる. 事後学習(120分):授業後, プリント及びノートの内容を復習する. 疑問点があれば次回に確認する. |
第7回 | ポルトランドセメントの構成成分とそれらの水和反応 クリンカー化合物の性質と化学組成 事前学習(120分):第4回目の内容について確認するとともに,原料の成分について調べてくる. 事後学習(120分):授業後, プリント及びノートの内容を復習する. 疑問点があれば次回に確認する. |
第8回 | セメントの水和反応過程,ポルトランドセメントの種類,コンクリートの材料に求められる品質(1) クリンカー化合物の水和特性と凝結のメカニズム,ポルトランドセメントの種類,コンクリートの材料である「ポルトランドセメント」に求められる品質について理解する. 事前学習(60分):ポルトランドセメントの化学組成を確認するとともに,高校の「化学」よりカルシウムの反応(酸化カルシウム,水酸化カルシウム,炭酸カルシウムなどの性質)を確認しておく. 事後学習(180分):授業後, プリント及びノートの内容を復習する. 疑問点があれば次回に確認する. |
第9回 | コンクリートの材料に求められる品質(2) および フレッシュコンクリートの性質(1) コンクリートの材料である「骨材」に求められる品質 について理解するとともに,フレッシュコンクリートの性質について学習する. 事前学習(120分):コンクリートの材料(01回目,02回目の授業内容)について確認する. 事後学習(120分):授業後, プリント及びノートの内容を復習する. 疑問点があれば次回に確認する. |
第10回 | フレッシュコンクリートの性質(2) および 混和材料(1) フレッシュコンクリートの性質を理解し,さらに混和材料である(化学)混和剤の種類とその性能について学習する. 事前学習(60分):コンクリートに様々な性質を付与する化学混和剤についてあらかじめ調べてくる. 事後学習(180分):授業後, プリント及びノートの内容を復習する. 疑問点があれば次回に確認する. |
第11回 | 混和材料(2) 混和材料である「混和材」について,それらの種類や副産物の利用に関して理解する. 事前学習(120分):コンクリートの材料として,様々な業種の副産物が「混和材」として利用されている.コンクリート業界の副産物利用の取り組みについて調べてくる. 事後学習(120分):授業後, プリント及びノートの内容を復習する. 疑問点があれば次回に確認する. |
第12回 | 混和材料(3) および コンクリートの養生 コンクリートに混和される材料のうち,ポルトランドセメント,骨材,混和材,混和剤以外の材料(水,特殊骨材など)について確認する.さらに,コンクリートの養生について理解する. 事前学習(120分):高校の「化学」における「化学反応」の反応速度にかかわる因子(温度,濃度など)について調べてくる. 事後学習(120分):授業後, プリント及びノートの内容を復習する. 疑問点があれば次回に確認する. |
第13回 | コンクリートの構造と硬化コンクリートの体積変化,ひび割れ コンクリートの組織構造について理解するとともに,硬化コンクリートの体積変化やひび割れについて理解する. 事前学習(120分):コンクリートの材料(01回目,02回目の授業内容)と水和生成物の性質(07回目の授業内容の一部)を確認しておく. 事後学習(120分):授業後, プリント及びノートの内容を復習する. 疑問点があれば次回に確認する. |
第14回 | コンクリートの耐久性 コンクリートの耐久性にかかわる様々な劣化現象について理解する. 事前学習(120分):高校の「化学」よりカルシウムの反応(酸化カルシウム,水酸化カルシウム,炭酸カルシウムなどの性質)を確認しておく. 事後学習(120分):授業後, プリント及びノートの内容を復習する. 疑問点があれば次回に確認する. |
第15回 | セメント系固化材 地盤改良等に使用されるセメント系固化材について,セメント系材料の水和反応の面から理解する. 【事前学習(120分)】土質および地盤改良についてあらかじめ調べておくこと. 【事後学習(120分)】解答した内容がどの程度合っていたか,間違えている箇所があったとすれば,その要因を考え,各自で再度確認して理解を深める. |
その他
教科書 |
説明に必要な図表等はスライドとして準備するので,教科書の指定はしない。
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参考書 |
戸川 一夫 『建設材料』 森北出版 2012年 第2版
松井勇・出村克宣・湯浅昇・中田善久 『最新 建築材料科学』 井上書院 2012年 第1版
坂井悦郎・大門正機 『新・社会環境マテリアル』 セメント新聞社 2017年 第1版
その他の参考書類についてはガイダンスや授業中で随時紹介する。
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成績評価の方法 及び基準 |
授業毎回の課題(45%:15回分)およびレポート(55%:2回分)をもとに成績評価を行う。 |
質問への対応 | 授業中および授業後または下記オフィスアワーにて質問をお受けしますが,それ以外の時間でも下記研究室に在室中であれば随時質問をお受けします。 また,電子メールによる問い合わせも歓迎いたします。 |
研究室又は 連絡先 |
船橋校舎8号館814室 ooya.junnichi※nihon-u.ac.jp (※には@を入れてください.また,綴り間違いに注意してください.) なお,メール連絡の際には,学科名,学生番号,氏名を明示してください. |
オフィスアワー |
火曜 船橋 12:15 ~ 13:15 左記以外にも在室時には随時対応
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学生への メッセージ |
卒業後の進路で公務員や建設系の企業を目指す場合,実際の現場では使用する様々な「材料」に関する幅広い(材料学的な)知識が必要とされます。材料学の本質を知るには,それを構成している化学物質に関する理解も必須となります。 高校時代,化学を学んで来なかった学生諸君も興味をもって積極的に受講してください。 |